やりたくなかった介護の仕事が今ではやって良かった仕事になりました

現役介護士に話を聞く「深イイ話」
※画像はイメージです。

現役介護士の深イイ話

インタビュー実施日:2020年9月9日

現役介護士にインタビューすることで、介護職として働くことのメリット、デメリットを伝え、これから介護職を目指そうとしている人達の背中を押すことが最終的なゴールです。

プロフィール

高校を卒業後、介護の専門学校に入学1年目で行った介護実習先にて虐待・利用者の死に立ち合い、メンタルがやられ介護の道をあきらめることに。

食品業などにも挑戦しましたが、実習先での出来事が心残りとなり、もう一度介護の世界に飛び込むことに。

幾度かの転職を経験し、今では障害者支援の現場で介護福祉士として従事。同時に、自分の経験や知識を記事にしたいと思いライターとしても奮闘中。

介護福祉士 Damend1221さん

あなたにとって介護職とは?

世間では3Kと言われますがつらいことなんて何もありません。一見すると嫌な仕事でもそれをすることで利用者さんが笑顔で楽しんでくれる、「ありがとう」と感謝の言葉を言ってもらえる。こんな仕事他にはないと思います。

私にとって介護職とは頑張れば頑張るだけ利用者さんの笑顔を見られる素敵な仕事です。

私のざっくり変遷記(職務経歴概略)

  • 2009年4月~2009年10月
    初めての仕事は派遣での製造業
    介護の専門学校を中退後、何か仕事をしなければならないと思い、給料が良かった地元の製造業の派遣会社に就職。しかし、人間関係や正規採用組と派遣組の溝に悩み、半年で退職。
  • 2010年4月~2013年3月
    知人の紹介により、介護の世界で働くことに
    介護の仕事は、専門学校時代の出来事から、就きたくないと考えていた。しかし、以前から人手不足に悩んでいる事を知人から何度か聞かされており、当初は期間限定のパート職員として働くことに。
    当初は介護の仕事が、嫌で毎日時計を見て「いつ終わるかな」と考える毎日。そんな日が半年程続いた頃、とある女性利用者さんとの出来事がきっかけで、介護の仕事の喜びを初めて経験。
    本気で介護の仕事にチャレンジしてみたいと思い、期間終了後にハローワークの紹介でグループホームや特別養護老人ホームにて勤務。そして、同時にセミナーに参加し介護について独学で勉強するようになる。
  • 2013年4月~2020年8月
    一人の知的障害のある方との出会いにより、障害者支援施設に就職
    利用者さんの死に直面し、何もできなかった後悔と過去のトラウマにより、怖くて仕事を出来なくなってしまい、半ば介護の世界を諦めようと考えていた。
    そんな矢先、とある知的障害のある方との出会いにより、障害者の方に対する考え方がガラリと変化。同じ介護でもすごい仕事があるのだと気づき、もう一度だけ頑張ってみようと思い、一念発起。障害者支援施設に勤務しながら、介護の勉強を一から頑張り、実務者研修及び介護福祉士を取得。
    今では5名の利用者さんの担当として、個別支援計画の作成、日々のニーズを形にして、充実した生活を送ってもらえるよう考え、さらに上の管理者の資格を取得し、同法人内の別の事業を任せてもらえるように日々努力しています。

私はこんな介護士です。

私はこんな介護士です。

私はチームワークを最重要視している介護士です。介護の仕事は一人で出来るものではありません。

何故なら利用者さんは施設で24時間生活されていますが私たち介護士は働いても9時間前後であり休みの日もあります。休み明けで記録を読んでいると自分の知らない利用者さんの一面を知ることが出来、新しい発見が多々あります。

どんなに経験を積んで知識を得て資格を取っても、その事実は変わりません。

編集部
編集部

どのようなことをキッカケに介護士になったのでしょうか?

