【経験談】理学療法士が心臓リハビリテーション指導士を取ると仕事にどう活かせるか?

資格
心臓リハビリテーション指導士に興味があるPT
心臓リハビリテーション指導士に興味があるPT

元々、心臓リハビリをしていたけど、難しくて、心臓が悪い人に対して、リハビリのオーダーは出てくるけど、どのようにしたらいいのかいまいちわからないな。心リハ指導士を持っている先輩は知識もあるし、仕事もよくできるし、心リハ指導士とってなにかかわるのかな、自分も取ってみようかな。

心臓リハビリテーション指導士という資格をご存じでしょうか?一度は耳にしたことはあるかもしれません。理学療法士が心臓リハビリテーション指導士の資格を取得して、どのように活かせるか、メリットやデメリットなどを簡単に紹介しようと思います。

リハビリテーションの中でも専門的な分野であり、あまりピンとこないかもしれません。資格を取得しようと思っている方や何かスキルアップをしたいと思っている理学療法士の先生に参考になればいいと思います。

記事のテーマ
  1. 心リハに携わる理学療法士は心臓リハビリテーション指導士を取得していた方が良い
  2. 知識の幅が広がり、自分の専門性をアピールできるため、転職に有利
  3. 金銭面、時間などのデメリットも大きい

なぜ、理学療法士が心リハ指導士の資格を取るべきか?

なぜ、理学療法士が心リハ指導士の資格を取るべきか?

心臓リハビリテーション指導士は運動生理学や心臓病学などの知識もあり、運動に伴う循環動態の変化について理解しており、安全にかつ効果的に運動を処方できるのが強みでもあると感じます。

近年、高齢化社会であり、生活習慣病などを持っている方は多く、病院においても、整形外科疾患、呼吸器疾患においても、高血圧、糖尿病、脂質異常症を持っている方も多いため、心臓リハビリテーション分野の知識も必要になってくると考えます。

質問があれば気軽にコメントください

心リハ指導士の資格を取るべき理学療法士

心リハ指導士の資格を取るべき理学療法士

心リハ指導士の資格はすべての理学療法士が取るべき資格というわけではありません。

経験則から、心リハに携わる理学療法士は心臓リハビリテーション指導士を取得していた方が良いですし、知識の幅が広がり、自分の専門性をアピールできるため、転職に有利です。

どんな理学療法士が心理リハ指導士の資格を取得するべきでしょうか。私の経験を元に以下に解説します。

その①:呼吸器や循環器疾患を多く、担当し、循環器系の知識を増やしたい人

はじめに、理学療法士は、心臓リハビリテーション指導士をとるべきではなく、取得したい人が取ればいいと思います。取得しても活かせない職場や環境もあり、時間もお金もかかります。無理にとる必要はなく、向上心や志を持っている人などが進んで取得していくことで、心臓リハビリテーション指導士の活躍や仕事の幅、知名度なども上がり、心臓リハビリテーション学会の活性化に繋がるのではないかと思います。

急性期病院での勤務しており、呼吸器や循環器疾患を多く担当しており、循環器系の知識を増やしたいと思う理学療法士は取得することをお勧めします。取得にあたり、勉強する範囲は広く、医師や看護士、栄養士などの分野の知識に加え、解剖運動生理学などがあります。

しかし、どの知識も、理学療法士が活躍できる現場である、急性期、回復期、維持期においても、すぐに実践に活かせると思います。私自身、臨床と照らし合わせ、勉強していき、すぐに使える知識が多いように感じました。

そのため、心臓リハビリテーション指導士を取得することで、循環器、呼吸器疾患の患者さんに、なにをしたらいいのか、疑問や不安も軽減され、理学療法士が臨床での最低限の知識は網羅できると感じるため、自分自身のスキルアップや自信にも繋がるため、取得することをお勧めします。

その②:心臓リハビリテーションに携わっている理学療法士

心臓リハビリテーションに携わっている理学療法士は取得を考えてもいいかも知れません。外来でも入院でも心臓リハビリテーションがありますが、資格を持っているだけで、患者さんやスタッフなど、その周りの方の不安もない人よりは、和らぎ、信頼関係の構築にも繋がると考えます。

実際に運動処方などを資格取得前に経験をさせていただきましたが、資格を取得後では、考えかたや見る視点などが違った印象を覚えています。しっかり自分の中で、落とし込んで、これなら安心して、効率的で効果的な運動を行なえると、思えることも多くなりました。

診療報酬の話ではありますが、今後、心大血管のリハビリテーションの算定も心臓リハビリテーション指導士を取得している、等の噂も小耳に挟んだりしました。

また、日本心臓リハビリテーション学会は「心大血管リハビリテーションを行う際に心臓リハビリテーション指導士を取得していることは診療上持っていることがふさわしいと記載されています。」とされています。

