訪問リハへの転職 PTが事業所選びで気を付けるべき点とは?

リハビリセラピストの働き方を考える
理学療法士
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訪問リハで実力を付けたい。けど、ブラックな事業所が多いとも聞く。求人票では分からないから、事業所選びで気を付けるべき点を知りたい。

事業所選びで最も大切なのは『自分に合った』仕事を探すことです。そのためには、自分の中に求める価値の優先順位をしっかりとつけることが重要になります。

たとえ、ブラックな事業所であっても実力が付けられる環境はあります。しかし、誰しもがブラックな環境でも良いから成長したいとまで考えているとは限らないでしょう。

成長できても、身体の調子が悪くなってしまうような働き方をしていては元も子もありません。

そこで、今回は訪問リハビリにおける事業所選びの注意点について、中間管理職として働いた私の経験から解説していきます。

記事のテーマ
  1. ホワイトな訪問事事業所の特徴
  2. ブラックな訪問事業所で働いた失敗談
  3. ホワイトな事業所を選ぶための方法

質問があれば気軽にコメントください

ホワイトな訪問事業所の特徴・共通点

ホワイトな訪問事業所の特徴・共通点

ホワイトな事業所の労働条件には特徴があります。やりがいという面も働く上では重要になりますが、いわゆるホワイトと呼ばれる要素は、ほとんど条件で決まるといっても過言では無いでしょう。

やりがいとは、個人の感情によって変動します。たとえば、教育体制や勉強会の内容などにやりがいを覚える方もいるでしょうし、給与にやりがいを覚える方もいるでしょう。

ホワイトな事業所の特徴・共通点は、労働条件という目に見えやすいものによって決まります。その内容を以下に示します。

その①:残業が少ない

残業が少ないことは、丁寧に仕事配分がされており、時間管理も上手くいっているということを示しているでしょう。そのような事業所は、仕事中や仕事前後の予定が立てやすく、非常に働きやすいです。

訪問リハビリは、繁盛期と閑散期があるため、時によっては残業が必要になる時があるかもしれません。もしくは、歩合給やインセンティブ収入を高めに得たいという場合は、訪問件数の関係で残業が必要となる可能性があります。

しかし、毎日のように必然的に長時間労働を強いられる場合は、いわゆるブラックな職場になるでしょう。

一般労働者の時間外労働は、労働基準法の36協定というもので1ヶ月に45時間までと定められています。

もし、残業時間が月に45時間を超える場合、『36協定届』というものを労働基準監督署に届け出なければなりません。届出をしない場合、労働基準法違反となります。

そういった労働基準に対して意識されることなく残業を強いられる場合は、ホワイトな事業所とは言えないでしょう。

労働基準が意識されており、残業が少ないことはホワイトな要素の1つではないでしょうか。

その②:残業代が払われる

残業が発生した場合にしっかりと残業が払われる事業所は、ホワイト事業所である要素の1つになります。

残業はどうしても発生してしまう時があります。しかし、残業代が常に払われない環境はいわゆるブラック事業所でしょう。

実際に残業代を全く払わないという事業所も存在しています。そのような環境の場合、残業に対する意識がされなくなっていきます。

残業に対して意識しない環境は、時間に対して意識されない状況を作り出していきます。出勤時間や昼休み、退勤時間の全てにルーズになっていくでしょう。そうなると、残業代が払われない中、何時間でも残業をするという環境が作られていきます。

残業代がしっかりと払われる事業所であれば、そのような状況に陥りにくく、いわゆるホワイトな環境が持続しやすいです。管理者も、人件費の面から職員の残業を「良し」とはしないでしょう。

その③:訪問件数と訪問場所が安定している

一般的に訪問件数は6件程度までに収まっている場合は、ホワイト事業所ではないでしょうか。

たとえば、6件訪問の場合、すべての訪問時間が40分であれば240分、60分であれば360分の時間がかかります。だいたい240分から360分の間が施術を行う時間となるでしょう。

訪問リハビリは、施術だけが仕事ではなく、対象者の家まで移動する時間が必要だったり、記録の時間が必要だったりします。

たとえば、1日に6件訪問するとし、全ての訪問間に前後時間10分が必要であれば、70分かかることになるでしょう。

もし、施術時間360分で移動時間70分が必要であれば、合計で430分になります。労働時間が480分になるの、残り50分で記録などの仕事を全て終えなければならないということになるでしょう。

