旅行会社社員から介護業界へ転職、高齢化社会でますます必要とされる介護士

旅行会社社員から介護業界へ転職、高齢化社会でますます必要とされる介護士

現役介護士の深イイ話

インタビュー実施日:2019年07月01日

現役介護士にインタビューすることで、介護職として働くことのメリット、デメリットを伝え、これから介護職を目指そうとしている人達の背中を押すことが最終的なゴールです。
プロフィール

大学卒業後に新卒で旅行会社に入社。店頭販売担当として10年、お客さまの接客対応。

しかし、販売の環境変化(ネット販売増)から店頭取扱高は減少傾向。年収が下がったと同時に、今の仕事のやり甲斐について考えるようになる。

人の役に立つ仕事に転職をしたいと考え、本格的な高齢化社会に突入していく過程で必要とされる高齢者施設の介護士への転職を決意。

現在は介護士の経験を活かしながら、施設管理者として勤務。

介護職員 遠藤さん

あなたにとって介護職とは?

介護を一生の仕事としていきたいので介護福祉士の資格取得をしたい。自分の成長も実感できるのが、介護士の魅力。

私のざっくり変遷記(職務経歴概略)

1998年4月~2008年9月
大学卒業後に旅行会社の店頭販売を担当
定年退職後の旅行を楽しまれるお客さまを数多く支援。
2008年5月
高齢者分野への転職を考える
将来的な不安により旅行会社(店頭販売)に疑問を感じて高齢者分野への転職を考える。無資格未経験では厳しいと考え、ホームヘルパー2級(介護職員初任者研修)を受講(約3ヶ月)取得。在職中のため受講日の調整で苦労する。
2008年12月〜2015年2月
有料老人ホーム(特定施設)に介護士(正職員)として入職
未経験のため日勤の時間帯から担当し、6ヶ月経過後から夜勤の勤務も担当。入居者60名。介護度は要介護1~要介護5までと幅広い介護を経験。
2015年4月~現在
特別養護老人ホームへ転職
入居者増加と合わせてスタッフも増員。人事異動が発生して現在は施設管理者として運営面に携わる。

私はこんな介護士です。

私はこんな介護士です。

30歳を過ぎての転職で、無資格未経験は厳しいかと思い「ホームヘルパー2級(介護職員初任者研修)」の資格を取得して介護士になりました。資格取得で得た知識は大切で、現場で得た知識と比較して「何が最善なのか?」といった視点を持つことができました。

介護の現場(有料老人ホーム)はチームで成り立っています。介護職の他に「施設管理者・ケアマネージャー・生活相談員・看護師・機能訓練士」といった専門職で構成されています。

私は介護士の視点だけでなく、他職種(専門職)はどうかんがえるのか?常に相談しながら入居者や家族のニーズに応えようとしています。

介護士の視点では「私の判断の方が正しいのでは?」と思っていても、医療的視点(看護師)からは、入居者の転倒リスクを高める等危険につながることもあります。

そこで、会議やミーティング等で意見を交えながら決定していくチーム力を大切にしている介護士です。

編集部

どのようなことをキッカケに介護士になったのでしょうか?

介護士になったきっかけは2点あります。

1点目は高齢者の外出支援を考えました。

旅行会社で勤務していて、70歳~80歳代のお客さまの手配を数多くしてきました。

しかし、加齢(要介護)に伴い旅行ができなくなるお客さまを多く見かけるようになりました。そういった環境にずっと身を置くと、高齢者の旅行・外出支援をする会社は少ないと感じて、何かお役に立てないかと思うようになりました。

支援のためには、介護士としての知識・経験がしっかり実体験として根付いていなければならないだろうと考え介護士へ転職しました。

2点目は高齢者支援を生涯長きに渡って行いたいと考えました。

経済環境の変化に伴い斜陽化してしまう業界を多くみてきました。次に働く分野は安定している分野がいいと思い高齢者支援の介護士を目指しました。

介護の分野はキャリアアップも可能で、現場経験+実務者研修+筆記試験で介護福祉士やケアマネージャーへチャレンジできます。

通信教育や通学が必要になりますが社会福祉士(相談職)の資格取得も可能です。

目標を持って業務に就ける介護業界と考え転職しました。

編集部

介護士になって良かったこと、やり甲斐は何ですか?

