脳血管疾患専門クリニックへ復帰を目指す「ママPT」~病院・介護分野問わない、PTのためのポジティブ思考の築き方~

現役PT・OT・STに話を聞く「深イイ話」
※画像はイメージです。

現役理学療法士の深イイ話

インタビュー実施日:2020年5月28日

現役で働くリハビリ職のインタビューを通じ、医療介護従事者として働き続けるモチベーションの源泉に迫ります。周囲の考えに目を向けることで、この先にどうありたいか、自分の将来を考えるキッカケになれば幸いです。

プロフィール

大阪の高校を卒業後、京都の理学療法士の専門学校に入学。卒業後は回復期リハビリテーション病院で4年間勤務。結婚を機に東京都に引っ越しし、半年間、介護老人保健施設にて非常勤勤務をする。

夫の転職により兵庫県に引っ越し後は、1年間、訪問介護ステーションにて訪問リハビリテーションを行う。現在は1歳の子どもの育児をしながら、在宅ワーカーとしてパソコン業務を行っている。

理学療法士 yam-yuさん

あなたにとって理学療法士とは?

理学療法士とは、習得した知識や技術を使って『その人らしい生活を取り戻すためのお手伝い』をするスペシャリストだと思います。

私のざっくり変遷記(職務経歴概略)

  • 2013年~2016年
    回復期リハビリテーション病院で正社員として勤務
    脳血管疾患、整形外科疾患、難病、精神疾患など様々な疾患の知識を学び、リハビリ業務を行う。脳血管疾患における装具治療についての内容で症例発表を行う。病院内の勉強会に積極的に参加し、新しい機器などを率先して使用するよう心掛ける。学生指導をするスーパーバイザーも経験する。結婚を機に東京都へ引っ越すことになり退職する。
  • 2017年4月~2017年9月
    介護老人保健施設で非常勤職員として勤務
    長期入所の方、短期入所の方のリハビリを行う。回復期リハビリとは違い1人当たり20分のみのリハビリ時間であるため、リハビリメニューの考案に難渋する。20人程度の利用者を対象とした集団体操や認知リハビリを実施する。夫の転職の関係で兵庫県へ引っ越すことになり、退職する。
  • 2018年~2019年
    訪問介護ステーションで正社員として勤務
    自転車を使用して在宅へ訪問し20~60分のリハビリを行う。近くに看護師がいないため、今までよりさらにリスク管理を徹底して、密に看護師と連絡をとるよう心掛ける。訪問リハビリを利用してもらうため、クリニックや病院、ケアマネージャーへの営業活動も行う。私自身が妊娠による妊娠高血圧症のハイリスク患者になってしまい、退職を余儀なくされる。
  • 2019年~
    休職中
    妊娠・出産を経て、現在は子育てをしながら在宅ワーカーをしている。

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私はこんな理学療法士です。

私はこんな理学療法士です。

私はもともとの性格として、責任感が強いがマイナス思考といった部分がありました。学生の頃には、「なんとかしたいけど、周りから非難を受けるのが怖い」といったような経験が多くあり、結局いつも動けない自分が嫌いでした。

しかし、理学療法士として働くようになってから、さまざまな患者さまやスタッフと出会い、医療従事者として、どういう人間でなければならないのか?ということを考える機会が増えました。そして、たどり着いた結論は「前向きな人間になること」でした。

患者さまは前向きな人にしかついて来ません。それに気が付いてからは、日ごろから何事も前向きに物事をとらえる努力をしました。もちろん相手に同調することも必要ですが、現場でも、常に前向きな言葉を発することを心掛けるようにしていました。

そのように振る舞うことで、自分がポジティブな人間に変化してきたことも実感しており、患者さまだけでなく、スタッフからも声をかけてもらうことが増え、さらに質の高いリハビリを提供できるようになったと思います。そして、以前より自分が少し好きになりました。

しかし、だからと言って、学生時代の苦い経験は忘れていませんから、どうしてもマイナスに物事を考えてしまう、という人の気持ちもよく分かります。

だからこそ優しくなれます。そういった経験から、私自身は、1人の人間として、患者さまの目標設定を一緒に考えることができる理学療法士だと思っています。そして、人間味のある理学療法士であり続けたいと思っています。

編集部
編集部

どのようなことをキッカケに理学療法士になったのでしょうか?

私は小学生の頃から10年以上バレーボールをやっていたこともあり、『医療の知識を活かしてスポーツに関われる仕事をしたい』という目標はあったものの、恥ずかしい話、理学療法士が何をする人なのかわからないまま、専門学校に入学しました。

漠然と勉強に打ち込む日々でしたが、4年生のときに転機が訪れました。

某大学病院で救命センター・ICU専属の理学療法士の先生の元で臨床実習をさせていただくことになったのです。基本データだけでなく、血液データ、画像所見などを全て把握し、多職種と連携しながら、「理学療法士としてできることをやる」という活躍ぶりに、とても感銘を受け、その実習で初めて、本当の意味で「理学療法士になりたい」と強く思ったのがキッカケです。

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他にも、やり甲斐や誇りを持って働く人がいます

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編集部
編集部

理学療法士になって良かったこと、やり甲斐は何ですか?