そのため、心身ともに余裕があり、心臓リハビリテーションに従事している理学療法士は取得を考えても良いかもしれません。

心リハ指導士の資格取得した時のメリット、デメリット

心リハ指導士の資格取得した時のメリット、デメリット

心リハ指導士を取得するとどんなメリットがあるのかわかれば行動に移しやすいですよね。

私の場合は臨床で呼吸器疾患の患者さんと接する中で、一番は自分自身の知識不足を感じ、行動に移しました。

また、メリットがあるからには多少デメリットもあります。私の経験を元に以下に解説します。

メリット

メリットとしては、1つ目に、動脈硬化性疾患の発症予防から治療ならびに再発予防に至るまでの知識を幅広くカバーでき、脳血管疾患の患者さんに対しても動脈硬化の進行予防の視点から指導できることです。

心臓リハビリテーション指導士ならではであり、それに加え運動生理学、運動心臓病学を理解しており、運動時の循環動態の変化を理解でき、安全にかつ効果的に運動や生活指導をできるという強みがあります。

2つ目としては、転職などに有利な場合があることが考えられます。

心臓リハビリテーション指導士は、合格に際して、やや難易度も高くと言われており、取得している理学療法士も全体の割合からしてみると、少ないのが現状です。転職の際に、自分のアピールポイントにもなり、客観的に見ても、このような専門性を兼ね備えていると、相手側からすると、わかりやすく、転職の際にも有利になることが考えられます。

3つ目に心臓リハビリテーション指導士を取得していないと、施設基準や保険請求に影響を及ぼす可能性があるということです。

心リハ施設開設に関して、人員スタッフの条件などに、心臓リハビリテーション指導士研修を受けたものと記載されていますが、これは、指導士資格をもって研修を修了と記載されているため、場合によっては、保険請求に影響を及ぼす可能性が出てきます。

デメリット

1つ目に、金銭的な面が関わってきます。

まず、試験を受けるのについても、学会の会員に入っていること、研修に参加し、単位を取得する費用、そして、学会の主催される場所によりますが、最終日の公衆の費用や受験料、そして、宿泊費、交通費がかかります。私はざっと計算して、10万くらいはかかっと思います。

2つ目に、時間を要することです。

10症例の症例レポートの作成や研修、や学会参加があり、取得しても、資格の更新のため、学会参加や研修会の出席などが必要になってきます。

試験に向けての勉強では、週に約10時間程度の時間を要しました、日々の勉強については、人それぞれによりますが、私は医師、看護師の専門分野、病態についての知識など、覚えることがたくさんあったことを覚えています。

後輩は、勉強をあまりせず、不合格となり、翌年に合格をしていました。したがって仕事やプライベート、家庭などで忙しいと少し、大変なことも考えられるので、早いうちにコツコツと計画的に勉強することがいいと思います。

【経験談】心リハ指導士を取ってどう活かせるのか

【経験談】心リハ指導士を取ってどう活かせるのか

心リハ指導士を取得したことで呼吸器疾患の患者さんの見方が広がりました。それは資格を取るために基礎知識から臨床に直結する実践的な知識まで学ぶことができるためです。

心リハ指導士を取得しなくても自己学習をすすめることは可能ですが、私の場合は心リハ指導士の勉強をきっかけに知った知識が、現場に役立つことが多かったと感じます。ここでは心リハ指導士を取って臨床でどのように活かせるのか私の経験した症例を元に解説します。

症例①:労作性狭心症

診断名 労作性狭心症(LMT90%、LCX70%)
既往歴 痛風、高血圧、糖尿病
経過・現病歴手術当日に、心肺停止、緊急手術、VF波形でありDC施行・エピネフリン投与、PCPS導入され、同日緊急でCABG施行された。
術後、3日目に、自己心迫見られ、5日目に、リハビリ開始、抜管なども進み、一般病棟で、その後心不全増悪傾向を認めた。
今後の心不全管理、内服調整・リハビリテーション継続し、今後は復職を目標とされる。
心機能左室全体の収縮能は著明に低下(LVEF:20%)
血液検査BNP 547
運動耐容能PeakVO2 11.9

介入ポイント

症例のキャラクターや治療に対しての姿勢なども重要になってきます。生活の不摂生や治療に非協力的では、リハビリも思うようにすすまないこともあります。そのような時は一度、チーム内カンファレンスで検討するべきだと感じます。

症例①は自覚症状に乏しく、過活動により、心不全の悪化を認めていました。運動強度をHRにて管理しており、HRの上昇を抑えながら心リハ介入。BNPの低下、CPXにてATを選定し、それに伴った運動強度を設定、その後、入院中に、HRや活動量をモニタリングできる機器を配布し、過活動などになってないかを確認し、指導しました。

