理学療法士を辞めて気づいた国家資格の可能性と理学療法士として関わるこれからの予防医療について

現役PT・OT・STに話を聞く「深イイ話」

現役理学療法士の深イイ話

インタビュー実施日:2020年9月18日

現役で働くリハビリ職のインタビューを通じ、医療介護従事者として働き続けるモチベーションの源泉に迫ります。周囲の考えに目を向けることで、この先にどうありたいか、自分の将来を考えるキッカケになれば幸いです。

プロフィール

理学療法士5年目のyucchonです。北海道の大自然に囲まれて整形外科に勤務しながら、ピラティスインストラクターとして活動しています。病院では外来リハビリと入院患者様の両方を担当しています。外来では肩関節周囲炎や腰椎椎間板ヘルニア、変形性膝関節症の患者さんなどを担当しています。入院では主に腰椎圧迫骨折や大腿骨頚部骨折後の患者さんのリハビリを行なっています。

また、ピラティスインストラクターとしては、主に予防医療の観点から病気になる前に正しい姿勢や歩行を身に付けられるよう健康な方に向けてレッスンを行なっています。プライベートでは、元々体を動かすことが好きなので、ピラティスやヨガ、ジャズダンス等でストレス発散しています。

理学療法士 yucchonさん

あなたにとって理学療法士とは?

理学療法士として身体機能を回復できるように関わることは勿論ですが、介護職という大きなジャンルでいうと、こころの繋がりを大事にしています。

患者様の気持ちに寄り添いながらその日できるベストな動きを引き出していけるように理学療法士として関わることができる職業だと思います。

私のざっくり変遷記(職務経歴概略)

  • 2015年4月~2018年6月
    がむしゃら期
    理学療法士になって初めて勤務したのは心臓血管外科、循環器内科のある急性期〜維持期までの病棟、外来リハビリ部門のある病床数100床の病院でした。大学時代の実習で心臓リハビリに関わり、興味を持ったことがきっかけで入職しました。
    入職した病院では理学療法士が私を含めて4人と少なく、1年目から術後の急性期の患者様や重度の心不全患者様を担当することもあり、私自身も毎日心臓バクバクさせながらリハビリしていました。術後すぐのicu内でのリハビリではドクターや看護師さんと協力しながらリハビリを行うためチーム医療の大切さを学ぶこともできました。
    また、心臓リハビリではリスク管理がかなり重要で、心電図の読み方からバイタルサインの管理、術後ではドレーンや点滴等のルート類の管理、エコーやx線画像や血液データ、薬の副作用などの情報収集をこまめに行い、全身状態を把握した上でリハビリを行います。
    この情報と病態とを繋げて理解することに苦労し、ハンドブックを常にポケットに忍ばせていました。1年目から専門的な病院に務めることは珍しいとは思いますが、わたしはあまり勉強が得意ではなかったためこのような環境におかれて勉強できていたおかげで現在も全身状態を把握しながらリハビリを進めていくことが出来ていると思います。
    循環器疾患は生活習慣と密接しているため退院時には、生活指導も行うにですが、患者様と関わっていく中で「なぜ、この病気になる前に生活習慣気をつけられなかったのかな。」など疑問を持つことも多く、予防医療に少しずつ興味を持ち始めました。それと同時に急性期のハードなリスク管理中での勤務が精神的に疲れてしまい退職を決断しました。
  • 2018年8月~2019年5月
    理学療法士を辞める
    循環器病院を退職してから、漠然と予防医療に関係した病院に勤めたいけどしんなところ見当たらないな、と悩んでいたときにふと、私は大学時代から医療のことばかりを学んでばかりで一般的な知識や教養が少ないのではないかと思い、よい機会だから一度医療現場を離れてみよう!と決断し、荷物をまとめて約1年間沖縄や北海道の山奥に行き、ホテルのフロント業務を中心に住み込みで働く生活が始まりました。
    フロント業務は、病院の知識を使うことはありませんでしたが、言葉遣いや気配りの仕方、電話の取り方等を1から学ぶことができ、今でも患者様と関わるときの態度や姿勢、言葉遣いが役立っています。
    住み込み生活をする中でピラティスと出会いました。ピラティスは元々リハビリから生まれたエクササイズのため理学療法士としても応用することができるし、私が興味のあった予防医療に繋がっていると感じ、ピラティスインストラクター資格を取ることを決めました。
  • 2019年7月~2020年2月
    リハビリ業に戻る(リハビリ特化型デイサービス)
    ピラテスインストラクターの資格を取るために北海道へ戻り、理学療法士の仕事にも復帰することになりました。リハビリ特化型デイサービスを選んだのには、循環器病院時代に退院後に再入院する患者様も多くいて、話を伺うと生活習慣が乱れてしまっていたり、運動不足になっていたという背景から退院後のアフターサポートを理学療法士として関わってみたいと思ったからでした。
    病院時代とは全く違う現場の雰囲気や業務内容に最初は戸惑いましたが、職場には看護師さんやトレーナーさん、柔道整復師さんや作業療法士さん等の多職種で気さくで元気なスタッフが多く、急性期で働いていたときの特有のピリピリ感がないことが新鮮でした。
    利用者の方は自立した生活を送ってる方から車椅子の方まで様々でしたが、全体的に雰囲気は明る活気があり、働くのがとても楽しかったです。病院時代は個別リハビリでしたが、デイサービスでは集団運動だったためその分ハードでしたが、利用者様の生活やニーズに合わせた運動を提供できるよう考えながらリハビリをすることにやり甲斐を感じることが多かったです。
    また、他職種からの運動に対しての意見を交換することで視野が広がり、自分の運動レパートリーも増え、スキルアップできました。
    勤務が終わってからインストラクターの資格の勉強をするのは大変でしたが、半年後に無事資格を取得することができ、地元へ戻ることとなりました。
  • 2020年4月〜現在
    整形外科病院、ピラティスインストラクター
    3回目の転職はピラティスの資格も活かせる整形外科を選びました。まだ働き始めて半年ですが、整形外科は循環器とは専門性が全く違うため学生頃に勉強してから、数年使わなかった知識を引っ張りだしてくるのに苦労しています。
    外来の患者様も入院患者様の両方を担当しているため、入院から外来でアフターケアも続けていけること。また、ピラティスのエクササイズや考え方も取り入れながら理学療法士として携わることが出来てとても充実しています。