理学療法士になって良かったこと、やり甲斐は何ですか?

残念ながら、理学療法士は患者さまの障害を治すことはできません。

手術などの直接的な治療もできなければ、診断すらできないのです。だからこそ、患者さまと同じ目線に立ち、一緒に悩むことができる。さらに、目標に向かって日々健闘する患者さまを、一番近くで見守ることができる職種だと思っています。

リハビリは、小さな目標を達成することの積み重ねであるため、理学療法士は、常に患者さまの一歩前を見据えていなければいけません。ゴールへの導き方は、患者さまの人生に直接影響するのです。とても重要な役目で、とても重大な責任がありますが、目標が達成できて、結果に満足し、患者さまが笑顔になったとき、私はとてもやり甲斐を感じます。

編集部
編集部

印象に残っているご経験はどのようなことですか?

臨床実習の生徒を受け持ったときのことです。担当した患者さまは2度の脳出血で、両上下肢ともに中等度以上の麻痺がありました。意思疎通はとれず、ADL上の全ての動作において自立を目標に挙げるのは難しい中、『できるADL』の目標として立てたのが、「車いす移動見守り、移乗見守り」でした。

私たちは一生懸命リハビリを行ない、目標を達成することができました。達成感に浮かれていたのも束の間、症例発表時に先輩から言われた一言は、「その方の幸せとは何ですか」という質問でした。

私は、『ゴールの先』を見ていなかったことに気が付きました。今まで長い時間かけて行ったリハビリは、この方にとって苦痛な時間だったのではないか、と考えさせられる苦い経験ですが、とても印象に残っています。

編集部
編集部

仕事に就かれた当初苦労されたことなどありましたらお願いします。

正直、情報収集の仕方、評価の選択、治療の遂行、再評価の仕方、ゴール設定、書類業務などすべてにおいて苦労の連続でした。その中でも特に苦労したことと言えば、患者さまとの信頼関係の築き方です。

当初は、自分が理学療法業務をこなすことで精一杯だったが故に、配慮が足りず、患者さまとの信頼関係を築けなかったことで、担当を外されてしまうという苦い経験をしました。

理学療法士は人を相手にする仕事です。信頼関係を築けなければ、どれだけ良いプログラムを立てていても、すごい技術を持っていても、リハビリを行うことはできません。

目の前の業務に追われて余裕がないこともありますが、やはり、患者さまという「人」を第一に考えて行動することが、理学療法士にとって何よりも大切なことを忘れてはいけないと思っています。

編集部
編集部

日頃から大切になさっていることはなんですか?

「できたこと」に目を向けるということです。現在私は理学療法士として勤務はしていませんが、この意識は、リハビリ場面でとても大切なことです。

今の生活で言えば、例えば、散らかった部屋で子どもがプラレールに夢中になっていると、どうしても散らかった部屋に目が行きがちですが、『夢中になって遊ぶことができる』、ということは子どもが成長している証拠です。

夫が苦手な料理を作ってくれたとき、手際は悪くても『一品作ることができた』ということは、苦手克服への第一歩です。『できていないこと』を指摘することは簡単ですが、「できたこと」に目を向けることで、その人自身が認められたという気持ちになり、さらなる向上を目指すよう努めることができるのです。

編集部
編集部

今後やりたい事や目標などありますか?

脳血管疾患を専門とするクリニックで、リハビリに関わりたいと思っています。今まで出会った脳血管疾患になる方の多くは、筋緊張や拘縮などで動きが制限されてしまい、やる前に諦めてしまう方が多いように感じていました。前述した通り、理学療法士は筋緊張をなくすことや、拘縮を完全に取り除くことはできません。

しかし、理学療法士の仕事は、『動作を獲得するためのお手伝い』をすることです。

例えば『自宅の階段を1人で昇降したい』という希望があった場合、必ずしも立って行う必要はなく、座って行う方法もあります。たくさんのアイデアを出して、できないと思っていたことができた喜びを、多くの方に感じてもらえるような理学療法士になりたいです。

編集部
編集部

同じ理学療法士として働く方へメッセージをお願いします。

同じ理学療法士として働く方へメッセージをお願いします。

病院・クリニック・介護施設・在宅で提供できるリハビリ内容は設備の違いなどにより、かなり差があります。年齢や生活環境、性格などによってモチベーションも大きく違います。

しかし、その中で、理学療法士として何ができるかを考え、実行することが大切だと思っています。実際、病院では歩行練習の機械があるから、安全に運動できる。

在宅にはそういった機械はなく、屋外歩行は危険だからベッド上で運動という保守的な考えになってしまう医療従事者が多いのも事実です。

私は、どのようにしたら安全に、且つ機能の向上・維持ができるのかを多職種に伝え、運動のスペシャリストとして、チーム全体を引っ張っていけるようなリーダーシップをとれる職種であるところに、理学療法士の魅力があると思っています。

そのような理学療法士になれるよう、みなさんで一緒に頑張りましょう。

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