介護施設で行うお祝い。喜寿や米寿などから見える可能性と介護美容の在り方

介護×美容

訪問理美容分野で働く人の経験談

インタビュー実施日:2021年7月22日

プロフィール
  • 年齢・性別:40代女性
  • 仕事内容:美容師
  • 得意分野:ヘアカット、美容全般
  • 介護美容歴:6年
編集部
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何がキッカケで訪問美容・介護美容に関わろうと思ったのでしょうか?

以前から定期的にケアホームなどのボランティアカットに参加させてもらっており、その際に「できればカット以外のことや年祝いなどもやってほしい」という声をいただいていたことからになります。

ケアホームなどは高齢の方が多いので、米寿、喜寿、白寿などをお祝いしてあげたいけれども、衣装屋さんなどとのつながりもないということから1日のうちに該当する年齢の方の年祝いをして写真を撮るという計画を立てました。

入居者さんのご家族などで一緒に写真に参加したい人などの日程調整で1か月ごとに、

  • 古希(70歳)・喜寿(77歳)
  • 傘寿(80歳)・米寿祝い(88歳)
  • 卒寿(90歳)・白寿(99歳)・百寿(100歳)

を1日で終わらせ行くことにしました。

同じ長寿年祝いの人が多いケアホームなどでは1日分のレンタル料金で衣装を使うことができるのでとても喜ばれました。

ボランティアカットなどのとは違う分野になりますが、美容師だからできることの一つに衣装屋さんとの連携もあり、ケアホームや介護施設などでこのようなメモリアルイベントがすごく需要があるということも介護美容を勧めていくきっかけになりました。

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編集部
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訪問美容・介護美容の社会的意義はどのようなものだと考えますか?

ケアホームなどに入居してしまうと、誕生日などのイベントはあっても年祝いなどは衣装を準備できないなどで行えないことが多いです。ですが、実際にはご家族も施設のほうでも「できればお祝いをしてあげたい、写真だけでも撮りたい」という声が非常に多く、施設やケアホームと家族の記念日を作ることができます。

家族と離れていると記念日などをお祝いできないことが多いですが、少しの切り替えとサポートでしっかりと満足できるお祝ができます。

このサポートは美容師しかできない部分にもなるので、社会的な意義も強いと考えています。

入居者さんもお祝いの衣装を着せて、スキンケアや軽いお顔そりをしてお祝いの衣装を着ていただくと入居者さんの笑顔がすごく印象に残るんです。

年祝いの衣装というのは人生でその年齢の時の1回だけしか着ないものであることからも、お祝いをすることで入居者さんの精神状態や活力なども大幅に変わったと後日に教えていただけることも多いです。社会的な意義もですが、人生の節目に携わることのできる仕事が介護美容の一つになると思いました。

家族の方からも「できるとは思わなかった」といわれ、ホームと家族をよりしっかりとつなぐことにもなると思います。

編集部
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どんな時にやりがいを感じますか?

御祝い事などを担当し、職員さんから「こんなイベントがしたいけれどもサポートできますか?」と提案していただいたときなどはやっていてよかったと思います。お祝い事などは担当させていただくと入居者さんが本当に喜んでくれるんですよね。

中には手を握られて「ありがとうありがとう」とおっしゃって下さる方もいて・・・。ケアホームの入居者さんは高齢の方も多く、お祝いなどの年齢の方も多くいます。

家族の方が同席できなくても、後日に写真を受け取った際に「こんなにいい笑顔で」という言葉を頂くことが多く手配などを頑張ってよかったと思えます。

自分の家族などが入居した際にも同じようにお祝いしたいと思うように、家族の方もできるならお祝いで写真を残したいと考えてくださる方が多く個人的にお礼などを言われたこともあります。

美容師にしかできないこと、美容師だからできること。これがしっかりと出せる部分などもやりがいを感じます。なによりも、着付けをさせていただいた瞬間の本当に素敵な笑顔が一番のやる気に繋がりやりがいだといえます。

カットなどを終えた後も笑顔を見せてもらえたりすることも多く、やっていてよかったと思える瞬間ですね。

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施術中にもっとも気を付けていることはありますか?

