【認知症ケア専門士】は介護職に必要な資格?認知症ケア管理指導士との違い

介護職の働き方を考える
※画像はイメージです。
認知症ケアについて知りたい介護士
認知症ケアについて知りたい介護士

認知症の高齢者が施設内で、夜「家に帰る」と徘徊したり、利用者さんが急に怒ったりする。どうやったらコミュニケーションがスムーズにできるのだろうか。認知症についてもっと詳しく知りたい。だけど認知症ケアの資格が2つある。どっちを勉強したらよいのだろう。

介護職として仕事をする上で認知症を患う高齢者が大半を占めます。認知症ケアについて詳しく知りたい、学習したいと思い、まず頭に浮かぶことは、認知症ケアに関する資格取得。

「認知症ケア専門士」と「認知症ケア指導管理士」がありますが、介護職としてスキルアップできるには、どちらの資格を勉強すれば良いのだろうと迷う方も多いのではないでしょうか。

今回は「認知症ケア専門士」について「認知症ケア指導管理士」と比較していきたいと思います。

記事のテーマ
  1. 認知症ケアはいまや介護職の必須スキルである
  2. 認知症ケア指導管理士も地域の認知症アドバイザーである
  3. 認知症ケア資格があると自分にも職場にも強みになる

質問があれば気軽にコメントください

介護職は認知症ケア専門士を取るべきか

介護職は認知症ケア専門士を取るべきか

介護職として特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護医療院、有料老人ホーム、グループホーム、デイサービスなどの施設で活躍される場面が多いと思います。施設に入られる高齢者の方々は自宅で生活できなくなった独居老人や認知症などの障害を抱えている方です。

その中で、認知症ケア専門士という認知症に特化した資格を取るための学習は今後超高齢化の中プロフェッショナルとして関わる上で必須スキルだと言えます。

認知症ケア専門士とは?

認知症ケア専門士とは、認知症ケアに対する優れた学識と技能、および倫理感を備えた専門技術のことです。

この資格を認定するのは、一般社団法人日本認知症ケア学会です。日本における認知症ケア技術の向上並びに保健福祉に貢献することを目的としています。

また、生涯学習の義務と資格の更新が義務付けられており、上級の資格に認知症ケア上級専門士があります。

認知症ケア専門士は必須スキルになる

認知症ケア専門士になることは、認知症ケアに必要な疾病についての知識、身体的、行動的なサインから適切な対応ができる能力を身につける為の手段となります。

また、日頃の健康管理や薬物療法、リハビリテーション、非薬物療法、環境支援など毎日の必要なケアが「エンパワメント」や「アドボカシー」「インフォームドコンセント」など理念がある中で、介護職が支援を行っていることだと理解することができます。

ただ身の回りのケアに介入するだけでなく「その人らしく」生活するために、様々な援助が必要なのか意味を理解します。

そして、利用者家族の悩みや思いに関心を持ち、介入することで利用者や家族との信頼関係ができ自身の技術向上にも繋がります。

認知症ケア専門士は現場でどう資格を活かせるか

認知症の人の「コミュニケーションの取り方」や「エンパワメントとアドボカシーの理念」を実践で反映することができます。

また、家族への支援やチームアプローチも考え実践ができます。地域包括ケアシステムの目指す方向及び在宅施設、医療の支援の関係性も理解することができます。リスクマネージメントや終末期ケアなどの場面においても倫理的視点を持つことができます。

虐待についての発生要因や擁護者介護従事者の支援を含めた虐待について考えることができます。

医療、介護、年金、生活保護制度など「社会保険制度」を理解でき、また認知症の人が使用できる「社会資源(フォーマル、インフォーマル)」を知ることでケアマネージャーや家族との連携や報告、連絡、相談ができるようになります。

認知症ケア管理指導士との違い

まず目的の違いや取得方法、資格取得後について述べたいと思います。

認知症ケア指導管理士

認知症ケア指導管理士は一般財団法人 職業技能振興会が2010年に設立した資格になります。

参考【経験談】介護士が認知症ケア指導管理士を取ると仕事にどう活かせるか?

