PTが転職して通所リハ専従になって良かった事3選。病院や老健で得られない事とは?

リハビリセラピストの働き方を考える
※画像はイメージです。
通所リハ専任を考えるPT
通所リハ専任を考えるPT

老健で入所リハと通所リハを担当していたけど、転職先では通所リハの専任になる。今度から送迎業務も加わるけど、運転も心配。理学療法士として送迎業務に関わるメリットはあるの?

老人保健施設で働く理学療法士は入所と通所の業務を兼任するケースも多くあります。通所に通う利用者は自宅の様子の評価も必要ですが、兼任だと理学療法に追われて確認出来ないケースも多いでしょう。

通所リハに専属で勤務すると避けては通れないのが送迎業務です。運転や乗車は大変ですが、自宅の様子を確認する絶好のチャンスです。家族からの情報聴取、玄関での様子など、日々の理学療法に活かせる情報が満載です。

今回は通所リハ専属になった際に避けては通れない送迎業務、その魅力について解説します。

記事のテーマ
  1. 送迎では準備時間や、乗車の様子から身体面を評価出来る
  2. 自宅や周辺の様子を確認し、理学療法に活かす事が出来る
  3. 送迎手当による給与の底上げもありうる

質問があれば気軽にコメントください

送迎業務のある通所リハに転職するメリットは?

送迎業務のある通所リハに転職するメリットは?

通所リハでは基本的に利用者の家まで迎えに行き、利用者を家まで送る送迎があります。迎えに行く時には以下の確認が必要です。

  1. 昼食後、薬・入浴用品・紙パンツやパット・連絡帳など必要なものが揃っているか
  2. 体調に問題がないか

更に利用者を家まで送った際には以下の事を家族に伝えます。

  1. 通所リハでの様子(変わりがないなら変わりなしの一言を添える)
  2. 転倒や体調不良など、特記事項があれば家族に伝える

迎えに行った際、乗車出来る人はそのまま車に乗り込みますが、車椅子の方はリフトに乗せる対応が変わります。更には利用者宅のルートの確認の他、安全運転は必須です。

この送迎業務ですが、理学療法士だからこそかかわって欲しいと個人的には思います。この項目では送迎業務のある通所リハに理学療法士が転職するメリットについて紹介します。

メリット①:本人や家族が何に困っているのかを確認出来る

1番のメリットは本人の生活の場面を確認出来る点です。例えば、移動の面では以下の事が確認できます。

  1. 上がり框の昇降は可能か?
  2. 外玄関から車までの移動は可能か?
  3. 居室から玄関まで移動時の歩行の様子
  4. 靴の着脱 など

準備の面では以下の事が確認できます。

  1. 認知面の低下から準備の際に忘れ物が目立つ
  2. 同じ時間帯に迎えにいっても、準備が出来ていない

送迎時の移動や準備の様子から自宅での利用者の姿を予測出来るのです。例えば、上がり框の昇降が困難になっている場合に「玄関で転倒するリスク」や、「外出に行くのが億劫に感じてしまう」などの可能性を考えます。準備が出来なくなっているなら、認知面の低下から家事の失敗、頻度の低下が考えられます。

また、送迎の時に同居している家族と話が出来る点もメリットです。家族から以下の事も確認出来ますね。

  1. 最近の様子(移動時に転倒していないか、外出は出来ているか)
  2. 歩行器やベッドの福祉用具を導入した際に、それを使えているか
  3. 本人に渡した体操メニューをちゃんと継続出来ているか
  4. リハビリ会議の予定のお知らせを伝える など

家族は利用者と生活している為、利用者の生活を把握しています。家族が何に困っているのかを理学療法士の立場から確認する事で、メニューの立案の参考になるのです。

もちろん、利用前の担当者会議で家族と話をする機会はありますが、利用者の状況は刻々と変わります。理学療法士が送迎にかかわる事で、生きた情報を得られるのです。

メリット②:外出支援の具体的なイメージを掴みやすい

利用者の目標は自宅での生活を継続するだけではありません。より高い目標を目指している利用者もいます。例えば、

  1. 自宅、もしくは近くにある畑で野菜を作る
  2. 近所のスーパーまで買い物に行く
  3. 体操教室に参加する など

外出を想定する目標の場合は、実際にその周辺を確認出来ます。

  1. 自宅からの距離
  2. 交通量や信号の有無
  3. 道路の状況 など

通所リハの時間内に家の近くに行って確認出来れば良いですが、業務もあるので難しいですね。そんな時に役に立つのが送迎です。目標の達成にはどの程度の歩行距離の獲得が必要か、途中で休めるところがあるかを確認してからの方が安心です。実際の場所を見る事でメニューの立案の参考になります。

