現役理学療法士が考える、優秀なセラピストを目指すために必要な条件とは?

リハビリセラピストの働き方を考える
将来に悩む理学療法士
将来に悩む理学療法士

理学療法士国家試験に合格したことでモチベーションが下がってしまい、入職してからも仕事に身が入らない。早く一人前の理学療法士になりたいと思ってはいるが、どこを目標にしていけばいいのか分からない。

あなたは理学療法士として、何を目標に患者様や利用者様と向き合っていますか?一人一人の機能回復ですか?それとも技術を磨くことですか?

実は、新人理学療法士の多くは目標が定まらず、モチベーションが低下してしまうという現状があります。

なぜ、多くの若手理学療法士は目標を見失ってしまうのでしょうか。

そこで今回は、私たち理学療法士が周囲から求められる条件とは何かについて徹底解析します。患者・利用者様が実際に話していた内容を踏まえて解説するため、理学療法士の方は必見です。

記事のテーマ
  1. 患者・利用者様からの信頼を得るべき
  2. 疾患に対する知識を幅広く持つ
  3. 出会った瞬間から動作分析を始める
  4. 個別性を重視した理学療法アプローチを検討する
  5. 研修会に参加して知識や技術を磨く

新人理学療法士が、よくぶつかる壁とは?

新人理学療法士がぶつかる壁とは?

理学療法士として病院や介護施設に就職すると、さまざまな壁にぶつかると思います。

仕事量の多さなどもありますが、理学療法士としてあるべき姿が確立しておらず、目標が立てられていないことも原因ではないでじょうか。

ここでは、多くの新人理学療法士が抱えている悩みについて紹介します。

何を目標にしていいか分からない

理学療法士として働き始めたが、何を目標にしていいのか分からず、モチベーションが低下してしまうことがあります。

これは、ほとんどの新人理学療法士がぶつかる壁だと思います。知識や技術を極めた理学療法士となるのが一番であると思っても、目標が大雑把すぎるとそこに向かって頑張ろうとやる気を出すことはできません。

モチベーションを上げるためには、明確で具体的な目標を見つけることが重要です。しかし、新人理学療法士は業務を覚えることに必死で、なかなか目標を設定することができないのではないかと思います。

動作困難となっている原因を特定することができない

新人理学療法士の多くは、患者様の動作を分析することに難渋し、問題点を特定することができないという悩みを持っている方も多いです。

これは、養成校時代の臨床経験不足が原因であると思います。養成校では評価の技術練習は比較的多いですが、動作から問題点を予測するという練習は少ない印象があります。

3年目以降になると評価実習や臨床実習で実際に患者・利用者様の動きを観察しますが、ほとんどの方が指導者の助言なしでは問題点にたどり着けないものです。

その状態でいきなり理学療法士として患者・利用者様のリハビリを担当することになっても、一人で原因を特定できないのは当然のことです。

リハビリ介入が上手くいかない

患者・利用者様の能力を向上させたいが、どのようなリハビリを実施すればいいのか分からず、何をしても上手くいかないと落ち込む方も多いです。

これは、前述した問題点を特定することができないという原因もありますが、それだけでなく、理学療法アプローチの選択肢が少ないという原因もあります。

養成校時代に使用している参考書の多くは、解剖学や運動学、生理学などの知識が中心であり、理学療法アプローチに関する参考書は非常に少ないです。

そのため、どんなアプローチをするとどのような効果を得られるのかという知識が圧倒的に不足していることになります。

これでは効果的なアプローチ方法を選択して実施することはできずに悩むのは仕方のないことですね。

まずは理学療法士が周囲から求められる条件を理解しよう

まずは理学療法士が周囲から求められる条件を理解しよう

理学療法士は患者・利用者様と毎日リハビリを行うため、コメディカルの中で最も密接に関わる職業です。

そのため、患者・利用者様との信頼関係を構築することが必要不可欠になります。理学療法士が周囲から求められる条件を理解し、理想像を確立させていきましょう。

患者・利用者様が求める理学療法士とは?

私は理学療法士として4年間、リハビリ病院に勤務しています。その間、さまざまな患者様と出会い、理学療法士に対してどのようなことを求めているのか聴取してきました。意見が多かった内容を紹介します。

  1. 「話をしっかり聞いてくれると安心する」
  2. 「リハビリに迎えに来た時は、笑顔であいさつして欲しい」
  3. 「上手くできた時に褒めてくれるとやる気が出る」

上記の内容を踏まえると、患者様が求める理学療法士とは、知識や技術以上にコミュニケーション面の要素が大きいと分かります。

そのため、患者様から信頼される理学療法士になるためには、コミュニケーション能力を磨く必要があると思われます。

日本理学療法士協会が求める理学療法士とは?

