訪問リハビリは1日何件訪問?理学療法士の1日スケジュール

リハビリセラピストの働き方を考える
理学療法士
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1日何件訪問するのか、イメージが湧かない。患者の症状に応じて施術の時間が変わったり、地域によっては移動時間がかかったりするので、具体的に何をしているのか知りたい。

相場を知るということは、とても大切です。

訪問リハビリの1日の訪問件数は一般的にどの程度なのかを知ることによって、自分の働き方を考えるきっかけになることでしょう。相場を知らないと上手な買い物ができないのと同じように、訪問リハビリのおおまかなスケジュールを知らないとうまく立ち回れません。

今回は、訪問リハビリにおける理学療法士の1日スケジュールについて、中間管理職として5年間働いた私の経験から解説していきます。

記事のテーマ
  1. 妥当な1日の訪問件数
  2. 具体的な訪問リハビリで働く理学療法士のスケジュール
  3. 訪問件数と収入

質問があれば気軽にコメントください

訪問リハビリは1日何件の訪問が理想的?

訪問リハビリは1日何件の訪問が理想的?

働き方を考えるうえで、1日何件の訪問をすればよいのか、スケジューリングは重要です。1回あたりの施術方法や時間によって変動はありますが、効率的に施術するためにも、時間管理も求められます。

一般的に1日の訪問件数は4~6件が妥当

訪問件数は1日に4~6件あたりが妥当でしょう。

労働時間は原則的に1日8時間とされています。8時間を分単位に修正すると480分になります。訪問リハビリは1単位20分から行うことは可能ですが、ほとんどの場合、1回の訪問にあたり2~3単位の40〜60分になるでしょう。

6件訪問の場合、すべて40分であれば240分、すべて60分であれば360分まで幅が生まれます。実際は、2単位と3単位が混ざっていることが多いため240分から360分の間が施術を行う時間となるでしょう。

訪問リハビリは、施術だけが仕事ではありません。基本的な雑務として、対象者の家まで移動する時間が必要だったり、記録の時間が必要だったりします。

移動時間だけ考えてみます。

たとえば、1日に6件訪問するとし、全ての訪問間に前後時間10分が必要であれば、70分かかることになるでしょう。

施術時間360分で移動時間70分だとすれば、合計で430分になります。労働時間が480分であれば、残り50分で記録などの仕事を全て終えなければならないのです。よって、訪問件数は1日に4~6件あたりが妥当だと判断しても良いのではないでしょうか。

参考訪問リハビリとは?理学療法士にとってその魅力とやりがいについて

訪問件数を増やすことにより、収入増のメリット

インセンティブ制を導入している事業所が増加しています。

訪問リハビリにおけるインセンティブ制とは、一般的に成果報酬金制度のことを指すと理解して良いでしょう。

インセンティブ制が導入されている環境では、ある一定の訪問件数を超えると成果報酬金が受け取れるので、それによって自分の生活を豊かにすることも可能です。

訪問件数が「少ない」場合のスケジュール

訪問件数が少ない時は、当然時間に余裕ができます。スキマ時間を事業所で過ごさなければならないというような縛りがなければ、ある程度は自由に過ごせます。自由時間があることは、純粋に嬉しいことでしょう。

インセンティブ制が導入されている場合は、訪問件数が少ないと条件の訪問件数を満たしにくくなるため、お金の面では焦りを感じる方もいるかもしれません。

ここまでは、労働者側のみの視点です。それのみに判断が偏ってしまうと良くありません。チームの視点が大切です。チーム医療やチームケアを考えるのと同様に、事業所も1つのチームです。閑散期で余裕があるのは良い面もありますが、経営的な視点からすれば利益の減少を引き起こしてしまう良くない状況です。個人はチームの一員であるという感覚を忘れずに仕事をすることが大切になるでしょう。

