介護未経験でも働きやすい施設とは?離職率や定着率に着目しよう

介護職の働き方を考える
※画像はイメージです。
業界未経験で介護の仕事をしたい人
業界未経験で介護の仕事をしたい人

介護の仕事を始めたいけど、業界未経験で不安。「誰かの役に立ちたい」「ありがとうと言われる仕事がしたい」そんな理由で始める人が多いと聞くけど、介護の仕事は多種多様で、どのような施設で働き始めれば良いの?介護の仕事未経験の人が働きやすい施設を知りたい。

ここでは、働きやすい介護施設を見極めるポイントや、未経験の方が始めるならどんな介護施設を選べばよいかなど、微力ながら私の経験や知識を活かして解説したいと思います。

すでに介護への想いを持たれている方には、その選択の手助けに、また介護ってどんな仕事?と思われている方には、興味を持つきっかけになればと思います。

良いことだけでなく、介護業界で苦労するポイントも挙げています。後悔のない選択の一助になればと思います。

記事のテーマ
  1. 未経験で働きやすい介護施設を選ぶなら特別養護老人ホーム
  2. 働きやすい特別養護老人ホーム3選
  3. 有料老人ホームは昇給や昇格など待遇や教育制度が体系的に整備されている法人が多い
  4. 働きやすい有料老人ホーム5選
  5. 優良介護施設チェックリスト
  1. 働きやすい介護施設とは?
    1. 確認方法①:離職率、もしくは定着率に着目しよう
    2. 確認方法②:施設見学をして実際に足を運んでみよう
  2. 働きやすい介護施設を見極めるポイント
    1. その①:平均介護度の違いが仕事内容に関連する
    2. その②:体力面の負担がないか
    3. その③:自分にとって将来性があるかどうか
  3. 未経験で働くなら「特別養護老人ホーム」がおススメ
    1. 理由①:技術や知識の習得などの経験が積める
    2. 理由②:最後までの関わりができる
    3. 理由③:どこへ行っても通用する
  4. 働きやすい特別養護老人ホーム3選
    1. 社会福祉法人桐仁会(ちょうふ花園・かしわ園)
    2. 社会福祉法人東京都福祉事業協会(赤羽北さくら荘)
    3. 社会福祉法人 東京福祉会(練馬高松園)
  5. 働きやすい有料老人ホーム5選
    1. 株式会社ニチイケアパレス
    2. 株式会社ベネッセスタイルケア
    3. パナソニック エイジフリー株式会社
    4. 社会福祉法人慶生会
    5. SOMPOケア株式会社
  6. 未経験で就業して苦労すること
    1. その①:介護観の違いが出てくる
    2. その②:技術や知識の習得
    3. その③:収入面の事もやはり大切
  7. 施設ごとの働き方のメリット・デメリット
  8. 優良事業者かチェックしよう
    1. Q.施設の従業員数に対して介護職の採用人数が多すぎではないか?
    2. Q.年間休日数が極端に短くないか?
    3. Q.周辺の病院、介護施設、事業所の給与相場と比較して、給与が高くないか?
    4. Q.手取り金額は、今の生活水準に見合っているか?
    5. Q.厚生年金に加入出来るか?
    6. Q.退職金制度があるかどうか?
    7. Q.利用者以上に、介護スタッフを大事に扱っているか?
    8. Q.施設が清潔に保たれているか?
    9. Q.施設長・リーダーとの相性に問題はないか?
  9. 誰でも最初は未経験
    1. T.Mさん(38歳男性)介護福祉士
    2. O.Yさん(41歳女性)ケアマネージャー
    3. K.Yさん(37歳女性)介護福祉士
  10. まとめ
    1. この記事を書いた人

働きやすい介護施設とは?

働きやすい介護施設とは?

