お年寄りの笑顔が僕に元気をくれる!認知症の人が介護士の僕に伝えたくれた大切な物とは?

現役介護士に話を聞く「深イイ話」
※画像はイメージです。

現役介護士の深イイ話

インタビュー実施日:2020年9月4日

現役介護士にインタビューすることで、介護職として働くことのメリット、デメリットを伝え、これから介護職を目指そうとしている人達の背中を押すことが最終的なゴールです。

プロフィール

高校を卒業し、福祉の業界に興味を持ち、介護福祉士養成専門学校に入学。2年間で無事介護福祉士を取得し、最初の特養に就職。

介護の仕事と向き合う中で、介護業界に不安を感じて1年半で退職。その後はニートを1年経験し、療養型の病院へ。

給料の安さや、将来性を感じなかった事から、水道屋の一人親方の所へ弟子入りするもパワハラを受け1年で退社。

結婚を機に、再び介護の世界へ。現在特養で10年。介護副主任、主任を経験している。

介護福祉士 Ryomaさん

あなたにとって介護職とは?

利用者様、職員がお互い「ありがとう」という気持ちを共有できる事だと思います。

私の場合、利用者様から「ありがとう」と言われる事はもちろん幸せですが、それと同時にこちらも「ありがとう」という気持ちなるかが大切だと思っています。

お互いが「ありがとう」という気持ちになれば、毎日楽しく、穏やかに生活する事ができます。「やってあげている」という上から目線ではなく、お互い信頼し合えるのが介護だと思います。

私のざっくり変遷記(職務経歴概略)

  • 2001年4月~2003年9月
    介護福祉士養成専門学校を2年間で卒業し、介護福祉士を取得
     介護福祉士の資格取得後、地元の特別養護老人ホームへ就職が決まる。最初は職場になかなか慣れることができず、悶々とした日々を送る。
    半年程すると仕事にも慣れ、全ての業務がある程度こなせるようになるが、その後、仕事への「慣れ」や、自分探しの旅が始まり2年半で退職する。
  • 2003年9月~2005年9月
    ニート生活開始
     自分探しの旅をスタートさせるが、定職についていない友達と遊びに夢中になってしまう。
    毎日、居酒屋やバーに入り浸り、いわゆる「ぷー太郎」生活を送る。
    生活費は、退職金と貯金を少しずつ切り崩していくが、次第に底をついていき、交通量調査などの日払いのバイトで生活費を稼ぐ。
    そんな自分に嫌気がさし、さらに自暴自棄となって友達との関係も悪化。このままではいけないと、次の仕事を探す。
  • 2005年9月~2007年9月
    療養型病院のヘルパーとして就職
     「もう一度資格を活かして介護がしたい」「実家を出たい」という思いから、寮つきの療養型病院にてヘルパーとして就職する。
    とても古い病院で、中はぼろぼろ、窓はキーキー鳴っている。
    日系3世のブラジル人が働いていたが、職員はみんなとてもよくしてくれた。ただ、30年前にタイムスリップした様な介護の質で、最初はショッキングを受ける。
  • 2007年9月~2009年9月
    介護から離れ、プラスティック会社に就職したがリストラ
     前からの夢だった「独立」とするべく、介護を離れて元カノが紹介してくれた水道屋の親方に弟子入りする。
    ちなみに、この親方は元カノの「彼氏」で複雑な関係ではあるが受け入れてもらえる。
    ただ、親方はからとんでもないパワハラを受け軽いうつ病になり退社。
    その後は、トヨタの5次受けぐらいのプラスティック会社に就職。試用期間中にリーマンショックが起こり、クビとなる。
  • 2010年2月~2020年9月現在
    結婚を機に、介護業界へ。特別養護老人ホームへ就職
     16歳の時から友達だったバツイチ、子持ち女性と結婚。いきなり2人の父親になる。
    それを機に、再び介護で本気になろうと決意し、特養に就職。
    やる気を買われ、2年目にはレクリエーション係、3年目にはグループリーダーとなる。
    4年目には副主任。しかし、ここで主任の女癖の悪さに嫌気がさし、平社員に戻る。その後、主任が移動となり上層部からお願いをされ主任に。現在に至る。

