超急性期病院の理学療法士が語るHCU・ICUにおけるリハビリテーションの魅力と実態

リハビリセラピストの働き方を考える
※画像はイメージです。
急性期病院で働きたいセラピスト
急性期病院で働きたいセラピスト

前から、ICUなどの急性期でバリバリ働いている理学療法士を見て、自分もこんな仕事がしてみたいと思ったけど、病気のことや心電図、呼吸器など、苦手だし、大丈夫かな、なんだか自信がないな。

ICUやHCUでのリハビリテーションは難しく、どのようなリハビリテーションを実施したらいいかわからない学生やイメージがつかない人もいると思います。

私も初めは、色々調べたり、試行錯誤して、勉強し自信が付き今に至ります。私なりの実体験も含めて解紹介していきます。急性期の理学療法に興味のある方の参考になればいいと思います。

記事のテーマ
  1. 医療現場の他職種とのチーム医療のやりがいを感じることができる
  2. 医療的な知識が増える
  3. 患者の病態の回復を直接見られるため、回復期、維持期で働いても、イメージがつきやすい

超急性期病院の魅力とは?

超急性期病院の魅力とは?

近年、超急性期でのリハビリテーションが注目されています。

HCU(高度治療室)やICU(集中治療室)において、人工呼吸器、呼吸循環補助装置を装着した患者さん、また手術直後や再出血などの危険性があるなどの超急性期からのリハビリテーションの実施が推奨されてきています。

今回はその急性期病院でのリハビリテーションにおいての魅力を簡単ではありますが、私が実際に働いていて感じたことや経験などを紹介しようと思います。

魅力その①:HCU、ICUの超急性期からリハビリテーションを実施できる

急性期からリハビリテーションを施行することで、安静臥床が長くなることによる廃用症候群を防ぐこと、また二次合併症などを予防することで、より高い機能で社会復帰が可能になり、結果として、入院期間の短縮につながります。

また、HCUやICUの滞在日数、人工呼吸器装着時間、長期臥床による影響は、退出後の長期的なQO低下に影響することが報告されているそうです。そのため、長期的なQOLの低下を防ぐための手段として、リハビリ専門職における早期介入が有効と報告されています。

実際に、急性期におけるリハビリテーションは回復期、維持期のような機能訓練とは少し違い、救急のDr、Nrsと連携をとり、状態が不安定でリスクを伴う患者さんに対して可能な範囲で介入していくかとういう印象です。

もちろん、リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドラインによる、リハビリの中止基準などをもとに施行錯誤しながら今何必要で何ができるかを考え患者さんの治療に対して、チームで取り組んでいます。

私の勤めている病院では、HCU・ICUにおける独自の離床プログラムと理学療法士による離床を照らし合わせて実施しており、理学療法士が休みの際は、独自の離床プログラムを実施し、理学療法士が在住している際は、救急の医師、看護師からの情報収集を行い介入しています。

魅力その②:他職種との連携によるチーム医療

急性期たけに限りませんが、他職種と連携をとり、超急性期患者さんの状態を安定させ、転院までチームでアプローチしていくことにとてもやりがいを感じます。主に、救急Dr、Nrs、理学療法士、臨床工学技士、ソーシャルワーカーが主に関わっています。

患者の治療、全身の管理、治療方針等をDrが中心となって決めていき、Nrsは患者の全身状態の管理や全身のケア、環境調節、機器デバイスなどの管理等に携わっています。

臨床工学技士は、人工呼吸器や体外循環動態や人工呼吸器の管理等の調節や治療に関わっており、ソーシャルワーカーは、患者やその家族等の全体的な背景を把握しながら、転院調整などを主にしています。

理学療法士は、全身状態等を医師、看護師から情報収集し、適宜、柔軟に対応していく必要がある。他動運動や人工呼吸器の抜管に向けた呼吸のサポート、離床などの座位、立位を実施していきます。

理学療法士としてのリハビリテーションにより、患者さんの状態の改善を肌では感じにくい場合もあります。

患者さんの状態の変化は大きい時期であり、自然治癒や患者さんの生命力のおかげもあるため、リハビリの効果としては感じにくい現場ではあります。

しかし、日を追うごとに状態が安定していき、チームとして関わり、患者さんが元気になっていく姿を見ていくことを嬉しく思うことや達成感もあり、理学療法士として、医療現場の最前線で活躍できることに対して、やりがいを感じることも多くあります。