注意が必要なのは、あくまでも送迎の最中という点です。チラッと確認するなら問題ありませんが、評価に時間をとられると他の利用者を待たせる事になります。

じっくり確認する場合は、帰りの送迎の時に確認を行う。更に評価をする利用者を最後になるように調整するなどの工夫が必要でしょう。

メリット③:送迎手当により給与が底上げされるケースもある

昨今、通所リハや通所介護の車両による事故も多く、運転手は加害者になるリスクが少なからずあります。全ての職場がそうではないものの、勤務先によっては送迎手当が出るケースもあります。

例えば、私の職場では1回の運転につき500円の手当が出ます(ハイエースの添乗員にはつきません)。送迎に出ない日、添乗員の日、休日を差し引いても1万円以上給与が底上げされます。ただ送迎手当のない事業所も多く、支給されても安価な場合もあります。その点は事業所によりますね。

社会保険料が国家を圧迫する中で、理学療法士の給与は必ずしも恵まれているわけではありません。もし手当が支給される事業所がある場合は大きなメリットと言えるでしょう。

送迎手当については、求人情報に記載されているケースもえれば、就職して初めて知るケースもあります。私は後者であり、想定したより給与が増えた為、助かりました。

通所リハ専従に転職すべき理学療法士とは?

通所リハ専従に転職すべき理学療法士とは?

専任業務として通所リハに携わる場合は、送迎に限らず理学療法以外の様々な業務も担います。送迎以外ではバイタル測定、フロア内の誘導、トイレ介助、食事介助が挙げられます。通所介護の場合は更に集団体操や外出レクの頻度も増える為、更に業務は増えるでしょう。

それを負担に感じる人もいますが、利用者の生活を把握する上ではむしろメリットにもなるのです。続いて通所リハ専従の事業所に転職すべき理学療法士について解説していきます。

例①:生活リハビリに対してのアプローチを考える理学療法士

そもそも通所リハには「利用者が可能な限り自立した生活を送ることを目的とし、日常生活に関わる動作の維持・向上を目指す」という目的があります。通所リハにおけるリハビリとは理学療法士や作業療法士、言語聴覚士がかかわる個別リハビリだけではなく、通所リハで行われる事全てです。

例えば、自宅でトイレを自立する事を目標にする場合、通所リハのトイレの際に過介助になるとその人の出来る能力をとざしてしまいます。トイレ動作において「何故出来ないのか?」「こうすればズボンの上げ下ろしが出来る」の評価は専従で通所リハに携わる上では必須です。

そして、アプローチとは動作指導だけではありません。例えば歩行能力が低下し、自宅の上がり框や外玄関の段差の昇降が困難になったとします。その時に手すりを導入する、車椅子が必要な段階にあるか、代替手段の検討も一つの選択肢になるでしょう。

通所リハでの様子を評価し、動作方法や代替手段を提示出来る理学療法士は頼りになりますし、転職しても即戦力になれるでしょう。

例②:1人の症例に深くかかわっていきたい理学療法士

例えば、急性期や回復期の病院の場合、当然ながら患者は退院します。退院後も支援が必要な場合は通所リハや通所介護、訪問リハがその役割を担います。通所リハを利用する際に卒業を視野に入れた利用者もいますが、大抵の利用者は自宅での生活を継続する為に、長期的に利用を続ける利用者も多いです。

個別リハビリや生活リハビリを通じて身体能力の改善も望まれますが、やはり長い目で見れば出来ない事も増えていきます。専従の通所リハに転職する事で、1人の利用者に対して長期的にかかわる事が出来ます。それは個別リハビリだけではなく、前述した生活リハビリの他、家族の協力も必須になります。

