人事・採用担当の理学療法士が教える『転職』で得する人、損する人

リハビリセラピストの働き方を考える
転職を考えている理学療法士
転職を考えている理学療法士

今の職場を辞めて新しいところに就職しようと思っているけど、何をどうアピールしたら良いかわからない。転職に役に立つ方法や面接の時の対策、アピールできる履歴書の書き方を教えて欲しい。

多くの理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が同一施設で3~4年程度働くと、様々な理由から転職活動を始めます。転職活動では、応募者の対応により希望通りの条件で採用される人もいれば、何度も不合格を繰り返し思ったところに就職できない人もいます。

この差は一体何なのでしょうか。人事担当として何十人もの面接を担当し、自身でも多くの転職経験がある筆者が解説します。

記事のテーマ
  1. 転職には自己アピールが最も重要
  2. インパクトのある履歴書は武器になる
  3. 資格や経験、スキルも重要

転職では自己アピールが上手な人ほど採用されやすい

転職では自己アピールが上手な人ほど採用されやすい

理学療法士や作業療法士などの専門職の採用は、いかに面接で自己アピールをすることが重要と思っている人はいませんか。

実は、それこそが専門職が陥りやすい大きな間違いです。もちろん面接は就職における重要なイベントですが、面接の前からあなたの評価は始まっています。

得する人の特徴①:電話対応から面接が始まっていると考える人

求人広告を見て応募をする場合、採用担当者に就職希望するという旨を伝えると思います。この時、採用担当者は応募者の電話対応方法を評価しています。声のトーン、話し方、理解力、受け答え方法など、担当者は電話からでも様々な情報を得ることができます。

私が採用担当をしていた頃、特にこの電話対応を重視していました。就職希望の電話を受け取った後、別の担当者に電話連絡があったことを伝えます。その際、必ず私が電話越しに受けた印象を伝えていました。

もちろん電話対応だけで全てが決まるわけではないですが、電話対応であまり良い印象でなかった人が、面接で優れたパフォーマンスを見せた人はいませんでした。

得する人の特徴②:第一印象を大事にしている人

面接では、第一印象で7割方合否が決まると言われています。面接場面に合わない服装で来るのは論外ですが、例え私服で良いと言われても面接場面にはスーツ姿が望ましいです。フォーマルな衣装には誠実さや就職に対する意気込みが表れます。

採用は雇う側にしても博打なので、出来るだけリスクを避けたいと考えます。より長く働いてもらうためには、誠実そうな人が好まれる傾向にあります。

面接担当者は、面接中の応募者のコミュニケーション方法についても着目しています。言語的なやり取りはもちろん、面接官が話している時の聞き方や視線の方向、表情の変化なども重要な評価ポイントです。これらの点をクリアして初めて面接官はあなたに興味を持ち始めます。

得する人の特徴③:面接官に興味を持たせる強みを準備する人

大きな施設や病院であれば、面接官は一日に何人もの応募者の面接を行います。面接官も人間ですので、面接をした全ての応募者の特徴を正確に把握している訳ではありません。

あまり印象が残らない応募者のことは、実はあまりよく覚えていないことも多いです。そのため、他の応募者にはない独自の強みを用意しておくことは重要です。

あくまで面接官に印象付けるためなので、仕事に関わること以外でも大丈夫です。「世界一周旅行をしたことがある」や「甲子園に出場した」など仕事とは直接関係のないことでもうまく伝えることで、「世界一周旅行をしたことがある○○さん」といったように、面接官が採用判定をする際に助けとなります。

得する人の特徴④:退職理由を入念に準備する人

面接官が転職する際に必ず聞くのが、「退職理由」です。退職理由を聞くことで応募者の今後の退職傾向を探ることができます。採用するのであれば、出来るだけ長く働いてもらいたいというのが面接官の本音です。

頻繁に転職を繰り返している人や、退職理由が人間関係でのトラブルである人には警戒心を緩めることはできません。

そのため、事前に面接官も納得するような退職理由を準備しておく必要があります。たとえ人間関係上のトラブルで退職した人であっても、そのトラブルを解決するためにどんなことを行っていたのかを添えて説明すると良いでしょう。

履歴書は最高のアピール素材

履歴書は最高のアピール素材

履歴書は就職や転職において、応募者自身をアピールする最高の武器となります。面接官は面接前に履歴書に目を通し、応募者の人物像を想像します。履歴書に散りばめられた数々の情報から面接の際に質問することを事前に用意しています。

そのため、履歴書に書いてある情報が多いほど面接官は応募者に興味を持ちやすくなります。

ポイント①:頼まれなくても職務経歴書は準備しておく

作業療法士や看護師、介護福祉士などの医療系・福祉系の仕事では面接時に職務経歴書の持参を命じられることはほとんどありません。

しかし、他の業種の転職においては職務経歴書の提出は必須となっていることが多いです。

履歴書は一般に販売されているものであれば形式や書き込める情報量に制限があります。職務経歴書では形式が決まっておらず枚数や文字数にも指定がありません。履歴書に記載しきれない情報を、職務経歴書に書き込むことが出来るのです。

