介護の未来は私たちが創造する。情熱を持って今を明日につなげよう。

介護士の「現在」と「未来」を考える

介護士の「現在」は暗い

介護保険制度が施行されて20年。果たしてこの業界はどれほど進歩を遂げてきたのでしょうか。

確かに、この20年で介護は職業として確立してきました。ところが、介護士を取り巻く環境はそれに比例して良くなったといえるでしょうか。

例えば「低賃金」という問題に対し、国は処遇改善加算などの制度改革をしてきました。しかし、その恩恵を事業者ではなく、個人レベルで実感している介護士はどれほどいるのか疑問を持たずにはいられません。

この業界は、まだまだ多くの問題を抱えながら、課題解決に向けて試行錯誤が続いている現状です。

理由①:残念でならない介護職のイメージ

介護職に対する一般的なイメージには、相変わらずネガティブな要素が定着してしまっている感があります。

代表的なものとして「体力的・精神的にきつい」(61%、53.8%)「給与水準が低い」(48%)「離職率が高い」(44.6%)(参考:福祉・介護に関する意識調査結果とイメージの変化より 株式会社リクルートキャリア、HELPMAN JAPANグループ2018.9.6)となっており、他のアンケートでも概ねこのような結果となっています。また、この20年間を振り返ってみても、ほぼ同じような結果が見受けられました。

近年、介護現場における事件や事故、コロナ禍での各種メディアの介護に対する報道は、そんなイメージを余計に助長しているかもしれません。

介護の世界は一般の人から見ると、まだまだ現実味のない世界であると思われます。本来はもっと身近であるはずですが、実際に自分の家族が介護を必要としない限り、介護の現状に触れる機会はほとんどないでしょう。

さらに、現役介護士に対するアンケート調査でも同じような結果を見ることがありました。それらを考えると、こうしたネガティブなイメージを払拭するには相当の努力が必要になることがわかります。

介護本来の魅力が広まっていかないのは、非常に残念なことです。

理由②:人材不足による影響は、介護士のスキル不足、人間関係にも及ぶ

一口に介護士と言っても、その能力にはかなりの個人差があります。

介護士としての基本的な知識、介助技術、さらに仕事への向き合い方に大きな隔たりを感じることがあります。

時として、このようなことが、現場のスタッフ間で認識や対応の違いを生み、利用者に提供するサービスの質にも影響してしまいます。また、それがキッカケとなって互いに不信感を持ち、さらには人間関係の悪化、最悪なケースでは離職につながってしまうケースもあります。

今後800万人にもなるといわれる団塊の世代が75歳以上を迎える2025年。医療と介護の需要が最もピークを迎え、この世代を担う介護職は今以上に深刻な人材不足になることが予想されています。

近年、研修や資格制度は充実してきているものの、実際には資格、経験の有無を問わず求人、採用が行われています。需要と供給のギャップが広がる時代を目前にして、業界への入職者を増やす必要があることはもちろん理解できます。

しかし、問題なのは採用後の研修など、人材として育てていくマネジメントが上手くできていない事業所が多いということはないでしょうか。

質の高いサービスを提供し、こうした問題解決の糸口を見出すには、国の政策に頼るばかりでは難しく、事業所における取組みも重要なはずです。人材育成に対する意識改革、全体的な底上げは、人材不足をカバーする一助になるはずです。

理由③:介護士として正当に評価されているか

介護の仕事をしていて不満を感じることの一つに、自分の評価が低い、あるいは頑張っているつもりなのに評価されないといったことはないでしょうか。

キャリアを積み上げた先の将来が見えず悩んでしまうこともあります。

たとえば、国家資格である介護福祉士を取得する。あるいは研修等に参加し、知識や技術を深める。そうした努力の末に自らのスキルを向上させ、貢献したとしても、期待するほど成果を得られるとは限りません。また、職種や事業所によっても、かなり評価基準が違うように思います。

実際に、介護福祉士の有資格者と無資格者の報酬を比較しても、月数千円程度の差しかないといったこともよく耳にする話です。

私自身も介護福祉士の資格取得を含め、その他講座、研修等に多数参加し自己研磨してきました。それらにかかる費用はほぼ自費です。こうして身につけたスキルを現場で活かし、貢献している自負はあります。

ただ、残念ながら待遇面、処遇面に反映されることはなく、憤りを感じてしまったこともありました。

しかし、このことは介護業界が公的保険制度に基づく報酬制度で成り立っていること。社会福祉法人を中心とした業界であることなど、業界全体の問題であると受け止めています。

介護士の「未来」は明るい

介護士の「未来」は明るい

2021年度の介護報酬改定はプラス 0.7%で決定されました。前回の2018年度改定から2期連続のプラス改定となりました。これまでに行われた処遇改善加算なども含めると、介護に対する政策には前向な姿勢が伺え、将来に希望を持つことができます。

これまで介護業界は、介護士一人ひとりの「想い」に支えられ発展してきた部分も大きいかと思います。

今回のような改定が続き、将来を担う介護士の「やりがい」や「報酬」が共に満たされていけば、介護にある様々な問題やネガティブなイメージは改善されてくはずです。

介護の世界は、明るい未来を目指し進んでいると信じています。

理由①:本当は凄い介護士という仕事

ともすれば、「3K」とも言われる介護士ですが、それは仕事の一部であり、本来、介護士という職業はとてもクリエイティブな仕事です。

施設を利用する方々は、さまざまな人生経験をされてきた人たちです。いわば人生の大先輩方です。仕事でお世話しているとはいえ、実は私たちが多くのことを学んでいたりします。