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私はこんな理学療法士です。

私はこんな理学療法士です。

私は面白いことが好きです。

仕事面でも私生活でも面白そうだなと思ったらとりあえずやってみることにしています。リハビリをする時も「楽しい!とか体を動かすのって面白いことで良いことなんだ!」と思ってもらえるように日々取り組んでいます。

編集部
編集部

どのようなことをキッカケに理学療法士になったのでしょうか?

私の高校3年生の時の将来の夢は、「ショップ店員さん」でした。しかし、両親には資格のある職業につくことを薦めれられました。医療職には興味がありましたが、しっくりくるものがなく悩んでいた時に知り合った方が作業療法士さんでした。

私は元々動くことが好きだったため作業療法と隣り合わせの理学療法士に興味を持ったことがきっかけです。最初から凄くこの職に就きたい!と思っていた訳ではなかったため両親とぶつかる事が多々ありました。

しかし今は、理学療法士にやり甲斐を感じており、きっかけを作ってくれた両親や作業療法士さんに感謝しています。

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他にも、やり甲斐や誇りを持って働く人がいます

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編集部
編集部

理学療法士になって良かったこと、やり甲斐は何ですか?

理学療法士になって良かったことはまず、「出来ない→出来る」に変わる瞬間に携われることです。介助歩行から自立歩行が出来るようになった瞬間の患者様の嬉しさと自信に溢れた表情をみると私も自分のことのように嬉しくなります。

また、理学療法士になってからより身体についての興味を持つことができ、今のピラティスインストラクターの資格取得や予防医療の活動など若い方〜高齢者まで幅広く関わり、健康になるためのきっかけや手助けをできることです。

やり甲斐を感じる時は、やはりリハビリを通して患者様のニーズに答えられたときです。「上がらなかった肩がここまで上がるようになって生活しやすくなったよ。」「ずっと膝が痛くて辛かったのに最近歩きやすくなって○○まで行ってきたよ。ありがとう。」等の嬉しい報告を聞くことができるとこの仕事をしていて良かったな、と思います。

ありがとうと言われるともっと頑張ろうとやる気にも繋がります。

編集部
編集部

印象に残っているご経験はどのようなことですか?

