建築からリハビリへ転職した作業療法士のやり甲斐と生き方とは?

現役PT・OT・STに話を聞く「深イイ話」
※画像はイメージです。

現役作業療法士の深イイ話

インタビュー実施日:2020年4月24日

現役で働くリハビリ職のインタビューを通じ、医療介護従事者として働き続けるモチベーションの源泉に迫ります。周囲の考えに目を向けることで、この先にどうありたいか、自分の将来を考えるキッカケになれば幸いです。

プロフィール

高校と国立大学と社会人2年間の計9年は、建築に携わり建物に向き合っていました。そして、リハビリの専門学校を卒業し、無事に国家試験にも合格しました。

現在は、維持期の病院で院内のリハビリを行っております。また、2年目から病棟のリーダーを任せてもらい多職種連携の大切さを学びました。

作業療法士の仕事は、患者様の人生に寄り添い、生活を支援していく仕事です。また、精神的なアプローチも得意とする職業です。

作業療法士 ゆうすけ0824さん

あなたにとって作業療法士とは?

障害の有無に関係なく、クライアント(対象者・人)として関わる大切さが必要だと思います。

また、一人の人生の1ページを一緒に作っていくのが、作業療法士だと思っています。

私のざっくり変遷記(職務経歴概略)

  • 2014年~2017年
    専門学生時代
    社会人として入学し、周りの子との年齢差6歳でした。いわゆるジェネレーションギャップがありながらも、とても充実した二度目の学生生活を送っていました。
    学生生活は、サークルとアルバイトを両立していました。先生から『OTは人生の経験が大切だから、今のうちたくさん遊べ!』と仰っていました。
    今だからわかることですが、遊びも生活の一部で「作業」なんだと理解しました。
    国家試験は、1年生からの積み重ねの確認の場でした。4年生から国家試験の勉強するのには、とても大変だと感じました。無事に一発で合格しました。
  • 2018年~現在
    病院勤務
    地元を離れ、釣りが好きな為、海に近く田舎でゆったりと患者様とリハビリがしたいと思い今の職場で働くと決めました。
    勤務先は、生活期が主なリハビリを提供しています。地域は田舎で病院から退院した後に行く施設がなく当院が、その受け皿となっています。そのため、10年以上入院している患者様が多い現状です。当院が第二の家として利用せざる負えない患者様のQOL向上に介入し、健康と幸福の維持と向上を図っています。
    個人の成長では、2年目から病棟リーダーを任せて頂く機会があました。リハビリは多職種と連携なしでは、患者様の人生をより良いものにしていくのが困難な職業であることを学びました。

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私はこんな作業療法士です。

私はこんな作業療法士です。

患者様からはよく「先生はいつも幸せそうにしていますね」、「先生は優しいね」、と言われることが多いです。私の担当でない患者様ともよく話していると思います。私自身、平和主義という言葉が良く似合うと思います。争いは極力さけ穏やかに過ごしたいからです。患者様のことで「これだけは譲れない」ということは、多職種にしっかりと伝えます。

患者様との会話は基本的に、日常生活の楽しかったこと、気になること、不安や不満、やりたいことなどADLやOQLについて聞くことが多いです。

また、私の趣味の釣り、狩猟、料理、食べ歩きなど楽しく関わらせて頂いております。

最近では、患者様に編み物を教えてもらいマフラーが完成しました。手芸サークルの患者様みんなが褒めてくれ、喜んでくれました。

前職は建築で建物との向き合いでしたが、作業療法士は人との向き合いの職業です。依然と比べ人付き合いが楽になり、人と口喧嘩しても口論になりにくく、ストレスも抱えないで生活出来ていると思います。

基本は「人に期待しないこと」です。良い期待と現実のギャップに不快感を覚え、それがストレスになることが多いからです。

編集部
編集部

どのようなことをキッカケに作業療法士になったのでしょうか?

私が作業療法士になろうと思ったキッカケは、友人の紹介(理学療法士)でした。

初めは、理学療法士は運動、作業療法士は活動の様なイメージを持っていました。

専門学校の先生からは『作業療法士は物作りや物を介した関わり』と教えてもらいました。この説明だけだと、イメージが湧かなく病院見学に行き臨床で働いている作業療法士を見てきました。

作業療法士は、障害(骨折、脳梗塞)などにより日常生活に支障を来している患者様に、身体機能・精神機能の回復に努め、元の生活に戻れるように支援する職業だと知りました。

また、患者様と一緒に笑顔で働いている姿を見て、「よし!この仕事にしょう!」と思い作業療法士を目指したのがキッカケです。

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編集部
編集部

作業療法士になって良かったこと、やり甲斐は何ですか?

作業療法士になって良かったこと、やり甲斐は何ですか?

