サ責の求人票のチェックポイント。ブラックな訪問介護事業所に入社しないために

介護職の働き方を考える
※画像はイメージです。
サ責に興味がある介護士
サ責に興味がある介護士

サービス提供責任者の求人はたくさんあるけど、ブラック企業で働くことになったら困る。
求人票に書いてあることは全部本当かな?どこに気を付けたら良いのかな。

サービス提供責任者の仕事内容は大変多岐に渡るため、求人票を見ただけではどんな仕事なのかが分かりにくいと思います。

求人票の情報は限られた内容しか記載されていないので、実際は問い合わせや面接で確認する必要がある場合もあります。

入社してから、実はブラック企業だった!と気が付いても、なかなか辞められないなどのトラブルも予想できます。

そのような事態を事前に防ぐために、ブラック企業かどうか判断するポイントをお伝えしていきます。

記事のテーマ
  1. まずはしっかり確認、雇用形態と加入保険
  2. 医療法人、社会福祉法人はおススメ
  3. 加算に注目しよう。介護処遇改善加算、特定事業所加算
  4. 営業時間(サービス提供可能時間)も要チェック
  5. ICTが活用されているかチェック

質問があれば気軽にコメントください

サ責の求人票をチェックする際、思い込みや勘違いに気を付けよう

サ責の求人票をチェックする際、思い込みや勘違いに気を付けよう

求人票は限られたスペースで事業所の情報を公開するので、書かれている事だけが全てではないという前提で見ることが大切です。書ききれない仕事内容もあるかもしれない、給与の数字は表面上の数字かも知れないということを頭の片隅に入れておくと良いでしょう。

それを踏まえて、求人票でチェックするべき項目をお伝えします。疑問に思うことは問い合わせや面接の場で質問して解決するようにしましょう。

その①:まずはしっかり確認!雇用形態と加入保険

どんな仕事でも同じですが、最初に雇用形態や加入保険をしっかり確認しましょう。

一言で社員と言っても、契約社員や正社員では待遇に違いがあります。社員だから健康保険や厚生年金は加入して当たり前、そんな思い込みには要注意です。

そして訪問介護は業務の特性上、土日が必ず休みとは限りません。年間休日日数や月ごとの休日数、土日の出勤の割合は必ず確認しましょう。

そして一緒に、基本給と各種手当も確認しましょう。基本的に介護福祉士を所持していれば、資格手当の付くところは多いと思います。職場によって職能給や職務給、役職手当などの名称で手当てが付くこともありますので、しっかり内容を確認することが必要です。

その②:医療法人、社会福祉法人はおススメ

職場の経営状態が安定しているということは、すなわち賞与や昇給も安定したベースだということになります。

医療法人は文字通り病院や診療所の運営する法人ですので、主の事業は医療になります。制度改正や料金改定が激しい介護業界では、医療報酬との2本柱で経営する医療法人は大変に魅力的です。

社会福祉法人は、そのほとんどが複数の事業所展開をしていますので、やはり制度改正の波を受けにくいと言えます。

民間企業では利益を追求するあまりに不正請求に手を出して…という可能性もゼロではないので、もし選択肢が多いのであれば医療法人・社会福祉法人を検討することをおススメします。

しかし、決して有限会社や株式会社が劣っているということではありません。健全に経営をしている事業所はたくさんあります。

ただし、それを外側から見抜くのはなかなか難しいと言えるでしょう。

一番信用がおける情報は、実際に働いている人からの口コミです。知人を辿って情報を収集するのは良い手かもしれません。

その③:加算に注目しよう!介護処遇改善加算、特定事業所加算

介護職員の待遇アップを目的に手当としてつけられることのある介護処遇改善加算ですが、会社によって金額が違うことがあるのはご存じですか?

