介護施設経営者が介護職の離職率を低下させた簡単な方法とは?

介護職の働き方を考える
離職率を改善したい施設長
離職率を改善したい施設長

離職が激しい介護では、募集をかけても直ぐに人員が埋まる可能性が低い。そのため、職員が辞めないような環境つくりを目指しているが、中々難しい。

離職が激しい介護では、募集をかけても直ぐに応募する人が少なく、少ないスタッフでフロアを回しているのが現状です。経営者や管理職の方は、職員が離職しないような環境作りを心がけていると思います。

離職する原因は沢山あると思いますが、その中でも「給与」が原因で辞める人も多いのではないでしょうか。

私の友人が勤めている福祉施設では、給与をある形で提示した所、離職率が低下しました。その方法について詳しく解説します。

記事のテーマ
  1. 給与を可視化することで、離職率が低下
  2. 制度導入する上での注意点

質問があれば気軽にコメントください

介護職の離職率を低下させた「給与の可視化」とは?

介護職の離職率を低下させた「給与の可視化」とは?

離職率を低下させたのは、給与の可視化です。具体的には、冊子に各ステータスを明記し、ステータスごとの給与を明記しています。

可視化を導入した企業は、以下のように改定しました。

  • ステータスごとに給与を確定
  • 各自に冊子で配り、目で理解しやすいようにした
  • スタッフが冊子についての疑問を経営者が説明

給与の可視化を行い、約半年で離職率の低下が見られたと言っています。

離職率が高かった原因が給料とは言い切れませんが、前年度と同じ期間で比較したところ、2桁だった人数が1桁という数字の変化が見られました。

全従業員が1,000人以上いるグループなので、2桁から1桁という数字は大きいのではないでしょうか。

方法①:ステータスごとに給与を確定

ステータスとは、例で言うと、部長、エリアマネージャー、施設長、係長、一般スタッフという5段階に分け、各ステータスの下限から上限までの給与を明記します。

一般スタッフで、もっと給料が欲しい人は次の係長を目指しましょうという具合です。

曖昧な金額では理解が乏しくなるので、しっかりと数字で提示します。例で表にまとめました。

年収
部長600万円以上
エリアマネージャー500万円~600万円
施設長400万円~500万円
係長350万円~400万円
一般スタッフ300万円~350万円

このように具体的な数字を出すことで、私は400万円以上は欲しいから、施設長を目指して頑張ろう!とモチベーションを上げるキッカケにも繋がります。

方法②:各自に冊子で配り、目で理解しやすいようにした

冊子には、上記のような給料の他にも、各資格手当の金額やその他に給与明細に書かれている内訳を詳しく書かれていました。

普段何気なく見ている内訳を、文字で説明しているのを見ると、新たな発見もあります。社会人を長く続けていると、聞きにくいこともあったり、給料をもらっているから気にしない方もいるでしょう。そのような方が見ると、冊子を隅々と見ていたという話がありました。

このように目で理解しやすく冊子に興味を持たせることで、給与が決められているのかと納得させることができるでしょう。

方法③:スタッフが冊子についての疑問を経営者が説明

冊子を読んで、ある程度のことが理解できますが、その中でも疑問に感じたところが出てくると思います。

給与に関して改訂し冊子にまとめたものを配った会社では、経営者自らが説明を行い、社員の疑問に対してしっかりと答えているのを見たそうです。

経営者自らが説明することで、理解もしやすくなり、社員と経営者の絆も深まるという一石二鳥の効果もあるのではないでしょうか。

日頃社員と経営者が話の場を設けることは滅多にないことなので、経営者が考えていること、会社に対する信頼度も上がりやすいとも考えられます。

導入後の離職率の変化と介護職員の反応

導入後の離職率の変化と介護職員の反応

給与を可視化したことで離職率が低下しましたが、そのことで介護職員の反応はどうだったのでしょうか。ここのところは経営者ではなく、現場の管理職の人が耳にしたことや同僚が言っていたことを文章に書き起こしていきます。

離職率の変化について

離職率が低下しただけではなく、以前辞めた人が戻ってきたという話もありました。

具体的な数字は明記できませんが、冊子を提示したことで、スタッフにどのような変化があったのかを意見という形で紹介します。

職員の意見①「モチベーションが上がった」

20代男性の場合

ステータスごとで給料が決められているので、今のポジションが昇格することで給料がどれくらい上がるのかがわかった。昇格するために頑張ろうという話でした。

職員は生活のために頑張っているため、給料が上がることで生活が豊かになり、仕事への意欲が上がったと考えられます。

職員の意見②「役職ごとの給与が明確なので、ステップアップしたいと思った」

20代男性の場合

先ほどと同じように、昇格するために頑張ろうという気持ちが上がったことが伺えます。

管理者とスタッフで面談をするときに、スタッフの日頃の評価をして、何が駄目なのかを指摘すると思います。人によっては、何を言っているんだ。やってられるかという気持ちになる方もいると思います。