これは、「社会に求められる職業技能の要請を図り新しい雇用創設および再就職を支援することにより我が国の労働現場に寄与し、今後ますます必要とされる専門のスキルを持った人材輩出のため新しい認定資格制度」とされています。

また、「介護現場で働く方のスキルアップ」を目的とした認定資格制度であり、「自宅で認知症高齢者を介護するご家族にとっても最適な資格」とも定義されています。

出題項目の項目は1.認知症高齢者の現状、2.認知症の医学的理解、3.認知症の心理的理解、4.認知症ケアの理念と認知症ケア指導管理士の役割、5.認知症ケアの実践、6.日常生活支援、7.認知症への薬物療法、8.認知症への非薬物療法、9.家族への支援、10.認知症ケアにおける社会資源、11.応用問題(時事問題など)になります。

試験区分は、認知症ケア指導管理士(初級)、上級認知症ケア指導管理士があります。

試験会場は東京、大阪、札幌、仙台、名古屋、福岡となり、試験日は年2回(7月12月)にあり、上級認知症ケア指導管理士は受験要項を参照となっています。

出題数は、60問5肢択一マークシート方式です。

合格基準は問題の総得点の7割を基準として問題の難易度で補正した点数以上の得点となっています。

認定するのは、一般財団法人職業技能振興会、及び一般社団法人総合ケア推進協議会となります。

認知症ケア専門士

受験資格は、認知症ケアに関する施設、団体、機関等において試験日より過去10年遡り3年以上の認知症ケアの実務経験を有する者です。

実務経験には教育、研究、診療を含みますが、ボランティア活動実習は含まれません。

また、介護福祉士、介護支援専門員などの資格の有無に関係なく受験できます。1次試験は筆記試験です。

出題内容は(Ⅰ認知症ケアの基礎、Ⅱ認知症ケアの実際、Ⅰ総論、Ⅲ認知症ケアの実際に各論、Ⅳ認知症ケアにおける社会資源)4分野に分類され、認知症ケア標準テキストに準じた内容について出題されます。問題数は各50問で4分野合計200問です。マークシート形式ですべて5肢5択一です。

合格要件は、4分野全てについて70%以上の正答率で1次試験合格です試験は7月初旬の1日間です。1分野1時間となっており、結果の通知は分野ごとの合格不合格が通知されます(8月中旬)。

2次試験は論述面接になります。筆記試験の4分野に合格した人が2次試験を受けられます(11月下旬)。論述試験は1次試験合格認定委員会から出題された事例が届きます。

面接試験は6人1グループをテーマに1分間のスピーチとディスカッションを行ないます。

試験当日に提示されて、時間は1グループ20分です。試験翌年の1月下旬に通知されるとともに、日本認知症ケア学会ホームページに発表されます。受験地ついては、1次試験が札幌、仙台、東京、名古屋、京都、小倉。2次試験が、札幌、仙台、東京、名古屋、神戸、博多となります。

双方の違い

まず、双方の試験の問題数から大きな差があり、また認知症ケア専門士試験は4分野7割以上取得で合格。その後論述と面接が2次試験でありハードルが高くなっています。

認知症ケア管理指導士の概要からも「新しい雇用と再就職、スキルを持った人材輩出」を目的としていることがわかります。

認知症ケア専門士では「優れた学識と技能、および倫理感を備えた専門技術士」となっており研修や更新制度があるなど、ケアマネージャーに通じる程資格の維持が難しいものなっております。

資格の取得後

認知症ケア管理指導士は履歴書に書くと「こういう資格もあるんですね」「認知症の勉強されているのですね。」「認知症ケア実践者講習とは違うの?」などまだ知名度的に知られていないが評価はされることもあり就職の際は有利に働くと思います。

認知症ケア専門士は、ハイレベルな民間資格であるものの、認知症ケアのエキスパートになれます。認知症関連の資格の中で最も難易度が高いです。しかし、認知症介護実践者研修のように認知症専門ケア加算の対象とはならないようです。

認知症ケア管理指導士ではどちらを取得するべき?

