介護の仕事は天職。介護に興味を持ち始めてから、今では施設長兼デイサービス管理者

現役介護士に話を聞く「深イイ話」
※画像はイメージです。

現役介護士の深イイ話

インタビュー実施日:2020年9月15日

現役介護士にインタビューすることで、介護職として働くことのメリット、デメリットを伝え、これから介護職を目指そうとしている人達の背中を押すことが最終的なゴールです。

プロフィール

工業高校へ進学し自動車の整備士を目指していた私。しかし授業を受けてみると手先が  不器用で自分には向いてないと感じていた。そんなある日、大好きな祖父母と会話をしていた時に介護の仕事への興味が湧いてくる。

工業高校卒業後、保育福祉専門学校へ進学。社会福祉主事任用資格、ホームヘルパー1級、福祉住環境コーディネーター、保育士の資格を取得。卒業後介護老人保健施設へ就職。

3年半勤めながら社会福祉士国家試験に挑戦し合格。その後、医療ソーシャルワーカー  有料老人ホームで介護士をしながら、施設長兼デイサービス管理者となる。

介護福祉士 ryo0777さん

あなたにとって介護職とは?

寄り添い、支え、人を笑顔に幸せにすることができる仕事。ご利用者様一人一人に合った対応方法は教科書通りにはいかないものであり、だからこそ経験を重ねる事が大事。

様々な引き出しを持ち、真に寄り添う介護ができた時は、家族にも見せたことがないような笑顔を得る事ができる。

それこそが、最高の報酬です。

私のざっくり変遷記(職務経歴概略)