このように、それぞれの職種によって、専門分野があり、チームとして連携をとり、患者さんの全身状態の安定や転院、退院を支援してくことに貢献できます。

魅力その③:医療的な知識が増える

理学療法士の活躍できる場所は様々ではありますが、回復期、維持期では、患者さんの病態は安定していることが多いため、リハビリ的な知識、主に、運動療法や住環境整備や介護保険、二次的合併症などの予防などが主になってくるのではないかと思います。

私自身、以前は回復期に勤めていたこともあり、その時は、可動域制限に対しての改善、片麻痺へのアプローチの方法、義肢装具、在宅での環境整備などの勉強をして、知識を深めていました。

その点、急性期病院では、状態が不安定な患者さんが多く、病態の理解や予後、Drの治療方法、治療薬、医療機器の役割、設定など様々な知識は必要になってきます。

それに加え、様々な病気を合併していることが多く、心電図、呼吸生理、運動生理などの知識はリハビリテーションを実施する上で必要な印象です。私自身、心電図や呼吸生理は苦手としていましたが、患者さんを担当する以上、必死に勉強しました。今でも大変良くしていただいてる循環器のDrに教えてもらっています。

また、毎朝の情報収集において、カルテや画像、検査データ、バイタル、処方薬などの確認をしています。患者さんに介入する際に、情報収集は必要不可欠であり、様々な職種のカルテを理解するためにも、その都度調べたりしています。そのため、超急性期病院では、医療的な知識が増え、この知識は、回復期や維持期での現場でも大いに役にたてると思います。患者さんの経過や治療方法などイメージしやすいと考えます。

超急性期での理学療法とは?

超急性期での理学療法とは?

一昔前までは、安静が治療の一貫とされていましたが、近年では、急性期からのリハビリテーションが推奨されるようになってきました。早期からのリハビリテーションの介入により、長期臥床による廃用症候群を予防し、後遺症、二次合併症を最小限にとどめることが推奨されています。

急性期でのリハビリテーションの内容としは、病態に応じて、臨機応変にプログラムを変更する必要がある。病態の治療の妨げにならないように注意しながら、できる範囲で進めていく。

私が担当した際に、難渋した患者さんの体験談を簡単に紹介します。

半年以上前のことなので、記憶している範囲で書いていくので、評価など、適切でないことがあるため、その時は申し訳ございます。介入ポイントについては、しっかり拝見していただければと思います。

症例紹介①:70代男性の場合

症例 冠動脈硬化症(3枝病変)、大動脈弁狭窄症 CABGと弁置換術
既往歴 高血圧、肺高血圧、糖尿病
合併症 呼吸不全、血尿、貧血
経過 OPE後、肺高血圧の影響か、抜管に難渋し、気管切開を施行、
その後、肺炎なども見られ、ICU管理が続く。
評価 呼吸器は、気管切開後、肺炎も見られたが、呼吸器設定は、自発呼吸のPCVモードで安定している。
安静時はSPO2:99%、動作時は、90台前半。四肢の廃用性の筋委縮は見られるが、自動運動は可能、MMT3レベル。
介入ポイント 医師、看護師の監視の下、廃用症候群の予防、呼吸器の抜管に向けて、端座位、立位と実施する。
動作時はSPO2の低下がみられるため、呼吸器モード、サポート圧の変更を医師に依頼し、リハビリの間だけ、呼吸器の設定変更をしてもらう。
その後、医師、看護師と歩行を実施。肺炎などの病態が落ち着いた所で、転院された。
ポイントとしては、人工呼吸器を装着していても、端座位、立位、歩行が医師の許可があれば、離床を進め、廃用症候群を予防していく。

