生活期で働く理学療法士が語る。ニュースポーツを通じた介入とチームワークの重要性

現役PT・OT・STに話を聞く「深イイ話」

現役理学療法士の深イイ話

インタビュー実施日:2021年4月18日

現役で働くリハビリ職のインタビューを通じ、医療介護従事者として働き続けるモチベーションの源泉に迫ります。周囲の考えに目を向けることで、この先にどうありたいか、自分の将来を考えるキッカケになれば幸いです。

プロフィール

理学療法士7年目のゴンザレスです。29歳の男性で一児の父です。現在は通所介護で勤務しています。

主に高齢者の機能訓練に従事しており、疾患は脳卒中や変形性膝関節症、腰椎圧迫骨折、認知症やパーキンソン病など、高齢者ですので様々な疾患を呈している方のリハビリを担当させていただいています。

病院や回復期のような在宅復帰を目指すリハビリというより、自宅での生活が継続できること、ICFでいう社会参加に目を向けた介入を行なっています。

障がい者スポーツのボランティアに参加し、パラリンピックの競技であるボッチャの審判や卓球バレー、風船バレーの大会などにも引率しています。

趣味は野球、ボクシング、読書で体と頭を動かすのが大好きです。

今後はロックステディーボクシングを勉強し、スポーツを通じてパーキンソン病の方や高齢者を元気にすることができる取り組みをしていきたいと考えています。

理学療法士 ゴンザレスさん

あなたにとって理学療法士とは?

理学療法士とは、たくさんの役割を持っている職種だと考えています。

ある時は、運動療法を実施し、できなかったことをできるようにするお手伝い。

ある時は、日々の生活で運動してもらうための取り組みを他職種へ伝達し実行してもらうマネジメント的な役割。

ある時は、利用者が自宅で転倒しないように環境を整え、介助方法を家族や他職種へ伝達する役割。

またある時は、利用者の希望を聞き、どうすればその希望に沿ったことができるのかをアドバイスする相談役など、書き出したらキリがないほどの役割を持っていると思います。

利用者の希望に寄り添い、日々の生活を安全に過ごす一助を担っていると考えています。

私のざっくり変遷記(職務経歴概略)

  • 2014年~3か月
    地元の老健へ就職(介護業務からスタート)
    病院での実習を経て、病院の環境に馴染めないと思い、地元の老健へ就職。
    老健以外にも通所リハビリ、通所介護、訪問リハビリ、訪問看護、特養と高齢者の事業を行なっており、定期的に異動があり、介護保険領域を網羅できる会社です。
    「就職して同期のセラピストと切磋琢磨して頑張っていこう!!」新しい出会いや夢だった理学療法士の仕事に胸を躍らせながら入社したのは良かったのですが、同期にセラピストがいない。
    右も左もわからないまま仕事がスタートしました。
    ただでさえ相談相手がいないという状況にさらに追い討ちがかかります。
    この会社のルールで、入職して3ヶ月は介護をするというまさかのリハビリからスタートしない仕事始めだったのです。
  • 2014年~2016年
    老健配属
    3ヶ月の介護業務を終え、リハビリ業務を開始しました。「これから自分の介入でどんどん利用者さんを良くするぜ!!」と意気込んだのも束の間。
    驚くほど介入が上手くいかない、支援が上手くいかなかったのです。転倒後の環境調整や歩行器歩行の開始のタイミング、車椅子を使用する状態でどう在宅に帰るか?在宅復帰後のサービスを見据えどういう課題をクリアしないといけないのか?自分の介入に精一杯で疎かになり、かなり周りの方々に迷惑をかけたと思います。
    たくさんの失敗を経て、症例発表で凹んで終えた一年目でしたが、徐々に業務に慣れてきて2年目からは在宅復帰も円滑に行き、後輩や他のスタッフのフォローもできるようになってきました。
    先輩にも少しずつ成長できていると嬉しい言葉をかけていただき、「もっと先輩方のいいところを吸収するぞ!!」と意気込んだ矢先に同法人の老健へ異動が言い渡されました。
  • 2016年~2018年
    同法人の老健へ異動
    異動していきなりプリセプターになり、職場の風土もわからないまま3年目がスタートしました。
    しかし、後輩指導をするようになったのが良かったのか、異動してからは自分の評価からの介入や生活リハビリの依頼が自信を持って行えるようになり、全ての物事が円滑に進みました。
    後輩も無事育ち、他職種の方々とも「大変だけどやりがいがある」という共通意識をもち仕事をしていました。しかし、ここで同法人のデイサービスのPTが退職したため、デイサービスへの異動が言い渡されました。
  • 2018年~現在
    同法人のデイサービスへ移動
    老健での経験を経てデイサービスへ異動しましたが、デイサービスのセラピストの在り方は常に迷いの連続でした。必ずしも通ってこられる方は運動を求めているわけではなく、惰性でこられている方、家での生活を維持する、楽しいことがしたいなど理由は様々。
    デイサービスの機能訓練は時間の制限がないため、自由度が高いため、「楽しい」という点にフォーカスした運動療法を提供するように意識しました。そこで、ニュースポーツであるボッチャ、風船バレーに出会い、外出や社会参加を目標にしている利用者とスポーツ大会や交流会に積極的に参加しました。
    結果は皆さん大満足で今では通所の利用者だけでも大会を開けるのではないか?というレベルで発展していきました。利用者が楽しく、主体的に、安心した生活を継続することをモットーに日々業務に取り組んでいます。