もしかして、離職率や定着率を確認せずに、次の就業先を選ぼうとしていませんか?「知らなかった・・・。」と後悔する前に事前の情報収集は怠らないようにしましょう。

定着率が高く、離職率が低い施設かどうか見極めるためには、「施設の要介護度」「1年間の採用率」「1年間の離職率」「1年以内の離職率」の4点を確認するようにしましょう。

例えば、100名規模の「介護付有料老人ホーム」があるとします。極端な例ですが過去の実績で、1年間の採用率は「30%」、1年間の離職率は「40.0%」、1年以内の離職率は「50%」とします。

こうなった場合、年間の採用人数に達していないことが分かります。待遇が悪かったり、立地が悪かったり、魅力がない施設なのか、それとも、採用基準が高いか、2択になります。

さらに、この介護付有料老人ホームの場合、毎年10人に4人の介護職は入れ替わり、そのうち、2人は就業を開始して1年も経過しないうちに仕事を辞めてしまっていることを意味します。

確認方法①:離職率、もしくは定着率に着目しよう

まずは、事業所の規模別に離職率から見ていきましょう。厚生労働省が毎年、公表している「介護労働の現状について(平成29年度介護労働実態調査)」です。このグラフから分かるように、事業所の規模が小さければ小さいほど、離職率が高くなる傾向にあります。

介護事業所規模別 離職率比較

また、介護サービス別の離職率ではどうでしょうか。有料老人ホームが最も高い「22.2%」となっています。

介護サービス別 離職率比較

介護職が少ないとされる介護付有料老人ホームでは、日々の業務(生活介助、身体介助)に追われているために、一人の介護職に求められる業務量が多くなるだけでなく、介護職に対する研修や教育が十分に実施されず、スキルアップがなされぬまま定着率が低くなる傾向にあります。

さらに、要介護レベルが高い高齢者が多く在籍するとなると、過重労働に耐えられない、ストレスやプレッシャーが多いと想像が容易に出来るはずです。

すべての情報を開示している施設は余り多くありませんが、出来る限り、情報収集をした方が良いです。

確認方法②:施設見学をして実際に足を運んでみよう

施設見学は介護スタッフの勤務状況、介護方法を自分の目で確かめられるほかに、「利用者以上に、介護スタッフを大事に扱っているか」「施設が清潔に保たれているか」「施設長・リーダーとの相性に問題はないか」実際に足を運んでみてみないと分からない情報がたくさんあります。

また、介護施設によっては、入浴機器やトイレを最新の設備に入れ替えている施設もありますので、施設見学を活用して、施設の新鮮な情報を自分の目で見たいと考える介護職が増えてきています。