症例紹介②:40代男性

症例 腹部大動脈瘤破裂 緊急手術
BMI 30
合併症 対麻痺、呼吸不全(呼吸器装着)
経過 抜管に難渋し、気切をする。一般病棟へ、DVTが見つかり、その後、肺塞栓
その後、リハビリテーション病院へ
評価 E3VTM6 呼吸器PCVモード ニカルジピン、糖尿病薬等 上肢の動きは良好(MMT4)下肢自動運動なし、感覚脱失、完全麻痺
介入ポイント 対麻痺であり、本人も感覚がないため、端坐位に過剰努力を要する。端坐位も介助を要し、呼吸筋疲労にも繋がる。
医師、看護師も呼吸器の抜管のトライをするために、呼吸器のモードの変更等を行うため、医師、看護師にと連携していく。
いかに、呼吸努力をさせないように介入するか、抜管の妨げにならないように、適宜評価して、現状でできることを実子していく。
全身持久力の低下などがある場合は、1単位20分にこだわらずに、10分を2回など、小分けにして介入していくことも必要である。

どのような経験・スキルがあれば超急性期病院で活かせるのか?

私自身の感じたことですが、以前も総合病院に勤務しており、2次救急の病院であり、回復期リハビリテーション病棟も併設しており、セラピストの人数も比較的多い病院でした。

そこで、2年目の半ばまでは回復期病棟で勤め、その後、3年目から急性期病棟で勤めていました。

その後、3次救急のある病院へ転職をしましたが、知識不足を痛感したのを覚えています。患者さんの重症度が高く、多くの病気を合併していることが多く、それに伴う治療も幅広く、機械類のデバイスも幅広く、初めは、治療も何をしているのか、機械類やデバイスなども理解できず、毎日、冷や汗をかいていました。

医師の治療法や内容等、また看護師の観察ぽイント等のそれぞれの専門分野も表面だけでも知っているのと知っていないだけでもリハビリテーションを行う上で、患者さんの変化を捉えた時の解釈の仕方や対応なども変わってくると思います。

超急性期病院で持っていると活かせられる資格は?

個人的な意見ではありますが、私自身、呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士、糖尿病療養指導士を取得しましたが、どれも臨床現場では、取得しておいて、よかったと感じています。

どの急性期病院では、すぐに活かせる知識であり、自分自身の自身にも繋がると思います。

呼吸療法認定士は、人工呼吸器を使用する患者さんが多いこと、酸素療法は患者さんの回復過程ではほとんどが行われていることが多いです。

心臓リハビリテーション指導士においては、重症患者さんにおいての循環動態、運動時の心電図変化や、退院時の生活指導、生活習慣病に関する知識などが役に立ちました。糖尿病療養指導においても同様ですが、これにおいては、私自身は、頑張って取得するのであれば、呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士を取得した後、時間と余裕があれば取得することを考えてもいいかと思います。

それぞれの資格を取得する差に、かかる費用も数万円と掛かりますし、時間も比較的要してしまうためです。

まとめ

超急性期病院でのリハビリテーションについて、私なりに感じたことを記載させていただきましたが、初めは、超急性期病院で働くのに不安を感じる方も多いと思いますが、職場の先輩のご指導や、自分が従事したい分野ややる気ある方はきっと大丈夫だと感じます。

また回復期病院のように、患者さんからの感謝されることはあまり多くはない印象ですが、チームで連携して患者さんの治療や状態安静に伴い、退院、転院などにも従事できるため、やりがいや達成感は感じられるはずです。

安心して転職などを考えてもいいと思います。患者さんの病態の経過や治療を直接見れるため、今後の自分のスキルアップや将来にもきっと役にたつと思います。

質問があれば気軽にコメントください

この記事を書いた人

mitunari
mitunariさん

四年制大学を卒業、様々な疾患について勉強したいと思い、地元から少し離れた総合病院へ就職する。その中で、超急性期でのリハビリテーション、心臓疾患、呼吸器疾患などの分野に興味を持ち、県内の高度な医療が備わっている病院へ転職する。
現在では、呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士の資格を取得し、緊迫した医療現場で日々リハビリテーションを実施している。

経歴

  • 2007年:理学療法学科 卒業
  • 2007年~2012年:総合病院(回復期・急性期病棟)に勤務
  • 2012年~2017年:総合病院(急性期病棟)へ転職
  • 2017年~現在:総合病院(超急性期病棟)へ転職

資格

  • 理学療法士
  • 呼吸療法士
  • 糖尿病指導士
  • 心臓リハビリテーション指導士
タイトルとURLをコピーしました