通所リハに転職した際、面接で聞かれた理学療法士特有の質問とは?

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通所リハへ転職を考えるPT
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通所リハに転職したいけど面接が不安だな。通所リハ特有の質問されるのかな?想定される質問や模範解答が知りたい。

同一の施設や病院で働いていると、様々な理由で転職を考える理学療法士は多いでしょう。転職で考えなくてはいけないのは面接であり、病院や老健の職域特有の質問があります。また同じ質問でも、転職先の指針や希望によって模範解答は変わってきます。

今回は通所リハの通所系サービス特有の質問や、それに対する模範解答を一緒に考えています。

なお、大規模な病院や老健に併設している通所リハも数多くありますが、今回は「クリニックや医院に併設されている通所リハ」を想定しています。

入院患者や入所者を兼任で理学療法をするのではなく、通所リハを専任で担当する場合と考えていただきたいですね。

記事のテーマ
  1. 面接の質問には全て意図があり、それを読み解く事が大切
  2. 面接の前に通所リハの目的や理学療法士の役割を再認識しよう
  3. 何故その通所リハが良いのか、理由を再確認しておこう
  4. 送迎や介護業務、作業療法の分野にも意欲を見せる事

質問があれば気軽にコメントください

模範解答を準備する前に面接官の質問の意図を汲み取ろう

模範解答を準備する前に面接官の質問の意図を汲み取ろう

面接は面接官との会話のキャッチボールです。あなたが採用されれば面接官は今度から一緒に働くメンバーです。面接官は面接を通じて「あなたと今後も働きたいか」を評価しています。それを踏まえて、面接官が「なぜこのような質問をするのか」その意図を汲み取る事が大切です。

面接官の質問には、必ず意図がある

面接官が質問した事にただ答えれば良いというものではありません。

あくまで一例ですが、「体力はありますか?」という質問があったとします(質問されるかは怪しいですが)。

この場合、面接官は体力の有無だけを聞いていません。精神的な強さがあるのか、風邪や怪我をせず体調管理が出来ているかを確認しています。面接官の質問には必ず意図があり、その意図を汲み取った解答が必要です。

通所リハとは何か、そして通所リハにおける理学療法士の役割を自分なりに解釈して面接に臨む事で、面接官の意図が掴めると思います。

なぜその病院(施設)なのかを明確に

病院には維持期や回復期の違いがあるように、通所にも病院や老健に併設している場合や、医院に併設しているのなど微妙な違いがあります。

また、規模の違いや特定の疾患が多い、パワーリハビリを重視しているなど、通所リハごとの特徴もあります。例えば整形外科のクリニックに併設している場合、整形系の利用者が多いでしょうか。

他にも家からの距離や、人間関係の要素もある為、通所リハは多種多様です。あなたが転職を希望した通所リハは、きっと「ここが良かった!」と思うところがあるはずです。

それを明確に説明できるようにして、面接に臨みましょう。

話を盛る必要なない

模範解答を考える時にありがちなのは、面接で話を盛る事です。例えばずっと急性期の病院で理学療法をしていた人だと、通所リハの分野は未経験でしょう。「あれもこれも出来る」と言い切ると、転職後に苦労するのは自分です。

私が転職を希望した通所リハは透析センターと併設していたので、透析後に通所リハを利用する人も割といました。その為面接で「透析や透析患者に対する知識はありますか?」という質問がありました。

当時の自分は理学療法士となって2年半。老健と通所の兼任をしていましたものの、透析患者を担当した事はありませんでした。面接で話を盛る事は考えず、

理学療法士
理学療法士

透析患者様を今まで担当した事がなかった為、透析や透析患者様の知識やリハビリの経験はありません。利用者様のリハビリや生活指導に活かせるよう、これから勉強していきます。

と解答しました。透析の知識が不十分と伝えた事で、転職後まもなく、透析の見学をさせていただいた他、看護師からの講習もありました。面接で「透析の知識があります」と、話を盛っていたらそれらの指導もなかったかもしれません。

出来ない事は出来ないと伝え、その代わりどのような努力をするのかを伝える事が大切です。

それでは、今から通所リハの面接で想定される質問や意図、それを踏まえた上での解答を考えていきましょう。

質問①:当施設を志望した理由を教えてください。

質問①:当施設を志望した理由を教えてください。

質問の意図は?