先程も紹介しましたが、当初は介護士として働きたいとは考えていませんでした。

本当に介護士になりたいと思うようになったのはとある女性利用者Aさんとの出来事がキッカケだったと言えます。

その利用者Aさんは水分を殆ど取られない方でした。お茶も飲まなければジュースも飲みません。栄養補助飲料等も試しましたが何も飲まない状態が続き食事からの水分だけではこれ以上は危険なレベルまで来ていました。

そんな時、大々的な会議が行われ、「どうすれば水分摂取をして頂けるか」という話になり、パート職員に対しても何か知恵を出してくれという話になりました。

当時、そういった会議に参加したことがなく、ただ指示された仕事だけを黙々とこなす日々だったためか、自分には関係ないと思っていました。

そんなある日、その方を含め散歩に出かけることがありました、8月の夏休みの時期だった事もあり、自転車に乗った子供たちとすれ違うことが多々あったのですが、とある男の子が食べていたアイスキャンディーをAさんが凝視しているのに気付きました。

「アイスなら食べられるんじゃねえ?」と何となく思い、翌日出勤前にアイスを買ってきて上司に説明し、Aさんの前にアイスを出してみるとパクパクと食べてくれました。

周りが驚く中で、Aさんから「食べたかったの、よくわかったね。ありがとう」と言ってもらい、これが介護士の仕事なのだと初めて実感しました。それまで黙々と仕事をこなしていた日々を一変させてくれるキッカケになったと言えます。

他にも、やり甲斐や誇りを持って働く介護士がいます

介護職は適職。介護を通じて自分を知り、人間力をつける
クビ同然で会社を辞めた私が転職して介護現場の責任者になれた理由
転職してよかった。思い切って市役所事務職から介護職へ
介護職に対する世間のマイナスイメージを払拭したい
将来の夢は自分の介護施設を持つこと。資格取得で変わった介護職のイメージ
編集部
編集部

介護士になって良かったこと、やり甲斐は何ですか?

利用者さんと一緒に笑いあえることです。

例えば、テレビを見ていると面白い場面があれば、一緒に笑いあう時もあれば悲しんだりもします。雑誌を読みながら「このお店に行ってみたい」「これが食べたい」など話が広がるなど感情の共有が出来る点です。

他にも、毎日決められた作業やスケジュールは殆どなく、一日絵をかいて過ごす日もあれば、映画を見る日、ドライブに行く日など飽きが来ないように、毎日様々なことを考え実施していきます。

準備は大変ですが、開催出来たときに利用者さんから「ありがとう」「楽しかった」と感謝や笑顔を貰えた時にやってよかったと思えることが、毎日のようにあります。

編集部
編集部

印象に残っているご経験はどのようなことですか?

あれは、お正月に初詣に行った時の事です。

利用者さん数十人と職員と近くの神社に行くことになりました。屋台も多数出ており、それらを見ながら歩いていると、女性利用者Tさんがりんご飴を眺めているのに気付きました。

しかし、上司から先にお参りを済ませると言われていたので「Tさん行きますよ」と言い一緒に境内に行きました。お参りをしていると職員の一人が、Tさんが居ないことに気付きました。人も多く逸れたのではないかと慌て周辺を探すも見つかりません。

施設に連絡して応援を呼び探していた時、ふと先程の出来事を思い出したのです。

りんご飴の屋台の前に行くとTさんが蹲っていました。何も言わず、りんご飴を見ているので食べたいのかと思い、ポケットマネーで購入し渡すと、笑顔でペロペロと舐め始めました。

少しして「ごめんね」と言われ、「何がですか?」と聞くと「迷惑かけてごめんね、ダメとわかっていたけど、食べたかったのよ」と言われた時、自分がいかに利用者さんの気持ちを考えずに、行動していたことにハッとしました。

上司からの指示とはいえ、それは介助者側の考えであり、利用者さんの意見は何一つ入っていません。他の利用者さんも屋台を見て食べたかったのかもしれません。

そんな思いに気づけなかった自分に後悔し、利用者さんが常に何を思っているのかを行動や目の動きなどから捉え考えるようになりました。

編集部
編集部

仕事に就かれた当初苦労されたことなどありましたらお願いします。

知識や技術がないのは当初から分かっていましたし、上司からも「経験を積んでいけば覚えていく」と言われていたので、時間をかけて覚えていこうと考えていました。

しかし、日常生活において分からないことが多々あり、男だからと今までしてこなかった事への後悔と苦労がありました。

例えば、掃除をするにしても畳の掃除をするときに、掃除の仕方が違うと利用者さんから指摘されたり、雑巾の絞り方も指摘されたり教えてもらう事がありました。

居室の整理整頓でも、衣類の畳み方が間違っていて注意されることもあり、いかに自分が今まで家事をしてこなかったのかを実感させられました。

その頃は何をするにしても、携帯で調べて間違っていないかの確認や利用者さんの目を気にしていました。

編集部
編集部

日頃から大切になさっていることはなんですか?

