新社会人からの転落。もう駄目だと思った時に救ってくれたのは介護の力でした

現役介護士に話を聞く「深イイ話」
※画像はイメージです。

現役介護士の深イイ話

インタビュー実施日:2020年7月26日

現役介護士にインタビューすることで、介護職として働くことのメリット、デメリットを伝え、これから介護職を目指そうとしている人達の背中を押すことが最終的なゴールです。

プロフィール

新社会人として動物看護士で半年間働いたのちに、務めている動物病院の院長からのパワハラで退職。その後、人と関わる事、働く事に恐怖を感じながら過ごしていた中、ひょんなことから福祉専門学校に入学。専門学校卒業後は介護福祉士として就職し、訪問介護、訪問入浴、通所介護と部署異動で色々な介護に携わる。
現在は、通所介護で働きながら、駆け出しライターとしても活動中。

介護福祉士 ユウヤさん
(ブログ運営:29歳男 独身実家暮らし 将来結婚は考えていません

あなたにとって介護職とは?

利用者様の思い、その家族の思い、それらを総合的に判断してあげている介護ではなく、組み取る介護。

そして、何より笑顔、優しさ、思いやり、時には笑いあり!

そういった事を繰り返し、人間としての成長や気づきを教えてくれる大切なお仕事です。

私のざっくり変遷記(職務経歴概略)

  • 2012年4月~2012年8月
    新社会人として動物病院に就職
     動物看護士の専門学校を卒業後、新社会人として動物病院に就職が決まりました。
    しかし、働きだして間もなく、職場の上司からのパワハラにより、メンタルがやられてしまい、わずか半年で退職。
  • 2012年9月~2015年3月
    心を病み、自宅に引きこもりの日々から専門学校へ
     パワハラにより人と会う事、話す事が怖くなり、働く事が困難になり、自宅で引きこもるようになります。このままでは駄目だと思い、単発のバイトなどをたまにしていましたが、どうしても働く事への恐怖感が消えず、長期的な就労には就けないまま半年が経とうとしていたある日、就労相談機関から介護福祉士の専門学校の提案がありました。
    かなり抵抗があったのですが、周囲に背中を押され、もう一度働く選択ではなく、学ぶ事を選びました。
  • 2015年4月~2017年3月
    訪問介護、訪問入浴介護事業に就職
     無事専門学校を卒業した後に在宅支援系の施設に就職が決まりました。
    そこで、訪問介護職員兼、訪問入浴担当者としての配属が決まりました。訪問介護では家事援助や、おむつ交換などの身体介助を主に行いました。
    慣れない掃除や調理に苦戦しながらも、先輩達にアドバイスを頂きながら取り組みました。訪問入浴では担当者という事もあり、ご家族様からの相談や、ケアマネージャーへの連絡調整等、多岐に渡って仕事を行いました。それと同時にふと、昔の働く事への恐怖感が脳裏をよぎることがあり、また働けなくなるのではないかと思いながら日々を過ごしていました。
    そんな時にいつも通り支援を終えて帰ろうとすると、ご利用者様から「いつもありがとうね。お兄ちゃん無理したらだめだよ。」と優しく手を握って言葉をかけてくれました。その時に手から直接温もりが伝わり、自分の心の中にあった暗闇が、少しずつ無くなっていくような感覚になったのを覚えています。
  • 2017年4月~現在
    通所介護事業所へ異動が決まる
     そんな温かみを感じなら、通所介護への異動が決まり、訪問入浴、訪問介護とは違い施設に迎え入れての支援。違いに戸惑いながらも、介護士兼生活相談員としてがむしゃらに働きました。
    訪問介護は特に優しさや配慮を主におきながら仕事をしていましたが、ここではレクリエーション等、皆で盛り上げる内容の事が多く、優しさや配慮に加え、楽しさや、面白さも意識しながら働きました。

