介護=地域をデザインする仕事 いま、介護に求められるものとは

介護士の「現在」と「未来」を考える

介護士の「現在」は明るい

最近では、「働き方改革」により、介護業界でも短時間正社員や日勤正社員の求人を出す企業も出てきており、ワークライフバランスを整えられる環境整備が進んでいます。

このような現状から、現在は未だに介護の現場を知らない方にとっては、「3Kきつい、汚い、給料が安い」というマイナスなイメージはあるものの、介護士の現在と未来は明るいと感じています。その理由について詳しく説明していきます。

これから介護の仕事をしようか悩んでいる方、介護を続けようか悩んでいる方にとって、自分の介護観に気づくことで、今後のキャリア選択の参考になれば幸いです。

理由①:介護士の人材不足だからこそチャンス

コロナ禍の現在、重症化リスクの高い介護施設の求人は、コロナ前に比べるとコロナによる経営圧迫などにより減少したものの介護職の有効求人倍率は、厚労省が出している「一般職業紹介状況(令和2年11月分)」によると3.88倍となっています。

有効求人倍率とは、求職者一人に対し何件の求人があるかを示す指標ですが、全職業の有効求人倍率1.06倍に比べると非常に高いことがわかります。

参考記事介護職の有効求人倍率!売り手市場の理由と人手不足の現状

介護業界は求職者にとって自分のライフスタイルやライフプランに合わせて就職先を選びやすく、基本的な適正があれば、就職しやすい状況にあるといえます。

皆さんは、仕事を選ぶ上でどのようなことを大切にしたいでしょうか。

例えば、趣味や勉強の時間を十分に確保しながら働きたい、介護経営者を目指してキャリアアップしていきたいから研修制度が充実した職場がいい、夜勤がなく、リハビリが学べるデイサービスで働きたいなど人によってさまざまだと思います。

介護施設と一口に言っても、在宅復帰を目指す介護老人保健施設、車や自転車の移動がない訪問介護ができる住宅有料老人ホーム、入浴食事を行わないリハビリ特化型デイサービスなど利用者の暮らしたい住まい方に合わせてさまざまです。

自分の生活スタイルに合った職場を選べたら、長く働き続けられるのではないでしょうか。

未経験職種の転職となると、魅力的な企業は求人が限られることが多いですが、介護の場合は未経験の方も歓迎する求人が多数あるためチャレンジしやすいというメリットからも明るい現状と言えるでしょう。

理由②:介護の経験が人生を豊かにする力になる

介護は、だれでも経験することです。若いうちは、自分とは関係のないことのように感じますし、どこか他人事のように感じてしまいます。しかしそのときは遅かれ早かれ平等に必ず訪れます。

デジタル化が進み、スマートフォンさえあればどんなこともすぐに検索できる便利な時代になりました。たくさんの情報の中から自分にとって必要な情報を簡単に管理できます。

コロナの中、離れていても大切な人と繋がれる、良い面もたくさんある一方電話番号など覚えておく必要がないため、記憶力が20年前に比べると低下している人が多いのではないかと感じます。その代償として、物事を記憶できなくなる認知症リスクは、今後ますます高まっていくと考えられます。

そんな現代に生きる上で必要なことは何でしょうか。

人生100年時代の今必要な能力は、「健康寿命を伸ばして、自分らしい人生を送りたい」そんな願いを叶えるためのライフデザイン力です。

介護の仕事をしていると、本当にたくさんの生の人生に触れることができ、多くの気づきを自分のよりよい生活に取り入れることができます。

介護の知識や技術を学ぶことで、自分の人生をより健康に豊かなものにデザインすることができたら・・・とても素敵なことではないでしょうか。

理由③:介護士はキャリアアップしやすく、活躍の場が広がっている

介護現場では、認知症や精神疾患などさまざまな持病を持たれる方か一緒に生活しています。そのような現場にいると、普段のコミュニケーションでは、うまく行かず、接し方に悩み、挫折してしまう職員も多くいると感じます。