介護士は他人の人生に向き合い、「人」とのつながりの中で仕事をしています。

それ故、現場ではマニュアル通りに対応できることほうがむしろ少なく、介護士一人ひとりのパーソナリティが利用者の満足度に大きく貢献します。介護士という存在はこころとからだを支えるスペシャリストなのです。

介護士の魅力は個人の持つパーソナリティが存分に発揮できることにあります。

それだけに、他業種からの転職も不利になることばかりではありません。むしろ人によっては、ポジティブな要素の方が多い職業でもあるのです。

理由②:介護業界は未来に向けて進んでいる

介護業界の可能性が開かれていくのはこれからです。

介護の歴史を振り返ってみると、高齢者福祉制度として1950年に生活保護法が施行され、養老院が生活保護法による保護施設のひとつである養老施設と位置づけられたことからはじまります。

1961年には静岡県浜松市に、特別養護老人ホームの先駆けとして、養老施設「十字の園」が創設されました。そして2000年、現行の介護保険制度が施行されました。
こうして見ていくと、介護は他の産業と比べてまだ若く、成長過程にあると思いますし、今後ますます必要不可欠は産業であると言えます。

現在の介護業界にある問題の数々は、未来を明るく輝かせるために必要なのであって、決して悲観的なものではないはずです。順風満帆とはいかないまでも、今後の情勢を踏まえれば、後退することはないと考えます。

問題のいくつかは、事業所、個人で改善していけるものもあり、明るい未来の一端を、自分たちの行動で掴むことも可能だと思います。

理由③:介護の未来は私たちが創造すればいい

近年、若い介護士を中心に、介護の魅力を発信する活動や取組みも数多く見聞きするようになりました。これまでは、どちらかいえば閉鎖的な業界でしたが、少しずつ確実に開放的になってきています。

たとえば、介護業界で働いている人が夢や誇りを持てるイベントにすることを目指した「介護甲子園」。若手人材の採用と育成・定着をサポートする事業を展開している「FACE to FUKUSHI」など、全国各地で多彩な取組みが行われています。

介護業界にあるネガティブなイメージは、介護の現場からポジティブな発信が少ないだけではないでしょうか。先述のような開放的な活動をそれぞれの地域に根差して展開すれば、その輪が広がり、やがて世間のイメージは変わっていくはずです。

国の保険制度の枠組みの中で行われる介護事業、社会福祉としての歴史を踏まえ、従来の介護の枠にとらわれず、自由な発想で新しいことに挑戦できるフィールドが必要です。

介護の未来を担う若い世代に輝いてもらう環境を、私たち現役の介護士が共に力を合わせ、創っていけたら素晴らしいと思います。

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私の5年、10年後のキャリア戦略

私の5年、10年後のキャリア戦略

私自身、介護の仕事に携わり12年目を迎えています。社会に出てからは早35年になります。もはや人生の折り返し時点ですが、新たな取組みの出発点にしたいと思っています。

これまでの人生で多彩な経験をし、多くのことを学びました。今後はそこで得たものを、人のお役に立てる情報として発信し、社会貢献することを目指します。

5年後目指す姿

私は介護職でありながら、同時に自身の家族を介護している介護者としての境遇を活かし、利用者家族へのアプローチを積極的にしていきます。

近い将来、このままいくと介護を受けたくても受けられない介護難民が急増する可能性があります。そうならないために心身が良好な状態でいられるよう、家族の健康面を包括的にサポートできる人を目指します。

10年後目指す姿

介護そして地域社会の未来を創造できる事業の展開を目指します。

例えば、一般的な介護系の資格講座とは視点を変えて、よりユニークでクリエイティブな介護士を育成していくための学び場を創設する。

地域の人々が家族のようにつながるイベント開催など、精力的な活動で社会貢献を目指します。

まとめ

介護の未来をもっとより良いものにするには、介護という閉じた枠の内側から世界を観るのではなく、介護の枠の外側の世界から俯瞰して観ることが大切です。

その視点から新たな気づきを得て、情報やアイディアを見つけましょう。

私たち介護に携わる一人ひとりの情熱で主体的に取り組み、共に力を合わせることができれば、介護ほど変化を遂げる可能性に満ち溢れている業界はないと思います。
希望を持って、今を大事にしたいと思います。

この記事を書いた人

NOBU
さん

介護福祉士、パーソナルトレーナー。1970年生まれ。

現在、介護福祉士兼パーソナルトレーナーとしてデイサービスに勤務。バリエーション豊かな人生経験を活かし、新たな可能性を探求している。

経歴

  • 1985年10月~1988年2月:劇団の養成スクール、鉄筋工、タイル職人、看板屋、大工など、アルバイト
  • 1988年3月~2005年12月:運送会社に転職。その後、某大手電機メーカーの物流倉庫管理業務に派遣社員として従事。
  • 2006年1月~2008年12月:サッカースクールの開設と運営
  • 2009年1月~2013年3月:知人を頼り介護施設に常勤として入社
  • 2013年4月~:介護士福祉士兼パーソナルトレーナーとして介護の可能性を探求

資格

  • 介護福祉士
  • 日本サッカー協会C級コーチ

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