私はこんな介護士です。

私はこんな介護士です。

私は利用者様とのコミュニケーションを大事にし、その人に合ったサービスを提供するのが得意な介護士です。

介護をする上で一番大切にしている事は「コミュニケーション」です。

ただ、コミュニケーションと一言で表しても色々なコミュニケーションがありますが、特に大事にしているのは、「必ず相手に伝え同意を得る」ということです。

特に施設で介護をしていると、日々の業務に追われ、声も掛けずに流れ作業のように介護してしまうのを良く目にします。

ただ、正直これは誰もがやってしまっている事でもあり、意識しなければそうなってしまうものです。

私は毎日の仕事の中で、この「声を掛けて同意を得る」という事を意識して介護の仕事をしています。

声を掛けることで、利用者様は安心感を得られ、こちらに身を預けやすくなります。すると、こちらも逆に介護がしやすくなりお互いが気持ちよい気分でいられます。

認知症の方は特にそうですが、その時の雰囲気によって気分も大きく変わります。そのため、しっかりと声をかけ安心してもらう事がとても大切だと思っています。

編集部
編集部

どのようなことをキッカケに介護士になったのでしょうか?

実は、高校を卒業する前、この先自分が何をやりたいかが全く分からず、なんとなく医療事務の専門学校に通いました。ただ当時この仕事がしたいといった考えは全くなく毎日が苦痛でしかしょうがありませんでした。

そんなある日、当時の医療事務の先生から「男の子は就職先がない」と言われ、「これを学んでいてもしょうがないな」と思うようになります。

ちょうどその頃、介護保険がスタートし、同じ専門学校内に「介護福祉科」が創設され介護の道も良いのではないかと思うようになります。

また、2つ上の姉が正看護婦として病院勤務していたこと、友人の親で接骨院の院長先生にも「これから介護は熱いよ」と言われていたのも一つのきっかけになりました。

また、ちょうど日本はバブル崩壊の流れから不景気が続いていて、就職率も悪く就職活動も大変な時期でした。

その点、高齢者が右肩上がりに増えている介護業界は就職率も良く、これからも一生職に困らないと思い介護業界に入ると決めました。

他にも、やり甲斐や誇りを持って働く介護士がいます

介護職は適職。介護を通じて自分を知り、人間力をつける
転職してよかった。思い切って市役所事務職から介護職へ
クビ同然で会社を辞めた私が転職して介護現場の責任者になれた理由
介護職に対する世間のマイナスイメージを払拭したい
将来の夢は自分の介護施設を持つこと。資格取得で変わった介護職のイメージ
編集部
編集部

介護士になって良かったこと、やり甲斐は何ですか?

当たり前の答えかもしれませんが、やっぱり利用者から「ありがとう」と言われる瞬間は何事にも代えがたい嬉しさがあります。

特養は介護施設の中でも平均要介護度が高く、要介護度3以上の方ではないと施設に入ることもできません。

実際私の施設は平均要介護度が4.2と他の施設に比べると高い数字です。

そのため、日々の業務は正直時間に追われ大変な事も多いですが、そんな中で言われる「ありがとう」には最高の喜びがあります。

そしてもう一つは、プライベートな時間もある程度確保できることです。

月に夜勤が4~5回あり、夜勤入り、夜勤明けができるので自然と家にいる時間は多くなります。

子供がいる私にとっては、少しでも家にいる時間が欲しいのでこの点ではよい環境なのではないかと思っています。

プライベートが充実すると、仕事でもよいパフォーマンスが発揮できます。

夜勤が嫌いな人もいるかもしれませんが、私の場合は昼勤、夜勤がある方がメリットが多くあると感じています。

編集部
編集部

印象に残っているご経験はどのようなことですか?

専門学校を卒業して、最初に就職した施設での話です。当時私は、3年目に差し掛かる頃で、いわゆる「大変な利用者」の担当になる事になりました。

その方の事を少し説明すると、年齢的にはまだ若く(当時60歳ぐらい)、認知症がないおばあちゃんで、ひどいリウマチがあり足はまったく動かず、かろうじて両手が動いてご自分でなんとかご飯は食べられる状況でした。

毎日テレビを見て生活し、頭はしっかりとしているのでテレビから色々な情報を仕入れて職員に色々な事を言ってくるタイプです。

そんな利用者の担当となった私ですが、最初は関係が良好でしたが、徐々に関係が悪化し、屁理屈ばかり言ってくる利用者と毎日喧嘩する日々。

「男性なのに陰部の拭き方が下手くそ」「あなたなんて辞めたらいい」といったプライドを傷つけられることまで言われました(笑)。

しかし、その方がある時病院に入院し、お見舞いに行くことがありました。少し雰囲気も変わっていましたが、口は達者でその時も嫌味を言われたのを憶えています。残念ながら、その入院からその方は施設に帰ってこられず、病院で息を引き取ります。

