理学療法士にとって「訪問リハビリはインセンティブで高年収」は本当か?

リハビリセラピストの働き方を考える
理学療法士
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訪問リハの求人票を見ると月30万+インセンティブ1件4,000円のように書かれているけど、実際はいくらもらえるのかイメージが付きにくい・・・。

訪問リハビリはインセンティブで高年収を狙えるという話を聞くことがあります。しかし、実際どの程度稼ぐことができるのか気になる方もいるのではないでしょうか。

インセンティブは、安定的に稼げるものではありません。

一般的に、訪問件数や単位数で報酬が決まるシステムが導入されていますが、訪問件数はどうしても変動してしまいます。訪問件数を増やしてインセンティブ収入を得たいと思っても、うまくできないことがあるのです。

今回は、訪問リハビリにおけるインセンティブ制ついて、中間管理職として働いていた私の経験から解説していきます。

記事のテーマ
  1. インセンティブ収入の見込み額と条件
  2. 年収500万を目指すためには?
  3. 訪問リハビリの求人票で見るべきポイント

質問があれば気軽にコメントください

訪問件数別インセンティブの相場

訪問件数別インセンティブの相場

一般的に訪問件数や単位数によってインセンティブの報酬額が決まります。その相場を知ることは、労働者として大切なことです。

相場より低い環境で働くと、長期的な収入に大きな変動が生じるでしょう。逆も然りです。

訪問件数を多くするほど、インセンティブ制が導入されている職場では報酬金が得られるでしょう。

しかし、インセンティブに頼って訪問件数を常に多くすると、労働時間が必然的に長くなってしまいます。また、条件によって立ち回り方が変わります。

相場を抑えつつ、自分に合った仕事の形を見つけていくことが大切になるでしょう。

相場といっても、居住地域によって給与には差が生まれます。今回は、東京都のデータを参考に紹介します。

1日の訪問件数が5件

1月に80件以上の訪問件数があると、約4,000円のインセンティブ収入が発生する事業所があります。事業所によっては単位で設定されておらず、訪問件数で決まっているところもあるでしょう。

訪問件数が月に81件になると1件あたり4,000円のインセンティブ収入が入るシステムであれば、1日に2単位の訪問を5件行うことでインセンティブが得られます。

10単位、つまり1日あたり200分のリハビリ時間で1日4,000円のインセンティブ収入が見込めるでしょう。

1日に4件の訪問を月20日行ったとして、月訪問件数が80件になるため、1日あたりの訪問件数が4件以上であればインセンティブが得られるという計算になります。

しかし、1件3単位で計算すると1日あたり5件の訪問で300分のリハビリ時間が必要になるため、基本的に1件あたり3単位の訪問が多いのか2単位の訪問が多いのかによって大きな差が発生するため注意しましょう。

1日の訪問件数が6件

1月に228単位以上の訪問件数があると1単位あたり約1,250円のインセンティブ収入が発生する事業所があります。1日あたりの訪問件数にすると1件2単位だとすれば6件、1件3単位だとすると、1日4件の訪問でインセンティブが発生します。

1日平均で11.4単位を超えた状態で月に20日の労働をするとインセンティブ収入が得られることになるでしょう。

単位数計算であるため、訪問件数より細かな調整が可能になります。訪問件数がインセンティブの条件である場合、2単位の訪問であっても、3単位の訪問であっても同じ1件の訪問として捉えられてしまいますが、単位数計算の場合は同一にされないからです。

訪問リハビリの場合、一般的に1件2単位以上を要することが多いです。1日に11.4単位以上必要であれば、1日に4~6件の訪問が必須となるでしょう。

1日の訪問件数1件

非常勤で1件の訪問あたりに約750円のインセンティブ収入が発生する事業所があります。非常勤勤務の時給とは別途支給という形で、インセンティブを出すというシステムです。