介護士になって良かったこと、やり甲斐は何ですか?

介護士という仕事はチームで取り組む仕事です~だからやり甲斐もあります!

介護士として毎日実体験していることがあります。365日運営されている施設なので、毎日自分が勤務しているわけではありません。シフト制の交代で勤務します。

「ある入居者の方への声掛けがどうしてもうまくいかない」「入浴を拒否されてしまう」等発生します。

お風呂に入りたくない?意外に思われるかもしれませんが施設内ではよくあるケースです。

しかし、あるスタッフの場合は1~2回目の声掛けでスムーズに入浴できてしまうことがあります「何が原因だろうか?」「どうすれば解決できるのであろうか?」場面を思い出しながらチームで相談します。

すると、「声掛けのタイミング」や「入浴の順番」等が原因であると判明することがあります。

介護士にとっては小さな問題に思えますが、入居者からすると大きな問題とのこと。

このような事例は一人で考えていても解決できないでしょう。チームで「スムーズに行えた理由は?」と相談することが大切です。

このようなケースを重ね、その都度記録すると入居者のニーズや傾向が解ってきます。施設生活を送るうえで相互理解は大切だと思います。

より良い生活環境の整備は入居者や家族からの信頼につながります。「この施設に入居して良かった!」とおっしゃっていただけると嬉しいですね。

編集部

印象に残っているご経験はどのようなことですか?

施設を訪問されたご家族さまに入居者の方の生活の様子を説明できるように心がけています。

入居型の施設なので入居者と家族は離れて生活しています。ご家族さまからすると「毎日の生活はどうだろう?」「食事は食べられているのかな?」「他の入居者の方と話はしているのかな?」など気になる点は多いのですが、介護士が忙しそうに働いているとご家族さまは声掛けがしづらいようです。

そこで、ご家族さまへ挨拶をした後に施設の生活の様子をお話しするようにしています。

多くの場合入居者やご家族さまどちらも自宅で生活したいのが本心です。しかし、ご家族さまの仕事と介護の問題で在宅介護が困難となり入居されてきました。

「自宅でできれば家族と暮らしたい!」その気持ちを少しでも満たしたいと思い声掛けを積極的にしています。

春先にある入居者の方が、自宅の近くの小学校(実の息子さんが登校していた)の桜の話をしてくれました。入居者からは息子(60代)も忙しいと思い外出したいとは言えないそうです。

余計なお世話だったかもしれませんが、そのエピソードを息子さんに話したところ、開花の季節に自宅近くの小学校に入居者の方を連れて外出をしてくれました。

ご本人と息子さんもとても喜ばれ、懐かしい気持ちで施設に戻ってきました。

その夜に「○○さんが息子に桜の話をしてくれたの?ありがとう」とおっしゃって下さりました。

相手が実の親子でも、遠慮(相手を思う)の気持ちで生活をされている入居者も多いようです。

編集部

仕事に就かれた当初苦労されたことなどありましたらお願いします。

医療的な面(病気や症状)を覚えて活用する苦労がありました。 入居者の認知症・病気の状況、例えば「アルツハイマー型認知症・脳血管性認知症・レビー小体型認知症」等々あります。

同じ認知症ではありますが症状や対処法は大きく異なります。

ヘルパー2級・介護職員初任者研修の履修過程で基本的な内容は学びます。全く基礎知識が無い状態で仕事に就いたら「解らないことが解らない」といった状態だったと思います。

当初そして今でも苦労するのは「認知症が特定されていなケース=診断が出ていない」入居者もおります。

その場合、チームでケースを拾い上げる作業から入ります。現場での症状や様子を介護士や機能訓練士・看護師が拾い上げます。入居までの経歴は生活相談員が家族からも聴き取りを行います。