後から聞いた話ですが、亡くなる前に私の話を楽しそうにしていたと家人の方から聞きました。

私はこの話を聞いた時、胸が張り裂けそうになりました。「嫌味を言っていても自分の事を好きでいてくれたんだ」という事が分かった瞬間、介護の仕事って素晴らしいなと感じました。このような経験は、他の仕事では絶対にできない事です。

編集部
編集部

仕事に就かれた当初苦労されたことなどありましたらお願いします。

介護の専門学校である程度の知識を学んでいたこと、2年間で実習にも3回行っていたこともあり、技術的に関する苦労はそれ程なかったように思います。

ただ、介護は人と人との繋がりなどで、最初は利用者も自分に対して不信感を持って接してきます。

今考えると23歳の新入社員にいきなり、「ハイお願い」とは利用者もなかなか言えませんよね(笑)。

なので、ほとんどの方は徐々に心を開いてくれますが、一部の利用者様からは「あの人にはやって欲しくない」と言われたこともありました。

ただ、こちらが遠慮してもしょうがないので、休みの日にわざと出勤して、その方の介助を見学しに行き、徐々にやる気があることを見せると早い段階ですんなり受け入れてもらう事ができました。

やっぱり、素直にお願いして、やる気を見せて実践すると相手も誠意を感じるものだとその時実感しましたね。

編集部
編集部

日頃から大切になさっていることはなんですか?

冒頭の方でも伝えましたが、「コミュニケーション」と利用者の「できる事」に目を向けながら接する事です。

当たり前ですが、介護は人と人との信頼から成り立つ仕事なので、どんな時でもコミュニケーションを大事にしています。

また、認知症の方で意思疎通が取れない方にとっては違う方法を用いてコミュニケーションをとります。それは、近くに寄り添って自分のフィーリングを感じ取ってもらうことです。

認知症の方は、こちらの気持ちや接し方でものすごく対応が変わってきます。ですので、そういった場合はこちらの出すフィーリングを変えてコミュニケーションととるようにしています。

2つ目は「できる事」に目を向ける事です。施設で働いていると、利用者の事を見ずに全てやってしまっている介護士も大勢います。

優しさでやっていると思いますが、私の場合はしっかりと利用者のADLを確認した上でできる事は時間をかけてもしてもらう事を心掛けています。

やれる事を、優しさでやってしまう事は真の優しさではありません。その方がこれからも自分で色々な事ができるよう、援助することが大切だと思います。

編集部
編集部

今後やりたい事や目標などありますか?

実は、昔から自分で介護施設を起業して見たいという希望があって、今は働きながらその目標に向かって進んでいる所です。具体的には、予算なども安価で抑えられるデイサービスや訪問介護などを考えています。

そしてもう一つは、施設で働く介護職員の為のブログを通して、情報発信する事です。

自分がこれまで培ってきた経験、楽しかった事、困難事例などを自分なりの文章にまとめて発信していけたらと思っています。

介護職員は、本当に毎日大変な仕事をしています。もちろん、その中には楽しかったり、やりがいも沢山あったりします。しかし、現実には虐待、不適切介護が全国で起こっているのが実情です。

そういった方の少しでも気が楽になるような発信ができればと考えています。

編集部
編集部

これから介護の仕事を目指している人へメッセージをお願いします。

これから介護の仕事を目指している人へメッセージをお願いします。

私が介護士を目指したのは、最初はそれ程大きな動機はありませんでした。

しかし、実際に介護の現場に入ってみると、人生の大先輩とこれほど長く一緒にいれてなおかつ、「ありがとう」と言ってもらえるのは介護の世界だけの醍醐味だと思います。

仕事の中には辛いこともあります。

ただ、長く介護を続けている人のほとんどは、その中にも自分なりの「やりがい」や「楽しみ」と見つけながら仕事をしています。

ですので、まずは介護の扉をノックしてみる所から始めてみても良いのではないかと思います。

また、介護には施設介護や在宅介護、その中でもさらに色々なサービスがあります。

自分にあった職種を選ぶ事が長く続く秘訣だと思うので、色々な経験をどんどんして行く方が良いと思います。

必ずあなたに合ったベストな仕事、そして素敵な出会いが待っていますよ!

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