グループホームは離職率が高い?介護士の離職を防ぐための「チームワーク」とは?

教えて!介護士ってどんな仕事?
※画像はイメージです。
グループホームの離職率は高いと思っている人
グループホームの離職率は高いと思っている人

介護業界は離職率が高いと聞くし何だか不安。どうしてグループホームはチームワークが大切なの?いい支援をしたいけど、どうしたらいいか分からない!

グループホームでは、入居者である認知症高齢者が出来る限り自立した生活を送るため、専門のスタッフが24時間サポートしています。グループホームの介護士に求められるのは、「チームワーク」です。

日々の申送りでは報連相を欠かさず、会議では支援について議論がなされています。現場では「チームワーク」を意識し、スタッフ同士阿吽の呼吸で支援をしています。

そこで今回は、これからグループホームで働きたい方向けに、「チームワーク」の重要性について解説します。

記事のテーマ
  1. 「チームワーク」の重要性
  2. 認知症高齢者への接し方
  3. 「ケアする人のケア」が大切
  4. チームワークに必要なリーダー像
  5. 支援の多様性について考える

いい支援は「チームワーク」から生まれる

いい支援は「チームワーク」から生まれる

グループホームではマニュアル通りの支援はなく、認知症の症状を見極めた臨機応変な対応やスタッフ同士の円滑なコミュニケーションが求められます。

スタッフの支援に差が出ないよう切磋琢磨し合い、よりよい支援が行き届くために助け合いの精神がなくてはチームワークが成り立ちません。

グループホームの支援とは

認知症の症状は日々変化していきます。また、出来る限り自立した生活を支援していたとしても、認知症が緩やかに進行することで、今迄通りにいかなくなることは自然な流れと言えます。

症状によっては、支援の方向性がすぐに見つからない場面にも遭遇します。そんな時は、スタッフ1人1人が意見を出し合い、今出来るベストな支援をチームワークでつなぎましょう。

業務をこなさないために

時間に追われながら経験を重ねていくうちに支援が投げやりになり、ただ業務としてこなすようになってしまうのは、実はベテランになる程よくあることでもあります。個人の尊厳をないがしろにしないよう、日々精進が必要です。

コミュニケーション能力は必要不可欠

コミュニケーション能力は必要不可欠

グループホームは認知症高齢者を対象とした施設です。認知症の正しい理解と接し方について分からないままでいると、周りの支援にも影響してしまいます。

無資格・未経験でも働けるところはありますが、基本姿勢の心得はあった方がいいでしょう。

認知症高齢者への接し方

Point
  1. 低めの声で、情報は少なめに区切って会話をする。
  2. 同じ目線の高さから、温かく優しい笑顔と仕草で接する。
  3. 相手の気持ちを受け入れ、よき聞き手になる。
  4. 人生の先輩として尊敬の念を持って接し、自尊心を傷つけない。
  5. 言動には奥底の思いや背景があることを理解する。

非言語コミュニケーションを意識しよう

アメリカの心理学者・メラビアンの実験によると、言葉によって伝わる感情は僅か7%にすぎず、残りの93%が声の調子や眼差し、仕草といった「非言語コミュニケーション」によって伝わっていることが分かっています。

認知症高齢者への「傾聴」は基本

言葉だけでは中々伝わらないことも、背中や手に触れるといった非言語コミュニケーションと一緒に行えば相手により伝わりやすくなります。

相手の話に真摯に耳を傾ける「傾聴」を基本に、おおらかな気持ちで接しましょう。

「ケアする人のケア」をしよう

「ケアする人のケア」をしよう

介護士は1回限りのお付き合いではなく、相手と長期的に関係が続くものです。加えて、グループホームのスタッフは全員と顔馴染みになるため、コミュニケーションが密になりがちです。

日々の「ありがとう」から「看取り」までケアする介護士は、人間味溢れる多くの感情に触れます。生死に関わる緊張とも隣り合わせであり、専門性が問われるため、時には重圧からストレスで押しつぶされそうになることでしょう。そんな時こそ「チームワーク」を思い出してください。

介護士を孤立させないために

痛みを共有出来る仲間を身近に感じれば、ぐっと心が軽くなります。凹んでいる時、ちょっとしたことで声を掛けられたら嬉しいですよね。

役職に関係なく、何かあった時にそっと自分から声を掛けていれば、いつか相手も、あなたが大変な時に気付いて声を掛けてくれることでしょう。

ホスピタリティの精神を持つことが「チームワーク」に繋がる

グループホームに限らず、介護士には接遇が求められます。入居者や家族のみではなく、一緒に働く全ての人に「相手を思いやる心」を持って接すれば、自然とチームワークが形成されます。

また、洞察力や想像力を鍛えることで、相手が求めていることを推測する「先回り」も大切です。

チームワークの進化は「改善を重ねること」

ただ決められたことをその通りに行うマニュアル主義では、グループホームのような認知症高齢者専門の現場では通用しません。

入居者の状況、認知症の症状も時間と共に変化していきます。支援の多様性を考え、臨機応変に改善を重ねていくことで、チームワークも進化していけるのです。

「チームワーク」を確立させるリーダー像とは?

「チームワーク」を確立させるリーダー像とは?

介護業界で働く人は「何かに貢献したい」という思いから始めたという人が多いです。グループホームなら尚更、「認知症を理解したい」「個人の尊厳を守った支援をしたい」「他者と深く関わりたい」という考えの人が選んでいることでしょう。

チームワークを確立するためには、どんなリーダーが相応しいのでしょうか?