  • 2006年4月~2008年3月
    自動車整備士を目指し工業高校に進学も挫折
    自動車整備士を目指し、工業高校へ進学するも実習の授業などで、手先が不器用な自分に気づきました。勉学などテストでの成績はトップでしたが、実習の成績は赤点ギリギリの時もあり挫折を経験します。
    そんなある日、何気ない祖父母との楽しい会話から、これが仕事に繋がればと考え、介護の仕事に興味が湧き進路を変更します。
  • 2008年4月~2011年3月
    好きなことを仕事にしたいとの強い思いから保育福祉専門学校へ
    保育、福祉専門学校に進学し、福祉の勉強を始めながら、介護への仕事にとても興味が湧き専門学校で取れる資格は全て取得しました。
    同時に、保育の学科も併用して勉強でき、保育士の資格も取得しました。ボランティア活動なども重ね、高校生の頃の自分と比べるとコミュニケーション能力も上がっておりました。
  • 2011年4月~2014年10月
    介護老人保健施設に就職
    専門学校を卒業した後に介護老人保健施設に就職が決まりました。
    そこで、介護職員としての配属が決まりました。重度の入所者様が多く、学校で勉強した  通りにはいかない現場に初めは戸惑っておりました。自宅で調理など、ほとんどしない私が苦戦したのは、誤嚥防止の為のトロミを付けたお茶を作る仕事でした。簡単そうに見えたのですが、トロミの粉の分量や混ぜる速さなどを間違えると塊になってしまうのです。そんな事もありましたが、食事介助、入浴介助、排泄介助、エンゼルケア、などの作業を覚えていき、半年ぐらいで一通りの仕事をマスターしました。
    人間関係では全員が優しいわけではなく、私がご利用者様と会話をしていると、厳しい先輩職員から「会話より業務を優先しなさい。ゆっくりしている暇なんてないよ!」と怒られる事もありました。
    確かに忙しい中で、1人がペースを乱すと業務に支障が出るのは分かっていたのですが、入所者様も家族と離れ寂しい思いをしているのは、伝わってきておりました。
    また、会話をすることが好きな自分にとって、その時間はとても大事でしたので、休憩時間や夜勤の間に会話をするなどして、自分なりに怒られないように、工夫し楽しく仕事をしておりました。
    おかげで入所者様と家族のような関わりができ、ご家族様からも「いつもありがとう。あなたが夜勤でいてくれる日は安心して任せられる。」とありがたいお言葉をいただく事ができ、やりがいに繋がっておりました。
    夜勤明けなどに図書館で勉強し、社会福祉士の資格を取得してから、違う施設でも勉強してみたいと思っておりました。
  • 2014年11月~2018年6月
    病院の地域連携室に医療ソーシャルワーカーとして転職
    そんな施設でのやりがいを感じなら、取得した社会福祉士の資格を活かしたい思いが強く、 病院に転職し医療ソーシャルワーカーとして勤務し始めました。
    病院でも患者様やご家族様対応があり、相談支援業務が主でした。話を聞き的確なアドバイスや心理的なケアを行う事で「ありがとう」の声を聞くことができ、ここでもやりがいを感じておりました。
    また、仕事をしながら休暇などに勉強し、介護支援専門員や介護福祉士の資格を取得し、次は有料老人ホーム施設長兼デイサービス管理者を任せていただく事になりました。
  • 2018年7月~
    デイサービス併設型有料老人ホームに異動
    病院でのソーシャルワーカーとしての業務を評価してくださり、28歳の若輩者でしたが
    有料老人ホーム施設長兼デイサービス管理者に抜擢してくださる事となりました。
    有料老人ホームではご利用者様の介護度が軽い方も多く、ご利用者様同士でのトラブルや
    口論になる方もとても多かったです。
    最初は、前任の管理者の方への信頼が強く、なかなか私に心を開いてくださるご利用者様はいらっしゃいませんでした。それでも今までの介護老人保健施設や病院での経験を活かし、一人一人のご利用者様の性格や好きな事悩んでいる事について、ゆっくりと耳を傾けて話し、あるがままに受け入れる姿勢でいると、ご利用者様もすぐに私を家族のように受け入れてくださいました。
    ご利用者様は私を頼りにしてくださり、何か自分で決めごとをしたい時はいつも相談をくれておりました。ご利用者様から「私はここに来て最初は寂しかったけど、あなたと会えた事で毎日が楽しく、最近ではここで最期を迎えてもいいなとさえ思えているよ。」と仰ってくださり、私の心からの気持ちや関わりは間違ってなかったと思う事ができ、最高のやりがいを感じました。
    業務は日々多忙でしたが、ご利用者様から必要とされている瞬間や感謝の気持ちをいただいた時は、疲れも一気に忘れさせてくれました。

私はこんな介護士です。

私はこんな介護士です。

私は、常にご利用者様やご家族様にとって、一番合っている支援方法を考え、元気で長生きしていただく事を目標とした介護を徹底しております。

その一つとして、ご利用者様の残存能力を生かした支援では、ご利用者様ができる事、やりたいと思っていることを諦めずに、実現する為のお手伝いを行ってきました。その中で最も大切なのは自分一人で考え、自分の考えだけで行動しない事です。

必ずご利用者様の周りの家族や様々な職種の方と、連携して進めていかなければなりません。医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士の方等に身体の状況、精神の状況を確認しながら、ご利用者様やご家族様と一緒に目標を考えます。きっかけは趣味でも何でも構いません。

釣りが好きな方は釣りができるようになる為に、必要なアプローチ方法を考案するのです。ご利用者様の目標を一緒にみつけるのも、介護士の重要な仕事だと思っております。本当はやりたいと思っている事や、諦めてしまっている方の気持ちを引き出す為に、日々の関わりやコミュニケーションがとても大切です。

元気で長生きしていただく為に、健康はもちろんですが、生きる意味や目標を諦めては最高の人生に繋がらないと私は思うからです。

元気で長生きしていただく事を常に考え、意欲向上に繋げ、介護施設でも楽しい生活を送っていただきたいといつも考える事で、自然とご利用者様やご家族様や連携する職員の皆さんから、「あなたはいつもご利用者様を第一にそして何が大事かを考え行動してくれるからありがたい」との言葉をいただく事ができました。そのことは今でも大切な宝物です。

編集部
編集部

どのようなことをキッカケに介護士になったのでしょうか?

