私は介護の仕事をしていてとてもやりがいに感じる部分があり、やりがいに感じるからこそ今まで介護の仕事をしてきていたと思います。
しかし、実際に介護をしていない方は外から見ても何をやりがいに感じるのかを把握することは難しいでしょう。
また、現在介護をしている方でも仕事に対してやりがいを感じていない人も多いかと思います。
ここでは、私の実体験を交えながら介護の仕事でやりがいに感じる部分についてご紹介していきます。
やりがいを感じる必要性とは
仕事でやりがいを感じるのは非常に良いことです。しかし、人によっては仕事はお金を稼いで、そのお金で生活をする為のものであり、「生活の為に仕事をしている」という方も少なくはありません。
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しかし、介護職として働くのであればやりがいを感じるべきだと私は思っています。介護士としてなぜやりがいを感じるべきなのか、ここではやりがいを感じる必要性についてご紹介していきます。
やりがいを感じると仕事のストレスに強くなる
私の実感ですが、生活の為だと割り切って働いている方よりも、仕事に対してやりがいを感じて働いている方の方が仕事を長く続けている傾向があります。それはなぜかというと介護はトラブルの連続で、ストレスが溜まりやすい仕事であるからです。
例えば、仕事をしていてトラブルが起きたとします。生活の為に働いている方であれば、生活が出来ればそれでいいので、トラブルを避けて転職をする選択肢を取る可能性もあります。
しかし、やりがいを感じている方であれば、多少のトラブルでストレスを感じたとしても、それ以外の場面でやりがいを感じてストレスの発散が出来るため、多少のストレスがあったとしても問題ないことが多いのです。
やりがいはモチベーションアップにつながる
やりがいを感じるようになると仕事が楽しくなります。自分の中でやりがいを感じるようになると、相手から感謝をされることも多くなります。相手から感謝をされると、相手は自分のことを求めていると思うようになります。
自分を必要としている方がいると思うと、自己肯定感が強くなりますし、もっと仕事を頑張ろうとモチベーションがアップしていきます。
仕事をする上で、モチベーションを保つということは非常に大切なことです。「今日は仕事が行きたくないな」と思いながら仕事にいくのと、「仕事にいってたくさん人から感謝されよう」と思いながらいくのとでは、仕事に対する取り組み方が変わってくるでしょう。
やりがいは仕事を続けていく上で必要なことがわかります。
介護士がやりがいに感じる部分とは
一般的に介護士はどのような部分でやりがいを感じるのでしょうか。ここでは、介護士が良く感じるやりがいについてご紹介していきます。
感謝の言葉をもらえるとやりがいに感じる
これはほとんどの介護士が経験するやりがいです。高齢者から「ありがとう」といわれると嬉しくなり、それをやりがいだと感じる方も多いのです。高齢者から感謝されるということは、自分の行った行動が少なからず正しかったということです。
高齢者や家族と信頼関係を築けた時
介護士は高齢者や家族と関わっていきますが、最初はお互い慣れていませんので遠慮しがちです。しかし、徐々に交流を重ねていくことによって信頼関係が築けるようになり、高齢者とも色んな話をして精神的に高齢者を支えていけるようになります。
また、家族に対しても同様です。家族も介護疲労などでも疲れていることもあります、本来自分がしないといけない介護を他人に任せて申し訳ないと思っている場合もあります。
信頼関係を築いて行けることによって「介護を任せていいんだ」と思い、介護士への接し方も変わってくるでしょう。
信頼関係を築いていくということは、介護士にとって非常にやりがいに感じる部分であるといえます。
職員から感謝をされた時
介護は複数の職員で取り組みますので、職員から感謝をされることも多々あります。「手伝ってくれてありがとう」「助けてくれてありがとう」と自分の行った行為に対して感謝されます。
もし自分が助けようという気が無くても、相手から感謝をされると嬉しい気持ちになり、次からも職員を助けようという好循環になることもあります。
私が経験した介護士のやりがいについて
私はどちらかというと、仕事にやりがいを感じる方であり、やりがいがあったからこそ辛い時も乗り越えてきましたし、今でも介護業界に身を置いています。
そんな私が経験した介護士のやりがいについてご紹介していきます。現在仕事をしていてやりがいを感じていない方は是非参考にしてください。
寝たきりの方が発した感謝の言葉
病院の介護士として働いていた際、ある高齢者のAさんが入居されてきました。Aさんは寝たきりの状態で話かけても反応はありません。実はAさんは入居する数日前に脳梗塞になり、意識不明のまま入居してきたのです。