さらに職務経歴書は、面接担当者が特に興味を持っている前職での仕事内容や役職経験などの情報が詳細に記載されます。そのためより、応募者の職務経験を理解しやすく応募者に対する興味も持ちやすくなるでしょう。

ポイント②:リーダーなどの役職経験は特に細かく記載する

面接担当者は、応募者が現在の職場環境にフィットするだけでなく将来の可能性についても評価します。特に管理者が不在の場合は、管理者候補として相応しいかどうかも考慮します。

もし、応募者に役職経験があれば役職者とどの程度の経験があるか、どのようなタスクをこなしていたか等に興味を持つでしょう。

履歴書に詳細に情報が記されていれば、面接官はより具体的な質問をしやすくなります。役職者の経験としての成功体験や失敗体験を書くことも良いアピールとなります。

ただし、失敗体験を記載する際は、履歴書に記さなくても「失敗から何を学んだか」等の答えは用意しておきましょう。

ポイント③:珍しい経歴は必ず記載

大きな法人であれば、採用面接は一日に何回も行われます。特に役職経験がある、コミュニケーション能力がずば抜けているなどのアピールポイントが少ないと面接官の記憶に残ることが難しい場合もあります。

また、プライベートでも特に目立った趣味や特技を持っていない人は印象が弱くなりやすくなります。

そういった場合には、仕事での具体的なエピソードを記載することをお勧めします。例えば、仕事で失敗したことをどのように考えて、どう乗り越えたのか。その失敗を繰り返さないためにどのような対策をとっていたのかを記載するだけでも好印象となりやすいです。

ポイント④:聞いてほしいことは履歴書に忍ばせる

履歴書を書く際に必ず気を付けるべきところは、履歴書は一方的な情報提示ではなく履歴書を参考に面接が進行するという点です。面接官は履歴書から情報を拾い応募者に数々の質問をします。

最初は経歴や志望動機を中心に面接が進むことが一般的で、後半になると応募者の人柄を評価する質問が増えてくるでしょう。

面接は面接官主導で行われるので、応募者が自ら情報を発信することが難しい場合があります。本当に言いたかったことが言えなければ、応募者は不完全燃焼で面接が終了してしまうことが多々あります。

本当に伝えたいことを履歴書に忍ばせておくことで、その事に関する質問の可能性が増えるかもしれません。露骨にアピールをすれば逆効果になる場合もありますので、さりげなく情報として履歴書に盛り込むようにしましょう。

面接時の交渉は可能な限り行う

面接時の交渉は可能な限り行う

面接は相手の質問に一方的に答える場ではありません。面接では採用する側が圧倒的に優位と思われがちで、相手の言われるがままの条件を受け入れてしまいがちです。

しかし、妥協して仕事を開始すれば、様々な不満に直面して結局早期退職となる場合もあります。面接はあくまで交渉の場と捉え、可能な限り条件を提示してみましょう。

面接前に交渉したいことやそのゴール地点を明確にしておく

面接は交渉の場と言っても、無計画に面接に臨んだり、不可能な条件を提示したりすると応募者の印象は悪くなってしまう可能性があります。まずは、応募者自身の優先順位をつけ、特に重要視したいことをリストアップしておくとよいでしょう。

また、リストアップした条件についての最低限の着地点を定め綿密に計画を立てておくことをお勧めします。

給与額はあなたに対する評価

面接の際に最も重要な決め事の一つが給与額です。給与額は応募者に対する評価の表れで、施設ごとに独自の算定方法があります。独自の算定方法に評価点を加えた額が応募者の報酬となります。

通常では独自の算定方式で出された額が応募者の給与となりますが、面接で好印象をアピールできれば、採用担当者は評価点を加えても応募者を獲得したくなります。

評価点の目安としては、前職の給与額となります。前職の方が高報酬である場合には、前職の年収を伝えることも効果的です。また役職経験があればその経験も評価点につながりやすいので忘れずに伝えるようにしましょう。

お互いの妥協点を探し出し提案する

お互いの条件が譲られない場合は、その主張を貫き通すとその面接は失敗することが多いでしょう。少し難しいですが、一方的に主張するのでもなく相手の主張をそのまま受け入れるのではなく、妥協点を探し出し面接官に提案してみましょう。

こういった交渉のスキルは実はすごく重要で、うまく調整できた際には応募者に対する評価も格段に上がっているでしょう。

育児中の人は勤務条件に関することを細かく確認

子育て中の人は、育児に関する会社の対応についてしっかりと聞いておく必要があります。時短勤務の有無や、子供の急な発熱やケガの際の対応方法、育児休暇等の法整備の有無、行事やイベントの際の休暇申請、育児中の他の職員の勤務状況等の情報を面接の際に明らかにしましょう。