最初の方にも少し書かせてもらいましたが、高校時代、自動車の整備士を目指していた際に手先が不器用な事に気づき挫折しました。

しかし、祖父母のおかげで楽しく会話をする事や笑顔を見るのが大好きだった私は、こんな仕事があればいいのにと思い調べたのがきっかけでした。本屋さんに立ち寄って資格の参考書をみていた時に、介護や社会福祉士の仕事を知りました。

勉強好きだった私にとって、知らなかった様々な福祉資格との出会いも興味がわいてきました。専門学校へ行き、ボランティアや実習も行っていくうちに、さらに介護士の仕事に就きたい思いが強くなりました。

実習やボランティアで初めて現場を見たときは、ご利用者様への接し方や深い関わりをもっていなければ、決して気づくことができない変化など様々な事に対応し、業務を的確にこなす姿に、自分もこんなプロの介護士になろうと思いが強まりました。

また、私の家族もあなたの優しい気持ちがあれば、きっといい介護士になれると後押ししてくれたのもきっかけでした。

他にも、やり甲斐や誇りを持って働く介護士がいます

介護職は適職。介護を通じて自分を知り、人間力をつける
クビ同然で会社を辞めた私が転職して介護現場の責任者になれた理由
転職してよかった。思い切って市役所事務職から介護職へ
介護職に対する世間のマイナスイメージを払拭したい
将来の夢は自分の介護施設を持つこと。資格取得で変わった介護職のイメージ
編集部
編集部

介護士になって良かったこと、やり甲斐は何ですか?

やはりご利用者様に思いが伝わった時で、自分を頼りにして下さっている時です。中には、家族に言えないような悩みまで私に打ち明けてくださる方もいらっしゃいました。

ご利用者様を大切に思う気持ちと事務的な関わりではなく、心からの受容と傾聴をもって接する事で、しっかりと繋がっている実感がもてた事が1番やりがいに繋がっておりました。

認知症の方は、短期記憶が乏しくなり中々覚えられないとありますが、私の名前と顔は忘れないように、紙に書き会話の最中に私の名前覚えてくれていますか?と何度か問いかけを繰り返しているとしっかりと覚えてくださいます。

関わる時間と内容によって、認知症など感じることがなくなるのです。私の顔を見た瞬間に、安心されたりや笑顔がみえた時は、私もこの仕事をやっていてよかったと思えます。

編集部
編集部

印象に残っているご経験はどのようなことですか?

介護老人保健施設で勤務していた際に、若くしてパーキンソン病にかかってしまった女性入所者様との出会いです。入職して初めてその方の担当をさせていただく事になり、最初の会話は「あなた何をしているの?そんな事もできないの?」と注意を受け、「すみません。気を付けます。」の繰り返しで失敗だらけでした。

しかし、何とかこのご利用者様の想いに答えようと、注意を受けた事は二度と同じ間違いをしないように気をつけ、些細な事でも足を運び会話を続けていると、ある日「あんたは、こんな私になんでそんな優しくしてくれるの?他の人は皆私に他人行儀で離れていくのに。」と涙を流されていたのです。

私は「それはあなたが大切で放っておけないからです。仕事の間でしか関わる事ができないですが、私はあなたを母親のように思っております。」とお伝えしました。

その日から「これから私の事をお母ちゃんと呼んで」と笑顔で仰ってくださり、私とご利用者様の間には1ミリの壁もなくなっていきました。

感情移入する事や感情過多であってはいけない考え方もあるのかもしれないですが、私の理想とする介護や後で出会う様々なご利用者様全てに対応できたので、この家族のような関わりは間違っていないと思っております。