私はそれまで意識がない方は、話かけても反応が無いので必要最低限の言葉がけしかしていませんでした。悪い言い方をすれば聞こえていないのであれば、声を掛けても意味がないと思っていたのです。
しかし、Aさんは意識がないながらも時々顔をしかめる、笑顔になることがありましたので「Aさん今日はこんなことがあって~」「Aさん顔色がいいですね」など様々な話をして反応を変わるのを見ていました。
ある日Aさんの部屋からナースコールがなったのです。驚いた私はAさんの部屋を訪れるとAさんは目を開けており、「おはよう」と言ってくれたのです。Aさんの脳梗塞は一時的なものであり、意識が回復するレベルまで回復していました。
するとAさんは「いつも私に声をかけてくれていたね、声を覚えている。何も返事ができていなってごめんね」と言ってくれました。
私はまさかAさんが意識を取り戻すと思っていなかったので、非常に驚いたと同時に、とても嬉しかったのです。Aさんに声をかけていてよかったと思いました。
こういうことがあってから私は寝たきりの意識の無い方、声掛けをしても反応の無い方に対しても積極的に声をかけることにしました。
そうすることによって家族からも「いつも声をかけてくれてありがとう」といわれることもありました。私は声を掛けることによって、反応がなくてもそれ自体がやりがいに感じるようになったのです。
今まで寝たきりの方は何となく苦手意識がありましたが、そういったことを経験することによって、苦手意識がなくなり、逆に積極的に取り組めるようになったことも嬉しかったことの一つです。
同世代の介護士との何気ない会話
介護士をしているとやりがいに感じる部分は様々ですが、高齢者の対応だけにやりがいを感じるわけではありません。同じ介護士に対してもやりがいを感じることがあります。
私が介護士として働き始めて2年が経った際、新入社員として介護士のBさんが入社してきました。Bさんは私がいうのもなんですが、どんくさい新入社員でした。
仕事を教えてもすぐに忘れてしまう、高齢者と楽しそうに話をするのは良いのですが、やらなければいけないことが遅れてしまうなど、周りの職員から悪いように見られる存在でした。
私はBさんの教育係を担当していましたので、Bさんについて色々工夫をして接するようにしました。Bさんは高齢者が好きで、介護の業界を志望したと言います。そのため、高齢者と会話するのはとても楽しくて、私は介護士をやっていてよかったと思います。
しかし、仕事になると私は手が遅いのでみんなに迷惑をかけていると思う。と落ち込んでしまうことがありました。
私はそんなBさんに対して、Bさんは決して間違っていないので、そのまま高齢者を好きでいて欲しいし、その部分は変わらないで欲しいと伝えました。それと同時に他の職員には出来るだけBさんを暖かく見守ってほしいと伝えました。
介護の仕事の大半は慣れが必要です。時々慣れが必要なく仕事を難なくこなす方もいましたが、Bさんには慣れが必要だったのです。もし、私も他の職員と同じようにBさんを嫌な目で見ていればBさんは辞めていたかもしれません。
Bさんは他の方よりも時間はかかりましたが、数年かけて仕事を他の方と同じぐらいのスピードで進めることが出来たのです。
Bさんは私に対して「色々フォローをして頂いたと聞いています。本当にありがとうございます」と伝えてくれました。
私はその時に介護士に対してのやりがいを感じたのです。介護はチームで働くものですので、介護士とのやりとりでやりがいを感じたのは非常に貴重なものだったといえます。
自身の介護スキルの成長
介護士は専門職ですので、日々の勉強が必要になります。しかし、働いていると勉強をするということはおろそかになりがちで、社会人の大半は仕事以外の場所で勉強しないと聞きます。
しかし、勉強をすることによって自身が成長し、それをやりがいに感じることもあります。私が実際そうでした。
例えば、コミュニケーションについての勉強をしてそれを実践する、実践した結果良い反応がある、ということを経験すると、これからも勉強しようと思うのです。特に介護士は様々な技法があります。
それを知ることによって、より良い介護が出来るので、高齢者から感謝されることもありますし、介護士にそれを伝えることによって感謝されることもあります。
自身の成長がやりがいに繋がることは、多々ありますので、日々勉強をすることが大切だと私は感じています。
まとめ
やりがいは仕事を続けていく上で必要なことですし、やりがいは家族や高齢者自身、寝たきりの高齢者の方でも経験できることです。
相手の表情や言葉を意識して読み取り、感謝をされる、やりがいを感じられるような仕事をしていきましょう。