介護を通して自分の生きるスタイルを知ることができ、新しい道が開けました

現役介護士に話を聞く「深イイ話」

現役介護士の深イイ話

インタビュー実施日:2021年4月8日

現役介護士にインタビューすることで、介護職として働くことのメリット、デメリットを伝え、これから介護職を目指そうとしている人達の背中を押すことが最終的なゴールです。

プロフィール

大学を卒業後、営業の仕事をするも、自分に対人恐怖があることを知り、半年で退職。自宅に引きこもる。

1年半後に、父親が脳梗塞となり、入院。その1ヶ月後に、母親が持病の統合失調症を悪くし入院。父親は3ヶ月で退院し、母親も半年で退院。3人での暮らし、親の介護を始める。引きこもりでしたが、自宅の介護の延長上だと思い介護の仕事を始める。趣味は、自然栽培による菜園、料理、読書、映画鑑賞、音楽ライブ観戦、野山散策、健康術と多岐にわたる。

介護福祉士 Wattchi027さん

あなたにとって介護職とは?

自分にとっての介護職とは、介護を受ける方が今よりもより良く生きるためのサポート役。

温かく、優しく、軽く、明るく接し、その人の想いをくみ取る。日常の仕事の中で、自分の課題や内面に気付き、より自分も磨かれていく仕事が介護職です。

私のざっくり変遷記(職務経歴概略)

  • 1997年4月~1998年10月
    掃除用品のレンタル業の営業職として就職
    ルート配送と営業の仕事に就くが、自分に対人恐怖があることを知り、営業職が怖くなり、1年半ほどで退職をしました。
  • 1998年10月~2000年1月
    自宅にて引きこもる・親の介護
    次にする仕事が見つからず、1年ほど自宅で引きこもりうつ状態になっていました。その後、父親が脳梗塞となり入院。3ヶ月後、左半身麻痺で退院。母親持病の統合失調症で入院。半年で退院。自宅にて、父親の介護、母親の支援をすることになりました。
  • 2001年2月~2017年3月
    特別養護老人ホームに介護職員として勤務
    特別養護老人ホームに介護職員として勤務。家の介護の延長線上だと思い、介護の仕事を始めました。入居されている方と話すこと、活動すること、一緒に笑ったり、外出をしたり、時には喫茶店で過ごしたりすることは楽しく感じました。
    認知症の方の対応で苦労したこと、肉体的に辛いと感じることは度々ありましたが、自分よりも長く生きてこられた方から学ぶことは多かったです。入居されている方と過ごす時間が、家族よりも多くなり、話す機会も多くなります。そのような中で、施設で最後を迎える方も多くあり、生きること、人生の終わり方を考えさせられました。途中1年間、親の介護で現場を離れましたが、現場に復帰しました。
  • 2018年4月~2019年10月
    有料老人ホーム併設の居宅支援事業所にてケアマネージャーとなる
    1度現場を離れてみようと思い転職しました。利用される方、家族、各事業者、施設関係者など、多くの方の背景、思いなどを汲み取りながらの介護計画作りとなりました。
    有料老人ホームということがあり、値段に見合うサービスを求められ、サービス業であることを痛感しました。自分の接遇を見直すきっかけになり、敬語を接し、礼を欠くことのないように心掛けています。利用される方の希望や望んでみえることをより探っていこうと思うようになりました。
  • 2019年11月~現在
    サービス付き高齢者向け住宅にて、訪問介護管理者に転職
    知り合いの方に声をかけられたのもあり、現在はサ高住の訪問介護管理者の立場にあります。
    訪問介護のヘルパーの仕事は、介護技術はもとより、より細やかなところに気付き配慮することを求められる仕事であることを感じています。利用される方の必要としている介護サービスを知り、理想とされる生活により近づいていこうと思い仕事をする日々です。