そのきっかけになったこの女性との思い出は、今でも大切にしております。

編集部
編集部

仕事に就かれた当初苦労されたことなどありましたらお願いします。

職務についてすぐに苦労したのは、誤嚥防止の為のトロミを付けたお茶を作る事です。

簡単そうに見えたのですが、塊になってしまう事が多く失敗を繰り返してしまいました。

他は認知症のご利用者様の対応です。食事が終わった事を忘れて空腹の訴えや入浴を嫌がる方、帰宅願望が出る方等、適切な声掛けや対応を覚えるのに時間がかかりました。先輩と同じように対応したとしても、その日その瞬間でご利用者様の想いは変わってしまう事も多く関わりの中で納得され落ち着かれる声掛けや対応を覚えていかなければなりません。

一つ対応を間違えると怒られてしまう事や、嫌がられる原因になるので 最初は慎重に探りながら声掛けしておりました。同じ認知症の方でも症状によって違い、特にレビー小体型認知症の方は幻視や暴言、暴力がひどい方も多く落ち着いていただくのは至難の業でした。

しかし、慣れてくると当たり前のように対応ができておりました。体が覚えるので頭で考えるよりも先に言動や行動がとれるのです。初めて後輩ができた時、私も初心に戻り入職当初大変だった話をしました。

それを聞いてくれ対応を覚えていく後輩の姿を見ると、なんだか嬉しくなったのを今でも覚えております。

編集部
編集部

日頃から大切になさっていることはなんですか?

日ごろから大切にしている事は、自分の感情のコントロールです。まず絶対に仕事に私情を持ち込まない事を決めておりました。家庭でどれだけ嫌な事があったとしても業務についたら、プロとしてご利用者様のケアをしなくてはいけないからです。

感情的にならず常に落ち着き、笑顔で話を聞く事でご利用者様も安心して心を預けてくださいます。感情のコントロールがうまくできるようになると、どのような業務や対応も困らずスムーズに行えましたので、これはとても大切にしております。

また、もう一つ大切にしている事は、今まで関わってきたご利用者様の事を忘れないです。名前、好きな事、どんな会話をしてどんな思い出があるか今でもお話できるくらい覚えております。

編集部
編集部

今後やりたい事や目標などありますか?

今後はライターとして活動しながら、これから介護士を目指す方にとって魅力、やりがいをお伝えできるような仕事をしたいと考えております。

介護の仕事は楽しく壁を乗り越える事で先が見え、その先に自分のスキルアップが待っているので、やった分だけ返ってきます。

それを知ることなく諦めて離職される方が多いので、非常にもったいないと思っております。そんな方達の悩みも聞きながら、離職を防ぐ支援もしていきたいと考えております。

編集部
編集部

これから介護の仕事を目指している人へメッセージをお願いします。

これから介護の仕事を目指している人へメッセージをお願いします。

介護の仕事は人との出会いです。出会った人全てが自分の宝物に変わっていきます。初めは他の仕事と同じように失敗はあります。

しかし、何度も失敗を繰り返しながら、その先に見えてくる自分の成長があります。それがやりがいへと繋がってくるのです。介護の仕事を目指している人は期待と不安の両方があると思います。私もそうでした。

でも、安心してください。

業務についてみると、不安は一気になくなり楽しさや、やりがいのある素晴らしい仕事だと必ず実感できます。

また、更なる高みを目指し知識を深めたいと思われる方は、資格取得も目指してください。福祉や介護保険の制度や仕組みを知る事で、アドバイスができ、今までと見方も変わってくるからです。介護士として現場のプロでありながら、福祉系の資格でも難易度が高いものに合格できた時は自身にも繋がります。

これからも高齢の方は 増え続けていきます。在宅で暮らしている方、暮らせなくなった方、困っているご家族の方を自分が支援する事で「ありがとう」や「あなたが介護してくれてよかった」の言葉をいただけた時これに勝る嬉しさや、やりがいは他にないと思います。

是非、介護の仕事を目指している方には早くこの仕事の魅力を知っていただきたいです。

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