施設見学を受け入れているかどうか確認するには、施設とのリレーションが強い「しろくま介護ナビ」がおススメです。

働きやすい介護施設を見極めるポイント

働きやすい介護施設を見極めるポイント

それでは、働きやすい介護施設とはいったいどんな所でしょうか?正直な所、介護の仕事は、一概にここがよいとは言い切れない部分があると思います。

それはご自身の想いや性格などによって左右されるものだからです。

だからこそ、介護施設の大まかな特徴や傾向をつかんでおくことが、よい選択になると私は考えています。

その①:平均介護度の違いが仕事内容に関連する

介護施設は、都道府県が管轄の介護保険施設や、市町村が管轄する地域密着型施設に至るまで、その大きさや種類は多種多様にあります。

そんな中、働きやすい施設を選択する上で、1つのポイントとして、「平均介護度の違い」が挙げられます。

介護度は、介護にかかる時間を目安となるものです。段階として、要支援1~2、要介護1~5の7つがあります。要介護5が一番高く、要支援1が一番低い事を表します。

一般的に平均介護度の違いで求められる介護の技術や知識が異なってきます。

介護度の高い所では、食事、排せつ、入浴などの介助技術や、様々な疾患を持った方のケアの仕方などを学ぶ必要があるでしょう。

逆に低いところでは、身体的な介護よりも、精神的な介護の比重が高くなります。今では特に認知症の方が多いので、そういったケアが必要とされます。

この様に、平均介護度の違いが、普段の仕事内容に直結してきます。

その②:体力面の負担がないか

介護の仕事はよく、キツイ仕事だといわれます。よく聞く内容としては、

  1. 不規則な仕事で特に夜勤が厳しい
  2. 入浴や排せつの介助に力が必要になる
  3. そういった介助をするなかで、腰や腕等が痛くなる

などが挙げられます。

介護の仕事はどうしても、立ち上がりや歩行などの基本的な動作が難しい方、食事や 更衣などの日常生活的な動作が難しい方を対象にします。

そして、その動作の自立度(どれだけ自分でできるか)によって、必要な介助の量が変わってきます。

体重の重たい方や背丈のある方、意思疎通が難しい方などになると、単に身体的な動きの問題だけではありません。実際の介助の場で、介助者の負担が増す要因になります。

もちろん、就職される介護施設が、どんな設備を導入しているかにもよります。機械式の入浴設備や、介助スペースが十分に確保されたトイレなど、環境面にも左右されます。

就職活動の際に、そのあたりも確認してみるものよいと思います。

その③:自分にとって将来性があるかどうか

最後に伝えたいのは、「ご自身にとって将来性があるかどうか」についてです。

介護の仕事を始められてから、次に重要になってくるのはそこで長く務められるか、あるいは、そこでの経験が次のステージでいかせるかといった事がでてくると思います。

いざ務めてみると、思っていたのと違った、収入面での不安が出てきたなど色々と気持ちの変化が出てくることがあります。そんな時に、同じ法人内に、別の介護事業所があれば、転職ではなく、異動という形で対応できます。

また、夜勤があったり、正社員を必要としたりしている部署があれば、収入面での向上も考えられます。特に、働いてみないとわからないという方は、複数の事業所を持つ法人を選ばれるとよいと思います。

あるいは、ケアマネージャーを取るまでの実務経験が欲しいという方もおられるでしょう。そういった方はケアマネージャーになってから必要な技術、知識が身につく職場を選ばれるとよいと思います。

未経験で働くなら「特別養護老人ホーム」がおススメ

働きやすい介護施設を見極めるポイント

これから介護の仕事を始めようと思われる方は、特別養護老人ホーム(特養)からスタートされるのがよいと思います。この施設は、原則として、介護度が3以上ないと入所できないことになっています。

つまり、平均介護度が高い介護施設といえるでしょう。では、以下で特養をお勧めする理由を見ていきましょう。

理由①:技術や知識の習得などの経験が積める

まず一つ目に、技術や知識の習得などの様々な経験が積めるということがあります。平均介護度が高いということは、利用者の医療依存度が高かったり、心身の能力に低下がみられたりするということです。

つまり、医療職やリハビリ職との連携や、高度な介護技術、あらゆる知識が必要とされます。これらが、最初の段階で身に着けられるというのは大きいと思います。

私も最初は特養でした。全くの未経験ですから、介護の仕事だけでなく、看護師や理学療法士、ケアマネージャーがどんな実際にどんな仕事をしているかもわかりませんでした。業務をとにかく時間に追われながらこなしていました。

しかし、その時はあまり実感がありませんでしたが、今思えば、その時に身に着けた経験や知識が今、一番生きています。

特養の仕事は楽ではありません。ですが、特に先を見据えて介護の技術や知識レベル、多職種連携の形を学びたい方にお勧めします。

理由②:最後までの関わりができる

特養は、様々な介護施設の中でも最後の時まで、ケアをすることが多い施設になります。これを看取り介護といいます。

平均介護度の低いサービス種であっても、施設によっては看取り介護は事実上可能です。しかし、大体はその施設では対応が難しくなり、医療機関へ入院したり、特養等へ入所したりといった流れになり、最後まで関わることが少ないです。

これは、そのサービス種によって果たす目的が違うからです。

さて、特養においてその利用者が入所されてから、最後の時まで関わるというのは、ケアの面からも、その利用者に対する想いの面からも、意義の深いものになります。

その都度に変わっていく利用者の状態に合わせた介護をしていく必要がありますし、最後の最後の時まで、利用者や家族の想いに応えていくことができるからです。

看取り介護は気持ちの面でつらい時があります。しかし、それだけ意義深い仕事となります。

理由③:どこへ行っても通用する

最後に、上記で説明した介護技術や知識、看取りの経験はどこへ行っても通用します。私自身もそうでしたが、最初にこういったものを身につけられたからこそ、その後、グループホームや小規模多機能事業所の介護職をした時や、ケアマネージャーをしている時でも、役に立っています。この差は介護をしていく上で大きいものです。