介護処遇改善加算はI~IIIまであり、Iが一番高い割合になっています。

加算の要件を満たしておらず、申請をしていない会社ではもらうことができません。

この加算次第でかなり収入に差が付きますので、しっかり確認しておきましょう。

介護職員への支払いの方法も、毎月の手当てとして支給するところもあれば、賞与時にまとめて支払うところなどもあり、様々です。

これは求人票だけでは全て確認できないかもしれませんので、問い合わせや面接の時に確認しておくと良いと思います。「昨年の実績ではどのくらいの金額が出ていますか?」と聞けば、回答してもらえるはずです。

また、見落としがちなのが、特定事業所加算です。これはI~IVまであり、Iが高い割合になっています。

この加算は直接介護職員に支払われるものではありませんが、事業所内の資格所持者の割合や設備・制度などがきちんと整っているかという加算になりますので、転職の際には一定の目安になるでしょう。

これも求人票では分からない場合がありますが、提供票を見れば一目瞭然です。面接の際に確認しても良いと思います。

その④:営業時間(サービス提供可能時間)も要チェック

勤務時間が8:30~17:30と書かれていたとしても、その時間だけ勤務していれば大丈夫!という訳ではありません。

介護保険では基本となるサービス提供時間は8時~18時となります。この時間より早い時間や遅い時間の場合、深夜・早朝・夜間の加算が付くことになっています。

利用者にして見れば、なるべく安い料金でサービスを受けられるに越したことはありませんので、基本的にはこの時間内にサービスが集中します。

しかし、サービスの内容によっては、夜間や早朝の加算を支払ってでもその時間に来てもらいたいという場合もあります。具体例で言うと、起床時・就寝時の介助やおむつ交換などが考えられます。

そのため、基本の時間以外の時間帯でも、サービスがある可能性があります。

そこで必ず確認をする必要があるのが、営業時間(サービス提供可能時間)です。

これは事業所によって違いますので、必ず確認しましょう。

営業時間が6:00~22:00と言われた場合、その時間内に訪問が発生する可能性があるということです。例え現時点でその時間帯の訪問がなかったとしても、今後の新規で依頼のある可能性があります。

この時間帯は利用者と事業所が交わす契約書に必ず記載されていますので、求人票だけでは分からないかもしれません。しかし実際の勤務時間にかかわる大事なことなので、しっかり確認すると良いでしょう。

登録ヘルパーをたくさん抱えている事業所であれば、早朝や夜間の対応が出来るヘルパーがいるかもしれませんが、万が一急な欠勤などがあるとサ責が稼働しなくてはいけない場合もあります。

そのような時には残業になるのか、時差出勤になるのかをしっかり確認する必要があります。

私の経験では、残業分を時間調整できる事業所もありました。2時間残業したら、その分他の日に2時間早く帰る・遅く出勤することが出来るというものです。子供の学校行事などで何度か時間調整をした覚えがあります。

その代わり残業手当は付きませんが、生活スタイルに合わせて自由に選択できるというのはメリットがあるでしょう。

その⑤:ICTが活用されているかチェック

今の時代ICT導入をしているかどうかは、会社が業務効率化に対してどれだけ熱心かをはかる基準になるとも言えると思います。

人によってはパソコンが苦手、スマホやタブレット機器は敷居が高いという人もいるかも知れません。しかし毎月同じ作業をしますので、時間をかければ慣れていくものだと思います。指導もあると思いますので、そこは心配することはないでしょう。

介護業界はなかなか紙ベースの業務が切り離せない側面もありますが、ヘルパーのシフト管理や記録が電子化されると、サ責の業務が時短になることは間違いありません。

複写式の記録を1枚ずつめくって支援内容を調べていくよりも、画面内で一覧になったものを見る方がはるかに効率的です。

不要な残業を避ける意味でも、ICT導入は大事なポイントと言えるでしょう。

サ責から見たブラックな訪問介護事業所の特徴とは?

サ責から見たブラックな訪問介護事業所の特徴とは?

