訪問リハビリとは?理学療法士にとってその魅力とやりがいについて

リハビリセラピストの働き方を考える
理学療法士
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訪問リハビリに興味はあるけど、どんな魅力だったり、やりがいがあったりするのだろう?1人で訪問してリハビリをするのは怖い気もする。やっぱり仕事は大変なのだろうか?

理学療法士にとって、訪問リハビリに携わることで得られるやりがいは大きいものがあります。それは、リハビリテーションの理念に関わる『生活や人生』といったものを直に感じることができるからといえるでしょう。

今回は訪問リハビリの魅力について、中間管理職として2年間働いた私の経験から解説していきます。

記事のテーマ
  1. 本質的なリハビリテーション
  2. 人生を豊かにする
  3. 必然的なスキルアップ

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理学療法士にとって訪問リハの魅力とやりがい

理学療法士にとって訪問リハの魅力とやりがい

訪問リハビリは、基本的に対象者の家を訪問してリハビリを提供します。

家とは、多くの人にとって、生活の大部分を過ごす場所になるでしょう。家を見ることで、その人の『生活や人生』を感じられるのです。

リハビリテーションの根幹である『生活や人生』に触れながら仕事ができることによって、リハビリ職としての役割や価値を直に感じやすい環境で仕事ができます。

人の生活が良くなる過程を間近で見られる経験は、魅力的でやりがいのあることではないでしょうか。

その①:家には人生が詰まっている

訪問リハビリは、人の家にあがることからリハビリが始まります。玄関に入る段階から、既に人生が垣間見えるのです。

たとえば、玄関に置いてある物やスリッパの有無などで、どのような生活をしているか想像ができるでしょう。

観葉植物が置いてあれば、それを管理している人は誰なのだろうかと想像します。スリッパがあれば、フローリングの多い家なのだろうかと想像します。

そもそも玄関から出入りをしていない家があったり、会社を構えていたりすることもあるで驚くこともあるでしょう。その人が、どのような価値観を持って人生を送ってきたのか、そしてこれからの人生を送っていくのかを感じながらリハビリを行うことは、とても豊かな時間になります。

その②:より良い生活をともに喜べる

訪問リハビリによる支援によって、生活の質が改善した時、その場で一緒に喜べる環境にあることは、非常に魅力的な要素の1つでしょう。

環境を整備してお風呂に入れるようになったり、ポータブルトイレから自宅の水洗トイレに行けるようになったりした時、その場に居合わせることができるのです。

喜びを分かち合えるというのは、人生を豊かにするものではないでしょうか。それを体験しやすいのが訪問リハビリの魅力の1つです。

その③:幅広く勉強ができる

疾患や生活背景を含め、訪問リハビリの対象者は幅広いです。訪問看護ステーションに勤務していれば、特別訪問看護指示書などで急性増悪した方を対象にリハビリすることがあります。

また、状態が安定している方を対象にリハビリすることもあるでしょう。

神経難病から整形疾患など対象者の疾患は幅広く、急性期から生活期に至るまで障害の状態も幅広く、それぞれに対応しなければなりません。

難しい部分もありますが、多くのことを学べる機会とも捉えられるでしょう。それも訪問リハビリの魅力の1つです。

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なぜ、理学療法士が訪問リハに携わるべきなのか

理学療法士にとって訪問リハの魅力とやりがい

もしかしたら、生活期のリハビリは作業療法士がメインとして関わるイメージが強い方もいるかもしれません。

しかし、実際は理学療法士や言語聴覚士まで幅広くリハビリ職が関わります。それぞれの専門性に加え、独自の得意分野を活かすべき場面があるのです。

対象者は幅広く、『自分らしく生きる』ために必要と感じるものは、みんな同じではありません。病期の幅広さに加え、その人なりの『より良い生活』の実現のために各専門職の力が必要になる時があるのです。

当然、理学療法士が生活期で価値を提供できる場面も多くあります。

理由①:リハビリテーションの理念に触れられる

対象者の『生活や人生』に関わり、尊厳を回復していく過程に携われる訪問リハビリは、リハビリテーションの理念に関わることのできる仕事の1つと考えられるのではないでしょうか。

その時、どのリハビリ職が優先されるということはないでしょう。大切なのは、対象者のより良い生活を共に作ることです。

理学療法士は、リスク管理をしながら運動機能を高めたり、環境を整えたりしながら、基礎的な生活動作から生活の質の向上を支援することが比較的得意です。

その特性は、対象者の病期が幅広い訪問リハビリの環境では必要になるでしょう。

リハビリテーションの根幹である『より良い生活や人生の実現』という部分においてニーズがあるからこそ、理学療法士は訪問分野に携わるべきだといえるのではないでしょうか。

理由②:地域包括ケアシステムの実現

地域包括ケアシステムとは、

重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されるシステム
引用:(地域包括ケアシステム 厚生労働省