作業療法士になって良かったことは、【人から感謝されること】です。

作業療法士は患者様の悩みや生活、人生に寄り添いその人らしい生き方を受け入れ、生活を再構築していく役割があると思っています。

そのため、患者様の出来ることを評価し、困難なことも可能にしていくことで、患者様から信頼され「本当に、ありがとう!」と感謝されることが一番のやり甲斐です。

編集部
編集部

印象に残っているご経験はどのようなことですか?

印象に残っている経験は、あの時の患者様の笑顔が忘れられません。

脳梗塞による失語症の患者様を担当させて頂く機会がありました。発症からだいぶ経過しており機能としての回復は見込めない状態でした。その患者様はほとんど言葉を話せないくらい重症でした。

一般の失語症患者様であれば、話せないことの辛さや羞恥心から、他社との交流を避けがちですが、この患者様は自ら他者へのあいさつを積極的に行う強みを持っている方でした。

生活の中では、あいさつはするものの中々自分がやりたいことを伝えられなくて、困っている様子がありました。

また、基本的に部屋に閉じ込もりテレビを見ていることが多かったです。セラピストとしてまずは患者様に寄り添い、どんなことを考えているのか?何をしたいのか?を聴くことにしました。

すると、買い物や洗濯を自分でやりたいと強く意思を示しました。洗濯と買い物を一人で出来るように介入した結果、次第に今までやりたいことが出来るようになり、気持ちのプラスの変化がみられるようになりました。

生活の中でも一人でテレビを見る生活から、ディルームでテレビを見るようになり、他者を軽いコミュニケーションを取り顔がくしゃくしゃで崩れ笑っている様子も多くみられました。身体機能への向上は見られていませんが、本人様の生活が良い方向へと変化しQOLの向上がみられました。

今でも、他者とコミュニケーションを取っている患者様の“あの笑顔”が印象的で残っています。

編集部
編集部

仕事に就かれた当初苦労されたことなどありましたらお願いします。

苦労した記憶があるのは「自分の無力さ」により患者様にしっかりと向き合うことができなかったことです。

専門学校を卒業し、4月から一人のセラピストとして病院に勤務になりました。3週間もすれば一人ずつ患者様を担当させて頂くことになります。

専門学校で学んできたのは、基礎の部分で中々、患者様に結果を残すことが出来なく、勉強する日々が続きました。

患者様は一人のセラピストとして、お金と時間を費やしてくれます。それは、1年目、5年目、10年目どのセラピストにもお金と時間は同じだけ費やしてくれます。そのため、「担当を変えてくれる?」と厳しい言葉を頂くときも中にはあります。

だからこそ、患者様一人一人と真剣に向き合い、寄り添っていく関わりが必要だと学びました。

今では、指名してくれる方もいらっしゃいます。

編集部
編集部

日頃から大切になさっていることはなんですか?

日頃から大切にしていることは、人として向き合い、寄り添うことです。

病院に入院する方は、すべて患者様と呼んでいます。それは、病気を治しに来ているからです。患者様=障害の様な図式になりがちです。私たちセラピストは、障害がある方を見ているのではなく、その前に“人”として関わっています。

例えば、「脳梗塞により右片麻痺になって動けなくなったおじいちゃん」ではなく、「家の畑にはじゃがいもが植えてあり、近所の方にも笑顔で配って歩くおじいちゃん」と認識しています。障害を見る前に、その人の人生や、その人らしさを見るようにしています。

そのため、日頃からは、人として向き合い、寄り添うことを大切に過ごしています。

編集部
編集部

今後やりたい事や目標などありますか?

やりたいことは「キャラバンメイトを通して認知症の方のお手伝いをしていきたい」と考えています。

キャラバンメイトとは、認知症サポーターを養成する講座を開催し、地域住民の認知症の方が生活で困らないように地域全体で見守っていく体制を作ることです。

地域の方が認知症を偏見の目で見ないように、正しい知識と対応を知ることが必要です。

また、自分達が80歳くらいになったときに「この町はサポーターがたくさんいて、認知症になっても住み続けるのに安心だね」と思ってもらえるようにしていきたいという願いがあります。

そのため、今後はキャラバンメイトに力を入れていきたいと考えています。

編集部
編集部

同じ作業療法士として働く方へメッセージをお願いします。

同じ作業療法士として働く方へメッセージをお願いします。

作業療法士は人生経験が大切になってくると思います。

作業は健康と幸福に良い影響を与えます。その作業は皆さんの日常生活に多く存在し、作業を多く体験することは、患者様へ還元されることが多いとされています。

そのために、作業療法士が多くのことに挑戦し、いろんな方の価値観に触れ人生を豊かにしていくことが大切なのではないかと思っています。

最後に、私たちは作業療法士である前に一人の“人”です。人に向き合い寄り添うことで必ず突破口は見えてきます。

私もまだまだ新米の作業療法士ですが、一緒に頑張っていきましょう!

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