訪問理容で高齢者に希望の光を。私の第2の仕事人生がスタート

介護×美容

訪問理美容分野で働く人の経験談

インタビュー実施日:2021年3月29日

プロフィール
  • 年齢・性別:40代女性
  • 仕事内容:介護福祉士
  • 得意分野:ケアエステ
  • 介護美容歴:3年
編集部
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何がキッカケで訪問美容・介護美容に関わろうと思ったのでしょうか?

私は、自分にとって天職ともいえる介護士として6年半働いていましたが、甲状腺の病気で入院、手術と闘病生活が続き、体力的にもう介護士として働くことはできないと諦めていました。

そんな時、知人から介護美容という仕事があることを聞き興味を持ち、いろいろ調べてみることにしました。

思い返してみると、介護士として現場で働いている時も身だしなみの大切さを感じることが多々あり、身だしなみを整えることで気持ちも整いいつもと違う笑顔が見られたり、前向きな言葉が聞かれたりと身体にも心にも良い効果があることを感じていました。

しかし、介護士の本来の業務をこなすことで精一杯で身だしなみに関して細やかなケアをすることができなくて、もどかしかった思いがありました。

介護美容について調べている時に、当時感じていた「もう少し時間に余裕があれば、自分にもっと詳しい知識があればという思いがよみがえり、介護美容の仕事ならば今の自分にできる事があるのではと可能性を感じ、挑戦してみようと思いました。

もう1つ、自宅で闘病中だった祖母の髪を毎月切ってあげていた時、終わった後の祖母の笑顔を見てとてもうれしかったこと、幸せを感じたことは私の原点になっていると思います。

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編集部
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訪問美容・介護美容の社会的意義はどのようなものだと考えますか?

今後急速に高齢化社会が進むとされる中で、介護人材の需要も高まっていくことが予想されます。

その中でも、今までなかなか知ってもらえる機会がなかった介護美容の分野が広まり、介護の現場に介入していくことが増えていくことにより介護士が本来の業務に集中することができ、介護業界全体の質が上がり今まで以上により良いサービスが提供できるようになっていくのではと思います。

介護の仕事をしていて、利用者様の「自己肯定感の低さ」にハッとさせられることがありました。介護美容の仕事を通じて利用者様の心の奥の気持ちに寄り添い、ケアによって忘れかけていた自分らしさ、生きる力や希望を届けることで、変わっていく自分を感じ、少しずつ自分を好きになったり自信を持ったりすることができるのではと思います。

1人の人生に関わり、変わっていくお手伝いができる貴重な仕事だと思います。

介護業界は利用者様のご家族との関わりもとても重要なので、介護美容のケアによって生き生きとされた姿を見ていただけることで、ご家族にも寄り添うことができるのではないでしょうか。

編集部
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どんな時にやりがいを感じますか?

利用者様と信頼関係を築けたなと感じた時に1番やりがいを感じます。信頼関係を築くというのはすぐにできることではありません。

ケアの技術はもちろん、利用者様に寄り添ったコミュニケーションや配慮ができなければいけないと思います。また次もこの人にケアしてほしいと思っていただくためには、1回1回の積み重ねがとても重要です。

回を重ねるごとに、打ち解けていき利用者様からお話してくださることが多くなってきた時。表情が固かった利用者様がケアによって笑顔を見せていただけた時。次の訪問を心待ちにしていたと声をかけていただいた時。信頼関係が築けているからこそ感じることのできるこのような場面にとても幸せを感じます。

利用者様はもちろん、施設のスタッフの方やご家族の笑顔やありがとうの言葉も私のモチベーションになっていると思います。

そして、介護の仕事をしていた時も感じていたことですが、私にとって自分よりも長く生きてこられて人生経験豊富な利用者様と接したり、お話したりできる時間はとても貴重で楽しみな時間でもあります。

今後の自分の仕事や人生の糧となっていくと感じています。

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編集部
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施術中にもっとも気を付けていることはありますか?