1番初めに就職した循環器病院で出会った患者さんで、心筋梗塞で救急搬送された中年の女性がいました。その方のリハビリを担当することになり、最初の印象はネガティブな性格で肥満気味、運動習慣もなく10分歩くのがやっとでした。

しかし、リハビリを続けていくと徐々に歩ける時間が伸び、次第に気持ちも前向きになりました。退院後も外来リハビリに来ていたためそのまま担当させていただくことになりました。

その方はみるみる見た目も気持ちも良い方へ変わっていきました。自ら食生活にも気をつけてダイエットにも成功し、最終的には40分休むことなく歩けるようになりました。

その方を通して私は病気になったとしてもその後の生活や気持ち次第で健康になれることに気付きました。そして、運動と食生活の大切さを実感しました。その経験が予防医療へ興味をもつきっかけとなりました。

編集部
編集部

仕事に就かれた当初苦労されたことなどありましたらお願いします。

循環器疾患は生活習慣と密接しているため退院時には、生活指導も行うにですが、患者様と関わっていく中で「なぜ、この病気になる前に生活習慣気をつけられなかったのかな」など疑問を持つことも多く、予防医療に少しずつ興味を持ち始めました。

それと同時に急性期のハードなリスク管理中での勤務が精神的に疲れてしまい退職を決断しました。

編集部
編集部

日頃から大切になさっていることはなんですか?

今働いている職場は外来と入院の両方を担当しています。どちらも高齢の患者様が多く、認知症のある方もいます。私たちのように健康な体であっても毎日体調の変化があるように患者様にも体調の良い日と悪い日があるため昨日できていたことができないこともあります。

それを単に身体機能の低下と評価し、前日と同じ動きができるようなリハビリをするより、今日できるベストな動きを引き出せるようなリハビリを大切にしています。

そして、同じリハビリをするにしても少しでも楽しく運動ができることを心がけています。そのためには、患者様に寄り添い会話していく中でどんなことに興味があるか、どんなことがしたいのか、何が好きなのかをヒントにして運動に取り入れるようにしています。

編集部
編集部

今後やりたい事や目標などありますか?

現在、整形外科に勤務しながらピラティスインストラクターとしての活動もしています。健康について少しずつ関心が高まっている中で、今後は予防医療が広まっていくようピラティスを通しながら20代、30代の若い世代に向けて発信していきたいと考えています。

情報が溢れている現代社会でどんな情報が正しいか理学療法士からの視点でエビデンスをしっかり持って発信できる理学療法士でありたいと思っています。

また、スマホやデスクワーク中心の現代人の姿勢不良からくる腰痛や肩こり、頭痛などから1人でも多くの人を助けることができたら、少し大きな規模での話になりますが、生活の質が高まって笑顔が増え、優しさが溢れる世の中になるのではないかなと思っています。

そのためにまず自分が発信できる場所を作りたいと考えています。今は理学療法士としてのスキルアップはもちろん、理学療法士として学んで来なかった経営やお金についての勉強も始めました。

編集部
編集部

同じ理学療法士として働く方へメッセージをお願いします。

同じ理学療法士として働く方へメッセージをお願いします。

私はよく行動力が凄いね!と周りから言われます。私は興味があることややりたいと思ったことはすぐに行動することを心がけています。尊敬するスティーブ・ジョブズ氏のスピーチにこんな言葉があります。

「関係のないように思える点と点もいつかは線になって繋がっていく。好きなことを見つけなさい。好きなことをやりなさい。」

私は1度理学療法士を辞めて、違う仕事を1年間しました。

その時に「理学療法士の国家資格を持っているのになんで違う仕事をしているの?勿体ないよ!」等と意見を貰いましたが、実際に違う場所で違う仕事をしたことで自分の本当にやりたかった予防医療という道が見つかり、その方法としてピラティスと出会い、今の職場でどちらも駆使しながら充実して理学療法士として働くことができています。

振り返ると、まさに関係ないような点と点が線として繋がっていることに気が付きました。

もし同じように理学療法士以外の道へ行くことを悩んでいる方や現在の場所で理学療法士としてのやり甲斐を感じられていない方へのメッセージになればいいなと思います。

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