訪問リハビリも1人の利用者について長期的に深く携わる点は同じです。ただ通所リハの場合、利用時間が6~8時間の1日型のケースだと、より多くの時間を利用者とかかわる事が出来ます。1日型の場合は送迎から入浴、トイレや食事、歩行の一連の生活場面を確認出来ます。また、介護士や看護師の多くの視点がある為、多角的に利用者の評価が可能です。

「最近入浴の時に着替えが一人で出来ない」「集団体操で手足を同時に使った体操が出来ていない」など、能力低下の兆候は色んな場面で出てきます。これらの声を聞く事が出来るのも専従で携わるメリットです。

例③:他職種との連携を重視する理学療法士

専従で通所リハに携わる場合、上記に挙げた様々な業務を他職種と行います。介護士は入浴介助の介護業務を、看護師は処置や体調確認を担いつつ、最終的には利用者の目標を達成する為に同じ方向を向く必要があるのです。その為には他職種との情報共有が必須です。

兼任で入所や病棟のリハに携わっていても、情報共有を図る事は勿論必須です。ただ部署をまたぐ事で、その利用者とかかわる機会はどうしても少なくなりますし、他職種との連携も同様です。個人的には通所なら通所、入所なら入所というように専従で携わる方が、他職種との連携は図れると考えています。

だからこそ、他職種との連携を重視する理学療法士にとっては専従で携わる方がメリットは大きいと思います。

送迎業務のある通所リハの流れ

送迎業務のある通所リハの流れ

通所リハの利用時間は1~2時間や2~3時間のように1時間毎に料金が変わります。大きく分けると6~8時間程度の「1日型」、昼食を挟まない1~3時間の「短時間型」に分けられます。

利用時の流れも、入浴は自宅行う利用者や、退院して間もないため、短期集中リハビリの加算を算定している利用者など様々です。ここでは一例について紹介します。

例①:1日利用(6~8時間)のケース

1日型は9時や10時といった早い時間に利用者を迎えに行き、16時や17時といった時間に利用者を家まで送り届けるケースです。

  • 9時~
    送迎
  • 10時~
    バイタル測定
  • 10時15分~
    入浴や作業活動
  • 11時30分~
    集団体操
  • 12時~
    昼食
  • 13時~
    静養
  • 14時~
    レクリエーション
  • 15時~
    おやつ
  • 15時30分~
    帰宅準備
  • 16時~
    挨拶後、帰宅
  • 16時15分~
    送迎

これらの予定の中で、随時個別リハビリに利用者を誘導します。利用者の中には入浴前や、午後からのリハビリを希望する利用者もいますし、状況に合わせて臨機応変に対応。送迎は朝と夕方にあります。

こちらのケースだと利用者のニーズも幅広く、個別リハビリは勿論の事、入浴やレク、食事など様々です。その分生活リハビリとして理学療法士が関わる場面も増えと思います。

例②:短時間利用(1~3時間)のケース

1回目

  • 8時30分~
    送迎
  • 9時~
    バイタル測定
  • 9時15分~
    個別リハビリ
  • 10時15分
    帰宅準備後 帰宅(利用者を下ろした後で次の送迎)

2回目

  • 11時~
    バイタル測定
  • 11時15分~
    個別リハビリ
  • 12時15分
    帰宅準備後 帰宅(利用者を下ろした後で次の送迎)

3回目

  • 13時~
    バイタル測定
  • 13時15分~
    個別リハビリ
  • 14時15分
    帰宅準備後 帰宅(利用者を下ろした後で次の送迎)

4回目

  • 15時~
    バイタル測定
  • 15時15分~
    個別リハビリ
  • 16時15分
    帰宅準備後 帰宅(利用者を下ろした後で次の送迎)

こちらのケースは短時間利用で利用者はリハビリに特化した人になります。職員の休憩の割り振りはシビアになりますし、2回目、3回目の時間帯は職員の休憩時間を踏まえて、人数を減らす工夫が必要でしょう。身体能力的には自立している利用者がほとんどであり、介助負担は少ないでしょう。その分、リハビリの目標についても外出頻度の高い目標を目指している利用者もいます。

入浴や昼食のサービスは提供せず、1回ごとの利用者は少ないので少ない人員配置で営業出来る点がメリットでしょうか。

ただ利用者を自宅に送り届けた後に次の利用者を迎えにいくケースもある為、送迎時の評価は手短になります。もし、自宅や屋外の評価をしたい場合は、「夕方にまた確認に行く」などの工夫が必要かもしれません。

転職するならどういった業態にすべき?