個人の見解としてはその時自分自身の介護士としてのレベルや、試験を受けるタイミングでどちらの資格を取得するか考えればよいと思います。試験へ挑戦する、勉強する姿勢が大切です。

認知症ケア指導管理士

介護を初めて間もない人やこれから介護を勉強したいという人に対しては認知症管理指導士を取得すると知識の習得になります。

認知症ケアとは?どのような診断方法?どのような関わり方あるの?など知らなかった内容がわかり介護士としての心構えができると思います。

しかし、試験自体に実務経験は必要とせずあくまでも知識習得が目的とされています。その為資格取得後は自己で新しい情報を吸収し深く掘り下げていく必要があります。

認知症ケア専門士

認知症ケア専門士資格は、とても専門性が高く、介護施設や医療機関等での介護事業者を対象に想定されています。

資格を取得しても研修などを受け生涯学習をすることで、資格を更新して行く必要があります。

すでに介護福祉士、ケアマネージャー、社会福祉士、看護師資格など国家資格を有しているプロフェッショナルが挑むなら認知症ケア専門士の方が学びは深いですし、ハードルも高いです。

認知症ケア専門士と認知症ケア管理指導士。どちらも民間資格のため国家資格ではありません。共通点は認知症ケアの地域のアドバイザーであることです。

そしてスキルアップや、ケアに活かしていきたいなど向上心がある方々が取得する資格だと思います。どちら取得しても自身の糧になると思います。

介護職が認知症ケア専門士を取るメリット

介護職が認知症ケア専門士を取るメリット

その①:スキルアップになる。

介護職は無資格無経験でも採用される施設があります。その中で個人として資格取得しスキルをあげることは、施設側にとっても自分自身とってもプラスになります。

学んだことを実践し、周囲にアドバイスをすることでスタッフ間にも刺激になり良い循環になるになります。

その②:利用者、その家族、スタッフからも信頼を得られる。

認知症ケア専門士という専門資格を持つことで認知症についての理解があることでおのずと利用者やその家族介入がより良いものとなっていきます。

良いケアが広がると施設全体にも良い影響が生まれスタッフからの信頼も強いものとなります。

その③:生涯学習ができる。

5年おきの資格の更新や研修制度があることで生涯学習を続ける必要性がありますが、モチベーションの維持や知識の向上につながります。医療や福祉における知識や流れは時間が進むにつれ変わっていきます。