将来的に特養とは異なるサービス種の介護職に転職されると、目的の違ったサービス内容の提供をすることになります。たとえば、外出支援や、認知症ケアの提供をしたり、あるいは訪問サービスがあったりするなど、方向性が少しずつ変わってきます。

では、サービス内容が変わるのにどうして役に立つのか?というと、その利用者の少し先の状態を想像できるようになることが大きいです。目の前での問題だけでなく、少し先の予防的なケアが出来るということです。

また、実際に利用者の状態が低下された時には、特養で培った知識や技術がそのままに役立ちます。

視野が広く、先を見据えた介護ができると、関わりに対しても余裕が出てきます。

働きやすい特別養護老人ホーム3選

働きやすい特別養護老人ホーム3選

社会福祉法人桐仁会(ちょうふ花園・かしわ園)

ユニット制で一人ひとりの利用者との関わる時間が長く、利用者10名に対して、介護士は5名とゆとりのある人員配置です。

福祉器具は充実していて、リフト付きの個浴を完備し、見守りカメラセンサー、さらにタブレットや音声入力による記録作業の省力化に取り組んでいます。

また、残業時間は他の施設と比べ短く、月平均10時間です。さらに有給所得率が70%以上と介護士にとって働きやすい職場環境です。

資格手当はじめ、住宅手当や家族扶養手当が充実していて、月給は23万円~33万円くらいです。20~29時間以上の上限残業時間を超過すると、しっかりと残業代が支給されるので安心です。育休復帰率100%ですので、ママ介護士にはおススメです。

社会福祉法人東京都福祉事業協会(赤羽北さくら荘)

年間休日は123日以上と特養の中では多く、他の一般企業と大差は無いです。さらに、子供の看護のために休暇を取得する場合、年間休日に加え、「最大5日間」付与されます。

年間休日123日は、3日に1回は公休日が付与されている計算となります。

最近では、19年12月に手当が新設され、最大で42,000円が支給されます。大卒の給与モデルは最大で367,300円と給与水準は非常に高いです。

子育ての経験があるリーダーがいるので、仕事と育児を両立したい介護士にはおススメです。

社会福祉法人 東京福祉会(練馬高松園)

年間休日は115日とやや多くが、時短勤務は積極的導入し、月の残業時間は平均5時間と非常に短いです。資格手当が充実しているので、正社員登用であれば初年度から年収420万円前後は目指せます。特養には珍しく、賞与4.45ヶ月分や退職金制度は魅力的です。

また、産前産後休暇と最大2年間の育児休暇で、介護士一人ひとりが長く働きやすい環境づくりを目指しています。

これから結婚や出産を考えている介護士や、キャリアアップを目指す介護士はおススメです。

働きやすい有料老人ホーム5選

働きやすい有料老人ホーム5選

株式会社ニチイケアパレス

残業時間を徹底管理 従業員の疲労をケア

  • 法人規模・母体:介護業界NO.1のニチイ学館の100%子会社
  • 子育て支援:半日休暇制度の導入、短時間勤務(小学校4年生の始期に達するまで)
  • 残業時間:正社員3.8時間、契約社員0.9時間 ※規定の時間を超えて時間外勤務をさせない制度あり
  • 休暇制度:時効消滅する年次有給休暇を積み立て
  • 年間休日日数:111日
  • 給与イメージ(3年目):年収359万円~411万円
  • その他:「ふれあいケアスタッフ」の新設

