熱血な理学療法士が心がける「報連相」緊迫した医療現場で求められるカンファレンスの大切さ

現役PT・OT・STに話を聞く「深イイ話」

現役理学療法士の深イイ話

インタビュー実施日:2020年05月22日

現役で働くリハビリ職のインタビューを通じ、医療介護従事者として働き続けるモチベーションの源泉に迫ります。周囲の考えに目を向けることで、この先にどうありたいか、自分の将来を考えるキッカケになれば幸いです。

プロフィール

四年制大学を卒業、様々な疾患について勉強したいと思い、地元から少し離れた総合病院へ就職する。その中で、超急性期でのリハビリテーション、心臓疾患、呼吸器疾患などの分野に興味を持ち、県内の高度な医療が備わっている病院へ転職する。

現在では、呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士の資格を取得し、緊迫した医療現場で日々リハビリテーションを実施している。

理学療法士 mitunariさん

あなたにとって理学療法士とは?

自分そのものでもあり、例えるなら、私に光を照らしてくれる道しるべです。この職業に出会えたことで、自分自身が大きく成長できたこと、自分の本当にやりたかったことを教えてくれました。

理学療法士という仕事を通して、自分はまだまだ成長でき、自分の新たな目標に導いてくれたと感じています。

私のざっくり変遷記(職務経歴概略)

  • 2007年
    PTを志す
    重度の障害をわずらっている親族をなんとか助けてあげたいという思いがあり、自分が理学療法士になり、少しでも良くしてあげたいと決心します。
    当時付き合っていた恋人との関係もあり、上京し、なれない土地で一人暮らしをはじめました。のちに無事、国家試験に合格しました。
  • 2012年
    PTとして、自分のやりたいことを見つける
    地元が好きなこと、ホームシック、重度の障害を持つ親族のためにも、県内の総合病院に勤めます。
    その中で、回復期リハビリテーション病棟にて、脳血管障害、整形疾患の理学療法に携わります。毎日、先輩に指導していただき、少し、自分に自信がもてました。
    その後、少しずつ自分のしたいことが見えてきており、医療現場の最前線でリハビリをしている先輩に憧れるようになりました。自分の育った地元の医療現場で、貢献したいという思いを持つようになりました。 
  • 2016年
    やりがいを見つけ、自分のスキルを高めようと決心
    地元の総合病院へ転職、3次救急を担っており、超急性期かつ重症の方が多く自分が勉強して経験してみたかった医療現場の最前線でのリハビリテーションにも従事させていただきました。
    その中で、自分のスキルを高めたいという気持ちも強くなり、理学療法士の中でも約1割程度の人が取得している呼吸療法認定士、専門分野であり、できる病院も限られますが、心臓リハビリテーション指導士の資格を取得しました。
    呼吸療法認定士や心臓リハビリテーション指導士を所得することで、知識・スキルアップに繋がり、超急性期でのリハビリテーションにおいては、呼吸・循環などの知識を生かすことができるため、取っておくと臨床では心強く、自信もつきます。
    そして、地元の医療にますます貢献できるようになり、今でもとてもやりがいを感じています。また、研究、学会発表にも取り組むなど、多忙でありましたが、充実していました。
  • 2019年~現在
    人生の転機
    現在では、超急性期患者に対して、リハビリテーションに従事し、評価、治療についてのデータ収集などを行い、後輩への指導にも勤しんでます。
    仕事も慣れ、ライティングのお仕事、介護施設でリハビリテーションなどのお仕事をする時間もできました。そして、教育の分野に興味をもつようになりました。
    また、同現場で働く看護師さんとお付き合いすることとなり、晴れて結婚をすることになり、子供を授かりました。

私はこんな理学療法士です。

私はこんな理学療法士です。

患者様から、リハビリテーションを実施する場面において、よく言われることとしては、「優しい」「厳しい」などと言われることがあります。患者様の病態は当たり前ですが、想いや心境などにおいても気付けるように心掛けています。

また、厳しいと言われることについては、リハビリテーションを行う際に熱が入ってしまうことがあり、リハビリメニュー等において、厳しく設定してしまうことがあります。

職場の人からは、「熱い男」「まじめ」など言われることがあります。特に実習生の指導では、おせっかいと思われるくらい、優しく丁寧に教えようと、時間を作って指導することを心掛けています。実習生を経験した人なら、わかると思いますが、指導者に恵まれると、非常に楽しく実になる実習になると感じます。

また、職場では、患者様や同僚、他職種と会話する際には、端的にわかりやすく、伝えることを心掛けること、発言も少し控えめなことも多くあります。その反面、プライベートでは、人見知りせず、比較的、よく話すほうであり、スイッチの切り替えは、意識して仕事に取り組んでいます。

編集部
編集部

どのようなことをキッカケに理学療法士になったのでしょうか?

重度の障害をわずらっている親族と生活をしていく中で、月日が経つにつれ、機能が低下していき、肺炎などを併発することが多くみられました。

その中で、自分にも何かできなかと考えるようになりました。最初は、看護師が頭に浮かびました。

しかし、看護師は患者に接しますが、患者の能力、機能などの生活場面の改善には深くは関われることが少ないため、自分の想像していた理想の職業ではないと感じました。

次に、理学療法士という職業に出会いました。初めて聞いた職業であり、100年近い歴史を持つ看護師と比べ、理学療法士は50年とまだ歴史も浅いため、当時、あまり認知はされていない職業だと感じていたのを覚えています。

職業の内容を知り、自分の描いていた内容そのものであり、自分が理学療法士になり、助けてあげようと思ったのがきっかけでした。

他にも、やり甲斐や誇りを持って働く人がいます

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編集部
編集部

理学療法士になって良かったこと、やり甲斐は何ですか?