日本理学療法士協会会長である半田一登さんは、「理学療法士はスペシャリストよりもジェネラリストを目指すことが大切である」と述べています。

数年前までは、理学療法士とはリハビリの知識・技術に特化したスペシャリストであるという考えが一般的でした。

しかし、効率的なリハビリ介入をするためには疾患の知識や患者様の健康状態などを把握し、リスク管理を徹底する必要があります。

そのため、近年では、理学療法士とは幅広い知識・技術を有するジェネラリストを目指すことが重要であるという考え方に変わってきています。

幅広い分野の知識・技術を有するため、私たち理学療法士は常に勉強を続けていく必要があるということになります。

理学療法士に必要な知識・技術

理学療法士に必要な知識・技術

前述したように、理学療法士はジェネラリストであることが求められるため、さまざまな知識・技術を習得する必要があります。

優秀な理学療法士になるため、どのような知識・技術を磨いていく必要があるのか解説していきます。

さまざまな疾患に対する知識・リスク管理

理学療法士としての質を高めるためには、疾患の知識、栄養状態、薬の効果・副作用などを把握しておくことが重要です。元気そうに見える患者様でも、高血圧症や糖尿病、心臓病の既往歴がある可能性も考えられます。

また、食事摂取量の不足や、内臓の機能低下が原因で栄養状態が悪化していることもあります。これらの情報はどれも患者様を見ただけで把握することはできないため、気付かずに負荷量の高いリハビリを継続していると大変なことになってしまいます。

そのため、事前に患者様の情報収集を行ってからリハビリを開始することが重要です。

動作分析スキル

理学療法士の真骨頂と言っても過言ではないのが動作分析スキルです。患者様がどうして立てないのか、歩けないのかを分析し、そこから細かい評価を行っていきます。

片麻痺や骨折を呈している患者様は、動かしにくい手足を使用せず、健康な手足だけを使用した動作を行いがちです。しかし、それではいつまで経っても機能低下している手足は回復せず、今後の生活に悪影響を及ぼしてしまいます。

動作分析で重要なのは、患者様が無意識に行っている動作を評価することにあります。「立つところを見たいので立ってみてください」などと声掛けを行ってしまうと、患者様は緊張してしまい、普段の動きと異なってしまいます。

そのため、患者様に出会った瞬間から動作分析を始めるようにしてください。

リハビリに行く時にどのように起きるのか、話しながら歩いてもふらつかないかなどが重要になります。

理学療法アプローチの検討

動作分析や細かい評価結果をもとに患者様の問題点を考察し、それに合わせた理学療法アプローチを検討していきます。

ここで重要なのが、同じ疾患でも問題点は異なるということです。片麻痺を呈している患者様が全員同じ動き方をすることはあり得ませんし、骨折や廃用症候群の患者様でも同様です。

一概に歩けないと言っても、筋力低下が原因なのか、痛みや関節可動域制限が原因なのかは評価しないと分かりません。

どこの部位が原因なのか、痛みはどの程度なのかを踏まえ、患者様一人一人に合わせた理学療法アプローチを立案・実施するようにしましょう。

研修会の重要性を再認識しよう

研修会の重要性を再認識しよう

理学療法士として知識や技術を磨くため、研修会への参加がおすすめできます。全国各地でさまざまな分野の研修会が開催されていますが、どの研修会に参加しても貴重な経験をすることができます。研修会に参加することでどのような利点があるのか紹介していきます。

すぐ臨床に活かせる内容が多い

研修会では、すぐ臨床に活かすことのできる知識や技術を学ぶことができます。若手理学療法士の多くは経験不足から、問題点の特定や理学療法アプローチの選択に難渋しています。

しかし、どれだけ参考書に目を通しても技術が磨かれることはありません。最近の研修会では理学療法士同士で手技を実践し、実際に患者・利用者様に実践する機会もあります。

若手理学療法士でも積極的に研修会に参加することで、より多くの知識や技術を取得することができます。

分かるまで徹底的に教えてくれる

研修会では講師の方が分かるまで徹底的に教えてくれるため、疑問を残さずに終えることができます。

講義の合間には質問する時間を確保しており、発言できなかった方に対しても終了後のアンケート用紙に記載することで、後日、書面上で説明してくれます。

参加費を払って研修会に参加しているので徹底的に教えるのは当然のことかもしれませんが、今まで知らなかった知識や技術を教えてくれることが魅力の一つです。

ほかの理学療法士と交流することができる

研修会に参加することで、ほかの理学療法士の方と交流することができます。若手理学療法士もたくさん研修会に参加しているため、お互いの悩みを言い合う機会を作ることができます。

また、ベテラン理学療法士から貴重な意見をいただくこともでき、研修会の内容以外の知識や技術も得ることができます。

交友を広めておくとおすすめの研修会情報なども教えてもらえるため、いいことばかりだと思います。

まとめ

優秀な理学療法士を目指すためには、患者・利用者様の信頼を得ることや知識を幅広く持つこと、評価や治療の専門知識・技術を磨き続けることが大切です。

そのためには、患者・利用者様の気持ちを考えながら対応できるレベルのコミュニケーション能力が重要と考えます。

また、幅広い知識を得るためには勉学を続ける必要がありますが、独学では効率が悪く、偏った知識が身に付きやすい傾向にあります。

今後は、私が実際に参加した研修会の内容について紹介していく予定です。若手からベテランにかけて、年代問わず役立つ情報を発信していきたいと思っていますので参考にしていただければと思います。

この記事を書いた人

トッシー

専門学校卒業後にリハビリ病院に入職し、脳卒中や大腿骨頸部骨折術後の患者様のリハビリを中心に行っています。現在は入職して4年目になるため、リハビリだけでなく、若手の育成指導にも力を入れています。また、休日は理学療法の研修会に積極的に参加し、脳卒中認定理学療法士の資格を取得するため日々勉学を続けています。

資格

  • 理学療法士
  • ケアマネージャー
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