※週2日~・1日2時間以上勤務OKで身体介助がない。仕事内容は、介護スタッフの補助がメインの仕事。

株式会社ベネッセスタイルケア

充実した福利厚生の下 安心した職場環境で働ける

  • 法人規模・母体:ベネッセホールディング
  • 子育て支援:保育手当12万円/年、(1)妊娠期:残業・休日出勤・夜勤免除、(2)出産・産後期:産前・産後休暇・出産手当金・入院見舞金・出産祝金(3)育児期:育児休職(1歳まで)(4)職場復帰:保育手当1万円/月・時短勤務(小学校3年生まで)
  • 残業時間:月10時間程度
  • 休暇制度:介護休暇通算365日まで、延長・再休職が可能
  • 年間休日日数:113日
  • 給与イメージ(4年目):420万円前後 ※介護福祉士の資格ありの場合 ※毎年、定期昇給あり。さらに3年以上の勤務者には賞与の支給月数をアップ
  • その他:仕事と介護の両立支援制度 (1)介護休暇(通算365日まで、延長・再休職が可能)(2)時短勤務制度(勤務時間を最長2時間まで短縮可能)(3)残業なし・夜勤なし制度

パナソニック エイジフリー株式会社

高品質な介護サービスの裏には、従業員第一の考え

  • 法人規模・母体:パナソニック株式会社 100%出資
  • 子育て支援:時短勤務、育児休暇
  • 残業時間:月10~20時間
  • 休暇制度:介護休暇
  • 年間休日日数:114日
  • 給与イメージ:
  • その他:「時間制正社員制度」導入

※パートタイマー(有期雇用)は1年以上勤務すれば、時間制で勤務時間を選べる時間制正社員(無期雇用)を選択することが可能。

社会福祉法人慶生会

有給取得率は非常に高く、誕生日休暇や長期休暇を推進

  • 法人規模・母体:大阪府大阪市に本社
  • 子育て支援:時短勤務、育児休暇
  • 残業時間:月10時間程度
  • 休暇制度:介護休暇
  • 年間休日日数:110日
  • 給与イメージ:
  • その他:

SOMPOケア株式会社

現場ファーストの理念と健全な職場環境

  • 法人規模・母体:SOMPOホールディングス 業界2位の市場規模
  • 子育て支援:育児休暇取得年数3年、育児支援取得率100%、復職支援年数9歳まで、夜勤免除制度、保育手当月額25,000円
  • 残業時間:月平均7.4時間
  • 休暇制度:公休110日+リフレッシュ休暇3日
  • 年間休日日数:113日
  • 給与イメージ:
  • その他:ハラスメント撲滅宣言

未経験で就業して苦労すること

未経験で就業して苦労すること

ここでは、これから始めて介護の仕事を始められる方が、苦労されるであろう点を解説します。どんな仕事でも、最初は不安がありますよね。だけど、最初に何が問題になるかを知っておけば、心持ちがだいぶ違います。

恥ずかしながら私は、自らが経験するまでそれがわからず苦労しました。では、以下にポイントを絞って解説します。

その①:介護観の違いが出てくる

恐らく、慣れてこられた時に苦労されるのは、介護感の違いではないでしょうか。介護感とは、「人の役に立ちたい」、「とにかく業務を中心にがんばりたい」、「関わりの時間をもちたい」などの、介護をする理由です。

これにはそれぞれ、不正解はありません。しかしそれがために、日々業務をする中で、判断や想いの相違が生まれてしまいます。

介護感は、根本にあるものですので、誰かに合わせるのは難しいと思います。もちろん施設毎、チーム毎に目標や方向性は掲げられていると思いますが、実際の介護の細かな場面では、介護感の違いは必ず浮き彫りになります。

私もいろいろと経験してきましたが、根本的な解決策はありません。

ただ、日々のある程度決められた業務に支障が出ない程度に個人的な介護感を出し、時には他者の介護感を尊重すること、そして、ある意味介護感の違いがあって当たり前と考えると、働きやすいと思います。