  • 9:00~9:30
    朝礼、申し送り、カルテ確認
    事業所に職員を集めずに自宅から直接、訪問先に迎えるという事業所もありますが、事業所に職員が集まり、決まった時間に朝礼を行うところがあります。申し送りも事業所内で会議のように行うところもあるでしょう。
    カルテについては、ICT化されていれば、配布されるタブレット等で確認できますが、手書きのカルテであれば事業所で各自確認することになります。
  • 9:50~10:30
    1件目 大腿骨頚部骨折の方のリハビリ
    大腿骨頸部骨折は、骨粗鬆症を疾患として持っている高齢者に多い骨折です。
    整形疾患の方を対象にする場合でも、基本的にバイタルサインの確認から始めるでしょう。訪問サービスは、基本的に1対1になります。さらに、リハビリを行う際にはその分のリスクを伴います。
    高齢者は多数の疾患を抱えていることが多く、バイタルを含、細かな配慮をする必要があるでしょう。
    大腿骨頚部骨折には、opeする症例と保存療法を行う症例があります。訪問リハビリの対象になるような高齢者の場合、保存療法が選択されることがあります。どちらにしても、荷重等を含めたリスクに十分注意を払いつつリハビリを進める必要があるでしょう。
  • 10:50~11:50
    2件目 脳出血の方のリハビリ
    脳出血の方は、循環器疾患であり、血圧等のバイタルを注意深く観察する必要があります。
    リハビリ前後にバイタルを測るのではなく、状況によっては運動項目毎にバイタルチェックしていく必要があるでしょう。
    脳出血疾患の方に限らないことですが、自宅内環境を症状や身体機能に合わせて設定することが大切です。
    訪問リハビリでは、段差や手すりの位置から始まり、時にはメモの書き方や靴下の選定に至るまで幅広く対応を求められることがあります。
  • 12:10~13:10
    お昼休憩
    訪問件数が少なく、時間に余裕がある時はゆったりと休憩できるでしょう。
    ランチに出かけることもできますし、仕事やスキルアップの時間に当てることもできます。
    休憩は、しっかりと休むことも大事でしょう。だからといって、次の仕事に遅れないように時間管理をしっかりすることが大切です。
  • 13:10~13:30
    カルテ入力
    訪問リハビリの記録は、早いうちに書いた方が良いです。時間が経過し、訪問件数を重ねるとほどにリハビリ内容の記憶があいまいになってしまうからです。
    時間がある時は丁寧な記録を心がけて自分の成長につながる意識を持つとより良いでしょう。
    自分自身の成長は、日々の記録から行うことができます。省略せずにSOAPを記載するだけでも、良い勉強になるはずです。
  • 13:50~14:50
    3件目 パーキンソン病の方のリハビリ
    訪問リハビリでは、パーキンソン病を含む神経難病で進行性の疾患を持つ方を対象にリハビリする機会もあることでしょう。
    症状の進行と共に、自宅内の生活の様子も変わっていきます。その都度、調整が必要になります。
    サービスの変更が生じることもあるでしょう。変化に応じた調整や対応力が大事になります。
  • 15:10~16:00
    帰社。カルテ入力、書類作成、ケアマネなどへの申し送り
    訪問リハビリは、カルテ入力の他にも業務が多くあります。
    たとえば、対象者が自宅で運動できるように体操メニューの書類を作成したり、必要に応じて他職種との連携を取ったりします。
    これらは基本的なことであり、他にも多くの業務があることでしょう。
    訪問スケジュールの作成や調整、指示書や情報提供書の管理などの業務を担当する場合もあります。
    時間に余裕があれば、ストレス少なく業務を処理できるでしょう。
  • 16:00
    退勤
    早めに退勤できれば、その後の時間を有意義に使うことができます。それは、人生を豊かにする要素の1つでしょう。
    しかし、訪問件数を増やしてインセンティブを狙うのであれば焦りを感じる要素の1つになり得ます。働く上で大切にすることは人それぞれであり、ストレスを感じる部分も変わることでしょう。
    自分に合った働き方を考えてみることが大切です。
    また、チームの一員という意識を持って、事業所の存続のためにどうするべきかをしっかりと念頭において行動することも重要になります。自分本位になりすぎないように注意しましょう。

訪問件数が「多い」場合のスケジュール

訪問件数が多い時は、気持ちが焦ります。特にカンファレンスがスケジュール間に入っている場合は、次の訪問に間に合うのかと心配になることもあるでしょう。

必ず時間に合わせなければいけない業務と、そうでない業務を意識して仕分けておくことが大切です。

たとえば、カンファレンスの場合、参加した段階ですぐに予定を伝えておくようにすると、訪問リハビリに必要な情報共有を適切にした上で、次の訪問に向かいやすくなるでしょう。