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私はこんな理学療法士です。

私はこんな理学療法士です。

今までの経験から、一度の介入では何も変わらないと感じている理学療法士です。

たまに「理学療法士は治せてなんぼ」とか、「腕がいい」という言葉がありますが、自分自身あまりそう感じていません。自分の介入より、他職種と協力して、日々の生活を本当の意味で良い方向に変えることが重要だと思っています。

この本当の意味というのは、セラピストの独りよがりや、利用者の安全を配慮しすぎ、しなさすぎではなく、利用者と家族が双方満足し、安全面も配慮されたということです。

在宅領域というのは、利用者、家族、医師、介護士、看護師、セラピストいろんな職種が専門性を発揮しみんなで協力する領域と考えています。ですので、セラピストの治療技術より、生活を変えることに重点を置いている理学療法士でいたいと思っています。

編集部
編集部

どのようなことをキッカケに理学療法士になったのでしょうか?

僕は、中学生くらいの時から将来人の役に立つ仕事がしたかったんですよね。

社会人になって今考えれば、どんな仕事だって人の役に立つ仕事なのは変わりないのですが、当時の僕は人と接した上で誰かの役に立ちたかったのだと思います。

最初は「介護福祉士が良いかな?」と思っていたのですが、看護師をしている母親から「あんた理学療法士目指したら?あっていると思うよ?」と言われ、調べてみたらすごくワクワクしたことを今でも覚えています。

自分のなりたい姿と仕事内容がマッチしていたから理学療法士という仕事を目指し、今も尚理学療法士として働いています。

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他にも、やり甲斐や誇りを持って働く人がいます

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編集部
編集部

理学療法士になって良かったこと、やり甲斐は何ですか?

セラピストになって良かったと思うのは、生活が変わったことによりいきいきするようになった利用者さんを見た時に一番やりがいを感じます。

後は、身体機能や日常生活が変わって良くなったことを嬉しそうに語っているときや教えてくださる時に喜びを感じますね。

編集部
編集部

印象に残っているご経験はどのようなことですか?