年祝いで気を付けたことは日程調整でした。喜寿の方が6人いたので1人30分として、6人なので3時間がまず必要になります。朝9時からスタートして、午前中と午後に分け、家族の方が来られる場合には少し時間が伸びるなども計算して二部形式にしました。

衣装も一回ごとに消毒、衣装ケースに入れなおして「毎回新品である」という状態を作れるようにしました。使いまわしや流れ作業ではなく、その人のために準備したというひと手間を作ることでより高い満足度につながるのでこの部分をすごく注意しました。

懐紙などで包みなおす時間を少し頂くことになりましたが、笑顔につながることできるならばこの手間は必要なものと考えています。着付け時間やスキンケアなどはできるだけ手早く、家族との時間をできるだけ長くという部分を重要視しました。

人数がこのように多くなる時でも「もう時間です」などと急かさずにできるだけ時間を多く使ってもらって満足したとことで一区切り、という形を作れるようにしました。

体力やメンタルの部分に負担がかからないように意識するのはもちろんですが、このようなお祝いの際には「急かさない」とても大事だと感じています。

編集部
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介護×美容分野が発展するために必要なことは何だと思いますか?

自分ができることを最初にリストアップすることが大事だと思います。

私の場合には何ができるのかを箇条書きにメモを作り、その中で「着付け」「セット」「メイク」があったので年祝いなどを提案することができました。

箇条書きのメモを作ることで出来ることを細分化させることもできます。

この際に着付けができるなら連携できる衣装屋さんなどが何個あるのかなどもつくると流れも凄く作りやすくなります。特に着付けなどは非常に需要も高く、年祝いなども一つの施設でさせていただいた後に、系列の施設でもやりたういという希望を頂くことになりました。

一つの施設でお祝いをすることでほかの施設にいる入居者さんにもという希望に繋がり、家族の希望なども聞くことができます。

行動を起こすことで多方面が変化していきます。これは発展というものと考えてもいいかと思います。

着付けなどの特殊技術は美容師でも限られた人数の人しか持っていません。ですが、年祝いなどの際に存分に使えることなどを考えると習得しておいても損はないと思えます。

発展させるためにはまず自分たちの技術も大事になってきます。

自分の発展と介護美容の発展の二つを並行させていくことなども大事な部分と考えられます。

編集部
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あなたにとって介護×美容とは?

「できないことをできるようにする」「希望を叶える」この二つがまずありきだと思います。介護という感覚を外して考えてから介護という部分をつけていくことで出来ることがしっかりと浮かびます。

この中で職員さんと話をして家族との希望などをすり合わせていくことで介護美容の大切さを理解していくこともできました。

介護美容という言葉からはどうしてもマイナスのイメージを持つ人も少なくはありません。

実際には介護美容は出張美容、訪問美容という部分と重なる分が多いです。

「介護」ということばどうしてもハードルを上げてしまっている部分はありますが、本質は「美容」であり二つが合わさり「介護美容」という言葉になります。

美容面を重視することで介護美容はもっと身近になると毎回考えるのも事実です。ケアホームにいるけれども、たまにはおしゃれしたい。この気持ちをかなえることができるのが介護美容であり、思い出をより鮮やかにすることができるのも介護美容です。

編集部
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これから、介護×美容分野にチャンレンジする方へメッセージをお願い致します。

まだまだ人数もですが、介護美容に対する考えの偏見とハードルが多いのが現状です。現場で求められていることはスピードもですが「楽しく過ごせる」「ホームにいるけれどもおしゃれをさせたい」という部分です。

人数が一人増えればその分できることが広がります。対応できる部分が広がればより細分化されたサービスの提供にもつながります。これから参加する人や賛同する人が増えることで介護自体のイメージも変わってきます。

また、ケアホームなどで職員さんがカットなどを担当している場合にはそれらの負担を減らすことができます。

市町村などのケアホームに理容師、美容師が4人ほどで月1回向かうことでも負担を減らしかつ精神状態の向上にもつながります。このようなボランティアカットはアシスタントを終えた若手の子を中心組んでいき、そのサポートで参加することもお勧めです。

ボランティアカットの参加もですが、低価格でのカットサービスなどの提案などもケアホームなどは必要としていることが多いです。踏み出す際のハードルが高いと思う人はまず、このようなサービスカットやボランティアで感覚をつかむことで次のステップに進めやすいとおもいます。

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