その②:技術や知識の習得

介護現場では、どこへ行っても主に食事や、排せつ、入浴の介助が中心になります。そのほかに、移動介助やレクリエーション、外出支援、認知症ケアなどが加わってきます。

求められる技術は、施設によって異なります。ただ、どこへ行かれたとしても、技術や知識の習得が必要になります。

こればかりは、少しずつ学んでいくしかありません。私の場合は、介護を始めたころは、ヘルパー2級や福祉住環境コーディネーターなどの資格取得を通じて、知識を得ました。また技術については、日々の業務の中で、先輩や医療職に教えてもらったり、介護技術の本を読んだりしました。

最初の内は、業務に手いっぱいで、家庭も忙しく時間がない方もおられるかもしれません。しかし、何よりも経験から身に着けるものが一番大きいので、焦らず日々の業務をこなしていかれる事が大切だと思います。

その③:収入面の事もやはり大切

最後に、仕事を続けていく上では、収入の事も大事になってきます。パートの収入でも当分大丈夫という方もおられれば、正社員を目指す方もおられるでしょう。

私自身は、あまり考えずに人の紹介もあって、パートで特養に飛び込みました。いずれ正社員になれるだろう位に軽く考えていました。

しかし、タイミングもあり、そううまくいかず、結局は正社員を目指すために転職することになりました。

少し細かい話をすると、介護保険の事業所は、保険外サービスを提供している事業所以外は、介護報酬による利益がほとんどです。これは地域差があるものの一律なので、全ての人を正社員にすることはできず、一定数のパートも必要になるのです。

そういったことも踏まえると、収入面もある程度必要な方は、よほどのこだわりがない限り、最初から正社員の枠を希望された方がよいと思います。

施設ごとの働き方のメリット・デメリット

業態メリットデメリット
特別養護老人ホーム(特養)日中は医師と看護師が常駐しているので、
医療ケアにおける不安が少ない。
終の棲家として利用する入居者が多いので、
一人ひとり長期的な介護に携われる。
介護度の高い入居者が多いので、
身体的負担が大きい。
介護老人保健施設(老健)リハビリ成果次第で、機能回復から
在宅復帰まで一貫して携われる。
医師、看護師などの介護職以外の職種と
連携が必要で、スキルアップに繋がる。
機能回復を目的とする施設のため、
医療職種が主導権を握り、
介護職は補佐的なポジションになりがち。
ショートステイ要介護度が低いので、
比較的身体的な負担が少ない。
短期間で利用者をどれほど満足させられるか、
自身のスキルアップに繋がる。
リピーター以外は一時利用者の
割合も多いので、一人ひとり利用者の
把握が難しい。利用者の入れ替わりが早い分、
介護の仕事以外に事務処理が多くなりがち。
介護付き有料老人ホーム昇給や昇格など待遇や
教育制度が体系的に整備されている法人が多い。
運営母体にもよるが、
経営にあたり利益重視の側面が強いところもある。
お金を支払う利用者からすると
対価を求める傾向にある。
高い接客サービスを求められやすい。
グループホーム1ユニット9人制を敷いているため、
一人ひとりに向き合うことが出来る。
認知症の理解が乏しいと、
業務に支障がある。夜勤1人体制の施設が多く、
緊急判断が求められる場合がある。
サ高住主に自立~軽度の要介護を
必要とする利用者のため、
身体的負担が少ない。生活援助が主体。
レクリエーションの頻度は少ない傾向にある。
事業・所属によって提供サービス
(見守りサービスだけ、身体介助だけ、
もしくはその両方)が異なる。
医療系職種が配置されないことがある。
デイサービス・通所リハ基本的に夜勤シフトがない。
日曜日を定休日とする事業所が多い。
レクリエーションの頻度が多い。
担当になれば企画力やリーダーシップが求められる。
訪問介護時間単位で行動するため、
時間の融通が利きやすい。
一人ひとりに向き合って介護を提供出来る。
原則一人で訪問するため、
技術やスキルが必要。
訪問先によって求められるもの、やり方が違う。

優良事業者かチェックしよう

優良事業者かチェックしよう

転職して今から働こうしている施設は、次の項目のうち、いくつ当てはまりますか?

Q.施設の従業員数に対して介護職の採用人数が多すぎではないか?