専門医に診断を仰ぐ必要はありますが「入居者の生活の様子」を記録していき仮説を立てて対処していくことが大切です。

その場合でも、施設としての見解を管理者や生活相談員が家族に説明して、決定したことを介護士にも説明して介護を行います。

良くないと思う介護の1つに「自分の経験から判断してこれだ!」と決めつけて、チームで共有しないで入居者への対応を勝手に行う事と思います。

全職員に共有されていないから対応がバラバラとなり、家族への説明も行っていないので信頼されなくなるという悪循環です。

他にも苦労することはありますが他の仕事と変わらないと思います。

入職早々は覚える事もたくさんあり、特に入居者の顔と名前を覚えなければ仕事になりません。名前と顔が解らなければ、食事を配ることもお部屋をうかがう事もできないですね。

しかし、名前と顔は入居者数にもよりますが2~3週間もすれば覚えるでしょう。それよりも、入居者の言動に注意を払って業務に就くクセを持たなければならないと思います。

少しの変化を見逃さない「気づきの心」が大切と思います。

編集部

日頃から大切になさっていることはなんですか?

小さな変化も見逃さない気づきの視点を大切にしています。

高齢者は1~2日で体調変化が起きる事があります。多くの場合は時間をかけてゆっくり進みます。

「食事摂取量が減少してきた」「飲水量が減った(増えた)」「下肢の浮腫み(むくみ)がある」など、変化が診てとれます。

医療的な側面は看護師が記録をしているので、バイタル(血圧等)変化は申し出があるでしょう。

しかし、夜勤の時間帯の変化等は朝まで待っていては手遅れになることもあります。

そこで、入居者の病歴などの記録は全て目を通すようにしています。入居までの経緯や生活環境そして病歴です。

生活相談員やケアマネージャーといった専門職が記録をしているので、頭の中にインプットしておきます。そうすることで、急変への対処も素早く可能となります。

編集部

今後やりたい事や目標などありますか?

介護を一生の仕事としていきたいので介護福祉士の資格取得を考えています。

現在は管理者として施設運営を行っていまので、直接必要ではありませんが取れる時にとりたいですね。介護士としての経験が管理者業務に活かせられて面白いです。

毎日感じてしまう事は、介護業務は自分でやった方が早いと思ってしまうことがあるので我慢が必要です。

自分も業務をしながら試行錯誤で、チームと相談して決定してきたプロセスを学びました。

管理者として答えを出してしまわないで、介護士に考えてもらうようにしています。

高齢者支援への転職を考えた動機「外出支援を行いたい」という気持ちは今でも持っています。高齢者に特化した旅行会社への転職も考えています。

編集部

これから介護の仕事を目指している人へメッセージをお願いします。

これから介護の仕事を目指している人へメッセージをお願いします。

介護の仕事は待遇面「給与・休日・残業等」で厳しいと思われる方は多いと思います。

しかし、施設や運営会社によって大きく異なるようです。適切な人員配置になっていれば基本的に残業はありません。公休やある程度の有給消化も可能です。

「しっかりと昇給(評価されている)しているのか?」「賞与は希望額(月数)支給されているのか?」「お休みは?」をチェックしましょう。

と言ったところで、実際に入職してみないと実情は解らないものです。

そこで、派遣社員として配属される方法もあります。自宅周辺等希望の施設に配属可能か派遣会社に確認をします。契約可能な場合なら、その派遣会社に登録をして施設訪問を行い顔合わせで採用です。

これならば、求人票の内容(待遇面)が守られているのか、職場の人間関系や入居者の様子も解ります。

「自分の働きたい施設ではないな」と思えば派遣先を契約満了で他の施設に変えてもらえばいいでしょう。

採用面接で履歴書を拝見した時に、あまりにも短期間(1~3年)で職場を変えている介護士とお会いすることがあります。

本人に理由はあるのでしょうが、人物的に問題があるのかと考えてしまいます。

派遣社員なら、職場は変わっても登録会社が変わらなければ、履歴書上の転職回数とはならないのでマイナスには成りません。

介護の仕事は対人援助職です。高齢者や家族とのコミュニケーションが好きならばおすすめの仕事です。話すことで感謝もされる仕事です。

しかし、話し込んで業務が滞ってしまうのは問題です。

業務をしながら会話をするのが大切です。慣れてくると仕事の配分やペースが決まるので楽ですし、イレギュラー対応もできてくると充実感を持って取り組めます。

自分の成長も実感できるのが、介護士の魅力でもありますね。

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