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私はこんな介護士です。

私はこんな介護士です。

自分の性質や性格もありますが、自分が話すよりも、相手の方の話を聴くようにしています。相手の方の性格や動作を知り、生きてきた背景を知り、想い、希望などを聴いていきます。

そのようなことを日常の中で行っています。介護される方を知り、何をすることが最善なのかを考え日々、自分の発する言葉、対応、介護などを変化させています。

もちろん、こちらから話すこともあります。元気づけたり、励ましたりします。

介護をされる方との基本である人間関係をより良いものにして、介護の主役である方の残こされた人生が少しでも良いものになることを念頭においています。

そばにいるだけで、相手の方が心地よくなるような、気分が良くなるような介護士を目指しています。自分の価値観や常識を押し付けるのではなく、相手の方の価値観や常識を知り、その上で良い介護をしていきたいと思います。

編集部
編集部

どのようなことをキッカケに介護士になったのでしょうか?

介護の仕事だけはしたくないと以前は思っていました。汚く辛いイメージがあったからです。

しかし、父親の介護をすることになり、週に2回来てくれる訪問介護サービスや、週に2回のデイケア、ケアマネージャーの存在が、とてもありがたく感じました。介護を身近に感じ、自分も介護の仕事してみようかなと思ったのが始まりです。

母親の統合失調症も、今までは割と平行線でしたが、父親のことをきっかけに母親は不安定になりました。

そのころから、次第に介護や福祉の業界の必要性を強く感じるようになりました。

資格は無かったのですが、それでも採用してもらえるところを探して、現場で介護の仕事を覚えていきました。親のことがありましたから、介護サービスを利用される方のことが他人事ではないと思いました。

だから、介護の仕事をしてみようと考え行動できたのだと思います。

他にも、やり甲斐や誇りを持って働く介護士がいます

転職してよかった。思い切って市役所事務職から介護職へ
介護職は適職。介護を通じて自分を知り、人間力をつける
クビ同然で会社を辞めた私が転職して介護現場の責任者になれた理由
システムエンジニアから介護職へ。思いやり、やりがいのある仕事を
将来の夢は自分の介護施設を持つこと。資格取得で変わった介護職のイメージ
編集部
編集部

介護士になって良かったこと、やり甲斐は何ですか?

介護士になって良かったことは、自分のことに気付くことです。多くの方と出会いますが、この方は苦手だな、嫌だなと思うこともあります。父親とよく似た無口な人は嫌だなと思っていましたが、実は自分が父親のそういう一面が嫌いだったのだと気付きました。そういうことが時々あります。

そして、医学的な知識が自然と身につくことも良かったと思います。日常の心身の状態を観察しますし、多くの病気にも遭遇します。すると、自然に医学的な知識が身につき、日常生活で役立っています。

介護士のやり甲斐ですが、「あなたがいてくれて本当に助かるわ」と言われ、相手の方が笑顔になることです。介護が必要な状態になり、気分が落ち込んで見える方や元気がない方が、少しでも笑顔になってもらえて、前を向いて生きようと思ってもらえることが何よりです。

安心できる、話を聞いてくれてありがとう、あなたが来てくれるとうれしいと言われると、自分も人の役に立てているのだと実感しています。

編集部
編集部

印象に残っているご経験はどのようなことですか?

家族と縁を切ってみえた右半身麻痺の男性の方が施設に入所されました。まだ、60歳までだったと思います。5年くらいは施設で生活されたでしょうか。自分中心の方で、時には短気で怒りやすい。

しかし、愛嬌のある方で、よく話をしました。板前の方で、お店を出した後に、脳梗塞になってしまい、もう1度料理屋をしたいと話されていました。

かつて、お酒が好きで飲みすぎて、身体を悪くして、その後、脳梗塞になりました。施設で居酒屋のイベントがあった時に、その方のお酒を飲む表情が実に嬉しそうだったのが印象に残っています。スーパーに一緒に買い物に行き、喫茶店も数回一緒に行きました。