A.「従業員数 < 年間の採用人数」になっている場合は、スタッフの入れ替わりが激しい施設の可能性もあります。

Q.年間休日数が極端に短くないか?

A.厚生労働省の調査によると、医療福祉業界における一人当たりの平均年間休日総数は、110.3日となっています(※1)。まれに年間115日の休日が付与される施設がありますが、比較的休日数の多い施設と考えても良いでしょう。

(※1)出典:平成26年就労条件総合調査の概況 P5「第4表 年間休日総数階級別企業割合、1企業平均年間休日総数及び労働者1人平均年間休日総数より」

Q.周辺の病院、介護施設、事業所の給与相場と比較して、給与が高くないか?

A.早急に人材が欲しいため、求人票を良く見せようとする場合があります。

給与が高いと魅力的な求人に見えてしまいますが、「なぜ給与が周辺の病院、介護施設、事業所より高いのか」をしっかりと理解した上で、求人の良し悪しを判断しましょう。

Q.手取り金額は、今の生活水準に見合っているか?

A.生活水準まで落としてまで、転職するのはおススメしません。もし、そのような事がある場合は、転職について一度考え直して見ましょう。

Q.厚生年金に加入出来るか?

A.保険料の半分は会社負担で加入でき、厚生年金の給付は国民年金に上乗せされるので、将来的な保険になります。

Q.退職金制度があるかどうか?

A.社会福祉法人は退職金制度を設けている場合が多いですが、利益主義の民間企業の場合ですと退職金制度がないことがあります。

転職や就職する時に、退職金制度の有無を確認せずに、月々の給与や福利厚生に目がいきがちな人が多いのが現状です。退職金制度があったとしても、勤続年数10年で30万円程度の退職金だった、ということも施設によっては存在します。

Q.利用者以上に、介護スタッフを大事に扱っているか?

A.介護職や看護師がせわしなく廊下を走っている、機械的に利用者の介助をしている、スタッフ同士の言葉口調が荒い、これらは人手が少なく、気持ちに余裕がないサインかもしれません。

Q.施設が清潔に保たれているか?

A.トイレやお風呂などの水回りは綺麗ですか。汚物臭はしていませんか。テーブルに食べカスが残っていませんか。施設が衛生的に保たれているか、スタッフの服装は綺麗か、入居者の部屋の掃除は行き届いているか、自分の目でチェックしましょう。これらが出来ていない場合、人手が足りておらず、後回しになっている可能性があります。

Q.施設長・リーダーとの相性に問題はないか?

A.介護福祉業界における転職理由の一つとして、「人間関係」が挙げられます。転職は人間関係をイチから構築する必要があるので、職場見学や面接など数少ない機会ではありますが、自分との相性がどうか確認するようにしましょう。

誰でも最初は未経験

T.Mさん(38歳男性)介護福祉士

私は今38歳で、この介護の世界に飛び込んですでに10年が経とうとしています。全くの畑違いの仕事からヘルパーの資格を取得して、今では1軒1軒の利用者の自宅を訪問して介護を行う訪問介護の介護福祉士として従事しています。

介護職として働き始めた頃は、回りの先輩に迷惑を掛けてばかりで、利用者に全く名前を覚えてもらえず苦労しました。たくさん辛い経験をしましたが、とある日、亡くなられた方のご家族に、「おじいちゃんがデイサービスを楽しみにしていた」と言われた時、初めて人の役に立つことの喜びを感じました。

今は訪問介護で施設介護とは違う境遇に身を置いていますが、施設介護に比べ利用者の生活を肌で感じられることが最大のメリットです。訪問介護は時間が限られるため、一人ひとりのケアについていつも考えさせられます。

介護職として初めに選んだ施設は、デイサービスです。子育てと仕事を両立させる必要があったため、夜勤がないデイサービスを選びました。子育てしていた時は腰痛持ちだったので、寝たきりの利用者の身体的介助が少ないことも選んだ理由の一つです。