気持ちが焦ってしまうと、訪問途中に事故を起こしてしまうかもしれません。時間や精神のコントロールをしやすいように自ら調整することが大切です。

  • 9:00~9:30
    朝礼、申し送り、カルテ確認
    カルテについては、ICT化されていれば、配布されるタブレット等で確認できますが、手書きのカルテであれば事業所で各自確認することになり、時間を必要とします。
    訪問が多い日は、朝礼や申し送りなどを時間通りに全て参加せず、途中で切り上げて訪問に向かったり、そもそも参加しなかったりすることもあります。
  • 9:50~10:30
    1件目 COPDの方のリハビリ
    COPDの方の訪問リハビリでは、身体的なリハビリのみでなく、環境面を整えることが大切になります。
    たとえば、COPDでありながら、床生活の方もいます。その時、『床からの立ち上がり動作による呼吸苦が生じるため、イス生活に変更』と提案しても、イス生活に変更するための金銭が問題に生じてくるなど、さまざまな課題が出てくることがあるでしょう。
    できる支援方法を選択し、生活範囲の変更などの調整が必要になります。状況に応じた調整や対応力が大事になります。
  • 10:50~11:50
    2件目 変形性関節症の方のリハビリ
    生活期では、変形性関節症の方のリハビリを担当する機会は一般的に多いのではないでしょうか。
    高齢者の一人暮らし世帯は増加傾向にあります。変形性関節症を患いながら一人暮らしをしている方もいます。
    その時、リハビリのみでなく、生活を必然的に見なければならなくなるでしょう。一人暮らしの場合、痛みが生じても動かなければならない時があるのです。
  • 12:10~13:10
    お昼休憩
    訪問件数が多い場合は、休憩時間にも業務が入ってくることもあります。
    STEP5のように往診の同行などが入っていれば、その準備の時間も必要になることもあるでしょう。休憩は、しっかりと休むことも大事ですが、そうはいかない時もあるのが繁盛期です。
  • 13:10~14:10
    往診の同行
    訪問リハビリは、一般的に診療所や病院に付属しています。事業所の医師が診察して指示書出さないと報酬減算になるため、往診で理学療法士が同行して情報提供するという機会があるところもあるでしょう。
  • 14:30~15:10
    3件目 心不全の方のリハビリ
    訪問リハビリの対象者は幅広く、急性期からそのまま生活期に移行する方もいます。心疾患の利用者がいたとして、安定期ではない方が対象になる時もあるでしょう。
    訪問の場合、1対1になることが多いため、心疾患の方が対象になる時、バイタルチェックをきめ細かく行うことが特に重要になります。
  • 15:30~16:30
    カンファレンス
    内容はさまざまです。カンファレンスは、訪問リハビリ導入のためで、モニタリングやアセスメントのために開催されることがあります。
    時間がきっちり決まっていない場合が多いので、次の訪問の時間が迫っている場合は初めからそれを伝えてから参加するのが良いでしょう。
  • 16:50~17:30
    4件目 末期ガンの方のリハビリ
    緩和ケアなどに携わることもあるでしょう。しかし、全ての人が疼痛の緩和などを望みはしません。
    最後までトイレに絶対にいきたいという強い意志を持って、そのようにケアの方針を立てられている方もいます。
    その方が選択した人生に寄り添う気持ちが大切になります。
  • 17:50〜18:50
    帰社 ケアマネなどへの申し送り 訪問スケジュール管理 情報提供書管理 往診調整
    他事業の方が、事業所で残業しているとは限らないため、優先的に連絡を取る必要があるでしょう。また、管理業務を分担されている場合は重要な書類などを調整しなければなりません。優先順位をしっかりとつけて仕事に臨むことが大切です。
  • 18:50〜19:50
    カルテ入力、書類作成など
    1日に多くの業務をこなすと、利用者を思い出してカルテを書くのが難しくなります。さまざまな重要な情報を扱うため、カルテ記載のペースが遅くなることもあるでしょう。
    忙しい時ほど、リハビリ中に少しメモを取っておくなどの対策をすると思い出しやすくなります。
    残業をする際は、書類作成業務も、確実に今やらなければいけない内容かどうか吟味しつつ行いましょう。
    過剰な負荷は、思考力を低下させ、効率を下げてしまうので注意です。
  • 19:50〜20:00
    戸締り 帰宅
    最後まで事業所に残っていた場合、事業所の戸締りの仕事をしなければならない時があります。
    施錠はミスなく丁寧にしましょう。警備会社が入っている場合、ミスがあると警備システムが作動してしまうことがあります。

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訪問リハビリの働き手としてのリスク・懸念事項

訪問リハビリの働き手としてのリスク・懸念事項

訪問リハビリで訪問件数を増やし、インセンティブを狙うことは、金銭面でのやりがいを生みます。しかし、それはメリットだけではありません。

訪問件数を増やすことで、当然、仕事にかかる時間も増加します。また、訪問件数による歩合制が導入されている場合は、金銭面での変動が大きくなるでしょう。

訪問リハビリに限ったことではありませんが、どうしても契約数には変動があり、繁盛期と閑散期が存在します。

インセンティブ制や歩合制などで、努力次第で収入を上げられる制度は、収入の最大値を向上できるという点はメリットでしょう。

しかし、閑散期になった場合、訪問リハビリの契約数が少なくなります。その時、個人の努力ではどうやっても訪問件数を増やすことができない状況になることもあるでしょう。

リスク①:利用者の逝去、利用者減少

訪問リハビリの対象者は幅広いです。終末期の緩和ケアに携わることもあります。利用者の逝去を経験する場面も多いでしょう。その際の利用者減少は致し方ありません。

また、それのみでなく、訪問リハビリの目標として、通所系サービスへの移行を目指すケースは少なからずあるでしょう。訪問リハビリという事業は、その性質上、利用者数か変動しやすいのです。

