高校卒業後、無資格未経験の状態で介護の世界へ

現役介護士に話を聞く「深イイ話」

現役介護士の深イイ話

インタビュー実施日:2020年01月25日

現役介護士にインタビューすることで、介護職として働くことのメリット、デメリットを伝え、これから介護職を目指そうとしている人達の背中を押すことが最終的なゴールです。

プロフィール

高校卒業後、就職に悩んだ末、介護士の母に勧められてデイケアへ入社。ヘルパー2級(現在は初任者研修)を働きながら取得。初めての介護職で、最初は戸惑いが大きかったが、慣れてくるに連れて、介護士は自分にとって天職だ。と思えるほどに、仕事が楽しくなる。その後、小規模多機能ホームに転職。

結婚、出産をし、1年間子育てをしながら勤務するが、通勤距離が長いことや、子育てをしながら正社員で働くことへの体力的限界を感じ、8年目に退職する。

サービス付き高齢者住宅に事務員として入社。入社してしばらく、現場に戻りたいと思うようになり、事務員兼、介護士として、1年間勤務する。現在は、子育て専念のため、在宅のwebライターとして働いている。

介護職 yesyellowさん

あなたにとって介護職とは?

とても刺激があり、やりがいのあるものでした。短いスパンで出会いがあり、別れがあります。1人1人の人生にこんなにも触れられる仕事は少ないと思います。

私のざっくり変遷記(職務経歴概略)

  • 高校卒業
    高齢者デイケア入職
     ほとんど知識もないまま入職し、働きながらヘルパー2級の資格を取得する。基本的なケアの方法や、コミュニケーションの取り方、レクなどを学ぶ。
  • 社会人2年目
    小規模多機能ホームに転職
    前職での月々の給料の少なさに悩み、夜勤のある小規模多機能ホームに転職する。会社の勧めで、新人介護士研修や、レクリエーション研修などを受講する。
  • 社会人4年目
    介護福祉士取得
    実務経験が3年経ち、介護福祉士を取得。
  • 社会人8年目
    出産後も1年間勤務したのち、退職
    妊娠中は、日勤のみの勤務。育児休業明けより、夜勤なしの正社員で1年間勤務するが、通勤距離も長く、子育てをしながら正社員として働くことに体力的限界を感じ、退職。
  • 社会人9年目
    サービス付き高齢者住宅で、事務員兼介護士に
    サービス付き高齢者住宅にパートの事務員として入職する。現場を見ているうちに、現場に入りたいと思うようになり、事務員兼介護士として働く。1年間勤務し、引っ越しにむけ一時退職。
  • 現在
    在宅のWEBライターとして働く
    現在は子育てをしながら在宅のwebライターとして働いている。

私はこんな介護士です。

私はこんな介護士です。

始めた当時は、18歳で、介護の資格もなく、社会経験のないまだ子供のような人間でした。1番長く務めた小規模多機能ホームは、毎日の食事作りもあり、当番制だったので、そこで1から料理を覚えたほどです。料理も洗濯も掃除も、全てご利用者様、先輩方に教えていただきました。

生活していく上で、大事なことはすべてここで学んだのではないか、と言っても過言ではないほど、介護の仕事は私の人生において重要な経験になったと思っています。

介護の仕事をする上で、正しい介助の方法や、基礎的な知識を持つことは、命に係わることであり、とても大事なことだと思っています。

働きながら研修などに参加し、資格を取得することができました。知識ももちろん大切ですが、ご利用者とのコミュニケーションを1番に大切にしたいと思うようになりました。1人ずつと信頼関係を築くことが、常に私の目標でした。

編集部
編集部

どのようなことをキッカケに介護士になったのでしょうか?

キッカケは、同じ介護士である母の勧めでした。私が子供のころから、母は介護の仕事をしており、就職に悩んでいる私に、「資格がなくても募集しているからやってみたら?楽しいよ」と勧めてくれました。

正直に言うと、あまり乗り気ではなかったのですが、資格も知識もない私にとって、他に就職先がなく、「まあ、やってみるか」という軽い気持ちで始めたのがキッカケでした。

編集部
編集部

介護士になって良かったこと、やり甲斐は何ですか?

新規のご利用者と打ち解けられたときに、やり甲斐を感じます。新しく利用になったご利用者は、認知症の方に多いのですが、最初は帰宅願望が強くケアを拒否するなど、介助に入ることが難しい場合があります。

なにかのきっかや、声のかけかたで、拒否なくケアができた。など、職員間で、その方にあった接し方、声のかけかたをシェアすることが大事です。連携がうまくとれて、笑顔も増えて慣れてこられたな。と思うとき、やり甲斐を感じていました。

編集部
編集部

印象に残っているご経験はどのようなことですか?