私はこんな介護士です。

私はこんな介護士です。

私は、利用者様、ご家族様、職員、全体の輪を大切にする介護士です。決して一人で働いているわけではないので、全体のバランスという事を常に考えています。

どういうことかというと一つ例として、利用者様は「もっと自分の事を手伝って欲しい」と思いがあっても、ご家族様は「自分で出来る事はなるべく自分でして欲しい」在宅で一緒に暮らすうえで、家族が手伝う部分が多すぎると、家族が潰れてしまい、結果的にご利用者様は入所になる等に繋がる事もあります。

いくら本人さんがして欲しくても本人が出来る事まで手伝うのが優しさではないと思っています。

また、過剰な介護は職員にも負担がかかります。限られた人数、時間の中で、業務をしなければならないので、全体のニーズやどこまでが本当の優しさなのか見極める必要があると思っています。

後は、とにかく笑顔、面白さ、明るさを大切にしています。やっぱりなんだかんだ笑うって大切だと思います。重度の認知症の方で、なかなか言葉の意図が伝わらず不安な顔をしている方に笑顔で寄り添っていくと、それだけで表情が柔らかくなる方もたくさんおられます。

編集部
編集部

どのようなことをキッカケに介護士になったのでしょうか?

最初の方にも少し書かせてもらいましたが、動物病院に勤めていた時のパワハラをきっかけに、働く事が怖くなりました。

そんな時に就労相談機関から介護の学校を進められたのがきっかけです。

動物が好きで動物病院に就職したわけですが、看護や介護って共通する部分が沢山あるのかなと感じたんです。

もう一度動物病院に就職する事も考えましたが、とてもトラウマになっていて、違う道を選ぼうと思いました。ただ、介護の学校を進められた時もすぐには答えを出す事が出来ませんでした。

人と話す事が恐怖になってしまった僕が、学校に行って、ほとんど知らない介護の事を本当にやっていけるのだろうかと悩みました。

そんな時に知り合いが背中を押してくれて、「とにかく何事も挑戦だと」怖かったけど今ではあの時踏み出してみて良かったなと思っています。知り合いに感謝です。

他にも、やり甲斐や誇りを持って働く介護士がいます

介護職は適職。介護を通じて自分を知り、人間力をつける
転職してよかった。思い切って市役所事務職から介護職へ
クビ同然で会社を辞めた私が転職して介護現場の責任者になれた理由
介護職に対する世間のマイナスイメージを払拭したい
システムエンジニアから介護職へ。思いやり、やりがいのある仕事を
編集部
編集部

介護士になって良かったこと、やり甲斐は何ですか?

とにかく「ありがとう」を沢山感じる職場です。本当に皆さん感謝の気持ちを言葉として伝えて下さります。

なかなか「ありがとう」って当たり前のように思うかもしれませんが、言葉として伝えるってあるようでない事の方が多いように思います。「ありがとう」と言われると何故だか私自身も心がほっこりして、気持ちが温かくなります。

人と関わる事が恐怖になっていた私を、「ありがとう」が救ってくれたのです。昔の傷は「ありがとう」という温かいお薬で、傷を癒してくれました。

不思議な事に人と関わって傷ついた僕を、人と関わる事で今度は治してくれた。人と人が触れ合う事の大切さを介護の現場で学ぶ事ができました。

編集部
編集部

印象に残っているご経験はどのようなことですか?

一人暮らしの女性宅への訪問介護での出来事です。その家には家事援助で訪問をしていました。調理をしてこなかった私にとっては、調理に自信がありませんでした。そんな中で、不器用ながらにも調理していました。

本人さんはそんな僕が作った料理を「男の子なのにすごいね、美味しく頂くね」といつも言って下さりました。ある時、僕が調理をしている時に利用者様の娘さんが家に訪問されたのです。

「いつもお世話になっています」と何気ない会話があり、用事を済ませ帰られました。料理が苦手な僕にとってはとても緊張する場面でした。

そして、一二ヶ月経った時、本当に急でした。

利用者様が急病で亡くなられたのです。

あまりに急で、もっと上手な料理を作ってあげたかったなと、色々な思いが込み上げてきました。そんなある日、娘さんが事業所に来られ、「本当に皆様にはお世話になりました。