気を付けていることはたくさんあるので1つにしぼるのは難しいのですが、体調の変化には人一倍気をつけていると思います。

体調の変化に気づくには、まず利用者様の現在の身体の状態や既往歴などを事前に情報収集してしっかりと把握しておく必要があります。

そのためには、施設のスタッフの方やご家族との日頃からのコミュニケ-ションはとても大事だと思います。施設によって毎日のスケジュールも違います。

入浴や食事の時間を考慮し、住居型の施設・通所型の施設・医療中心の施設など種類も様々なので、施設ごとの知識も必要だと思います。

私達は利用者様全員に同じケアをするわけではありません。個々に合ったケアを利用者様の希望を取り入れながら、提案していかなければなりません。

例えば、身体の片側に麻痺があれば右と左ではケアの仕方も変わってきます。

他にも自分が思っている以上に高齢者の身体、特に皮膚はデリケートです。加齢により皮膚が弱くなり、軽い圧迫やずれにより皮むけしてしまうこともあります。

脱水状態になりやすかったり、疲れやすかったりする方のケアが長時間になる場合、休憩をはさんだり、水分摂取を勧めるなどの配慮も必要かと思います。

高齢者の身体的、精神的な特徴を知っておくことは介護美容の仕事をしていくうえで利用者様を守ることでもあり、自分自身を守ることにも繋がっていくのではないでしょうか。

編集部
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介護×美容分野が発展するために必要なことは何だと思いますか?

いろいろな人に知ってもらう機会を作ることが必要だと思います。

私自身も知人から聞くまでは、介護美容の分野がここまで発展していることを全く知りませんでした。

現在働いている介護士や美容師の方に訪問美容・介護美容のやりがいや今後の可能性を知ってもらい興味をもってもらうことが大事だと思います。

介護の仕事の専門的な分野を知ることは、新たな自分の可能性を見つけるよい機会でもあると思います。

もう一つは、介護や美容未経験の方で一から始めたいと思っている方に将来的な目標として、介護美容の分野が選択肢の1つとなるような働きかけもできたらよいと思っています。

漠然とした目標よりも、より明確な目標があった方が今から始める方にとってもプラスになると思います。

そして、働く側にだけのアプローチではなく例えば介護施設やご家族の方に介護美容というサービスがどういったもので、どのように利用したらいいのか簡単に知ることができる仕組みも必要だと思います。

高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせる環境を地域全体で作っていけたら、介護美容の分野も広がっていくと思います。

編集部
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あなたにとって介護×美容とは?

天職だと思っていた介護の仕事ができなくなった時は失望感を感じました。自分のやりたいこと、生きがいを失いとても悲しかったです。

人のために自分にできることは何なのか模索する中で、介護美容の仕事に出会えたことは私の人生と考え方を大きく変えてくれた出来事でした。

美容というツールがきっかけで利用者様に希望の光を示しただけではなく、もう一度やりがいをもって仕事ができるかもしれないという、私自身も希望の光を感じ、私の第2の人生がスタートした気がしました。

いずれ、自分も高齢者になっていくことを考えると、介護美容という分野が広く認知され今よりもサービスの質や内容が向上していくことは私達にとってもうれしいことです。

誰しもがいつか来る高齢期に、自分らしさ、生きる力や希望を感じることのできる場があるというのは、全ての世代にとって大切なことだと思います。

高齢者だけでなく闘病中の方、心が弱っている方など、誰かに寄りそってほしいと思っている全ての人に通ずるものがあると思うので、これからの可能性を感じています。

現場で働く者として、私自身にもやりがいや新たな目標を見出してくれた介護美容の分野について、これからもたくさんの方の希望の光となるよう発信し続けていきたいと思っています。

編集部
編集部

これから、介護×美容分野にチャンレンジする方へメッセージをお願い致します。

まだ介護美容という分野が広く知られていない中、チャレンジする機会に出会えたのは幸運なことだったと思います。

もしあの時、1歩前に踏み出していなかったら今の私はありません。

介護の仕事を始めた頃は、今の介護美容という分野で働いている自分を想像すらできませんでしたが、色々な経験を経て今携わることができています。

私のように少し遠回りになってもよいと思います。自分の気持ちがぶれなければ、道は繋がっていると思うからです。

話を聞いただけでは分からないこともあると思いますが、今は介護美容の勉強ができるスクールがあり、情報を得る機会が少しずつ増えてきています。

少しでも興味を持っていただけたのであれば、新しい自分を見つけられるチャンスかもしれません。

ほんの少し勇気を出して1歩前に踏み出してみてはいかがでしょうか?

最後にどんな仕事でもそうだと思いますが、特に介護美容の仕事は直接髪や身体に触れることが多いので、利用者様を1人の人として尊重し、「やってあげる」のではなく「やらせていただく」という気持ちを忘れずに、自分も明るく楽しく仕事をしてほしいと思います。

そして、今後の介護美容業界の発展のために次世代にいろいろな事を伝えていってほしいです。

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