しかし、冊子で給与を可視化したことで、指摘を受けたスタッフは、今後の改善に向けて努力をし、辞職せずステップアップに向けて頑張れる可能性も見られるのではないでしょうか。

職員の意見③「社員で無資格だけど、資格手当を見て資格を取ろうと思った」

20代女性の場合

介護の世界では、無資格で社員になれるところもあります。

会社によっては、資格勉強に向けてバックアップしてくれるところもありますが、業務が忙しく中々一歩を踏み出せない方もいると思います。

そのような方にも、資格手当を一覧で提示し、具体的な金額を見ることで給与がどれだけ上がるのかが理解しやすくなります。

結果、資格をとってこの会社で頑張ろうと気持ちを奮い立たせる可能性もあります。

職員の意見④「ステップアップするための目標が見えた」

30代女性の場合

目標が明確になることで、人は努力します。努力することで、周りのスタッフや利用者にもその誠意は伝わります。

頑張った働きをしていると周りにも良い影響を受け、働きやすい環境を生み出せるのではないでしょうか。

職員の意見⑤「この会社に入ってよかったと思った」

30代男性の場合

どれだけ頑張れば給与が上がるのかがわからない現場は数多くあるのではないでしょうか。給与を上げたいけど、どのようにすればいいのかわからない。辞めようかなと負の連鎖に陥る方がいます。

しかし、給与の可視化、給与を改訂し、経営者が説明をすることでスタッフの会社に対する信頼性が上がったということが、このコメントに込められていると感じます。

この会社に入ってよかったと思わせるようになれば、離職率の低下にも繋がります。

「給与の可視化」制度の導入における注意点

「給与の可視化」制度の導入における注意点

給与の可視化によってのメリットや現場の声を紹介しましたが、導入にあたり注意点があります。

その注意点についてしっかりと理解しておかないと、ライバルが増え、新しい事業所を立ち上げたときに人員が集まらなくなる可能性があります。

注意点①:冊子を配布したが、外部にデータが流出する可能性

給与の可視化をした会社では、冊子を配布し、各自に持たせているそうです。退職するときに返却するという形ですが、その冊子が外部に漏れたときに、会社のデータが筒抜けになる可能性があります。

法律上で、外部にデータを流出した人には罰則が下るので、そのような方はいないと思います。

しかし、念には念を入れ、冊子を受け取った人に念書を書かせることで、外部への流出も防げるのではないでしょうか。

注意点②:以前よりも給与が上がることを明記しないとモチベーションが低下する

具体的な金額を明示しても、給与が以前よりも下がるような内容であれば、離職につながる可能性もあります。

ステップアップするには、管理職スタッフと定期的に面談を受け、問題点を解決することで昇格し、給与も上がることを書いていないとモチベーションが下がってしまいます。

そうならないためにも、以前よりも給与は上がりますということを明記することをおすすめします。

まとめ

給与を可視化することで、社員のモチベーションが上がり、離職率低下に繋がることをお話しました。

冊子にしっかりと給与の数字を明記し、ステータスごとの給与が示されていると、長く会社に勤めたいと思わせる効果があります。

生活のために頑張っている職員のためにも給与を目に見える形で提示し、仕事を頑張る。頑張ることで職場に張り合いや元気が出る。現場が明るくなることで離職低下に繋がるのではないでしょうか。

この記事を書いた人

ryo0777
さん

工業高校卒業後、保育福祉専門学校へ進学。卒業後介護老人保健施設へ就職。

3年半勤めながら社会福祉士国家試験に挑戦し合格。その後、医療ソーシャルワーカー、有料老人ホームで介護士をしながら、施設長兼デイサービス管理者となる。

経歴

  • 2006年4月~2008年3月:自動車整備士を目指し工業高校に進学も挫折
  • 2008年4月~2011年3月:保育福祉専門学校
  • 2011年4月~2014年10月:介護老人保健施設に就職
  • 2014年11月~2018年6月:病院の地域連携室に医療ソーシャルワーカーとして転職
  • 2018年7月~:デイサービス併設型有料老人ホームに異動

資格

  • 社会福祉主事任用資格
  • ホームヘルパー1級
  • 福祉住環境コーディネーター
  • 保育士
  • 社会福祉士
  • 介護福祉士

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