理学療法士になって良かったこと、やり甲斐は何ですか?

患者様から「ありがとう」「あなたのおかげです」など、感謝の言葉を頂いたり、退院して、リハビリ室まで訪れてきていただき、元気な姿や生活状況などを報告して下さったり、様々な患者様がいらっしゃいます。そのような姿を見ると、頑張ってよかったと、これからもがんばろうと思います。

また、腰痛や肩の痛みなど、自分でアセスメントして、治療できることです。また、身内の人に頼まれ、アドバイスや治療を行い、感謝されることです。二つ目に、健康意識が強くなりました。

近くで、病気になる患者様を見ているため、自分も気を付けないといけないと、予防の観点から、日々の生活の中で健康面に注意して生活をしています。

しかし、これに神経質になりすぎることで、ストレスが溜ることや周囲から、煙たがれることもあるので、ほどほどにしています。

編集部
編集部

印象に残っているご経験はどのようなことですか?

復職を果たされた患者様は多くいらっしゃいますが、少し、難渋した患者様がいます。開腹手術後、やや肥満もあり、呼吸不全に陥り、呼吸器の再挿管となりました。その後離床を進めようと心見たのですが、拒否されました。

その患者様の理由は、「痛いし、えらいからしない」との事です。その後、他職種で何回もカンファレンスを重ねました。廃用症候群が進み、転院されましたが、1か月もしないうちに亡くなれました。

この原因とて、初めに術前にリハビリのオリエンテーションをしますが、その方には、できておらず、結局、術後に理解してもらえませんでした。

私にすべて責任があるわけではありませんが、私の対応の仕方などで患者様の人生も少し変わっていたのかと、考えることがありました。

編集部
編集部

仕事に就かれた当初苦労されたことなどありましたらお願いします。

リハビリテーションを行う上で、どのような治療を選択するのかについてですが、患者様の病態、機能等を評価した上で、問題点を挙げます。その問題点に対して、治療を選択します。

1年目は、治療の方法、技術もないため、先輩に指導していただき、必死に勉強しました。言わば、引き出しが0と言っていいほどであり、患者様の病気や障害も様々であり、大変苦労したのを覚えています。また問題点にたどり着けないこともありました。

当たり前ですが、今では、様々な疾患を担当してきたこと、良い先輩方に指導していただいたこともあり、苦労することが少なくなりました。仕事の都合上、評価を省くこともありますが、初心に戻り、丁寧にアセスメントしていくことが大切だと感じます。

編集部
編集部

日頃から大切になさっていることはなんですか?

たくさんありますが、挙げるとすれば、一つは言葉づかいです。時々、同僚や他職種でも、患者様に対して、友達のように接していることが見られます。時と場合には良いかもしれません。

また、患者様とのキャラクターを考慮して使う時も時として良い時があります。私も、信頼関係ができた患者様と、会話の中で、時々出てしまいます。しかし、特に病態が落ち着いていない、気分的にも落ち込んでいる患者様に対しては、敬語で接します。

次に、「ほうれんそう」です。報告、連絡、相談は医療現場では、かかせないと感じています。「少し、息切れが見られた」、「食事中少しむせていた」など、これくらいは報告しなくても良いかと、思うことでも、報告するようにしています。

また、患者様に対してリハビリテーションを行う上で、一人の方針ではなく、複数人で、カンファレンスを行い、治療方針などを相談することを推奨されています。そのため、先輩、後輩とも意見を出し合い、適切なリハビリを提供するように心がけています。

編集部
編集部

今後やりたい事や目標などありますか?

現在は、毎日、病態が不安定な患者様のリハビリテーションに関わらせていただいています。以前は、毎日必死で仕事をしており、特に自分自身の仕事について、考えることがなかったのですが、振り返って、少し客観的に見てみると、とてもやりがいのある仕事であり、医療現場では、かかせない職種だと感じています。

この仕事をこれからも続けていき、研究、学会発表を重ね、自分自身を磨き、地元の医療に貢献していきたいと感じています。

医療だけではなく、教育の現場についても興味をもつようになりました。また、医療と教育が充実して、教育を受けたくても受けられない、児童についても考えるようになりました。

編集部
編集部

同じ理学療法士として働く方へメッセージをお願いします。

同じ理学療法士として働く方へメッセージをお願いします。

昔は、あまり認知されていませんでしたが、現在では、理学療法士を周知している人も見られます。

しかし、実際にどんな職業なのか、内容を知っている人はまだ少なく思います。そのため、周知してもらうためにも、医療や介護、その他の分野で活躍されている理学療法士の皆様と一緒に、社会に貢献し、自己研磨に励みたいと思います。

また、最近流行しているコロナウイルスの影響で、感染予防対策などに追われ、すでに感染現場に居合わせ、大変な現場もあると思います。理学療法士も患者様と接触する職種であり、感染のリスクは大いに高いと思います。

みなさん気を引き締めて、乗り切りましょう。

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