サ責の立場で働いていると、求人の応募者に対して面接をする機会も多くあります。採用する側から見た、こんな事業所は危ないと思える特徴をご紹介します。

その①:即決、明日から!そんな事業所はあやしい

介護に限らずどの業界でも言えることかもしれませんが、面接の場で即決する事業所は避けた方が良いと思います。

ブラックな事業所は、働いている人の間で噂になりやすいものです。

「あそこの事業所はブラックらしいよ」という口コミがあれば、面接に来る人も少なくなるでしょう。

求人を出してもなかなか応募がないので、来た人を即決して人材を確保しようとしている可能性が高いと思った方が良いでしょう。

またそういう事業所は、人を育てるという手間を惜しむケースもあり、使えなかったら他の人を雇えばよいと安易に考える場合もあるかもしれません。

いずれにしても、面接の場で即決を出す事業所は要注意です。

その②:明らかに足りない、公用車台数

都会ですと公用車を置かない事業所もあるかもしれませんが、地方都市で車移動必須の地域では目安になるのが公用車の台数です。

サ責は何かと外出する用事が多いものです。訪問に出る場合もあれば、モニタリング訪問や担当者会議もありますし、場合によっては居宅まわりもあるでしょう。

そんな時に公用車に乗る機会がある訳ですが、サ責の人数に対して台数が足りないと、誰かが戻るのを待つという無駄な時間が出る可能性があります。

マイカーで通勤している場合は、マイカーでの稼働を求められるかもしれません。ガソリン代の支給があったとしてもほんの一部であることが多いです。

以前一緒に働いていたサ責で、マイカー稼働を好む人がいました。理由を聞くと、喫煙者なのでマイカーで吸っているから…と答えた人がいました。

このような特別な例もありますが、直行・直帰などの場合以外は、なるべく公用車を使用したいところです。

サ責の人数にもよりますが、出勤している人数分は確保できているかどうかは重要ポイントだと思います。同様にパソコンの台数でも同じことが言えますので、確認してみることをおすすめします。

その③:営業ノルマはありえない

新規件数や売り上げなどのノルマを与えられることは、訪問介護事業所としては最悪と言ってよいでしょう。

目標として掲げる程度であれば良いでしょうが、達成しないことによりペナルティが発生するのであれば、それはもうブラック事業所確定です。

もちろん、営業活動は大事ですが、ひとつひとつの仕事を誠実に丁寧に行っていれば、おのずとケアマネージャーや包括からの一定の評価は付いてくるものです。

成績の良い時にロイヤリティがつくのは大歓迎ですが、ノルマの達成が条件であるなら話は別です。そういう事業所はブラックだと思って間違いないでしょう。

その④:担当が頻繁に変わる事業所は信頼度が低い

利用者目線で考えると、自分の担当の責任者が頻繁に変わるというのは不便なものです。

担当サ責が変更される要因はいろいろあると思いますが、よくある例を挙げてみると以下のようになります。

  1. 人事異動などで他の部署に異動した
  2. エリア拡大、新人サ責の入社などにより担当分けがあった
  3. 担当サ責本人が退職した

1と2であれば引継ぎもしっかり出来るはずですが、3が頻回にある場合は要注意です。すぐに人が辞めてしまう事業所は、それなりの理由があるからと考えて良いでしょう。

またケアマネージャーなどの関係者も、その都度大変な思いをします。そんな変更が頻回にあることで「あの事業所に依頼をするのは控えよう…」となってしまうことが考えられます。

利用者からの口コミはかなり信頼度が高いと言えます。何と言っても当事者ですからね。そのような情報があった場合は注意した方が良いでしょう。

サ責の私が働く訪問介護事業所の良いところ

サ責の私が働く訪問介護事業所の良いところ

私が今の勤務先に入社した理由は、会社の理念や社風に惚れたというところにあります。会社案内の冊子やホームページなどに企業理念が書かれていますが、それが私の求めるものと一致したからです。面接の場でも、当時の社長とその話を延々と語ったのを覚えています。

そんな私から見た自社事業所の良いところをご紹介します。

その①:自由度が高い!サ責を信用して任せる上司

事業所の雰囲気を作るのは上司や管理者の資質も大きいと思います。

何人かの管理者と一緒に仕事をしてきましたが、同じ職場でも管理者によって雰囲気が全く変わります。

現在の管理者は、決められた仕事をきちんとこなしていれば、あまり細かいことを言わない大らかさがあります。そして資格や営業活動など、自主的な活動を応援してくれる社風もあり、かなり自由な活動をしています。

私は認知症に関する資格を持っていますので、地域で行われている認知症カフェや地域の茶の間に業務時間内で参加しています。参加者と一緒に座席につき、講師の話を聞いたりディスカッションに参加したりしています。もちろん時々講師としてお話をすることもあります。

終了後に相談のある人からのお話を聞いたり、相談窓口の紹介をしたり、時々は自分の事業所のPR活動もしています。

一見業務とは全く関係ない活動ですし、やらなくても良い余計な仕事かもしれません。それによって直接的に売り上げが上がる訳でもないですが、地域貢献という視点で大きくとらえてもらい、業務時間内での活動を認めてもらっています。