母から良く聞いていましたが、調理を頑張っていた若い男の方にもありがとうとお伝えください」と言って頂いたそうです。

こんなに嬉しい事はありません。不器用ながらにも一生懸命作った料理が利用者様、ご家族様、僕へと巡ってきたのです。

編集部
編集部

仕事に就かれた当初苦労されたことなどありましたらお願いします。

当初は訪問介護兼、訪問入浴の担当者だったので、本当にがむしゃらでした。

新人の私にとっては担当者として家族や、ケアマネージャーとの連絡調整や、支援の方向性を考える事が困難で日々奮闘する毎日でした。

また、訪問介護での調理や買い物もあまり慣れていないので、とにかく一生懸命だったと思います。

ですが、がむしゃらに続けていく内に少しずつ慣れてきて、ただこなすだけだった介護に「もっとああしたい、こうしてみたい」と思えるようになりました。

あの時の両事業の兼務と担当者として奮闘した日々があったからこそ、成長できたので、今となっては経験して良かったと思いました。

編集部
編集部

日頃から大切になさっていることはなんですか?

日ごろから大切にしている事は、とにかく笑顔、優しさ、面白さです。これはどんなに辛い事があっても絶やしません。細かい配慮や全体のバランスを保つにしてもまずは自分が楽しくいる事だと思います。

笑っていれば後からは気持ちはついてくる。そして、利用者様、家族様、一緒に働く職員が何か一つでも前向きな気持ちで日々を過ごせるように、とにかく笑います。笑ったら意外と嫌な事も忘れて気持ちがリフレッシュなんて事もあるかも。

必ず一日一つは職員や利用者様に笑ってもらえるように渾身の大ボケをします。もちろん利用者様の個性を見抜きながら、出来る人出来ない人があります。

仮装をしてみたり、ダンスをしてみたり、風船を胸に挟み、大きな胸を演出してみたりと、周りからドン引きされるような事まで。

引かれたって、滑ったって構いません。次の笑いを狙いにいくまでです。

編集部
編集部

今後やりたい事や目標などありますか?

今後はこれまでの自分の経験を活かして、介護に関する記事や、人生観などブログや、ライターとしても活動していきたいと思っています。

自分や自分の周囲の人だけの意見が全てではなく、もっと沢山の考え方があって、知らなかった自分の一面、本当にしたかった事、怖くて挑戦できない人等に少しでも背中を押せるような記事を書いていきたいと思っています。

介護から学んだ事、新社会人からどん底を経験した自分ならではの観点。「色々な生き方があっても良い」をコンセプトに色んな情報や価値観を発信していきたいです。

編集部
編集部

これから介護の仕事を目指している人へメッセージをお願いします。

これから介護の仕事を目指している人へメッセージをお願いします。

こんなに「ありがとう」を言われる事は今までありませんでした。新社会人からどん底を経験し、本当に働く事が怖くて怖くてたまらなかったです。

勇気を出して飛び込んだ介護の世界には楽しい事ばかりではありません。ですがどの仕事でも同じ事ですよね。そんな中で実際に体に触れ、感じ、言葉を交わす事で溢れる温かい気持ち。

本当に私は介護の力で救われました。人と関わりながら仕事が出来るのだろうかと思っていた私に、失った気持ちを取り戻させてくれました。

また、介護を経験することで、自分の親など、将来起こりうる「仕事ではない介護」にも役立ってくると思います。認知症の家族を受け入れることが出来ない家族様を沢山見てきました。認知症といっても、物忘れだけではないのです。

そういった認識の違いで大切な家族との絆が壊れるのは見るに堪えません。知っていれば対処できる事、沢山あります。

いつかは誰しも必ず訪れる介護。大切な人や家族を支える時に上手な息抜きの仕方、その時に合ったベストな方法の手助けにもなると思います。

僕を救ってくれた介護の力を一人でも多くの方に経験して頂けると嬉しいです。

人気記事介護未経験でも働きやすい施設とは?離職率や定着率に着目しよう

人気記事特養と老健どちらが働きやすい?介護士がメリット・デメリットを語る

介護士ライター募集中
タイトルとURLをコピーしました