祖母を救ってくれた介護業界。そこには、利用者が素敵な最期を迎える為の一助になれる仕事がありました。

現役介護士に話を聞く「深イイ話」
※画像はイメージです。

現役介護士の深イイ話

インタビュー実施日:2020年11月11日

現役介護士にインタビューすることで、介護職として働くことのメリット、デメリットを伝え、これから介護職を目指そうとしている人達の背中を押すことが最終的なゴールです。

プロフィール

学生時代はサッカーに明け暮れておりましたが、高校卒業後はサッカーに一区切りをつけ、デイサービスへ通っている祖母の事がきっかけで、興味のあった福祉系の大学へ進学しました。

新卒として、祖母が通っているデイサービスの会社へ入社し、現場職→介護リーダー→事業所の管理職→エリアマネジャーとして働いておりました。

しかし、もう一度介護の専門職としてひとりの利用者と向き合って仕事がしたいと考え、思い切って社会福祉法人へ介護職として転職をしました!

介護福祉士 koike43さん

あなたにとって介護職とは?

「人間力」が磨かれる仕事です。

利用者、その家族はなにを求めているのか?介護サービスを使いたくて使っている人なんていません。人間自分でできる事は何でも自分でやっていきたいと思うはずです。

混乱している利用者に最大限寄り添い、言いたくても言えず、何をしてほしいのかもわからない、隠れているニーズを引き出す事、ゼロから始まる信頼関係を築いていく事、これは人生においても大事な能力です。

私のざっくり変遷記(職務経歴概略)

  • 2013年4月~2015年3月
    訪問入浴オペレーターとして裏方役へ
    裏方役としてお宅までの運転や浴槽の組み立て、利用者の移動介助などを主に担当していました。数ある経験の中で、一番利用者から感謝される仕事でした。
  • 2015年4月~2016年3月
    新規開設ショートステイの現場リーダーに抜擢される
    ゼロから作り上げていくので、私より経験豊富な職員等をまとめるのに苦労しましたが、利用者だけでなく職員とのコミュニケーションを大切にし、皆で力を合わせて作り上げていきました。
  • 2016年4月~2019年3月
    事業所の管理職として奮闘
    管理職(施設長)へチャレンジする事になりました。初めはやる気に満ちておりましたが、いざやってみると苦労の連続、ですが、当時の上司や職員、利用者に支えられながら、苦難を乗り越える事ができました。最終的にはショートステイ・訪問介護・居宅介護支援事業所・小規模多機能・グループホームなど短い期間で様々な事業所を経験させていただきました。この時期に介護福祉士・社会福祉士を取得しました。
  • 2019年4月~2020年9月
    エリア統括として従事するも・・・
    主に各担当事業所の管理者へのサポート支援や採用活動、集客など内部の仕事をメインとしながら、地域包括支援センターの職員と共同で認知症カフェを運営や、地域のイベントへの参加運営などの地域活動を行っておりました。
    やりがいはありましたが、自分自身がこの介護業界で働く本質的な部分がずれてきていると考え、この仕事をこれからも長く続けていくためにはもっと専門職として極めていきたい!と一つ区切りをつけました。
  • 2020年9月~2020年11月
    いずれはケアマネージャーや包括の職員として仕事をしていきたい
    興味のあった社会福祉法人がちょうど自宅の近くにあり、私が経験したことがない特養や包括もある為、もう一度介護職として、勤務をしております。副業で夜間訪問介護の仕事をしながら学びのある充実した毎日をすごしております。

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私はこんな介護士です。

私はこんな介護士です。

利用者の利益を最大限に考えるため、職員全員と対立しようともそれが利用者のためなら意見は曲げません!

介護職員として働いていると様々なジレンマと対峙することがあります。特に人手不足のために、どうしてもケアが職員都合になってしまいがちですし、できないと思ってしまったことは諦めてしまいます。

私自身もそうした気持ちは痛い程よくわかりますし、自分たちの負担がなるべくかからない方法を模索してしまいます。ですが、冒頭の方で述べた通り、利用者は好きで介護サービスを使っているわけではありません。誰もが本当は人の手を借りずに生きていきたいのです。

生きていくために仕方なく使っているサービスですから、それに寄り添い、利用者がより良い生活ができる為に考え抜いて提供する事が私たち介護職の仕事です。できるだけ自立した尊厳のある生活が保てるように、専門職として何が出来るのか、できないことはどうしたら少しでも引き出せられるか、絶対に妥協してはいけません。

そこに介護職としての本質があると私は考えておりますし、やりがいは半端なくあると感じています。

編集部
編集部

どのようなことをキッカケに介護士になったのでしょうか?

私が中学生だったのある日、ひとり暮らしをしていた祖母が突然「くも膜下出血」のため救急搬送、そのまま入院手術をしました。

祖母はまだ60代でとても元気でしたが、これをきっかけに同居する事になり、無事に約3ヶ月の長期入院を経て帰ってきたのですが、その姿は本当に歳をとったザ・お婆ちゃんだったことを今でも覚えております。話もつじつまが合わず、ボケボケ状態でした。

叔母がケアマネージャーだったため、祖母はデイサービスを勧められ通うことになりましたが、なんとびっくり、毎日通うたびに元気になっていった祖母がおりました。

「デイサービスってどんな所だ!?」と、私はそこで興味をもつようになりました。当時サッカーしかしてこなかった私ですが、頭の片隅には介護がずっと残っており、高校卒業でサッカーに一区切りをつけて、福祉系の大学に進学しました。

この選択は今でも後悔することなく、介護の仕事に誇りをもっております。

他にも、やり甲斐や誇りを持って働く介護士がいます

転職してよかった。思い切って市役所事務職から介護職へ
システムエンジニアから介護職へ。思いやり、やりがいのある仕事を
クビ同然で会社を辞めた私が転職して介護現場の責任者になれた理由
将来の夢は自分の介護施設を持つこと。資格取得で変わった介護職のイメージ
介護職は適職。介護を通じて自分を知り、人間力をつける
編集部
編集部

介護士になって良かったこと、やり甲斐は何ですか?