これは病院や施設に限らず必ず質問される事でしょう。この意図は「すぐに辞めずに長く働いてくれるか」です。近くに他の通所リハがあるかもしれませんし、解答が曖昧だと何となく選んだと思われてしまいます。

前述した通りそれぞれの通所リハには個性や特徴があるでしょう。それは理念や職員と利用者の信頼感、多岐に渡ります。その通所リハで働きたいと思う理由が具体的である程、面接官は「良くみてくれている」と感じ、信頼感の構築に繋がります。

仮に人間関係が悪い、ネガティブな理由で転職する時も、その事を言う必要はありません。ここもすぐに辞めそうと思われてしまいます。転職は次に繋げるステップだと思えば、おのずとポジティブな理由が出て来るでしょう。

模範解答例

面接官
面接官

当施設を志望した理由を教えてください。

理学療法士
理学療法士

○○年間、老人保健施設で通所と入所でのリハビリを兼務してきました。双方のリハビリを通じ、在宅でのリハビリに強い興味を持つようになりました。

ただ兼務という状況から送迎や自宅の状況を確認する事が難しく、日々のリハビリが実際の生活に活かされていないと感じる事が多々ありました。

貴施設は大規模なデイケアでありつつ、理学療法士や作業療法士の人数も多く、送迎や食事を通じて生活リハにも力を入れています。その視点を通じて、患者様それぞれの身体状況や目標に合わせたリハビリを提供している点に魅力を感じ、転職を決めました。

また、見学の際に利用者も職員も皆が笑顔でコミュニケーションをとっており、とても明るくて魅力的な職場だと思いました。

模範解答の補足

個人的な話ですが私も面接でこの質問を受けています。私は元々老健に勤務し、入所リハと通所リハを兼任していました。

たくさんの利用者や入所者の理学療法をこなす必要があり、それぞれに寄り添った理学療法が出来ていないと悩んでいた事が転職のきっかけでした。

いくつか通所リハを見学して現在の場所に決めたのは、

  1. リハ職の人員が多く、それぞれの利用者に寄り添った理学療法が行える。
  2. 人員が多い分、送迎や食事の日々の動作の確認やサポートも行える
  3. 他職種とも連携がしっかりと行えている
  4. 大規模な通所リハであり様々な疾患の人がいる、外部ケアマネや地域包括支援センターとの関わりも強い

などの理由があったからです。

模範解答では自分の経歴や実績を伝え、ステップアップの為の転職である事、その通所リハの特徴を踏まえた志望動機を述べました。

良くない解答

理学療法士
理学療法士

前の職場では職員同士の仲が悪く、トラブルに巻き込まれる事も多かったからです。また給料やボーナスも少ない点にも不満を感じていました。

良くない解答の補足

やはり、ネガティブな理由を全面的に押し出すのは、面接官に良い印象を与えません。

以前の職場は離職率も高く、職員同士でピリピリしている部分も実はありました。

しかし、それを面接の場で話すのは、「すぐに辞めるんじゃないか」と思わせてしまいます。本心では転職にネガティブな理由があっても言わない方が良いですね。

質問②:通所リハビリにおけるリハビリテーションのあり方についてどのように考えますか?

質問②:通所リハビリにおけるリハビリテーションのあり方についてどのように考えますか?

質問の意図は?

