信頼される理学療法士。それは患者さんが心を開ける誰かを「演じる」こと

現役PT・OT・STに話を聞く「深イイ話」
※画像はイメージです。

現役理学療法士の深イイ話

インタビュー実施日:2020年04月26日

現役で働くリハビリ職のインタビューを通じ、医療介護従事者として働き続けるモチベーションの源泉に迫ります。周囲の考えに目を向けることで、この先にどうありたいか、自分の将来を考えるキッカケになれば幸いです。

プロフィール

高校生活は主に部活ばかりで将来のことなど考えもしていなかった。

しかし、進路を決める際に自分の長所ややりたいことが見つからず模索する日々。

そんな中、理学療法士という仕事を知り、理学療法士になることを決める。総合病院では急性期や回復期、訪問と様々な分野を経験し、理学療法士として10年目を迎えまた初心に還ることを忘れないように気を付けつつ勤務をしている。

理学療法士 みや まいこさん

あなたにとって理学療法士とは?

私にとって理学療法士とはライフワークです。私にとってなくてはならない仕事になりました。

理学療法士というと「どんな仕事?」「マッサージ屋さん?」といわれることも多々あり、あまり知られていないなぁと悶々としたこともありましたが、治療をしていく中で「理学療法士ってこんな仕事だったのね」と理学療法士について患者さんに知ってもらえるように頑張っています。

私のざっくり変遷記(職務経歴概略)

  • 2006年~
    部活に明け暮れる高校生活を送る
    毎日部活ばかりで将来やりたいことも考えず何とかなると思っていたが、進路を考える時期になり、自分な何がしたいのか?について真剣に考えることになる。
  • 2007年~
    資格勉強に明け暮れる
    聞いたことない名前や難しい言葉の羅列に理学療法士になれるのだろうかという不安が付きまとい、実習ではレポートに追われる日々。
  • 2010年~
    国家試験を無事突破
    総合病院へ入職70名程度の同僚に圧倒されつつ先輩からも時には怒られつつ様々な分野を担当学生時代にはわからなかった理学療法士としての患者さんに対する仕事の影響力が大きいことを知る。それと同時に自分に足りない知識を勉強したいと思い携わった分野の資格取得を行う。
  • 2019年~
    マネジメント業務に携わる
    新人教育やリハ科の運営にも携わるようになり仕事が以前より楽しくなる。
    試験が難しい心臓リハビリテーション指導士の資格も取得し、知識が増えた地震とともにいかに後輩や患者さんに還元できるかを常に考えながら仕事をしている。

私はこんな理学療法士です。

私はこんな理学療法士です。

私は「役者な理学療法士」です。理学療法士として治療方針を決定していくうえで患者さんの身の回りの情報収集や患者さんとの信頼関係がとても大切になります。

患者さん一人ひとり育ってきた環境や考え方、性格など違い一人として同じ人はいません。そんな時私は「役者」になるのです。

あるときは孫のように親しみを込めて距離を詰めて会話をしてみたり、またあるときは奥さんのように少し強めに叱咤激励してみたり・・笑。

それにより信頼関係が生まれほかの医療者へ相談できないことを聴くことが出来て、治療に関しても順調に進むことが多くあります。私なりの患者さんへの寄り添い方の一つです。

その患者さんがどのようなタイプの人を受け入れやすいのか見極める必要がありますが、私の得意分野だと感じています。

編集部
編集部

どのようなことをキッカケに理学療法士になったのでしょうか?

進路を決める時期になり自分は何をしたいのか?なにが向いているのか?と様々な職業について調べていたときに理学療法士という仕事が目に留まりました。

ですが、当時の私は理学療法士について全くと言っていいほど知らなかったためどのような仕事をしているのか調べることにしました。

すると「リハビリ」という聞き覚えのある言葉があり、さらに調べていくと曾祖母がデイサービスに通っていた際にリハビリを受けていたことを思い出し、その仕事は理学療法士という職業の人がしていたのだと興味が湧きました。

また、私自身できるだけ男女平等な仕事をしたいという思いがあり、理学療法士には男女での仕事差がないということも後押しとなりました。

他にも、やり甲斐や誇りを持って働く人がいます

ケアマネと兼務する理学療法士が語る、介護分野でのリハビリテーションとは?
理学・作業療法士として、本当のニーズに基づいたリハビリを提案する
通所と訪問リハを兼務する理学療法士が語る、介護業界が求める理学療法士とは?
リハビリ病院で勤務する理学療法士が語る、リハビリのやりがいや苦悩について
新卒から大学病院12年勤務の理学療法士が語る、命と向き合い続けるべきワケとは?
編集部
編集部

理学療法士になって良かったこと、やり甲斐は何ですか?