O.Yさん(41歳女性)ケアマネージャー

もともと4年間、事務職をしていましたが、ヘルパー2級の資格を取り介護の仕事を始めて9年目になります。介護のきっかけは、既に他界しましたが母の介護がきっかけです。緩和ケアで介護福祉士や理学療法士の方が自宅に週に何回か訪問していて、その時彼らの働く姿を見て感銘を受けたのを記憶しています。

しかし、想像とは違い実際に介護職として働いてみると、おむつ交換、移動介助の大変さ、お風呂に入れる大変さ、命を預かるそのプレッシャー・・・を感じていました。働いて半年くらいで一度辞めようかなと思ったときがありました。

介護職は3Kと言われ、嫌な部分ばかりに目がいきがちですが、今まで続けられてきたのも、それに勝る達成感や喜びがあったからです。どの仕事にも精通すると思いますが、何の為に努力して向上心を保ち続けられるかで、仕事そのものとの向き合い方が変わってくると思います。

今は訪問介護で施設介護とは違う境遇に身を置いていますが、施設介護に比べ利用者の生活を肌で感じられることが最大のメリットです。訪問介護は時間が限られるため、一人ひとりのケアについていつも考えさせられます。

6歳と3歳の子供を抱えていたので、託児所完備されているかどうか、それが介護施設を選ぶポイントでした。定時でも帰りづらい雰囲気があっては元も子もないので、施設にどれくらいの人数の同年代の方や育児ママがいるかもチェックしたと思います。年収、待遇うんぬんより、いかに働きやすい環境であるか、そちらの方の意識が強かったはずです。

K.Yさん(37歳女性)介護福祉士

高校生の頃、有料老人ホームに社会科見学があり2日間ボランティアをしたのがきっかけで、介護に興味を持ち、高校を卒業と同時に短大の福祉学科に進学しました。卒業後は、自宅近くの病院で医療事務として働いていたのですが、事務作業が自分に向いていないことと、高齢者と接する仕事がしたいと思い、介護の道に進みました。

ただ、始めた当初、理想と現実のギャップを感じました。様々な利用者と触れ合う中で、命を預かる仕事ってこんなにも大変なんだ、介護はただの世話係ではないんだということに気づかされました。夜勤やシフトの関係で体力的に辛い時期もありましたが、それ以上に発見の方が多く、介護福祉士になることを目指して日々頑張っていました。

未経験でも入りやすく、介護のスキルを積める特養を選びました。ずっと同じ施設に勤めるつもりがなかったので、次の転職に活かす為に、経験は積んでおきたいと思っていたことも特養を選んだきっかけです。私が当初働いていた施設は、雰囲気がゆったりと流れ、スタッフ同士の仲が非常に良かったです。新入社員の受け入れを非常に重要視していた法人で、研修制度が充実していて、人を育てる、介護のスペシャリストを育成するという理念のもと、「人」を大切にする文化が定着していました。

まとめ

ここまで未経験の方が、介護業界で仕事をされる際にポイントとなる項目を説明してきました。

ここで挙げた各項目は、どこへ行っても必ず出てくる内容です。しかし、選ぶ施設によって何が重要視されるかは変わってきます。

今、自身が大切に思っておられる事、それが実現できる道に就職され、楽しく仕事されることを祈っています。

この記事を書いた人

みやあらや

現在は、小規模多機能事業所のケアマネージャー兼任介護福祉士。夜勤もこなす。

30歳のころまでは、畑違いの研究職の仕事をしていたが、知人が入所していた特養を訪問したことをきっかけに介護業界に転職。その後、ホームヘルパー2級、福祉住環境コーディネーター2級、介護福祉士、介護支援専門員等の資格を取得し、現在に至る。

経歴

  • 2012年4月~2013年9月:特別養護老人ホーム
  • 2013年10月~2014年3月:短期入所施設
  • 2014年4月~2016年2月:一般病院 看護助手
  • 2016年3月~2018年8月:老健、医療療養棟
  • 2018年8月~2019年9月:グループホームのケアマネージャー
  • 2020年9月~現在:小規模多機能事業所のケアマネジャー兼介護福祉士

資格

  • 介護福祉士
  • ケアマネジャー
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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