小規模多機能ホームに転職し、夜勤の仕事を始めたばかりのころ、1人で夜勤をしていた朝5時、他のご利用者のケアに入っている時間に、認知症のあるご利用者Nさんが目を覚まされ、長い間待たされたという理由で、パニック状態になるほど立腹されていたことがありました。

共同の食堂で、用意していた食事をバラバラにされたり、叫ばれたりして大騒ぎになっていたのです。急いで戻り、Nさんに声をかけながら、ひとまずNさんの居室に誘導しようとすると、ヒートアップして殴る蹴る掴むという状況。

その間に他のご利用者からのナースコールが鳴っており、起きてこられる他のご利用者の対応も手がまわらない・・・。食事もどうしよう・・・。という状況に、いっぱいいっぱいになり、どうしていいのかわからず、涙が出てきました。

そんな私を見てNさんの態度はかわり、「あんたが子供だから私が怒ったのよ。でもごめんね」と私の頭をポンと撫でてから、居室に戻ってその後は落ち着いて過ごしてくださいました。

この時にNさんはなぜアッサリ落ち着かれたのかわかりませんし、この時の私の対応もよかったとは言えません。余裕がなかったとはいえ、プロの介護士が感情的に対応してはいけなかったと思います。

Nさんは認知症で、怒りっぽく暴力的な一面もありましたが、普段は情が厚く優しい方でもありました。その1件があり、待たせてしまうときは、「今〇〇をしていて少し手が離せないけど、終わったらすぐに戻ってきますね」など説明をしました。

待たせてしまっている間も声をかけるなど、少し気に掛けることで、同じようなことが起きることはなく、「待っているから、ゆっくりでいいよ」と言ってくださるようになりました。

毎日面会に来られていたNさんのご家族に「〇〇さんの夜勤の日はお母さん落ち着いているから安心よ」と言われたとき、信頼関係を築けたかな、と感じることができました。

編集部
編集部

仕事に就かれた当初苦労されたことなどありましたらお願いします。

私は高校卒業してすぐに、資格もなく、全く介護の世界を知らないまま、デイケアに入職しました。食事介助や、移乗など1つ1つのケアの仕方もわからず、まずは、ご利用者とコミュニケーションをとることが課題でした。このコミュニケーションに悩まされました。

認知症というものも、よくわかっておらず、とても失礼な表現ですが「ボケている」という認識しかないほどでした。

会話が成立しない上に、急に叫びだしたり、徘徊したりする姿に戸惑い、なんとなく声をかけてみることしかできない。という状態で、自然にご利用者と会話をする先輩と比べてしまい、自信をなくしていました。

その職場はとても良い先輩方だったのもあり、どんどん質問させていただき、マネをさせていただくことで、だんだん楽しくなっていったのを覚えています。

編集部
編集部

日頃から大切になさっていることはなんですか?

介護士として1番に心がけていたことは、ご利用者の「尊厳を保つ」ことです。特に認知症の方がかわいらしく思え、つい子供のように接してしまいがちですが、親しくなっても、人生の先輩であることを忘れず敬う気持ちはなくさないことが大切だと思っています。

もし、自分の親だったら。と、自分の親がされて嫌な行動や、言動はとらないことを常に心がけていました。

信頼関係を築くことは大切なことですが、あくまで私は介護士であり、家族ではないので、なれなれしくならず、上から目線にならないように意識することが大事だと思っています。

また、その方によって、接し方は少しずつ変えていました。たくさん話を聞いてほしい方もいれば、あまり話しかけてほしくない方もいらっしゃいます。受け取り方によっては、「あの人ばかりに話しかけて」と思われることもあるので、難しい時もありますが、その人に会ったコミュニケーションの取り方を見つけるようにしていました。

編集部
編集部

今後やりたい事や目標などありますか?

現在は退職して、ライターの仕事をしていますが、子育てが落ち着いたら、ライターをしながら介護の仕事にも復帰できたらな、と思っています。

現場で働いていた頃は、「施設リーダーになってほしい」と声をかけていただいたことがあったのですが、上に立つ自信がなくお断りしていました。

また、ケアマネさんの仕事を見ていると、きめ細かな配慮がいる仕事だなと感じていました。私には現場しか出来ないと思っていましたが、再度現場で経験を積んでケアマネを目指してみるのも、良いかなと思っています。

編集部
編集部

これから介護の仕事を目指している人へメッセージをお願いします。

これから介護の仕事を目指している人へメッセージをお願いします。

介護士は、求人も多く出ており、未経験でも始めやすい仕事ですが、人手不足や、忙しさから離職率も高いと言われており、過酷で辛いイメージがある方も多いと思います。

たしかに辛いことや、大変なこともありますが、根性なしの子供のようだった私が全くの無知状態から始め、10年続きました。いずれは戻りたいと思っているほど、素敵な仕事です。

中には年齢を気にされて、この年で始めて務まるだろうか?と思う人もいると思います。私は10代の頃に始めましたが、50代や、中には70代で初めて介護の仕事に就いた。という方もいらっしゃいました。

人対人のお仕事なので、様々な年代、性別の職員がいて、その場面が成り立っていたと思います。

たとえば、若い職員には孫に教えるように掃除や編み物、料理などを手伝ってくださることで、自尊心を保つことができます。逆に、高齢の職員にしか言えない頼み事や安心感などもあると思います。自分自身で不安に思う要素でも、それが強みになることもあります。

介護の仕事、始めてみようかな?と思っている方には、私からは「この仕事、とてもオススメです!」とお伝えしたいです。

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