よって、訪問件数は1日に4~6件あたりが妥当であり、7~8件あたりが標準とされている場合は8時間労働を超えてしまう可能性があります。

また、訪問場所が遠ければ遠いほど、移動時間が必要になります。その場合、訪問件数が少なくても移動に時間がかかってしまい、他の業務に支障をきたすことがあるため、注意が必要でしょう。

訪問件数と訪問場所は、ホワイト事業所において重要な要素になります。

その④:業務負担配分と役職手当

役職がつき、責任や仕事量が増した場合に役職手当がしっかりとつくことは、ホワイトな事業所の要素の1つになります。業務負担配分が適切になされることもホワイトな要素になり得るでしょう。

責任や仕事量が増加した場合、身体的・精神的負担がかかります。その責任と役割に対する対価が役職手当です。

一般職であっても、業務負担配分がしっかりとなされない職場であれば、仕事量にムラが生じることがあります。また、役職がついていて責任を負う立場であるにも関わらず、手当が非常に少ない場合もあるでしょう。

このように、業務負担配分や責任と役割、その対価の判断が適切でない事業所はブラックである可能性があります。

仕事量のバラつきや、責任と役割のバラつきは、不平不満を生むでしょう。また、労働に対する対価も一定ではないことにります。

そのような職場では、役回りによってブラックラックな労働環境に陥ることが十分にあるのです。

業務負担配分と役職手当が適正であることはホワイト事業所の要素となるでしょう。

その⑤:訪問に使用する車が社用車

社用車を使用できる事業所はホワイトな事業所である可能性が高いです。

自家用車で訪問する環境が全てブラックということではありません。しかし、自家用車での訪問はさまざまな問題が生じる可能性があります。

たとえば、事故の処理や車自体の劣化です。事故の処理を処理する際、車の保険者は事業所ではなく運転者になるため、運転者の保険を使用することになります。事業所は、その事故のバックアップなどをすることになるでしょう。しかし、補償が全てされるとは限りません。補償については、就業規則を確認しましょう。

自家用車の使用は車の劣化を早めます。ガソリン代は支給されるところが多いかと思います。しかし、オイルの劣化やタイヤの劣化などを加味した補助がされるとは限りません。

このように、自家用車を使用する場合は、さまざまなリスクが生じるのです。

社用車を使用できる場合、保険者や車の管理者が事業所になるため、心配事や不満・不安が少なく済みます。社用車が使用できる事業所は、ホワイトな要素の1つとなるでしょう。

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ブラックな訪問事業所で働いた失敗事例

ブラックな訪問事業所で働いた失敗事例

ブラックな労働環境で働き続けると、身体的にも精神的にも負担がかかります。その結果、思考力が徐々に低下し、人生に影響を及ぼします。

ブラックな労働環境が全て悪いのかというと、そうではないでしょう。繁盛期や閑散期の影響もあったり、教育体制に力を入れていたりする場合もあります。

しかし、自分の身体を壊してしまっては元も子もありません。私の経験から、ブラックな訪問事業所で働いた経験談を以下に示します。

失敗事例①:残業時間が長く、かつサービス残業

とても分かりやすい失敗事例としては残業です。私は、残業時間が多いながら残業時間がいくら長くても残業代がいっさい払われないという労働環境で働いていました。

その環境で働き始めた時は、残業に対する意識の低さに違和感を持ち、なるべく残業をしないよう努力をしました。

しかし、残業に対して意識の低い環境は、時間に対して無頓着な状況を生み出します。さまざまな雑務がいくら舞い込んでも一切残業とみなされずコストがかさまないため、事業所としては、いくらでも仕事が増やすことが可能になるのです。

その結果、規定の時間より1時間以上早く出勤し、昼休みも仕事に当て、サービス残業を毎日4時間以上するのが通例となってしまいました。

そのような環境で働くと、お金もなく、時間もない状態に陥っていきます。思考力は低下し、考えられることが少なくなっていき、人生に悪影響を及ぼします。職場の残業に対する意識には注意しましょう。

失敗事例②:プレイングマネージャーとしてフルに働く

私は、一般職と同程度の1日7〜8件の訪問をこなしながら、管理を行う立場のプレイングマネージャーをしていました。

管理業務に時間を割かなければいけないのと同時に、訪問の仕事で時間が失われます。さらに、訪問場所が遠い場合には、昼休みの時間を移動に当てるというのもザラでした。

プレイングマネージャーは、一般職よりも、管理の仕事をするために残業する機会が生じやすくなるでしょう。その結果が失敗事例①になります。管理業務に携わるのであれば、ある程度は訪問件数を抑えていく必要があります。

管理業務にかかる時間を算出し、適正な訪問件数に抑えていかなければ、残業時間で管理業務をこなさなければならなくなるため注意する必要があります。

失敗事例③:自家用車で訪問

自家用車での訪問をする事業所で働く時、どの程度の金銭的負担をしてもらえるかが重要になります。私の勤めていた事業所では、自家用車で訪問する場合、ガソリン代のみ支給という条件でした。

しかし、実際の車を使用して消費されていくものはガソリンだけではありません。オイルやタイヤを含め、自家用車は劣化していきます。それに伴い、費用がかかります。

自家用車を使用した結果、出費が多くなり、思ったより稼げないという状態になりかねないのです。

ホワイトで働きやすい訪問事業所に転職するためには?

