身体障害者施設の夜勤は辛い?介護士が直面する良くある苦労や問題とは?

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※画像はイメージです。
身体障害者施設の夜勤求人が気になる介護士
身体障害者施設の夜勤求人が気になる介護士

よく求人で身体障害者施設の夜勤の募集を見るけど、仕事内容って大変なのかな?出来れば昼間の高齢者介護の仕事を続けながら空いた曜日だけ働きたいんだけど、そんな事も出来たりするのかな?重労働が多いと体力的に厳しいから悩むところなんだけど。

『身体障害者の介護』と聞くと皆様はどのようなイメージをされますか?

『高齢者に比べて若い入居者の方が多そうだし、体の大きい方だと介助も出来るか心配。』、『意思疎通が難しいのでは?』など、どうしても大変そうなイメージが湧いてくるのではないでしょうか?

まして夜勤となると更にマイナスのイメージが追加されてしまう方も見えるのではないかと思います。

しかし、結論からいいますと、実はその逆。むしろとても働きやすい環境となっているんです。実は身体障害者施設と一言に言っても、その種類は多種多様なものとなっています。

また、法律の制定や改正に伴い、現在ではスタッフ配置の規定人数が定められている為、一人で大人数の方の対応をするという事もあり得ません。

現在では身体への負担が少ないことから、昼間の勤務とWワークされている方も多く見えます。

記事のテーマ
  1. 身体障害者施設での夜勤は慣れてしまえば昼間の勤務より身体的負担は少ない
  2. 自分に合ったスタイルで働くことが出来る
  3. 障害分野を知る事で介護士として大きくスキルアップ出来る

身体障害者施設の夜勤は辛い?

身体障害者施設の夜勤は辛い?

どうしても『夜勤』と聞くだけで『大変そう、キツそう』と思われてしまう方も多いと思うのですが、実は身体さえ慣れてしまえば昼間の勤務より夜勤の方が断然、身体への負担は少ないものになります。

夜勤に慣れてしまうと、昼間の勤務には戻れないと言われる方も多いのも事実です。ここでは私自身の体験を含め障害者施設での夜勤のメリット・デメリットを紹介していきたいと思います。

質問があれば気軽にコメントください

身体障害者施設における夜勤のメリット

日勤帯に比べ介助量が少なく身体への負担が少ない

まず1点目は、日勤帯に比べ介助量が少なく身体への負担が少ない事です。

身体障害者施設の日勤帯は、朝の起床・朝食介助から始まり就労支援の送り出しや買い物援助、イベントや入浴介助と本当に1日が慌ただしく過ぎていきます。気付けば自分のお昼ご飯を食べ忘れた、なんて事もあったり。

そんな慌ただしい日勤帯に比べ、夜間は全員が就寝されている時間帯なので基本行う事は限られており、仕事内容としては夜間の巡視や排せつ介助、体位交換がメインになってきます。

あとは記録の記入や見守りを行います。体力的に大変な介助は基本全て昼間に行ってしまうので、見守りが多くなる夜勤帯の仕事は身体への負担がとても少なくなります。

家事や育児と両立しやすい

2点目は、本業との両立がしやすく主婦でも働きやすい事です。

本業のお仕事をされながら、週末だけ、もしくは週に1~2回程度の夜勤で働いている方は現場では多く見えます。その理由は身体への負担が少ない事と、施設によっては仮眠時間がしっかりと設けられているところもあり、仮眠をとる事で翌日に疲れを持ち越す事も軽減出来ます。

また、夜勤帯は未就学児を持つ主婦にも人気となっており子供を寝かしつけてからご主人に見守りを任せ、出勤される方も見えます。

未就学児を持つ母親は、昼間はなかなか子供の預け先が見つからず働きたくても働けない方が多くなっています。しかし、夜勤帯では家族の協力さえ得られれば、しっかりと働く事ができ、また社会復帰した際に有利になる資格取得も目指せるのでメリットがとても多いものとなっています。

昼間とは異なる仕事があるため、スキルアップにつながる

3点目は、夜間の状態観察やチェックすべき点が昼間とは異なる為、自身のスキルアップを目指せる事です。

夜間は就寝中だから大丈夫、という事はなく逆に就寝中だからこそ気をつけなければいけない事も多くなります。状態が優れない方には小まめな訪室に加え、バイタルチェック(BT、KT、SPO2)も欠かせません。

夜間は身体的介護は少ないものの看護師は不在「オンコール対応」の施設も多いため、介護士であっても医療の面での知識が必要になってきます。自身で学ぶのもあり、先輩スタッフから学ぶもあり。