過去に通用していた常識が通用しなくなることも考えられる為自己研鑽が必要となります。

その④:給与に反映される

有料老人ホームなどの施設ではケアマネージャー、介護福祉士資格手当てを設けるところがあります。

同様に、認知症ケア専門士も資格手当てとして評価され支給を行っている職場もあります。

月に1万円の手当を年に換算すると、12万円も増収となります。もし介護職で転職する機会があれば、待遇のよい職場を探すきっかっけにもなるかもしれません。

自分自身の資格やスキルも活かせ、尚且つ収入として増えることでモチベーションの維持にもなります。

介護事業者によっては株式会社や社会福祉法人、医療法人と事業所により給与や賞与、福利厚生が変わってきます。

介護職は無資格でも仕事を行うこと可能ですが、介護福祉士資格など専門性のある資格を取得することも自身の収入を上げることが可能です。

しかし、資格自体はスキルアップということに重きがあり、介護士として専門職であること誇りと知識の維持、向上を図ることが大切なことだと思います。

現在でも様々な専門職の方々が資格を取得後されており活躍されております。

その⑤:認知症ケアの実践ができる。

2000年に4月に制定された介護保険法が制定されて以来、4年おきに更新される度にアップデートされ続けています。

介護療養型病棟は廃止となり、介護医療院に変換され、過去の宅老所と言われる施設が現在の小規模多機能事業所、訪問看護を組み合わせた看多機になるなどありました。

介護老人保健施設に関しては在宅復帰目的とされて、いましたが利用者が長期療養されている事業所も見られ、本来の目的となる在宅強化型老健も生まれました。

そのような中でも認知症における考え方や対応も近年見直され2005年より認知症ケア専門士という資格も誕生しました。

団塊の世代が増える2025年問題ですが、現在から対応できる知識やスキルを身につけて置くことが、介護のスペシャリストとして活躍するには大切なものとなってきます。

その中でも、認知症ケアを学んだことを実践していくことが、今後社会貢献に繋がり高齢者の生活を豊かなものへ変える手段となります。

独居の認知症高齢者の方々も増えてきており、生活状況が荒れている場合が多々あります。

私が体験した体験では猫屋敷で糞尿掃除もできず部屋荒れ放題でした。食事も不規則で徘徊もする高齢者でもあり、糖尿病も持病で持ち、路上で倒れていたところを発見されていました。

今後社会背景がより複雑化することで、地域包括センターやケアマネージャー、介護施設や訪問看護事業者が介入する必要が出てきます。

そのような専門職が今必要な知識として、認知症の方々への理解と対応が問われていくと思います。

施設が認知症ケア専門士を保有する介護職を採用するメリット

施設が認知症ケア専門士を保有する介護職を採用するメリット

その①:リーダー業務を任せることができる

3年以上の実務経験がある上での認知症ケアの知識がある為、信頼される立場やそれにふさわしいポジションに評価されます。

施設にご入居されている利用者方々は心身ともに障害がある方々や、認知症を患い独居生活の継続が困難になった方々が主です。故に専門的な知識を持っている人が重視される傾向にあります。

その②:相談できる

認知症のみならず介護おける全体の学習内容なので相談員として施設側からも頼られる存在になります。知識があることで施設内以外にも施設外での活動(認知症カフェや認知症サポーターなど)がより説得力があるものとなります。

認知症が悪化する前に早期に対応できるようなアドバイスや健康づくり、困ったときは地域包括センターなど窓口の紹介、連携など行う大事なポジションになります。

その③:施設の評価や宣伝にもなる

実際にインターネット上で認知症ケア専門士保持者が勤務している施設一覧が公開され検索できます。

また、施設の入り口に「認知症ケア専門士がいます」とシールが貼られているグループホームも見かけることもあります。

介護老人保健施設などの施設内にも受験促すようなポスターが貼られていて、職員にも受験を促すような雰囲気もあります。

認知症ケアの知識、技術の向上を職員にも求めている現れでもあり、そのネームバリューも近年大きくなっていると感じます。

まとめ

認知症ケア専門士は、「認知症に関わるすべての人にとって必要」な内容だとされ、認知症ケア指導管理士は「認知症の人と家族をサポートする専門家」で高齢社会の中では、ますます注目が高まるとされています。

どちらの資格も2025年問題までに向けた資格であり、認知症介護に関わる様々な方において必須知識です。

今後も少子化が進み、高齢者が増加し続けることは予測できています。私たちやその子ども、その後の世代でも今より「自分らしく生きる」社会を完成させる為には、私たち専門職やボランティア、本人やその家族、政治家、社会全体の力にかかっています。

日頃から正しい知識を身につけ偏見のない、思いやりのある優しい介護を目指しましょう。

この記事を書いた人

Shiz
さん

36歳でケアマネージャーの資格を取得。その後老人保健施設や訪問看護、デイサービスやグループホーム、住宅型有料老人ホーム介護・看護業務の兼務を2年程経験する。

経歴

  • 1998年4月~1999年12月:大手警備会社に就職
  • 2000年1月~2000年6月:地方の製造業(半導体)の仕事に従事
  • 2000年6月~2016年5月:地方の民間病院に入職し、看護助手としてスタート
  • 2017年3月~現在に至る:在宅看護や介護施設で生活介護やリハビリの大切さを知る

資格

  • 介護福祉士
  • 介護支援専門員

質問があれば気軽にコメントください

コメント一覧

タイトルとURLをコピーしました