現場で高齢者と心地良いコミュニケーションができるには…思いやりはもちろんですが正しい心理症状の理解とそれに対応するコミュニケーションの技術を学ぶことだと考えます。

数年前に新しく誕生した心理の国家資格「公認心理師」が今、注目を浴びています。

民間資格である「臨床心理士」と似ていますが、日本初の心理職の国家資格として今後、広く活躍が期待されます。

そんな注目の資格ですが、現在、医療や看護、介護福祉職の職員も、実務経験5年と心理支援、具体的な相談援助を行っていたことを満たせば「公認心理師」の試験の受験資格が得られるGルート枠が存在します。

Gルートでの受験は、2022年度第5回試験が最後のようですので、興味のある方は今がチャンスです。

心の健康が重要視されている現在、介護職が現場で公認心理師としてカウンセリングを行えることは、今後ますます求められていくのではないかと実感します。

また、現場以外でも社員の介護離職が増えている現状から一般企業での介護相談業務の担い手として介護福祉士の活躍も期待されています。

今後は、介護福祉士も現場だけでなく、介護福祉のプロとして多くの企業に求められる存在になっていくことは間違いないでしょう。

介護士の「未来」は明るい

介護士の「未来」は明るい

改めてですが、皆さんは介護にどのようなイメージを持っているでしょうか。楽しい、やりがいがある、体力的にきつい、休日が少ないなど・・・さまざまな意見があると思います。

私自身、新卒で、有料老人ホームに就職した当初は、夜勤をこなしながら過酷な勤務内容、勤務体系であるのに一般のいわゆる事務職よりも低い給与で、年間休日もかなり少ない介護業界の現実に憤りを感じ、未来に不安を感じていました。

しかし、ここ数年急速な高齢化に加え、コロナにより健康志向が高まる中で、フランチャイズのリハビリ特化型デイサービスの展開や大手企業の自費サービス展開が増え始め、職員も利用者も自分の生活に合わせた介護施設を選べるようになってきました。

安倍政権時代、首相が打ち立てた「お世話型」と引き換えに、「自立支援」が介護で重要視されるようになってきています。そのような中で、自立支援に特化した「自立支援介護」を掲げたデイサービスも見られるようになりました。

理由①:コロナをきっかけに求められる介護士の役割

コロナが蔓延し、外出が制限され、人に会えるのは近所の人だけとこれまでと生活圏が大きく変わった人は少なくないと思います。私自身も県外にいた家族となかなか会えず、苦しい思いをしたこともありました。

そのような中で私の心を元気づけて、安心感をくれたのが近所の地域の方々でした。どんな人もみんな近くに気にかけてくれている存在があるというのは嬉しいものです。それが、生きがいにつながる気がします。

しかし、外に出て周りに迷惑をかけてしまったら・・・と躊躇し、家に引きこもる高齢者の孤独死も問題視されています。

街にコンビニの数ほどある介護施設で働く介護士が、地域の見守り役として高齢者と近隣住民との関わりをつなぐことができたら…災害など未曾有の被害が起きても、助け合える基盤があることで失う命を一人でも救えるのではないかと感じます。

現場だけでなく、地域の中で活躍するコーディネーターとしての役割が求められていくのではないかと考えています。

理由②:介護職は自分の趣味や特技を活かしやすい

カフェに行くのが好きな人だったら、現場でカフェを開いてみる。読書が好きだったら読書好きな利用者を集めて読書会を開催する。自然豊かな場所であったら、一緒に畑を耕してみる。利用者の好きと職員の好きを組み合わせて、介護と趣味を一緒に楽しむ。

企画次第でマンネリした介護も楽しいものに変えることができます。

普段の業務+利用者とスタッフお互いの得意分野をかけあわせることができたら、介護の仕事の楽しさ、やりがいも倍増しますね。

理由③:介護士年収500万円も夢じゃない?!高所得を目指せる環境が整ってきている

介護報酬改定により介護職の処遇は年々改善されてきています。

常勤・月給で働いている介護職員は、2019年2月に比べて一年後の2020年2月には平均1万8000円以上も上がりました。勤続10年以上の職員についても平均給与が2万以上アップしていました。