理学療法士になって良かったこと、やり甲斐は何ですか?

理学療法士として働いていてのやりがいはなんといっても患者さんの今後の生活にダイレクトに関わることができることです。

理学療法を必要とする患者さんは体が不自由であったり生活のどこかに不自由が生じていたり、それにより今まで好きだった趣味などを諦めている人たちが多くいます。

理学療法士として身体機能へのアプローチはもちろん、生活環境を整え、あらゆる工夫をして一緒にリハビリをしてまた趣味を再開できるようになり患者さんに生活に笑顔が増えた時にとてもやりがいを感じます。

編集部
編集部

印象に残っているご経験はどのようなことですか?

入院中のリハビリを担当している場合。退院後の生活を知ることはあまり多くないことがあります。

脳梗塞で入院し、半身が思うように動かず歩けなくなり自暴自棄になっていた患者さんを担当した際に「私はもう動けないから」「障害者だから」「リハビリしても何も変わらない」と悲観的な言葉をよく耳にしていました。

患者さんも突然の体の変化に戸惑いと焦りがあり「あなたは健康だから私の気持ちはわからない」と言われ返す言葉がありませんでした。

ですが、毎日リハビリを拒否されても必ず顔を出したり、話をしに行ったりしていくうちにほんの少しだけリハビリをしてくれて、数日後にはさらにリハビリの内容も増やしてくれたので大変うれしかったです。

退院前になるとしっかりとリハビリを受けてくれるようになり速度は遅いですが歩けるようにもなりました。

その患者さんが退院後わざわざ私を尋ねて来院され「あの時無理にリハビリするのではなく、ゆっくり私に合わせてくれる人で良かった。最近趣味の園芸も始めたの」と近況報告をしに来てくれた時とてもうれしかったのを覚えています。

編集部
編集部

仕事に就かれた当初苦労されたことなどありましたらお願いします。

やはり技術面ですね。当たり前ですが新卒でも10年以上の理学療法士でも患者さんからみたら関係ありません。

自分の体や生活をよりよくしたいと思っている方たちばかりなので「あの人は教え方が上手いが、まだ若いあなたは下手ね」など面と向かって言われることもありました。

編集部
編集部

日頃から大切になさっていることはなんですか?

患者さんが話した内容について会話を広げていくようにしています。

仕事柄家族関係や生活環境など患者さんのプライベートな部分について知り、それをリハビリに生かしていく必要がありますが、患者さんの中には家族とうまくいっていない人、不慮の事故で亡くした過去がある人、あまり生活に踏み込んでほしくない人など様々です。

より良いリハビリを提供するためには理学療法士と患者さんとの信頼関係が大事なので

具体的には「私にも子供がいてねー」などの話を患者さんがされた際に「お子さんは何人いらっしゃるんですか?」「お近くにお住まいなんですか?」などと会話を広げることで一見他愛ない会話ですが、患者さんの家族関係や介護力の情報収集になります。

編集部
編集部

今後やりたい事や目標などありますか?

挑戦してみたいことは呼吸器や腎系の資格をとり臨床に生かすことです。今までは循環器系や福祉用具などの資格を取得していましたが、勉強するうちにさらに興味が出てきました。

また、今後このような経験を活かして地域の方と病院と連携を取り病気の予防を行っていくことができるシステムつくりをしていくことが目標です。

編集部
編集部

同じ理学療法士として働く方へメッセージをお願いします。

同じ理学療法士として働く方へメッセージをお願いします。

理学療法士という仕事は患者さん一人一人の生活に大きく関与することでもあり、決して楽ではないことも多いと思います。ですが、やりがいはとても大きくこの仕事をしていてよかったと思うことが多々あります。

私は女性ですが、体格があまりにも大きくリスクがある患者さん以外は男女での仕事に差はなく、役職に就く女性も多いので十分活躍できる職種だと思います。また、ライフワークバランスも他職種に比べ整っているので趣味に没頭している理学療法士も多くいます。

理学療法士として大事なことは相手の話を聞くことです。それが出来れば技術や知識は仕事をしていく中で身につくことも多く、興味が出てくる分野もあるので意欲があれば大丈夫だと思います。

介護士ライター募集中
タイトルとURLをコピーしました