面接の時に実際にされた質問です。その時は意図が分かりませんでしたが、今になって思うと病院や老健、そして訪問リハ、それぞれのリハビリに対する考え方が知りたかったのだと思います。

通所リハでは退院後の利用者もいれば、ずっと閉じこもりの生活を続けた結果、認知症や足腰の低下から要介護状態になった人もいます。卒業を目指して頑張る人や、卒業出来る状態ではない人など様々です。

共通しているのはリハビリを続けて家での生活を続けたいという事です。家族や本人の意向や金銭的に入居出来ないなど、様々な理由があるものの、それらのニーズを叶える為に通所リハは存在しています。

リハビリで心身面の向上を目指すのは当然ですが、それ以上に広い視野が大切です。

一例ですが布団を敷いて寝ていた人が床から立ち上がる事が出来なくなり、それが在宅生活の課題になったとします。

その時に、「リハビリで筋力や関節の可動域を改善させる」「床からの立ち上がり動作の指導をする」のリハビリは大切になりますが、出来ない時にどうするかという事も同時に考えないといけません。

例えば、「福祉用具(ベッドや手すり)の導入」「家族に動作指導をする」なども考えられます。

極端な話、ベッドの導入をしても長年布団だった為に、全く使用しなかったケースもあります。その為、自宅にある机を手すり代わりに使用してみました。

そういう視野を持っているか、もしくはモチベーションがあるのかを答えられるとよいですね。

模範解答例

面接官
面接官

通所リハビリにおけるリハビリテーションのあり方についてどのように考えますか?

理学療法士
理学療法士

利用者様が思い描く生活を様々な方法を検討しながら達成していくものだと考えています。

例えば起き上がり動作が出来なくなった時、能力の向上だけを考えてはいけません。福祉用具の導入や、家族への動作指導など、残された能力を活かせるよう、調整を行う事も通所リハの理学療法士の役割だと思います。

模範解答の補足

通所リハに対する意見を述べ、能力の向上だけでなく、在宅生活を続ける為の方法も軽く触れています。

良くない解答

理学療法士
理学療法士

自宅での生活を継続する為にとても大切な事だと思います。

良くない解答の補足

恥ずかしながら、最初に質問を受けた時にすぐに答えられず、上記のような回答をしてしまいました(採用はされましたが)。

リハビリが大切なのは間違いありません。しかし、どのように大切なのか、通所リハに所属する理学療法士の役割を自分なりに答える事が大切ですね。

質問③:送迎や介護業務に抵抗はありますか?

質問③:送迎や介護業務に抵抗はありますか?

質問の意図は?

専任で通所リハを担当する際、リハビリ以外の業務も携わる事になるかもしれません。それに対してどう考えているかを確認しています。

病院で勤務している場合、送迎やフロアでの食事介助やトイレ介助、レクや集団体操に携わる機会は少ないでしょう。

基本的には「抵抗はない」と答えると思いますが、もう少し踏み込んだ解答があると、なお良しです。

模範解答例

面接官
面接官

送迎や介護業務に抵抗はありますか?

理学療法士
理学療法士

抵抗は全くありません。通所リハにおける理学療法士の役割は個別のリハビリだけではないと思います。

送迎時は家族との情報収集や乗車時の動作確認が出来ますし、介護業務を通じて、トイレ動作や起き上がりの実際の場面を知る事が出来ます。

これらの業務に積極的に関わっていきたいと考えています。

模範解答の補足

通所リハの目的は個別リハビリだけではありません。通所リハで過ごす時間全てがリハビリです。

通所リハの理学療法士はトイレ動作や食事動作、そして送迎時の様子や家族からの情報収集を通じて、利用者の様子を評価します。兼任ではなく、専任だからこそ、様々な視点から利用者を評価出来るのです。

介護的な業務に抵抗を感じるのではなく、むしろ積極的に関わる姿勢を面接でも見せましょう。

良くない解答

理学療法士
理学療法士

フロアが忙しい時や、送迎の人員が足りない時には携わる事が出来ます。

良くない解答の補足

リハビリ=個別リハビリと考えている際に、このような発言をしてしまうかもしれません。

通所リハには看護師や介護士、相談員の他職種が利用者にサービスを提供します。協調性がないと思われると面接での評価にも影響します。

質問④:作業療法や言語療法の知識はありますか?

質問④:作業療法や言語療法の知識はありますか?

質問の意図は?