「人を動かせる人」がリーダーになるべき理由

ユニットリーダーの選び方は施設によって異なりますが、周囲からの信頼が何より大切です。入居者やスタッフとも打ち解け、柔軟性があり、相手が自然と動くように演出出来る人がリーダーになるとチームワークがアップします。

反対に、入居者や家族にはいい顔をしていても、スタッフには指示やダメ出しが多く、部下の悪口を言っている様な人だったどうでしょう。チームワークが成り立たないどころか、取り返しのつかない溝が生まれてしまいます。

メンバー全体がリーダーシップをとる

抜きん出た高度なスキル、発言力のあるカリスマ性よりも、メンバー全員がリーダーシップを持っている方がよいチームワークに繋がります。

グループホームではひとりひとりが自分の仕事に責任を持ち、相手を思いやる心や協調性があれば、チームワークが確立されよい支援が出来るでしょう。

こんな時はどうする?!Q&A

こんな時はどうする?!Q&A

グループホームの日常には、認知症が引き起こす小さなトラブルから大きなトラブルまで、実に様々な出来事が起こります。こんな時、あなたならどうしますか?

グループホームの介護士になったつもりで、支援の多様性について考えてみましょう。

綺麗に食べることが出来ない

Sさんは骨のある魚もお箸で綺麗に食べていましたが、認知症が進行し、おかずが認識出来なくなったためか、時折通常とは異なる食べ方をするようになってしまいました。

皆で食卓を囲っていますが、今後どのように支援していけばよいでしょうか?

Sさんへの支援例

  1. Sさんの隣にスタッフが着席し、さり気なく食べ方を教える。
  2. Sさんが食べやすいように、おかずや果物は一口サイズで提供する。
  3. Sさんと仲のいい入居者やスタッフと共に、時々別の場所で食べて様子見する。

1人で出掛けたがる

単独行動が好きなIさんは、人一倍自負が強く歩行に問題のない自立度が高めの入居者です。自分より高齢で要介護度が重い方々との共同生活に嫌気が差したのか、日用品を買いにすぐそこまで1人で出掛けたいと希望されるようになり、今すぐにでも出掛けたいご様子で苛々されています。今後どのように支援していけばよいでしょうか?

Iさんへの支援例

  1. スタッフは見つからない様に後を付け、道に迷っていないか等安全性を確かめる。
  2. 高齢者向けの携帯電話にグループホームの連絡先を入れて1人での買物を試してみる。
  3. 興味のあることや以前の趣味を再開して日々の暮らしをより充実したものにする。
  4. Iさんが楽しめる様な外出計画を定期的に立て、外出でリフレッシュしてもらう。

毎朝玄関へ向かう

Jさんは入居後毎朝の様に玄関へ向かい、スタッフが声を掛けても外へ出て辺りを歩かれています。

理由を聞いても認知症のため言葉がスムーズに出てこず、はっきりとした目的は分かりませんでしたが朝からの帰宅願望ではなさそうです。背景には何があると想像出来ますか?

Jさんへの支援例

  1. Jさんの朝の行動をおさらいし、Jさんに色々と聞いてみる。
  2. 家族へ事情を説明し、以前Jさんが朝どのように過ごしていたか確認する。
  3. 郵便受けをJさん用に設置する。
  4. Jさん専用の朝刊を用意する。

家族がいない入居者との関わり方

週末やイベント毎がある季節。家族が来訪すると、楽しそうにリビングで寛ぐ姿が見られます。次々と嬉しそうに出掛けていく後姿。

しかし、入居者の中には様々な理由で家族が来ない方もいます。独身で家族のいないKさんは他の入居者の家族が来訪すると機嫌を損ね、居室へこもってしまいました。

この後、あなたならどんな支援をしますか?

Kさんへの支援例

  1. ティータイムはKさんの居室で一緒に過ごす。
  2. 気分転換に近所へ出掛け、買物やお茶などをする。
  3. Kさんの好きな好物を献立に取り入れ、一緒に作る。
  4. 仲の良いスタッフと外出するなど、人と一緒に過ごす機会を設ける。

お腹いっぱい食べないと気が済まない

食いしん坊のLさんは、ご自分での盛付が山盛りになりがち。入居前はおやつを毎日食べていたと家族から聞いています。

入居後暫くすると「おやつも自由に食べられないから楽しみがない、帰りたい」「ここは物が無くなる」と言うようになり、体重が増加傾向にあり被害妄想も出てきました。

あなたならどんな支援をしますか?

Lさんへの支援例

  1. 飴やゼリーなど、ローカロリーのお菓子を定期的に居室へ「特別に」と提供する。
  2. ご飯や汁物の盛付は、敢えてスタッフがさり気なく調整したものをお渡しする。
  3. 買物や散歩、ラジオ体操など、無理のない範囲で軽く体を動かしてもらう。
  4. Lさんのご飯やおかずはスタッフが盛付をして、糖質・カロリーオフのものを上手く代用する。

まとめ

グループホームでの「チームワーク」の重要性は理解できましたか?

新人のうちは、中々周りが見えずに大変な思いをするかもしれません。経験を積み役職が付けば、家族対応やスタッフ間の意見の相違にも対応するなど、よりハードワークになっていくでしょう。

しかし、1人のスタッフから現場の雰囲気が変わることは十分にあります。あなたの頑張りや優しさは、必ず誰かが見ています。

「チームワーク」を確立させることこそが、現場の離職率を下げる解決策であることをどうか忘れないでください。

この記事を書いた人

メリーゴーランド

キャラの強い先生や個性豊かな生徒の皆さんに圧倒されつつも、勉強していくうちに認知症に興味がわき、グループホームへ無事就職。入居者の方々やスタッフにも恵まれ介護福祉士の資格を取得し、以後4年間正社員として勤める。

資格

  • 介護福祉士
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