転職するならどういった業態にすべき?

先ほどは利用時間による通所リハの違いについて紹介しましたが、業態も違いがあります。最後にそれぞれの業態とその特徴について紹介します。業態の中には通所介護(デイサービス)も含まれています。

近年では通所介護で勤務する理学療法士もいますので、こちらも参考にしていただけたら幸いです。

おススメ第1位:専従による通所リハ、独立型の通所介護

まず、おススメなのは専従による業務形態です。

  1. 独立型の通所介護
  2. 理学療法を提供しない医院や病院に併設した通所リハ
  3. 老人保健施設でも専従で通所リハに携わるケース など

私が働いているのは泌尿器科医院に併設した通所リハです。外来では理学療法を行なっていないので、併設した通所リハの専従で携わっています。

そこで、送迎業務を含む生活リハビリにも携わっています。時間帯によってはフロアでの対応もしつつ個別リハビリをする事もあり、忙しい事も多いです。それでも専従をおススメするのは、個別リハビリ以外の時間も利用者とかかわる機会が多い点ですね。

おススメ第2位:兼任による通所リハや通所介護

続いては兼任による業務形態です。

  1. 老人保健施設と併設した通所介護や通所リハ
  2. 外来や病棟と併設した通所介護や通所リハ

が挙げられます。この形態は通所を利用する利用者だけでなく、入所や外来など様々な症例を学べるメリットがあります。業務時間内にどのようにリハビリを進めるかはそれぞれですが、来所前や帰宅後、利用者が通所リハに来ていない時間帯に入所のリハビリに携わる事が多いでしょう。

「個別リハビリ」に携わる時間が多い分、送迎に行く機会は少なくなると思われます。

おススメ第3位:サ高住併設型通所介護

サ高住とはサービス付き高齢者向け住宅の略の事です。自立した要介護者や要支援者を受け入れていますが、入浴や食事で介助が必要な場合を想定して、ヘルパーや通所介護が併設されている場合もあります。

近年では、サ高住併設型通所介護の理学療法士の求人も増えています。こちらの通所介護では近隣の住宅に住む利用者もいますが、サ高住で生活する利用者の割合は多めです。

転職するメリットとしては通所介護が終わった後は、サ高住に戻る事になるので情報収集や施設間での連携が行いやすい点です。また、部屋の環境も把握しやすいので、「サ高住で生活を継続する為にどうすれば良いか」という目標設定は立てやすいでしょう。

ただ、サ高住の利用者が多い程、家屋訪問や送迎の機会は少なくなる為、少々画一的になるかもしれません。

まとめ

今回は通所リハの専従として働くメリットとして、送迎業務について紹介しました。送迎は安全が大事であり、精神的にも大変な業務の一つですが、理学療法のアプローチを考える上ではとても意義のある事だと思います。

身体面や認知面の確認の他、家族とのかかわりも深める事が出来ますので、送迎をなんとなく行うのではなく理学療法の一環として行う視点を持っていただけたら良いでしょう。

「転職するならどういった業態にすべき?」で、私の主観でおススメの施設を紹介しましたが、

  1. 自分は兼任で様々な症例をみたい
  2. サ高住での生活を通じて、利用者の生活に寄り添いたい

などそれぞれ思う事はあると思います。今回の記事が、「通所リハや通所介護に専従で働きたい」と考えるキッカケになれば幸いです。

この記事を書いた人

匿名のY
さん

介護業界で理学療法士として働いている1児の父。地元の理学療法士の大学に進学し、地元に就職。現在は通所リハと訪問リハを兼務。通所内の送迎の業務、地域の体操教室の参加、リハビリテーション会議の予定調整、様々な業務を並行して行っている。

経歴

  • 専門学校の理学療法学科 2012年卒業
  • 2013年~2015年:老人保健施設に就職
  • 2015年~現在:通所リハ医院に転職

資格

  • 理学療法士

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