時給が2000円である場合、訪問件数に関わらず1時間に2000円の収入を得られますが、訪問件数によってインセンティブが得られる場合は、短いリハビリ時間の訪問で、訪問件数が多い方が収入は増加することになるでしょう。

2単位の訪問を3件行い、120分のリハビリ時間を要した場合は、時給収入の4,000円に加えて2,250円のインセンティブ収入が得られます。

3単位の訪問を2件行い、120分のリハビリ時間を要した場合は、時給収入の4,000円に加えて1,500円のインセンティブ収入が得られます。

このような変化が生じるため、インセンティブ発生条件による立ち回り方はそれぞれ異なってくることでしょう。

年収500万円以上を目指すには?

年収500万を目指すのであれば、平均して1月あたり41万6667円の収入が必要になります。

インセンティブ収入を得るためには、一般的に少なくとも1日に4件以上の訪問が必須です。1日に4件の場合は、インセンティブが発生する条件を満たすだけになってしまうため、収入を得ることを考えれば5件以上は必要になるでしょう。

インセンティブ収入を給与形態として提示している事業所のインセンティブを含めない給与額の最大値の平均は、約32万円程度です。

月給41万以上を目指すのであれば、1月あたり約9万円以上のインセンティブ収入を得られないといけません。

1件あたり4,000円のインセンティブ収入が得られる場合で計算してみます。この時、9万円を超えるためには22.5件の訪問件数が必要になります。

たとえば1月80件以上、1日あたり5件以上でインセンティブ収入が発生するという条件だったとしましょう。その場合、1日あたり6件以上訪問しなければ月収500万円に到達できません。

また、1月228単位以上、1日あたり11.4単位以上でインセンティブ収入が1,250円発生する条件だとします。その場合は、9万円を得るためには72単位分必要になります。

訪問件数に修正すると、2単位訪問であれば36件、3単位訪問であれば24件になります。

1月に20日労働するのであれば、1日あたり約5~7件の訪問を要するでしょう。

訪問リハビリでインセンティブ収入を得て月収500万円以上を目指すためには、一般的な訪問件数よりも毎日1件以上多くの訪問が必要になると予想されます。

訪問リハの求人票で見るべきポイント

訪問リハの求人票で見るべきポイント

自分に合った働き方を選択するためには、さまざまな労働条件や給与形態を理解した上で求人票を見る必要があります。

平均月給は地域差が現れやすいとされていますが、インセンティブ収入はエリアによって大きな差はありません。東京都では、1単位約750~2,000円のインセンティブが平均となります。大阪府では約500~1,650円、愛知県では約1,200円が平均です。

インセンティブ収入は制度を導入している事業所によって内容は変わるため、エリアで考えず事業所単位で考えるのが良いでしょう。

求人票で注目すべきポイントは、インセンティブ条件にも影響してくる労働条件や給与形態になります。

その①:基本給と手当と賞与を見る

訪問リハビリには、基本的に繁盛期と閑散期があります。

インセンティブ収入によって高収入を得ることは可能になりますが、閑散期の場合はどうしてもインセンティブ発生条件に到達できない時があるでしょう。

基本給や手当は、会社から告知されずに下げられるということはありません。なぜなら、法律違反になるからです。

閑散期でも安定した給与を得たいのであれば、基本給や手当に満足のいく事業所を選んだ方がよいでしょう。

賞与に関して、一般的には『基本給〇ヶ月分』と規定されていることが多いです。

しかし、インセンティブ制が導入されている事業所によっては「賞与はインセンティブ分を支給」とされているところがあります。

基本給ベースなのか、インセンティブベースなのかによって大きく条件が異なるためチェックする必要があるでしょう。

その②:年間休日数を見る

年間休日数は少ない方がインセンティブ収入を得ることを目標とする場合は良いでしょう。

休日数が多くても、休日出勤によって手当が支給されてインセンティブも狙えるという環境であれば良いですが、そもそも休日には訪問の予定が組まれていないのであればインセンティブ発生条件に到達するのは難しくなるでしょう。