三菱総合研究所が勤続10年の職員に行った調査によると、勤続継続にあたって重要だと思うものに対して、「能力や業務内容を反映した給与体系」が全体の15.5%を占め、人間関係や職場の雰囲気より高い割合になっています。

現場介護士の声がようやく国政に反映されてきていると感じます。この先、高齢化が進み、介護の担い手が求められていく中で、介護業界の処遇改善と働き方改革の推進はますます期待されるでしょう。

私の5年、10年後のキャリア戦略

私の5年、10年後のキャリア戦略

明確な目標を立てつつも、心に余裕を持って、様々なジャンルでもキャリアを築いて行きたいと思っています。

5年後目指す姿

デイサービスでの実務を積み、まずは、1年後、公認心理師の試験を受験して、何らかの障がいを抱えている高齢者の気持ちがわかる介護士になりたいと思っています。

そして、利用者の方と丁寧な信頼関係を築きながら、今の現場で心理師としても利用者が安心して暮らせるようにカウンセリングなどを行いながらサポートをしていけたらと思っています。

普段の業務の中では、アロマテラピーやドッグセラピストなどの趣味の幅を広げながら、アニマルセラピーやアロマハンドトリートメントのレクリエーションを企画してみたいと思っています。5年後は、心理学の知識を身に着け、ご利用者様の心に利寄り添える介護士になりたいです。

10年後目指す姿

高いホスピタリティとおもてなしの心をもち、高齢者の方お一人おひとりの長所や強みを引き出すコミュニケーションや介護技術を部下に指導できる介護士になりたいです。

そして、上司として人材育成やマネジメントにも携わっていきたいです。10年後は、ケアマネージャーの資格取得を目指し頑張っていきたいです。この頃になると仕事にも慣れ、経験年数を重ねて視野を広く、全体を見る必要が出てくる立場になると思います。

初心を忘れず謙虚な気持ちを持って取り組んでいきたいと思います。

また仕事だけでなく、私生活とのバランスを考えて、働き方を選んでいきたいです。

介護ライターとして、介護の魅力を伝え、介護の理想と現実のギャップを少なくできるような記事を発信していきたいです。ケアマネージャーとして利用者にとっての最適な支援はなにか、多職種と連携し、地域の住民と一緒に伴奏できる介護士、これが私の目指す姿です。

まとめ

これまで介護の現在と未来は明るいということを書かせていただきました。介護現場で実際に働いたことがない人にとっては、介護に対して暗いイメージを持っていて明るいイメージが湧きにくい方も多くいらっしゃるかもしれません。私自身も始める前はそうでした。

しかし、現場で経験を積むうちに、辛い戦争をくぐり抜けてこられた利用者様から生きる勇気と感動をもらう毎日に不思議と癒やされて前向きになっている自分がいました。

介護とは全く関係のない業界にいたという人もこれまで持っていた趣味やスキルが小さなきっかけで現場に活かせる機会が巡ってくるかもしれません。

実際にIT業界にいた方が、デジタル化が遅れている現場に危機感を感じて、介護記録システムを開発したニュースも目にします。

介護は、人生を豊かにするために地域をデザインする仕事です。市民一人一人が自分ごとという意識を持って、近所同士で助け合える輪が広がっていったら、素敵なことですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。この記事を読んで、少しでも介護に関わりたいと感じていただける方が増えたら、嬉しく思います。

この記事を書いた人

fukumarurey

経歴

  • 2016年4月~2019年4月:介護付き有料老人ホームに就職。働きながら初任者研修、実務者研修、介護福祉士取得。
  • 2019年5月~2019年10月:地域密着の大型デイサービスに転職
  • 2020年3月~2021年3月:看護小規模多機能施設に転職
  • 2021年6月~:富裕層向けデイサービスに転職

資格

  • 介護福祉士

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