夜間は続けていくうちに状態観察の五感が培われ、状況に応じた的確な判断が出来るようになってきます。夜勤に慣れた頃には一回り介護士として成長出来ているはずです。

身体障害者施設における夜勤のデメリット

シフトの調整が難しい

1点目はこれは働く施設によると思いますが、急遽休みが必要になった時に勤務を代わってもらう事が難しい事です。

夜勤は、昼間勤務の方との勤務変更は難しく、どうしても夜勤帯勤務の方との勤務変更になる事が多いのですが、Wワークの方も見えるので代わりを見つけるのに苦労する事があります。

ただし体調がどうしても優れない場合などは、当日であっても施設側でシフトを調整してくれたりもするので『困った時はお互い様』という気持ちを忘れず、勤務のフォローをしあうといいと思います。

介助方法が異なるため臨機応変な対応が求められる

2点目は介助方法が障害者の方と高齢者の方では異なる事が多々あるので慣れるまでは少し大変に感じるかもしれません。

介助拒否の対応1つにしても、認知症の方へ行うような対応をすれば更に拒否は強くなる事もあり、介助方法でも高齢者の方と障害者の方では全く違う介助をしないといけない事も多々あります。

知的障害、自閉症、高次機能障害、ALS等、症状も個々で異なり、例えて言うならALSのような進行性の病気は病状も日々変化していき、昨日までは大丈夫だった介助方法も次の日には身体に激痛を与えてしまうこともあります。

日々変化する十人十色の介助に慣れるまでは、少し大変さを感じる事がるかもしれません。

身体障害者施設の働き方は昔より改善されている

身体障害者施設の働き方は昔より改善されている

戦後日本では福祉サービスにおいて様々な法制度が成立してきました。
生活保護法を始め、1993年には『障害者基本法』が制定されました。

それまでは、障害があることで社会から懸念され、偏見を持たれ続けていました。

しかし、ノーマライゼーションの理念に基づき2004年の法改正では障害のある方を『差別してはいけない』と定められ、それにより障害者のある方も生活がしやすくなりました。

これにより障害者施設の形態も増え、現在では障害のある方が自分の意志で施設を選べる時代になりました。それは働く自分達も同様です。

理由①:障害者施設の形態が増え、自分に合ったスタイルで働けるように

現在では、様々な施設形態が増えた事で働く側も自分のスタイルに合った施設を選択出来るようになりました。

個別ケアを目的としたユニット型の施設や、最近増えてきた訪問形態の施設。この訪問型の施設では決められた時間に利用者様の自宅(※施設のご本人様の居室の事です)へ訪問し介助を行います。

スタッフの人数も現在では法律上、入居者の人数に対して決められた人数を配置しなければいけない為、昔のような過剰な労働負担もなくなりました。労働時間に関してもシフトで柔軟に対応してくれる施設も増え、本当に現在の障害者施設は働きやすい時代になりました。

理由②:資格取得支援などにより、自身のスキルアップも目指せる

最近の身体障害者施設は、医療依存度の高い方や重度身体障害者の方に対応した施設が増えてきました。従来の障害者施設は医療介入や喀痰吸引が必要とされる方を受け入れられる施設は少なく、病院や在宅での生活を余儀なくされてきました。

しかし、近年では医療に特化した形の施設が増え、看護士が24時間対応出来る事で重度の障害のある方々も安心して施設で生活を送れるようになりました。

それに伴い、介護スタッフの医療介入も必要になってきており、法律上定められた研修や座学を修了することで介護士であっても喀痰吸引を行う事が出来るようになりました。

また、この資格取得に関しても施設により資格取得支援として費用を免除してくれる施設もあり、働く側としては資格も取れ自身のスキルアップにつなげる事が出来るとても大きなメリットとなっています。

理由③:賃金の待遇向上、手当金が貰えるように

以前より介護業界では賃金の低さが問題視されてきました。どんなに頑張っても賃金面で反映されてなければ働く側のモチベーションが下がってしまうのも仕方ありません。

その結果、介護職は離職率が年々高くなっていました。この急速な離職率を止めるキッカケになったのが『処遇改善金』と呼ばれるものです。

長期的な人員確保の為に国が打ち出した対策の1つです。ただし、この処遇改善金は個人に直接支払われるものではなく、所属する事業所へ支払われます。このお金は施設の環境整備などに充てたり、個人の給与へ分担され支給されたりしています。

また、最近では会社独自での給与ベースUPの見直しをしている施設も多くなってきているので、役職などがつけば更に給与の向上も見込めるようになってきました。

身体障害者施設の介護士に求められるスキルとは?

身体障害者施設の介護士に求められるスキルとは?