最近では、育児支援のサークルなどにも顔を出しています。これは育児経験を生かしてのボランティア的な側面もありますが、仕事を探しているママさんがいたらヘルパー取得を勧めてみようかな?というリクルート的な目的もあります。

これは事業所の部長や人事部からのバックアップもあり、様々な資料も提供してもらっています。

自由度が高く、様々なアイディアをどんどん試すことが出来る社風があることが、自社事業所の一番気に入っているところです。

その②:研修制度がバッチリ!人を育てる会社

法人全体の理念として人材育成に重きをおいていることもあり、研修制度が非常に充実しているのが魅力です。資格取得に対する費用的な補助もありますし、介護には一見関係のない資格でも(例えば漢検など)の受験料やテキスト代も負担してくれるのです!

もちろん毎月予定されている基本的な研修もありますが、それ以外にも様々な研修を行っています。

数年前にICT導入をして、ヘルパー全員にスマートフォンを貸与しましたが、その際の研修は過去に経験したことがないくらい楽しかったです。

普通の研修であれば資料を見ながら座学というイメージですが、スマートフォンの操作方法を教えるという目的ですのでマンツーマンで対応しました。もちろん数人のサ責で手分けをして、自分の担当するヘルパーに指導する方法でした。

年配のヘルパーの中には、スマートフォンに触ったことがないという人もいました。そういう人を対象に、電源の入れ方から始まり、メールの送り方、ラインの送り方などをひとつずつ指導していきました。

進捗はもちろん個人差がありましたが、1年の期間をかけて全員がスマートフォンを使用してシフト確認や記録が取れるようになったのです。

今では70代のヘルパーが音声入力で記録を取る姿も見られています。時間をかけてしっかり教えるということを大事にしてくれる事業所なのが自慢です。

新人サ責に対する指導もとても手厚く、ほぼマンツーマン状態で指導をしています。

私自身が入社した時には、本当に物覚えが悪かったので、同じことを何度も質問していました。あまり何度も聞くのは申し訳ないと思いましたが、先輩サ責には「分からないことを放っておくよりも良いよ」と言ってもらえました。

逆にお局様のような意地悪な先輩がいたことも事実です。「そんなことも覚えられないの?」と嫌味を言われたことも数知れず、その先輩の意地悪に泣かされて退職していった後輩サ責やヘルパーもいました。

逆にその先輩の存在で、周囲のサ責の結束力が強くなった気がしています。きつく当たられた同僚には、こっそり後でフォローをしたりしていました。自分は絶対にあのような言い方をしないようにしようと、反面教師にしたことを覚えています。

今では指導する立場ですが、些細なことでも構わないから何度でも聞いてね!と伝えています。そういう雰囲気の中では、困りごとの相談もしやすいものです。仕事外の悩み事(例えば育児など)でもお互いに話し合える環境です。サ責の年齢層は様々ですが、風通しの良い事業所だと思っています。

まとめ

ブラック企業の特徴として、長時間労働やサービス残業、パワーハラスメントなどが挙げられると思います。

職場の人間関係は相性の問題もあるため、一概に言えない部分はありますが、それ以外のことは事前のリサーチである程度回避できる場合もあります。

求人票で全てを見抜けなくても、問い合わせをしたり、面接の場で質問したりすることで、分かることもたくさんあります。質問する内容を事前にリストにしておくと良いかもしれません。

理想的な事業所でサ責としていきいきと働けるように、チェック事項を参考にしていただけると幸いです。

この記事を書いた人

kazupyon16
さん

祖父の在宅介護をきっかけにヘルパーの道へ。出産や転居でブランクを挟みながら、デイサービス、訪問介護での勤務を経験。

働きながら介護支援専門員、認知症ケア専門士を取得、認知症介護者実践者研修を修了。現在は訪問介護事業所でサービス提供責任者として勤務。

経歴

  • 1990年代~2002年:教育出版系の企業で総務、人事、経営企画を経験
  • 2003年~2005年:子育てに専念するために専業主婦に
  • 2005年9月~2008年8月:訪問介護事業所に再就職
  • 2009年6月~2011年3月:デイサービスへ転職
  • 2011年4月~2016年3月:訪問介護事業所へ転職
  • 2016年4月~現在:別の訪問介護事業所へ転職

資格

  • 介護福祉士
  • 介護支援専門員
  • サービス提供責任者
  • 認知症ケア専門士

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