訪問件数や単位数などを計算し、休日数も考慮した上で事業所を選ぶことが大切になります。

その③:平均の訪問件数を見る

インセンティブ収入を得ることを目的とするのであれば、訪問件数は多い方が良いでしょう。

事業所によって、1日あたりの平均訪問件数を示しているところがあります。4~5件であったり、5~7件であったりと平均はさまざまです。

もともと訪問件数が少ない事業所であれば、高インセンティブを狙うのは難しくなるため、確認する必要があるでしょう。

常勤・非常勤の求人応募の注意点

常勤と非常勤は、そもそも明確に区別される定義はありません。職場によって基準が異なることもあります。一般的には労働時間によって区別することが多いとされています。

労働時間が、1日8時間労働のいわゆるフルタイムより短い場合に非常勤と呼ぶことが多いでしょう。

たとえ高インセンティブだったとしても、労働時間が短くなるのであれば収入はそれに見合った金額となります。自分に合った働き方を選ぶために、インセンティブのみに目を向けずに労働時間についても考える必要があるでしょう。

高いインセンティブを払う事業所の共通点

高いインセンティブを払う事業所の共通点

インセンティブを高めに払う事業所は、全て同じではありませんが基本給以外の給与形態が不明確な場合があります。

基本給は低いという共通点はなく、その他の内容が記載されておらず、インセンティブの情報を詳しく載せていることがあるのです。

インセンティブ以外の情報は非常に大切になるため、必要に応じて確認をとった方が良い場合もあるでしょう。

その①:手当が不明確

インセンティブ制が導入されている事業所は、手当について記載されていない場合があります。

インセンティブ制が導入されていない事業所では、能力手当や固定の時間外手当などが明確に示されているところが比較的に多いです。

その②:賞与が不明確

賞与に関する記載が不明確な所が比較的多い印象を受けます。

一般的に賞与は基本給をベースに支給される会社が多いですが、インセンティブ制を導入している事業所ではインセンティブ収入を支払うタイミングを賞与としているケースがあります。

賞与の内訳はしっかりと確認する必要があるでしょう。

その③:給与が低め

インセンティブ制が導入されている事業所の基本給は低くありません。むしろ、インセンティブ制が導入されていない事業所より高めの基本給を支払っているところも多いです。

しかし、手当の関係で給与の総額は、低めに抑えられていることがあります。

また、賞与が基本給ベースである場合、基本給が高いほど賞与が高くなりますが、賞与の内訳が基本給ベースではない場合は賞与に関係しません。

インセンティブ制が導入されている事業所では、インセンティブを狙っていかないと年収が低めになってしまう可能性があるでしょう。

まとめ

訪問リハビリはインセンティブで高年収を狙えるというのは確かです。しかし、インセンティブの発生条件や給与形態はさまざまであり、内容を確認する必要があるでしょう。

また、訪問件数は常に安定しているとは限りません。繁盛期と閑散期の影響で変動することもあるのです。

訪問件数を増やしてインセンティブ収入を得たいと思っても、閑散期などの影響を受けてうまくいかないこともあるでしょう。

さまざまな条件をしっかりと理解することが大切になります。

この記事を書いた人

らふき
さん

理学療法士9年目。山梨県内で新卒時点から介護業界で働き続け、通所系・訪問系・管理など様々な経験をし、現在はショートステイ併設の介護老人福祉施設に勤務。

経歴

  • 2012年:理学療法士資格を取得
  • 2012年~2013年:通所介護(デイサービス)で初のリハビリ業務
  • 2013年~2014年:通所リハビリテーション(通所リハ)へ異動
  • 2014年~2016年:再びデイサービス、そして中間管理職へ
  • 2018年~現在:介護老人福祉施設部門管理(一人職場PT)

資格

  • 理学療法士

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