働き始めてからトラブルとなりやすい部分でもありますので、事前に聞きたいことをリストアップしておくことをおすすめします。

転職活動で損をするのはこんな人

転職活動で損をするのはこんな人

反対に、転職活動で損をしてしまう人はどんな人でしょうか?転職活動で損をする人は、なかなか就職が決まらなかったり、あまり良い条件で就職できなかったり、思っていた条件と働いてみるとかけ離れたりする人です。

こういった人は、転職しても満足できず退職してしまい自分の評価を下げてしまう人です。どういった人が損をする人に当てはまるのでしょうか。

損する人の特徴①:計画性のない人

転職活動には、少なからず様々な計画性を要します。応募者自身が望む条件の就職先を探すために、退職する前から準備をしておく必要があります。良い条件の転職先を見つけたとしても退職できる準備が整っていないと、転職することはできません。転職を決めた瞬間から転職のための計画を立てる必要があります。

多くの場合は、現職で働きながら転職を探すことになります。そのため多くの法人と面接を受けようとしても、時間的制約があるため面接の日程調整が必要です。優先順位をつけ手早く行動しないと条件の良いところから先に応募が終了してしまうでしょう。

転職面接は、駆け引きの場でもあります。最大限のパフォーマンスを見せるためには、事前から計画を立てておく必要があります。

損する人の特徴②:ビジョンが曖昧な人

転職面接では多くの場合、応募者のビジョンに対して質問がされる傾向があります。ビジョンは、応募者自身が今後のキャリアに対してどのように考えているか、どのような目的が持って新しい職場で働こうと思ったのか等です。

特にキャリア形成に関しては、法人の成長にも関わることなので、より詳しく聞かれるかもしれません。

特に大きな法人では、明確なビジョンを持っているか持っていないかでも評価は大きく変わってきます。転職希望する法人でどんなことを成したいのか等を、面接前に今一度考えを深めるようにしてください。

損する人の特徴③:条件交渉が出来ない人

面接は、転職前に数少ない条件交渉できるチャンスです。ここで交渉されたことは、就職後も大きく変わることはありません。同様に、交渉されなかった点も大きく変更することはないでしょう。

私が関わった多くの応募者は、就職してからその事実に気がつき後悔した人も多くいます。

事前交渉は応募者の正当な権利です。周りに流されず、しっかりと自分の意見を伝えましょう。

転職活動で役立つ経験・スキル・資格

転職活動で役立つ経験・スキル・資格

それでは、最後に転職に役立つ経験やスキル、資格などについて紹介します。これらを持っているとそれだけで応募者の強みとなります。持っている資格や経験によっては報酬に加算される場合もあります。それぞれについて紹介します。

役立つ経験・資格①:役職経験者

訪問リハビリテーションで就職を希望する場合は、まずその病院およびクリニックの診療科目およびリハビリテーション医の専門を調べましょう。

訪問リハビリの処方が出る利用者はそのほとんどが、その病院の患者からとなります。

そのため、整形外科系の病院なのか、脳神経系の病院なのかは押さえておいた方が良いでしょう。もちろん全てがその限りではないですが、その傾向が強いことは間違いありません。

訪問リハビリは兼務か専従なのか、現在働いている訪問リハビリのセラピストはどのような勤務体系で働いているのかを面接の時に聞いておくと働くまでの間に心構えができます。

役立つ経験・資格②:現職以外の医療系・福祉系資格

理学療法士や作業療法士以外の医療系の資格や、福祉系の資格を持つ人も重宝されます。特にケアマネジャーや看護師の資格を持つ人は、新しい事業を立ち上げる際にその資格要件が必要となることもあるので、就職する際に有利となりやすいです。

また、努力家であることを証明する手段となり得るので、資格として利用しなくても持っているだけで応募者に対する信用が高くなる場合があります。

役立つ経験・資格③:コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルもまた重要なポイントです。コミュニケーション能力は、目には見えにくいので判断しにくい場合がありますが、面接の際にコミュニケーションが得意な人と苦手な人とでは、その印象に大きな差が表れます。

医療・福祉系業種にとってコミュニケーション能力は必要不可欠な能力なので、この能力に秀でている人は、経験が無くてもその将来性を買われることがあります。

まとめ

人事・採用担当の立場から言わせて頂くと、転職の際に得する人や損する人は必ず存在します。得する人は自分のキャリアのことを真面目に考え、計画性を持って転職活動に取り組める人です。

逆に損する人とは、自分の将来について楽観的に考え、転職活動に対して十分な準備が出来ない人です。

ちょっとした違いかもしれませんが、両者の違いは今後のキャリア形成に大きな差となって表れるでしょう。

納得できる職場に転職できるように、一度自分自身の転職活動について見直してみましょう。

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この記事を書いた人

もしもし

独学での限界を感じ、専門的に理学療法を学びたいと感じ理学療法士の専門学校夜間部に入学。理学療法士および作業療法士として医療や介護、スポーツの分野にも携わる。現在は地域医療を担うクリニックのリハビリテーション部門の責任者として勤務する。オーストラリアへ留学経験もあり、現地の精神科デイケアで働きながらコミュニティサービスワーカーの資格を取得している。

資格

  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • ケアマネージャー

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