亡くなった後に、1年に1度くらい面会に来ていた、姪の方が、「本当にありがとうございました」と言われたことが印象的でした。姪の方に語る施設でのエピソードは、まるで、自分が家族のことを話すような感覚でした。

5年以上施設で共に過ごすことで家族のような親近感を覚えていました。生き方が破天荒な方で性格も個性的で、強く印象に残っています。

編集部
編集部

仕事に就かれた当初苦労されたことなどありましたらお願いします。

「あなたに介護をされたくありません」この言葉ほど嫌だったことはありません。

自分が原因で、相手に嫌われてしまったと思うと、なぜか自分に自信が無くなるのでした。実際は、新人の介護士が嫌い、男性の介護士は苦手という方もあり、拒絶されることもあることは後々分かりました。

しかし、自分の言葉掛け、態度などから、相手に嫌われることがあります。そういう時は困りました。

なぜなら、排泄や移乗などの必要な介護ができなくなるからです。また、嫌われるのも1回や2回ならいいのですが、継続的に嫌われるとこちらも苦痛になってきます。

そういう意味では、職員が多くて、対応を変わることができたので助かりました。今でも嫌がられることもありますが、対応の仕方を覚えましたので当初のようにあからさまに拒絶されることは無くなりました。

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編集部
編集部

日頃から大切になさっていることはなんですか?

介護をする時の自分の仕事の姿勢は大切にしています。介護がサービス業であることを忘れ、利用される方を、上からの目線で対応してしまうことがあります。

敬語に関しては、賛否がありますが、自分の場合は、敬語で接し、相手の方との近すぎず遠すぎずの関係を保つようにしています。介護をサービス業として自覚して取り組むようにしています。

それは、富裕層の方についている家政婦サービスの方の仕事ぶりを見てから、接遇を考えるようになりました。通常の介護を受ける方にも、自分よりも長く生きてきたことに敬意を表し、丁寧に接することを心掛けています。時間をかけて良い関係性が築けた時には、会話や接遇が少し砕けてものになることもあります。

ですが、仕事としての介護サービスをするという思いから、自分の接遇や立ち居振る舞いは大切にしていきたいと思っています。

編集部
編集部

今後やりたい事や目標などありますか?

今後やりたいことは、環境を良くしながら行う農業です。介護や福祉施設の隣に農園があることが理想です。介護を必要とされる方が、心身的に今よりも良くなるにはどうしたらいだろうかと考えてきました。

その1つの答えとして、食であると思っています。病気をされる方が多い世の中で、安全で心身に良い働きのある食材の生産が必要であると思っています。

また、緑のある農園で、元気さを取り戻し、農園で1日を過ごすような日常も良いと思っています。農園での作業が仕事になることも考えられます。農園での仕事が生きがいとなり、
生きる希望になるような場を作りたいと考えています。

介護や福祉が減っていくような世の中になるように今後も仕事をしていきたいと思います。

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編集部
編集部

これから介護の仕事を目指している人へメッセージをお願いします。

これから介護の仕事を目指している人へメッセージをお願いします。

介護の仕事は今では無くてはならないものになりました。自分も家族の立場で、介護サービスには本当に助けられ、預けることのできる入居施設に救われました。本人にとっても家族にとっても介護サービスは助かります。

このように介護の仕事は本当に人の役に立ち必要とされる仕事で、介護の仕事はスタートラインが同じです。

なぜなら、介護の経験をしている人は少ないからです。仕事を始めてからの勉強次第で、優れた介護技術や知識を身につけることができます。そうすることで、介護リーダー、施設長、ケアマネージャー、管理者など様々な仕事を目指せます。

まだ、介護保険になってから20年ほどしか経過しておらず、介護サービスはこれからです。新しい仕事を創造出来るチャンスは多くあります。

少しでも興味のある方には、介護や福祉の分野に飛び込んできてほしいと思います。楽しくより良い介護をこれから創っていきましょう。

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