『介護士』は身体介助を行う以外にも、いろいろな役目が存在します。

入居される方々はそれぞれの人生があり、希望もあり、夢を持って生活されています。障害があろうとも健常者であろうとも悩んだり悲しんだりする気持ちはみな同じです。介護士に出来ることは、どうしたら本人が望む生活を送ってもらえるかを第一に考える必要性があります。

その中でも特に重要と思われる介護士としてのスキルを挙げてみました。

スキル①:『傾聴』する力

『傾聴』する事の重要さは障害者介護と限らず、高齢者介護でも同じ事が言えるのですが、個人的には障害を持たれている方の話を傾聴するという事は更に重要だと感じています。

その大きな理由が、『これからの人生』に悩むが多いからです。高齢者の方はいままで歩んできた人生がありますが、若くして障害を持たれた方には歩んできた人生よりも、これから歩んでいく人生のがはるかに長くなります。これからの人生考え不安な想いを抱きながら生活されている方も本当に多く見えます。

比較的時間に余裕のある夜勤では昼間には話さなかった悩みをポツリと口に出し、悩みを話される機会があります。

時間に少しでも余裕があるのであれば、そんな想いに寄り添い支える事も大切な仕事の一つではないかと感じています。

スキル②:観察力

現場経験がある方は、経験があるかもしれませんが人は昼間よりも夜間~明け方にかけて容体が急変する事が多くあります。

理由としては交感神経と副交感神経が入れ替わるタイミングや、気圧の変化とよく言われていますがハッキリとした理由は解明されていません。

また、夜間~明け方にかけて急激に体温が低下される方や、睡眠時の無呼吸症候群により心臓負荷がかかり心不全の兆候がみられる方も見えます。変化に早い段階で気付ける事で重症化を防ぎ、守れる命もあります。

些細な事でも軽視せず、状態の変化に注視観察していく事が重要です。

スキル③:緊急事態の的確な対応、チーム連携

施設での夜勤スタッフの人数は昼間に比べると、どうしても配置が少ない為、緊急時は迅速かつ的確な判断力が問われます。

障害者施設では一人にスタッフの手を全てもっていかれてしまう事で他の入居者様の二次被害へつながってしまうケースもあります。

吸引などの必要性がある入居者様の方は特に注意が必要です。

その施設によって緊急時のマニュアルが用意されているので必ず熟知し、誰がどう動き、誰が連絡し、誰が付き添うのか日頃からの徹底が重要です。緊急時はチームワークの重要性も問われます。

いつ何が起きても慌てないように夜勤であっても昼間のスタッフとの『報連相』をきちんと行い、連携をとっておく事がとても大切です。

障害者施設の夜勤と高齢者施設の夜勤の違いは?

障害者施設の夜勤と高齢者施設の夜勤の違いは?

障害者施設の夜勤と、高齢者施設の夜勤の違いはなんなのか?

働く上でとても気になる点だと思います。行う介助は二つとも似ていても、微妙に違う点が存在します。

私自身もずっと高齢者介護で働いてきたので最初は少し戸惑いました。しかし、考えてみれば違いがあって当たり前なんだと今では思っています。

これから働き始めようとされる方で、もしどちらにしようか悩まれているのであれば参考にしてもらえればと思います。

違いその①:夜間であっても同性介助が必要

必ず全員が同性介助を求められるわけではないのですが、高齢者施設と比べれば圧倒的に障害者施設でのが同性介助を希望する方は多くなります。

また、高齢者施設では昼間は同性介助で対応していても夜間は異性でも介助を行う事が多いのですが、障害者施設では夜間であっても同性介助必須の方もみえます。

違いその②:夜間徘徊される方は見えず自室でゆったりと過ごされている

高齢者施設の夜勤では認知症の症状により、夜間徘徊をされる方が多いのですが障害者施設では認知症の方はほとんどみえない為、夜間は自室にて皆ゆったりと過ごされています。徘徊による転倒に気を付けながら業務をしなくていい分、働く側もゆったりと仕事に取り組む事が出来ます。

また、なかなか眠れない入居者様とのコミュニケーションをとれる時間にもなるのでお互いの信頼関係を築いていく大切な時間にもなります。

違いその③:女性であり、男性であるという事

私が障害者施設の夜勤を始めて、高齢者施設との大きな違いに気づいたのは女性であり、男性であるという事でした。

中々、この意味を言葉で表現するのは難しいのですが、例えていうなら女性であれば恋愛や結婚といった悩み、男性であれば仕事や賭け事の話など、高齢者施設ではなかなか出会いにくい話に遭遇する事が多くあります。気になる男性スタッフを巡り、女性入居者様同士で関係が険悪になるケースもあります。

