リハビリ病院で勤務する理学療法士が語る、リハビリのやりがいや苦悩について

現役PT・OT・STに話を聞く「深イイ話」
※画像はイメージです。

現役理学療法士の深イイ話

インタビュー実施日:2020年04月21日

現役で働くリハビリ職のインタビューを通じ、医療介護従事者として働き続けるモチベーションの源泉に迫ります。周囲の考えに目を向けることで、この先にどうありたいか、自分の将来を考えるキッカケになれば幸いです。

プロフィール

専門学校時代は勉強とバイト、趣味であるスポーツ(バドミントン)を両立し、留年することなく無事卒業することができました。

専門学校卒業後はリハビリ病院に入職し、脳卒中や大腿骨頸部骨折術後の患者様のリハビリを中心に行っています。現在は入職して4年目になるため、リハビリだけでなく、若手の育成指導にも力を入れています。

また、休日は理学療法の研修会に積極的に参加し、脳卒中認定理学療法士の資格を取得するため日々勉学を続けています。

理学療法士 トッシーさん

あなたにとって理学療法士とは?

自分の存在意義を感じられる職業です。

患者様の評価や治療を行い、最終的に元気になって在宅や施設に退院された際に感謝の言葉をかけられることで、少しでも自分が誰かのために役立っているのだと実感できます。

私のざっくり変遷記(職務経歴概略)

  • 2011年~2015年
    専門学校時代
    理学療法士という職業がどのようなものであるか分からないまま専門学校へ入学しました。
    1年目~2年目の期間はバイトとバドミントンに明け暮れ、テスト前に徹夜で勉強をしていました。
    3年目になると実習が始まるためバイトを辞め、毎日少しでも勉強をする習慣をつけていました。
    4年目には宮城県にあるリハビリ病院へ実習に行き、そこで出会った指導者に憧れ、そこから猛勉強を開始し、無事に国家試験に合格することができました。
  • 2016年~2020年
    病院勤務
    バドミントン社会人チームの練習場所に近いという理由で選んだリハビリ病院に入職しました。入職時から現在まで回復期病棟に所属しており、脳卒中や大腿骨頸部骨折術後、廃用症候群など幅広い疾患の患者様を担当しています。
    1年目~3年目までは若手であるため先輩から常にアドバイスをもらいリハビリを実施していましたが、4年目になると指導者という立場になるため、若手の育成にも力を入れています。
    現在は一人暮らしをしていますが、今後の生活を考えると収入が少ないことに焦りを感じ、理学療法士としての仕事以外はライターとしての副業も行っています。
  • 2016年~
    研修会参加への積極的参加
    理学療法士としての知識や技術を磨きたいという気持ちから、休日は積極的に研修会へ参加していました。
    青森県内では研修会の開催数が他県に比べ少ない傾向にあるため、県外の研修会へも参加していました。
    岩手県や宮城県などの東北地方で開催される研修会を中心に参加していましたが、2か月に一回の頻度で東京の研修会に参加していた時期もありました。
    しかし、研修会の参加費や交通費、宿泊費は全て自己負担であるため、移動は主に自家用車を使用していました。

私はこんな理学療法士です。

私はこんな理学療法士です。

同僚や患者様からは、「いつも元気」「楽しそうに仕事をしている」と言われることが多いです。

担当の患者様とは毎日リハビリを行うため、無意識のうちに距離感を縮めすぎてしまうということがあるのですが、常に相手への敬意を忘れない対応を心掛けています。

特にあいさつは自分から、はきはきとした声で行うようにしています。周りからは、何年経っても新人のようにフレッシュさがあると言われます。

理学療法士としては、動作分析に力を入れています。理学療法士として経験を積むことでさまざまな知識や技術を深めることができますが、何より患者様の動きを正確に捉えるということが重要であると考えています。

同じ疾患でも動き方は全く異なるため、一人一人に合わせたリハビリを提供しようと日々努力しています。

職業病なのか、無意識に同僚の動作分析も行ってしまうため、変わった人と思われているかもしれません。

編集部
編集部

どのようなことをキッカケに理学療法士になったのでしょうか?

高校時代の担任の先生にすすめられたことがキッカケです。元々、運動をすることは好きだったのですが、高校時代では理学療法士という職業が存在することすら知りませんでした。

高校3年生の時に様々な分野の大学や専門学校のガイダンスに参加する機会があったのですが、その際に担任の先生から「理学療法士という職業があるから、一度専門学校のガイダンスに参加してみれば」と言われ参加しました。

そこで理学療法士という職業を初めて知り、常に身体を動かしていられる仕事であれば自分に向いているのではないかという理由で理学療法士という道を目指しました。

他にも、やり甲斐や誇りを持って働く人がいます

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編集部
編集部

理学療法士になって良かったこと、やり甲斐は何ですか?