リスク②:競合とのバッティング

契約している利用者のサービスが終了となるケースのみでなく、そもそも契約が取れないという問題が生じることがあります。

訪問リハビリは、活動するエリア内に競合の事業所が存在する場合があるでしょう。競合とバッティングしている場合、訪問リハビリの対象者を各事業者で取り合う環境になってしまいます。

そうなってしまうと契約を取りにくくなり、利用者数の減少を引き起こします。対応しているエリアが他事業所と近いほど、契約できる範囲が被ってしまい、バッティングの影響は強くなるでしょう。

リスク③:サービス提供回数

一見、毎日の訪問件数が多くあるように見えても、利用者の減少によって急激に延べ訪問件数も減少することがあります。

訪問リハビリは、1週間で対象者に6単位までサービスを行えます。契約している利用者に行うリハビリの単位数によって、訪問件数の増減に影響を及ぼすでしょう。

1週間に6単位を提供している利用者が多ければ、利用者の減少と共に訪問件数の減少も多くなります。逆も然りです。訪問件数のみでなく、利用者数を確認しながら、全体を見ることが大事になるでしょう。

解決方法:閑散期を見越した働き方

利用者数は、さまざまな影響を受けて増減します。閑散期が訪れることもあるため、それを踏まえて働き方を考えることが大切になるでしょう。

歩合制やインセンティブ制が導入されているのであれば、繁盛期に訪問件数を増やして収入アップを図ることで、閑散期による収入減の対策ができます。変動があることを見越して対応することが大切です。

また、閑散期で収入アップが難しいのであれば、副業を考えてみるのも1つの手段ではないでしょうか。

解決方法:訪問エリアと特色作り

競合とバッティングし、利用者契約数に影響を及ぼしている場合は、事業所の活動エリアの拡大をすることによる解決方法が1つの方法として考えられます。

動エリアを拡げると、訪問時間がより多くかかるというデメリットが生まれます。しかし、バッティングの影響から逃れられる可能性があるというメリットがあります。

うまく運営していく方法としては、バッティングエリア外のまとまった地域内で、複数同時・同日で契約を取ることでしょう。

その場合、1件目に訪問時間がかかったとしても、2件目や3件目へ訪問する時間を短縮することができ、効率的に移動が行えます。

また、事業所独自の強みを作っていくのも1つの方法でしょう。専門理学療法士や認定理学療法士などの資格を有して、他事業所と差別化を図ることで、より多くの契約を結べる可能性があります。

解決方法:訪問数だけでなく利用者数も確認する

訪問のスケジュールのみを確認すると、訪問数が印象に残りやすいでしょう。

しかし、訪問数は多くても、1対象者あたりの単位数が多い場合は利用者数が少ない可能性があります。その場合、利用者数が減少した時に訪問件数の大幅減少を引き起こす要因となるため、注意が必要です。訪問件数のみでなく、利用者数を確認しつつバランスを保つことが重要になるでしょう。

まとめ

訪問リハビリの訪問件数の相場は4~6件程度だと考えられるでしょう。

しかし、それが『自分に合った働き方』なのかという面と、『繁盛期と閑散期がある』という面を意識することが大切です。経営的な視点から考えれば閑散期が続くことは、危険です。繁盛期が続いている方が事業所の運営が安定するでしょう。

一概に相場の訪問件数から外れたから、良くないと思うのではなく、自分の価値観を含め、総合的に判断していくことが大事になるのではないでしょうか。

この記事を書いた人

らふき
さん

理学療法士9年目。山梨県内で新卒時点から介護業界で働き続け、通所系・訪問系・管理など様々な経験をし、現在はショートステイ併設の介護老人福祉施設に勤務。

経歴

  • 2012年:理学療法士資格を取得
  • 2012年~2013年:通所介護(デイサービス)で初のリハビリ業務
  • 2013年~2014年:通所リハビリテーション(通所リハ)へ異動
  • 2014年~2016年:再びデイサービス、そして中間管理職へ
  • 2018年~現在:介護老人福祉施設部門管理(一人職場PT)

資格

  • 理学療法士

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