夜間はそんな恋愛の悩みを聞くこともよくあります。

自分達介護士は、その時々に応じて介護士であると同時に、同じ同性としての対応を障害者施設では必要なのではと思います。

【実体験】身体障害者施設の夜勤で起こったこと

【実体験】身体障害者施設の夜勤で起こったこと

ここでは、障害者施設の夜勤で働いた際、印象的だった経験を紹介します。

事例①:Aさん 女性 53歳

大声暴言から一転、まるで別人のように

知的障害、難聴があり、生まれつきの疾患から両目の視力はうっすら見える程度のAさん。Aさんは、昼夜問わず大声やスタッフに対しての暴言があり、夜間はAさんの大声で他の居室の方が寝れなくなってしまう事も度々ある程。どうにかならないとスタッフ間で話し合い、出来る限りの対応をしてきたのですが全く改善されませんでした。

ただ、いろいろな対応をしてきた中で1つ分かった事はAさんは誰かが隣にいれば大声は出ないという事。

しかし、昼間の勤務ではずっとAさんの隣に居ることは人員上も不可能だった為、夜勤帯の空いた時間には出来るだけAさんのベットの横でスタッフが交代で待機するようにしてみました。

すると、開始から2週間過ぎた頃からスタッフへの暴言はほとんどなくなり、大声もスタッフがずっと隣に居なくても声掛けすることですぐにおさまり笑顔も多くなってきました。今思うのはAさんは『スタッフの存在の確認』がしたかったのだと思います。

目が悪いことで、自分の周りに誰もいないように感じてしまい不安で仕方なかったのではないかと思います。
今では毎日落ち着いて過ごされています。

事例②:Bさん 男性 19歳

居室のトイレで倒れているのを発見

自閉症のBさんは、もともと便秘気味で薬も服用されているのですが、ひどい時では10日間以上排便がないこともありました。

そんなある日の夜間、居室からドタン‼と大きな音がし訪室するとBさんが居室内のトイレで倒れており、顔面は蒼白、冷や汗もポタポタたれる程。

便器をみると、びっくりする程の大量の排便がありました。

一気に大量の排便をした事で腸壁の迷走神経を刺激してしまい、血圧が一気に下がってしまったのが原因でした。

幸い、Bさんはしばらく休む事で回復し転倒によるケガもなかった為、大事にはなりませんでした。もし頭をぶつけていたり、発見が遅れていたらと思うと本当に今でも怖くなります。

事例③:Cさん 女性 29歳

スタッフのために手作りのバースデーカードを夜通し作る

軽い知的障害と子供の頃の病気により右手に麻痺のあるCさんは、とても明るくみんなを笑顔にさせてくれるような方でした。何をするにも協力的でイベントのもしっかりと参加してくれていました。

そんなCさんは昼間は就労支援に行かれている日が多く、帰ってきた日は疲れてしまうのか早めに眠られていました。

しかし、ある1週間ほどは夜間遅くまで部屋の明かりを付けて何かをされているようでした。数日後にその理由が分かったのですが、実はある夜勤スタッフが誕生日だった為に手作りのバースデーカードを作っていてくれていました。

本人に聞くと夜の間に作業をしいていたとの事でした。麻痺がありつつも、スタッフを想い懸命に作ってくれた事に、本当に頭が下がる思いをしました。

まとめ

いかがでしたか?想像していたよりも障害者施設での夜勤は大変ではない事がご理解頂けたのではないでしようか。法律の制定や改正により昔とは比べものにならないほど働きやすい環境になりました。

今まで高齢者介護でずっと働いてきた方も、身体障害者施設で働くことで改めて学ぶ事は山ほどあります。

さらに、障害者施設の夜勤で働く事で医療面での知識を得る事もでき資格取得への道も大きく広がります。

とてもメリットの多い身体障害者施設での夜勤、この機会に是非始めてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

コトコト子猫

28歳の頃、昔から携わりたかった福祉の仕事に就くため、ホームヘルパー2級の講座を受講する。

資格取得後は知り合いの紹介を経て有料老人ホームに就職。そこではチーフ業務から新人育成までを経験。32歳の時に認知ケア指導管理士の資格取得、33歳の時に結婚。妊娠8か月頃まで現場で勤務をしながら実務者研修に通う。

34歳で介護福祉士を取得する。現在は家庭と両立がしやすい夜間の訪問介護と障害者施設の夜勤専属として勤務している。

経歴

  • 2011年1月~2014年12月:有料老人ホームに就職
  • 2014年1月~2016年10月:人材派遣会社の営業兼介護職員
  • 2016年12月~2017年8月:人材派遣会社のアルバイトとして再就職
  • 2017年8月~現在:介護福祉士の資格を取得し、身体障害者施設に転職

資格

  • 介護福祉士

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