理学療法士になって良かったこと、やり甲斐は何ですか?

自分の担当する患者様が元気になって笑顔で退院することや、退院する際に「あなたが担当でほんとによかった」など感謝の言葉をかけていただけることがやりがいです。

入院したばかりの患者様のほとんどは自分で立ち上がることもできず、気分が落ち込んでしまい、話しかけても「はい」か「いいえ」のみで返答する方がほとんどです。

そのような患者様がリハビリを行い、徐々に日常生活動作の自立度が向上することで表情も明るくなり、自分の趣味や入院前の生活などを話してくれるようになります。

その時に、自分に対して心を開いてくれるようになっていることを自覚でき、この方のために更にリハビリを頑張らせてあげたいという気持ちになります。

編集部
編集部

印象に残っているご経験はどのようなことですか?

入職して2年目の頃、進行性核上性麻痺という病気を患い、寝たきり状態の患者様を担当しました。

この病気は進行性であるため、症状の進行を遅らせることはできても止めることはできず、寝たきり状態からの改善は難しいと思われていました。

しかし、患者様本人や家族様からもう一度自宅に帰りたいという希望が強く、毎日リスク管理に注意しながら積極的なリハビリを実施していました。

結果的に約6ヶ月のリハビリ期間を経て日常生活が自立し、その患者様は自宅へ退院することができました。

介入当初は寝たきりであった患者様と外を歩くことができた時には自然と涙が出てしまいました。どのような病気の患者様でも、諦めずに介入することで奇跡が起こるかもしれないと実感できた経験でした。

編集部
編集部

仕事に就かれた当初苦労されたことなどありましたらお願いします。

リハビリを継続しても身体機能の向上が見られない患者様を担当している時が一番つらかったです。

先ほどの設問で紹介したように、リハビリを継続することで歩けるようになる人は多いです。

しかし、どれだけリハビリを継続しても力が付かず、いつまでも立てず歩けないという方も中にはいます。

理学療法士として働いているとそのような患者様に出会うことも多いのですが、自分が未熟なせいだと悩む日々が多かったです。

リハビリ病院では入院期間が定められているため、身体機能が改善しなくても退院しなければならない時期が来るのですが、悔しくて泣きながら退院する患者様を見送る自分が不甲斐なくてたまらなかったです。

編集部
編集部

日頃から大切になさっていることはなんですか?

患者様の訴えを尊重することを大切にしています。理学療法士として働いているとどうしても知識や技術が先行してしまい、患者様の訴えよりもリハビリの効率性を重視してしまう場合が多いです。

もちろん、理学療法士の知識や技術を活用して効率的なリハビリを提供することは重要ですが、例えば患者様が「立てるようになりたい」と希望しているのに歩行練習ばかりしていると信頼関係が崩れてしまいます。

自分の中では患者様の意欲とリハビリの効果は比例するものであると考えているため、常に患者様の訴えを尊重するように心がけています。

編集部
編集部

今後やりたい事や目標などありますか?

先ほども述べましたが、脳卒中認定理学療法士の資格を取得したいと考えています。認定理学療法士というのは、理学療法士の中でも特定の疾患に特化していることを証明するものであり、今回の場合であれば脳卒中のリハビリに特化した理学療法士ということになります。

私が働いている職場では、脳卒中認定理学療法士を取得することで給料が上がるということはありませんが、認定理学療法士の資格を持っていることで少しでも患者様の信頼を形成しやすくなればと思っています。

認定理学療法士の資格を取得するためには、研修会に参加し、国家試験のような試験に合格する必要があります。資格の取得に向けて、現在は仕事と副業を継続しながら勉強も続けています。

編集部
編集部

同じ理学療法士として働く方へメッセージをお願いします。

同じ理学療法士として働く方へメッセージをお願いします。

理学療法の知識や技術は常に更新されていくものであるため、私たち理学療法士は常に勉強を続けていく必要がある職業だと思います。

日本は超高齢化社会であり、理学療法士が求められる期待はどんどん高まっていきます。実績を出さなければならないという重圧から不安を感じることも多いと思いますが、自分が今まで経験してきた患者様との出会いを思い出し、やりがいを忘れずに理学療法士として質を高めていければと思います。

また、積極的に研修会に参加し、同じ理学療法士たちと交流を深めることも大切であると考えています。

さまざまな話をすることで向上心が芽生え、仕事への意欲も上がります。私も研修会には積極的に参加しているため、同じ理学療法士の方々とお話しできることを楽しみにしています。

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