退院時PeakVO2 19.6と改善見られ、無事復職されました。

このように、患者が安全に運動できる負荷量を設定することや、デバイスなどを用いて、患者指導などに活かすことができます。

症例②:陳旧性前壁中隔心筋梗塞

診断名 陳旧性前壁中隔心筋梗塞
既往歴 2型糖尿病、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、膵尾部癌
経過・現病歴糖尿病コントロール中、その後、膵尾部癌に対して開腹手術予定となっていたが、心電図変化が見られ、緊急PCI施行。
その後膵尾部癌に対して、開腹手術施行。その前後で抗癌剤療法を併用された。その後、外来心臓リハビリテーションを開始。
心機能LVEF 62%  E/A (0.7) E/E` 13.1
血液検査BNP 25.6 クレアチニン1.53 LDLコレステロール 46.0 HbA1c 7.9
冠危険因子高血圧症、喫煙は 5本/日を継続
その他四肢末梢に感覚障害

介入ポイント

CPXから運動処方を算出しています。患者自身は、一人暮らしであり、やや生活習慣も不規則、喫煙もあります。そして、心機能自体はPeakCPKもそこまで高くなく、心不全などのリスクも高いわけではない印象ででした。

今後の合併症などの予防のために、理学療法士が中心となって、医師を通じて、各専門職への依頼を提案しました。

一人暮らしであり、栄養面に関しては、栄養士への介入を医師に依頼。次に、糖尿病によるフットケアや皮膚観察などのケアについての指導を、専任の看護師に依頼しました。

そして、運動習慣がないため、心拍数モニターを配布し、週に2~3回、決められた心拍数を目安に、歩行と下肢のレジスタンストレーニングの指導を実施。

その後、BNP、HbA1cの大幅な改善が見られ、今後の癌治療などにも取り組みやすくなりました。

心リハ指導士を持っている理学療法士が、積極的に、各専門分野の職種に依頼をし、包括的に、患者にアプローチしていくことが重要です。入院から退院まで、密に関われる理学療法士の見せ所であると考えます。

症例②:大動脈解離

診断名 大動脈解離
既往歴 COPD
経過・現病歴大動脈解離スタンフォードA型、緊急手術、その後、人工呼吸器挿管し、抜管するが、呼吸不全により、再挿管。肺炎なども見られ、気管切開となった。
リハビリテーションは、再挿管に際に開始されていた。
呼吸機能1秒率60% 肺活量70%
血液検査CRP11.5mg/dL 白血球15400/μL
MMT2/2 筋委縮+

介入ポイント

COPDがあり、人工呼吸器の抜管に難渋しており、医師と連携して、呼吸器の設定に合わせ、呼吸循環動態を確認しながら離床+呼吸器の離脱を図りました。

肺炎や多臓器不全、創部感染も見られ、全身的に衰弱傾向。ここでは、下肢の関節運動一つにしても、患者にたいしての負荷量の調節が大切です。

換気量、呼吸努力、血圧、心拍数の数字には、注意して実施。特に、端座位などの離床などにおいては、医師と連携して、細心の注意を図って、理学療法士が中心となって進めました。

やはり、重度の疾患に対してのリハビリでは、運動時の呼吸循環動態の把握や理解などを得意とする心リハ指導士の腕の見せ所です。

まとめ

以上、私が感じた心臓リハビリテーション指導士についての紹介でした。取得までに、症例レポートや研修など、少々大変なこともあり、問題も比較的難しく感じましたので、合格した際には、大いに喜んでもいいと思います。

私は大変嬉しかったです。上述でも述べましたが、資格の取得は絶対ではありません。

しかし、心臓リハビリテーションに携わる理学療法士は資格を取って損はないと感じました。ご一読していただきありがとうごいました。

この記事を書いた人

mitunari
さん

四年制大学を卒業、様々な疾患について勉強したいと思い、地元から少し離れた総合病院へ就職する。その中で、超急性期でのリハビリテーション、心臓疾患、呼吸器疾患などの分野に興味を持ち、県内の高度な医療が備わっている病院へ転職する。
現在では、呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士の資格を取得し、緊迫した医療現場で日々リハビリテーションを実施している。

経歴

  • 2007年:理学療法学科 卒業
  • 2007年~2012年:総合病院(回復期・急性期病棟)に勤務
  • 2012年~2017年:総合病院(急性期病棟)へ転職
  • 2017年~現在:総合病院(超急性期病棟)へ転職

資格

  • 理学療法士
  • 呼吸療法士
  • 糖尿病指導士
  • 心臓リハビリテーション指導士

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