僕が一番印象に残っているのは、通所に異動してきた当初一緒に卓球をしていた脊髄損傷の利用者さんが、自分から卓球の大会に出たいと言ってこられ、目標に向け一緒に機能訓練をして、見事準優勝した時ですね。

僕自身、出場するだけでも、すごいことだと思っていましたが、まさか準優勝するとは思いませんでした。

今まで身体機能と日常生活動作に着目していたのですが、こういう理学療法士の介入もいいなと思えた瞬間でした。

編集部
編集部

仕事に就かれた当初苦労されたことなどありましたらお願いします。

入職当初一番苦労したことといえば心の底から相談できる人がいなかったことですね。

プリセプターや当時のリハ長と仲が悪かったわけではないのですが、みなさま女性でしたのでなかなか気楽に相談!!というのができなかったのです・・・

さらに同期のセラピストもおらず、専門学校の友人はみんな圏外・・・入職当初はしんどい時期でした。

正直その時期はとにかくがむしゃらに食らいついていくことしかできませんでしたが、時間が経つことによってしんどい時期は過ぎていきました。

失敗を反省し、2回繰り返さない。これを意識するだけで少しずつ失敗や見落としが減るようになってきましたし、周りの先輩方にも公子共に相談しやすくなっていきました。

編集部
編集部

日頃から大切になさっていることはなんですか?

フットワークを軽くすること、困っているスタッフがいれば一人で悩ませないこと、常に新しいことを求めることは常に意識しています。

フットワークを軽くするのは、利用者さん、他職種の相談にすぐ対応することですね。

困っている人はほっとけない性格なのもあるのですが、悩みを解決しなかったことで事故や転倒につながってはいけませんし、利用者さんや他職種のスタッフのためにも問題が起きたらフットワークを軽くし、すぐにでも解決するべきだと思っています。

スタッフが困っているのを一人で悩ませないのは、事故の対応策や介入を特定のスタッフ一人で悩ませたところで時間もかかるし、何より悩んでいるスタッフがしんどいばっかりです。

ですので、事故が起きたときや担当利用者で困っている人と話した時は一緒に考えるようにしています。

常に新しいことを求めるのは、僕のモットーです。コロナウィルスの流行からリモートワークやステイホームで、ここ一年いろんなことが変わってきました。

こういった変化に対応していくためにも、常に新しいことを求め、利用者さんに楽しんでもらう上でも重要ではないかなと考えながら仕事をしています。

編集部
編集部

今後やりたい事や目標などありますか?

今後やりたいことは、まず、今取り組んでいるニュースポーツを僕の働いているデイサービスに取り入れることができたので、今度はこのニュースポーツを通じて利用者さんの社会参加へつなげていければと考えています。

また、自分の趣味であるボクシングを取り入れている運動療法「ロックステディーボクシング」を勉強してパーキンソン病の方の一助になれるようになりたいと思っています。

ゆくゆくは通所介護だけでなく、訪問系の事業にも挑戦していきたいです。

編集部
編集部

同じ理学療法士として働く方へメッセージをお願いします。

同じ理学療法士として働く方へメッセージをお願いします。

僕の個人的な意見ですけど、自分がしんどいと思って人と関わっていると自然と相手にもしんどい思いって伝わります。

セラピストをしているといろんな葛藤や思い通りにいかないこと、介入が上手くいかないこと・・・結構あると思います。

だけど、僕らの仕事は利用者さん、患者さんに元気になってもらう仕事です。まず、僕らが元気に接することが大事なのではないかと考えています。

自分の無力さに落ち込むことはあります。失敗して落ち込むこともあります。同期の友人が自分よりすごいことをして焦ることもあります。

でも、利用者さんや患者さんからしたら、僕たちはリハビリをしてくれるスタッフなのです。僕らを信じてくださる皆さんのためにも、一つ一つのことに一生懸命取り組んでいく、利用者さん、患者さんの前では元気でいることが大事だと思います。

とはいえ、しんどい時、辛い時は遠慮せずに仲間に相談することが大事です。一人で抱えてもなかなか解決することは少ないので、助け合い精神を大事にしていきましょう!

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