利用者やその家族から感謝をいただいた時や「あなただから」と信頼してくださった時です。

ある利用者の在宅生活が厳しくなってきた際に、その家族から「あなただからお話したいのですが・・」と相談をいただいたことがありました。「他の事業所がケアを諦めかけてしまっていて、医者からも在宅生活はもう無理と言われてしまったけど、どうしても在宅で最期を迎えて欲しい。あなたはいつも真摯に話を聞いて、一生懸命介助の方法を考えてくれたり、アドバイスをくれたりするので。」と、様々な医療的サービスも入っていながら、介護士である私に相談してくださったのです。

その後、医師やリハビリ職を巻き込んで会議を行い、その利用者は在宅生活を続ける事ができました。

その際にいただいた感謝の言葉や、信頼してくださるあの感覚は、なかなか他の業種では味わえないと感じています。

編集部
編集部

印象に残っているご経験はどのようなことですか?

エリアマネージャーとしてグループホームで業務をしていたある日、「この施設は空いていますか!?」と突然鬼気迫る勢いで、見学にこられた方のお話です。

利用希望なのは、見学にこられた方の父親との事ですが、パーキンソン病の進行が深刻であり、母親との老老介護で2人暮らしがもう限界なので、すぐに入れて欲しいと、涙ながらにお話をされていました。

その利用者をお受け入れしたのですが、症状は深刻で、毎日のようにホームで転倒をされていました。どうしたらこの方が安心してホームで生活出来るかを職員たちと考え、ポールを設置してみたり部屋のレイアウトを変えてみたりと、一生懸命その利用者に向き合いました。

家族からは「こんなに一生懸命対応してくださり本当にありがとうございます。」と感謝をいただきましたが、入居して2ヶ月、その方は肺炎で入院、余命わずかと診断をされてしまいました。「もうグループホームに帰ることは難しくなってしまったため、最期は自宅で迎えさせてあげたい。けど、時間もなくどうすればいいのかわかりません。」と、家族より相談を受けました。

エリアマネージャーだった私は、ケアマネージャー、訪問看護、訪問介護が1つの事業所で受けられる「看護小規模多機能」を担当していたため、これを使うことが最短で退院ができる1番の方法だと提案いたしました。

その利用者は看護小規模多機能の利用を選択し、訪問看護を1度だけしか使いませんでしたが、最期は自宅で大好きなお寿司を食べながら誕生日会を行い、次の日の朝、眠るようにお亡くなりになられました。退院した次の日でした。

後日、勤めている会社の社長宛てに、家族から手紙が届き、感謝の文が綴られていた事を、私は一生忘れません。

編集部
編集部

仕事に就かれた当初苦労されたことなどありましたらお願いします。

訪問入浴オペレーターとして働いていた頃、寝たきりの利用者を浴槽からベッドへ抱え込んで移動するのですが、その際に利用者の身体を浴槽にぶつけてしまい、傷をつけてしまった事がありました。

当然家族も見ていたため、お叱りを受け私は抱える事が怖くなってしまいました。そこで助けてくれたのが当時の先輩たちで、夜遅くまで練習に付き合ってくださったことや、ぶつけてしまった利用者宅への同行などサポートをしてくださりました。

訪問入浴に限らず、困った時はいつも助けてくれる先輩が必ずいる、介護業界には優しくて人間くさい人がたくさんいるなと感じています。

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編集部
編集部

日頃から大切になさっていることはなんですか?

「自分の価値観を押し付けないこと」です。人間誰しも価値観は違います。自分が正しいと思うこと、良いと思うことは必ずしも相手はそう思っているとは限らない。利用者はもちろん一緒に働く職員にも言えることです。

相手がどう思っているかを、より客観的に考えている事を心掛けております。そのためには、相手とコミュニケーションを密にとる事が大切です。

編集部
編集部

今後やりたい事や目標などありますか?

より専門職として、地域に貢献していきたいです。

そのために、もう一度、介護職として専門性を磨き、ケアマネージャーを取得、社会福祉士としても地域で困っている方、在宅生活を望んでいる高齢者のために、いままで培ってきたノウハウを活かした仕事がしたいと考えております。

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編集部
編集部

これから介護の仕事を目指している人へメッセージをお願いします。

これから介護の仕事を目指している人へメッセージをお願いします。

人から感謝されるやりがいのある仕事であることは間違いないのですが、介護といっても本当に奥深く、幅広いキャリアアップを目指せる環境が、自分しだいで選択できる世界です。

専門職として現場の最前線にたつもよし、リーダーとして活躍するもよし、資格をとって相談職や起業経営するもよし、民間企業に入って私のように管理職などマネジメントサイドにまわることができるなど、すべて自分で選択ができます。

その大前提として、何を目指すにしてもまずは介護現場に立つことが大切です。業界に飛び込み、一緒に介護業界を盛り上げていきましょう!!

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