のことを指します。

厚生労働省が2025年を目処に地域包括ケアシステムの構築を実現したいと発表していることは、周知の事実ではないでしょうか。

厚生労働省は、最期を迎える場所を視点の1つに据え、スウェーデンやオランダなどと比較して日本の病院で最期を迎える割合の多さを問題視しています。それは、見取りを行う場所が足りなくなってしまうという危機感のみでなく、『自分らしい生活』を最後まで続けることができるようにしていきたいという考えを基にした視点です。

理学療法士は、急性期から緩和ケアまで幅広い分野で支援が行えるため、地域包括ケアシステム実現のための役割を果たす価値を提供できるでしょう。

だからこそ、理学療法士が地域で働く意義は大きいのです。

理由③:直接的に関わることで見えることがある

訪問リハビリでは、何度も対象者の家を訪問します。そうすると、一度見ただけでは分からない生活の様子が見えてきます。

生活を知ることは、理学療法士の強みを活かすためのきっかけを得ることに他ならないでしょう。

たとえば、友人によってIADLの質を保っていたり、屋内の全ての移動を這うことで可能にしたりする人がいます。これは、生活を送る中でその人なりに問題の解消を図った結果の事象です。

対象者の価値観に合わせて、必要とされる理学療法の価値を提供するという本質的なリハビリテーションのできる場が、訪問リハビリといえるのではないでしょうか。

訪問リハに携わって良かったこと

理学療法士にとって訪問リハの魅力とやりがい

集中的なリハビリを行い、生活の質が向上したことを利用者さんと共に喜んだ経験や、緩和ケアに携わり、利用者さんと家族と共に人生の時間を共有した経験ができたことが私の人生において大きな資産となっています。

喜びを得られるだけでなく、人生を学べるという点が訪問リハビリの素晴らしいところではないでしょうか。

スキルアップという面でも良いところが多くあります。家屋環境内で環境整備を学びやすかったり、リスク管理が学びやすかったりします。

その他にも、訪問リハビリだからこそ学べることは数多くあると感じています。

経験談①:具体的な生活からリハビリを学べる

リハビリの対象者は、毎日同じ生活をしているわけではありません。少しずつかもしれませんが、日々生活の様子が変わっていきます。特に、新たに訪問リハビリのサービスを導入した場合であれば、なおさら変化しやすいでしょう。

身体機能の変化や環境調整による変化によって、その時々にリハビリ内容の調整が必要になります。

訪問系サービス以外のサービスに従事しつつ家屋評価に関わる場合、生活の様子が見えにくく、仮説検証がうまくいかないケースがあるでしょう。訪問リハビリでは、生活の様子が良く見えるため、その場で仮説検証を何度も行うことによって『より良い生活』を目指すという本質的なリハビリテーションをしやすい特徴があるのです。

本質的なリハビリを行うことによって、人生の喜びを感じやすいことは、理学療法士のやりがいにつながるでしょう。

経験談②:必然的にスキルアップできる

訪問系サービスは、通所系や入所系サービスと比較すると、対象者や他のサービス従事者に関われる時間が限られています。そのため、他職種等との連携の必要性が高くなります。

また、基本的に1対1のサービス形態になるため、リハビリを行う上でのリスク管理が非常に重要になります。

環境整備のスキルのみでなく、コミュニケーションやリスク管理といった面でもスキルアップしやすく、リハビリ職としての自信につながることでしょう。

経験談③:人生に最期まで寄り添う経験ができる

比較的若い方から、高齢の方まで幅広く人生に関わることができます。訪問リハビリの特徴の1つは、自宅で看取りを希望する方に最後まで支援者として関わる経験ができることでしょう。

人生の最期を迎える時の心の揺らぎ、家族との関係性や気持ちの変化など、理学療法士としてだけでなく、人生における良い経験を積むことができます。

家で看取るという覚悟から学ぶことは、きっと大いにあるでしょう。人生を学べることは、訪問リハビリの魅力の1つでもあります。

まとめ

訪問リハビリに携わることで得られる経験は、非常に多くあります。とても魅力的な、やりがいのある仕事です。

理学療法士としてのスキル、人生経験や成功体験など、得られるものが数多くあることでしょう。基本的に訪問系サービスは、1対1でサービスを行います。リスク管理という面で不安を覚える方もいるかもしれません。

しかし、事業所によっては理学療法士1年目から訪問リハビリに務める方もいます。適切な指導や管理のもとに学ぶことができれば、訪問リハビリへスムーズに適応できることでしょう。

訪問リハビリに興味があるのであれば、自分自身に制限をかけず、人生の選択肢の1つとして検討してみるのも良いのではないでしょうか。

この記事を書いた人

らふき
さん

理学療法士9年目。山梨県内で新卒時点から介護業界で働き続け、通所系・訪問系・管理など様々な経験をし、現在はショートステイ併設の介護老人福祉施設に勤務。

経歴

  • 2012年:理学療法士資格を取得
  • 2012年~2013年:通所介護(デイサービス)で初のリハビリ業務
  • 2013年~2014年:通所リハビリテーション(通所リハ)へ異動
  • 2014年~2016年:再びデイサービス、そして中間管理職へ
  • 2018年~現在:介護老人福祉施設部門管理(一人職場PT)

資格

  • 理学療法士

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