自分が笑顔になれているかです。

利用者さんは職員の顔をよく見ています。中には会話のできない方も居ますが多くの方が顔を見ています。

怒った顔をしていれば、「何か悪いことをしたんじゃないのか」「怒られる」と思い不安になられる方も居ます。

逆に笑顔で居れば、「自分も嬉しい」「楽しい」と思い笑顔になられる方がいます。これは初めて、介護の世界に入った時に先輩から言われたことです。

排泄介助をしている際に、自分では何も考えていませんでしたが、終わった後に利用者さんが何度も「ごめんね」「ごめんね」と謝ってきたことがありました。

なんだろう?と疑問に思っていると先輩から、こう言われました。

「無意識のうちに嫌そうな顔になっていたよ、利用者さんは職員の顔をよく見てるから、直ぐにバレるよ」

さらに先輩から、「嫌な仕事だと考えてたらそんな気持ちになるのは当たり前、だけど介助したあとに感謝の言葉を貰った時嬉しくなかった?そう思えたのなら自然と笑顔になれるよ」

その言葉を聞き、自分の仕事が利用者さんの笑顔に繋がっているのだと考えるようになり、それから笑顔を大切にしています。

編集部
編集部

今後やりたい事や目標などありますか?

地域との交流です。

元々介護施設を初め施設の多くは、閉鎖的なイメージがあり中で何をしているのかわからないと、オープンになっていませんでした。

私の勤めている障害者支援施設はその点が強く、地域との交流を避けてきた施設が多いです。

しかし、例え障害があっても人との交流の中で人が成長することに変わりはなく、もっと多くの方と触れ合ってもらいたいと考えています。

そのため、イベントを計画し、地域の方々を招き利用者さんとの交流の機会を増やしていきたいと思います。

また、英語の勉強がしたいです。介護の世界は既にグローバル化が進んでおり、外国人実習生を多く受け入れている施設が結構あります。全ての方は、日本語が話せるように勉強していますが、それでも会話にならない、難しい言葉がわからないなど多々あります。

実習生に対して日本語を理解してもらうのではなく、こちらから英語を勉強し、介護についてもっとお話をしたいと考えています。

編集部
編集部

これから介護の仕事を目指している人へメッセージをお願いします。

これから介護の仕事を目指している人へメッセージをお願いします。

介護の仕事は3Kと言われていますが、それは昔の話であり今では真逆になっています。

確かに仕事を覚えるまでは大変ですが、それはどの仕事に就いても同じことです。

トイレ掃除や排泄介助など汚い仕事は勿論ありますが、そのたびに利用者様から「ありがとう」の言葉や感謝の言葉を貰えるたびに汚いなんて思えなくなります。

こんなに感謝の言葉を貰える仕事は、他にはないのではないでしょうか。

現在、日本は超高齢化社会に突入しており、今後さらに高齢者が増え、介護職に対する需要は増えています。

例えば、これまで給料が安いとされてきましたが、処遇改善と呼ばれる手当が支給されるようになり、最大で1か月2.3万円になるため、年間で考えるとかなりの額になると思います。

さらなる人材確保のため、政府はさらなる支援も検討しており、給料が安い時代は既に終わったと言えます。

世間では倒産やリストラ等のニュースもよく聞きますが、介護においてまずありえませんし、あったとしても転職なんて何処も人材不足なのですぐに出来てしまいます。

全くの別業種からでも問題ありません。私の同僚にも学校の先生やIT系に勤めていた方など異色の経歴を持たれる方が居ますが、そんなこと関係ありません。

大切なのは、どれだけ相手を思いやり考えられるかだけです。是非介護士になり一緒に頑張りましょう。

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