ホワイトで働きやすい訪問事業所に転職するためには?

自分に合った事業所を選ぶことが大切です。自分の求める価値に優先順位を付けてから転職活動に臨みましょう。

自分に合った転職サイトやエージェントを選ぶというのも1つの手段になります。転職サイトの雇用に関する情報から自分にとって大切な情報を整理して考えるのも1つですし、リアルな情報をエージェントに相談して得るのも1つの方法でしょう。

実際に働いている環境を詳しく知るために、OBやOGから情報を得るのも良いかもしれません。条件を重視するか、人間関係を重視するかなど、さまざまな方面から自分の価値観に合った事業所を探していくことが大切になるでしょう。

以下に、ホワイトな企業に転職するための方法をまとめました。

方法①:転職サイトで選定をする

転職サイトやエージェントの選定に始まり、その後、勤め先の選定をしていくという意識をすると良いです。転職関連の企業にも得意とする分野があり、紹介する案件は、全て同じではありません。

たとえば、特定の地域に特化している企業があったり、労働環境に特化している企業があったりします。

口コミが良いからなど、1つの要素のみで選ぶと自分に合った案件が選びにくくなるので注意です。転職サイトを選び、エージェントを利用するのであれば、自らの市場価値を見定めつつ、活動するのが良いでしょう。

エージェントに相談をすると、1人では見えてこない部分も見えてきます。それも踏まえて選定していくことは良い方法の1つになるでしょう。

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方法②:直接採用ページを見て、雇用条件を確認する

トップに出てくる給与のみに目を光らせてはいけません。その他の条件を含めて、自分に合った内容かどうか確認しましょう。

給与とは、さまざまな手当を含めた総合的な値です。たとえば、基本給のみでなく、年齢や等級が影響したり、手当が影響したりします。賞与は、一般的に基本給を元に決められますが、基本給ベースではなく、インセンティブ収入を賞与とするような条件もあるため、確認する必要があるでしょう。

給与面だけでなく、福利厚生や年間休日数、副業が有りか無しか、さまざまな条件があります。何を優先するかをしっかりと念頭において条件を見ていくことが大切です。

方法③:OBOGに会うためにSNSをする

採用条件を見たり、採用担当の方に話を聞いたり、転職エージェントから情報を得たりすることは大切です。

しかし、現場で働く環境というのはやはり働いてみたことのある人にしか分からない部分があります。そのため、実際に働いている先輩や働いたことのある経験者に話を聞くことは、極めて有効な方法の1つでしょう。

なかなか接点を持つのは難しいかもしれませんが、SNSなどを活用して情報収集をしたり、OBOGの方がいれば直接コンタクトを取ったりするのも有効ではないでしょうか。

SNSでの言動には気をつけるようにしましょう。良い方向に働くか、悪い方向に働くかは自己責任になります。使い方によってはマイナス要素となり得るため注意しましょう。

まとめ

注意するべき点は、『自分に合っている』かどうかです。しっかりと自分の価値観に優先順位を付けて選ぶことが大切になります。

時間であったり、お金であったり、教育体制であったり、人によって大切する価値観はそれぞれ異なるでしょう。

事業所に求められる価値を提供するという志を忘れず、自分の求める価値の基準をもって事業所選びに臨むのが大事になるのではないでしょうか。

この記事を書いた人

らふき
さん

理学療法士9年目。山梨県内で新卒時点から介護業界で働き続け、通所系・訪問系・管理など様々な経験をし、現在はショートステイ併設の介護老人福祉施設に勤務。

経歴

  • 2012年:理学療法士資格を取得
  • 2012年~2013年:通所介護(デイサービス)で初のリハビリ業務
  • 2013年~2014年:通所リハビリテーション(通所リハ)へ異動
  • 2014年~2016年:再びデイサービス、そして中間管理職へ
  • 2018年~現在:介護老人福祉施設部門管理(一人職場PT)

資格

  • 理学療法士

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