出来る範囲ではあるものの、理学療法士も作業療法や言語療法の知識が求められる事があります。

利用者の中には、家事動作や認知面、言語面の向上を目標にしている人もいます。通所リハではリハ職員の人員が少なく、そもそも作業療法士や言語聴覚士が在籍していない事もあります。

このような場面で、他職種の知識や技術、視点を持っている事は大きなアドバンテージであり、面接官としても「一緒に仕事をしたい」と思うでしょう。

実際には作業療法や言語療法について分からない方が多く、面接官もそれに対して重きを置く事はないでしょう。分からない事は分からないと伝えましょう。

ただ、「話を盛る必要なない」の項目でもお伝えしたように、出来ない事や分からない事に対して、今後どのように対応していくかは伝えた方が良いと思います。

模範解答例

面接官
面接官

作業療法や言語療法の知識はありますか

理学療法士
理学療法士

理学療法士として働いてきたので、作業療法の知識や技術は不十分です。しかし研修や勉強会、皆様のご指導のもとで、知識や技術を身につけて、今後のリハビリに活かしていくつもりです。

模範解答の補足

作業療法や言語療法の知識は「今」は持ち合わせていないと答えつつ、今後学ぶ事で臨床に活かす事を伝えます。自分の出来ない事は伝えつつ、前向きな姿勢を見せる事が大切です。

良くない解答

理学療法士
理学療法士

理学療法士として働いてきたので、知識はありません。

良くない解答の補足

知識は持ち合わせていないと伝えて、そこで話が終了するパターンです。前向きに「これからどうしていくか」と伝えておかないと、「意欲がない」と考えるかもしれません。

質問⑤:最後に何か質問はありますか?

質問⑤:最後に何か質問はありますか?

質問の意図は?

こちらは病院や老健、職域にかかわらず聞かれるかもしれません。面接官はあなたの意欲やコミュニケーション能力を見ています。

残業の有無や有給消化率など、労働条件を確認したいと思うかもしれませんが、面接の場で聞くのは勇気が要りますし、あまり良い印象は受けません。

これらの内容は転職エージェントを活用しているなら、事前にエージェントに確認しておきましょう。

個人的に転職活動をしている場合でも、施設見学は行なっていると思うので、その時に確認しておくのが良いですね。

その他には理念など、ホームページを見れば分かる内容を聞くのも止めましょう。

模範解答例

面接官
面接官

最後に何か質問はありますか?

理学療法士
理学療法士

貴施設で予定している取り組みがあれば、教えていただく事は出来ますか?

模範解答の補足

面接官が答えてくれるかは不明ですが、自分のやる気を伝える質問として効果的です。

大規模な施設では地域包括支援センターと関わりがあり、地域リハの一環として地域の体操教室の講師としてお願いされる事もあります。

その他は通所介護への派遣や介護予防事業への派遣。これらは通所リハの専任の傍らで行える業務でもある為、専任希望であっても対応可能な範囲です。やる気や意欲の高さを是非面接官に伝えて欲しいですね。

良くない解答

貴施設の理念は何でしょうか?残業の有無や有給消化率について教えてください。

良くない解答の補足

先程述べたように、事前に調べれば分かる事や、金銭面の事を聞くのはあまり良くありません。

そもそも面接まで進んでいる段階で、仮に残業がとても多いと分かったとして、転職を辞めるわけにもいきません。

転職活動をする前に、その通所リハの事をしっかりと調べておきましょう。

まとめ

今回は通所リハで想定される質問について紹介しました。質問には全て意図があり、その意図を読み解いて解答を示す事が大切です。

通所リハでは理学療法だけでなく、送迎や介護業務、更には作業療法の視点も求められる事があります。それは通所リハでは送迎や介護業務、全てが利用者のリハビリに繋がる為です。

その事をしっかりと理解しておく事で、面接官の意図する解答に辿り着くのではないでしょうか。今回の記事が通所リハへの転職の参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

匿名のY
さん

介護業界で理学療法士として働いている1児の父。地元の理学療法士の大学に進学し、地元に就職。現在は通所リハと訪問リハを兼務。通所内の送迎等の業務、地域の体操教室の参加、リハビリテーション会議の予定調整等、様々な業務を並行して行っている。

経歴

  • 専門学校の理学療法学科 2012年卒業
  • 2013年~2015年:老人保健施設に就職
  • 2015年~現在:通所リハ医院に転職

資格

  • 理学療法士

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